2026年版・3-5

株主代表訴訟・役員の責任の一問一答

ビジネス実務法務検定試験®2級「法的紛争の予防とコンプライアンス」から、株主代表訴訟・役員の責任に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-5

取締役の会社に対する任務懈怠責任に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①取締役がその任務を怠り、会社に損害を生じさせた場合、会社法上、当該取締役は会社に対して損害賠償責任を負う。
  • ②取締役の会社に対する責任は、取締役が故意に会社に損害を与えた場合に限り発生し、過失による場合には一切発生しない。
  • ③取締役の会社に対する損害賠償責任は、当該取締役が退任すると同時に、当然かつ自動的に消滅するものである。
  • ④取締役の会社に対する損害賠償責任は、株主総会の普通決議のみによって、いつでも自由に免除することができる。
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正解 ①取締役がその任務を怠り、会社に損害を生じさせた場合、会社法上、当該取締役は会社に対して損害賠償責任を負う。
解説
会社法423条は取締役の任務懈怠責任を定めており、任務懈怠と損害発生との因果関係が認められる場合に責任が生じる。

他の選択肢の誤り:
・任務懈怠責任は過失による場合にも生じ、故意の場合に限定されるものではない。
・退任後であっても在任中の任務懈怠に基づく責任は当然には消滅しない。
・責任の全部免除には原則として総株主の同意が必要であり、普通決議のみでは足りない。
問23-5

取締役の経営判断に関する「経営判断の原則」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①経営判断の原則とは、判断の前提となる事実認識の過程や、意思決定の内容に著しい不合理がない限り、善管注意義務違反を認めないとする考え方である。
  • ②経営判断の原則とは、取締役が行った経営判断について、結果として会社に何らかの損害が生じた場合には常に必ず責任を負うとする考え方のことをいう。
  • ③経営判断の原則とは、取締役会の決議を経ずに行われた業務執行について、事後的にその効力を一切認めることはないとする考え方のことをいう。
  • ④経営判断の原則とは、取締役会の決議を経た業務執行判断にのみ適用され、代表取締役が単独で行った判断には及ばないとする考え方である。
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正解 ①経営判断の原則とは、判断の前提となる事実認識の過程や、意思決定の内容に著しい不合理がない限り、善管注意義務違反を認めないとする考え方である。
解説
裁判所は経営判断について取締役の裁量を尊重し、判断過程・内容に著しい不合理がある場合に限り善管注意義務違反を認める傾向にある。

他の選択肢の誤り:
・結果責任を問う考え方ではなく、判断の過程・内容の合理性に着目する考え方である。
・取締役会決議を欠く業務執行の効力の問題とは別の、善管注意義務違反の判断枠組みに関する考え方である。
・経営判断の原則は取締役会決議を経た判断に限定されず、代表取締役が単独で行った業務執行判断にも及び得る考え方である。
問33-5

株主代表訴訟の提訴権を有する株主の要件に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①公開会社では、原則として6か月前から引き続き株式を有する株主が、会社に対して取締役の責任を追及する訴えの提起を請求できる。
  • ②株主代表訴訟は、当該会社が発行する株式の総数の過半数を保有する株主のみが常に提起することができる訴訟のことをいう。
  • ③株主代表訴訟は、株式をたとえわずか1株だけでも保有していれば、保有期間にかかわらず常に提起することができる訴訟のことをいう。
  • ④株主代表訴訟は、総株主の議決権の100分の3以上を有する株主でなければ、提起することができない訴訟のことをいう。
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正解 ①公開会社では、原則として6か月前から引き続き株式を有する株主が、会社に対して取締役の責任を追及する訴えの提起を請求できる。
解説
会社法847条は公開会社について6か月の保有期間要件を定めており、非公開会社にはこの期間要件は課されていない。

他の選択肢の誤り:
・株主代表訴訟の提起に持株比率の要件はなく、少数株主でも単独で提起できる単独株主権である。
・公開会社では保有期間要件が課されており、保有期間を問わず常に提起できるわけではない。
・株主代表訴訟の提訴権に持株比率の要件はなく、会計帳簿閲覧請求権のような100分の3以上の持株比率要件は課されていない。
問43-5

株主代表訴訟の提起に至る手続の流れに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①株主はまず会社に対して取締役の責任を追及する訴えの提起を請求し、会社が60日以内に訴えを提起しないときに自ら訴えを提起できる。
  • ②株主は会社への事前の提訴請求を全く経ることなく、いきなり取締役個人に対して直ちにかつ自ら直接代表訴訟を提起しなければならない。
  • ③株主代表訴訟は、まず監査役会による事前の許可を必ず得なければ、会社への提訴請求すら行うことができない仕組みである。
  • ④株主代表訴訟は、会社が提訴請求から60日以内に訴えを提起した場合であっても、株主は重ねて別訴を提起することができる。
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正解 ①株主はまず会社に対して取締役の責任を追及する訴えの提起を請求し、会社が60日以内に訴えを提起しないときに自ら訴えを提起できる。
解説
会社法上、株主はまず会社(監査役設置会社では監査役)に提訴請求を行い、60日の不提訴期間経過後に株主自ら提訴できる仕組みとなっている。

他の選択肢の誤り:
・事前の提訴請求を経ることが原則であり、いきなり取締役個人に提訴する仕組みではない。
・監査役の事前許可を得ることは提訴請求の要件とされていない。
・会社が既に取締役の責任を追及する訴えを提起した場合、60日の不提訴要件を満たさないため、株主が重ねて同一の請求について代表訴訟を提起することはできない。
問53-5

取締役の会社に対する責任の一部免除に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①取締役の会社に対する責任は、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合に限り、株主総会の特別決議等により一部を免除できる。
  • ②この点に関する一般的な理解では、取締役の会社に対する責任は、総株主の同意がなくても、代表取締役の一存で全部を免除することができる。
  • ③業務執行取締役等でない社外取締役以外の取締役についても、責任限定契約を締結すれば当然に責任の全額が免除されることになる。
  • ④取締役の会社に対する責任の一部免除は、当該取締役が現に在任している場合に限られ、退任した取締役には一切認められないものである。
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正解 ①取締役の会社に対する責任は、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合に限り、株主総会の特別決議等により一部を免除できる。
解説
会社法425条以下は、善意無重過失の取締役について、株主総会特別決議や定款の定めに基づく取締役会決議等による一部免除の制度を設けている。

他の選択肢の誤り:
・責任の全部免除には原則として総株主の同意が必要であり、代表取締役の一存で免除できるものではない。
・責任限定契約は業務執行取締役等でない者を対象とし、あらかじめ定めた限度額を超える部分について免除される制度であり、常に全額免除となるわけではない。
・一部免除の対象は在任中の任務懈怠に基づく責任であり、すでに退任した取締役についても、その責任を対象として一部免除の手続をとることができる。
問63-5

監査役の会社に対する責任に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①監査役がその任務を怠り会社に損害を生じさせた場合、取締役と同様に会社に対して損害賠償責任を負うことがある。
  • ②監査役は取締役の職務執行を監査する立場にあるため、いかなる場合であっても会社に対する損害賠償責任を負うことはない。
  • ③監査役の会社に対する責任は、株主代表訴訟の対象とはならず、会社が直接提起する訴訟のみによって追及される。
  • ④監査役の任務懈怠責任の有無は、会計監査人が作成した会計監査報告の内容のみによって機械的に決定されるものである。
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正解 ①監査役がその任務を怠り会社に損害を生じさせた場合、取締役と同様に会社に対して損害賠償責任を負うことがある。
解説
会社法423条は役員等の任務懈怠責任を定めており、監査役もその監査義務を怠った場合には会社に対する責任を負い得る。

他の選択肢の誤り:
・監査役も任務懈怠があれば責任を負う余地があり、常に免責されるわけではない。
・監査役の責任も株主代表訴訟の対象に含まれる。
・責任の有無は個別の事案における任務懈怠の有無によって判断され、会計監査報告のみで機械的に決まるものではない。
問73-5

株主代表訴訟によって追及することができる責任の範囲に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①株主代表訴訟の対象には、現任及び退任した取締役・監査役のほか、発起人や設立時取締役の会社に対する責任も含まれ得る。
  • ②株主代表訴訟によって現に追及できるのは、訴え提起時点において在任中の代表取締役1名の責任のみに限られる。
  • ③株主代表訴訟の対象は、取締役のうち社外取締役の責任のみに限定され、業務執行取締役の責任は対象とならない。
  • ④株主代表訴訟の対象は会社成立後に生じた役員等の責任のみに限られ、発起人や設立時取締役の責任が対象となることはない。
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正解 ①株主代表訴訟の対象には、現任及び退任した取締役・監査役のほか、発起人や設立時取締役の会社に対する責任も含まれ得る。
解説
会社法847条は「発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等」の責任を対象としており、対象範囲は現任の代表取締役に限られない。

他の選択肢の誤り:
・退任した役員や、代表取締役以外の取締役の責任も対象に含まれる。
・社外取締役に限定されず、業務執行取締役の責任も対象となる。
・発起人や設立時取締役の責任も株主代表訴訟の対象に含まれ得る。
問83-5

多重代表訴訟(特定責任追及の訴え)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①多重代表訴訟は、一定の要件を満たす親会社の株主が、子会社の取締役等の子会社に対する責任を追及することを認める制度である。
  • ②多重代表訴訟は、子会社の株主が親会社の取締役の責任を、当該子会社を通じて追及することを認める制度のことをいう。
  • ③多重代表訴訟は、あらゆる完全子会社について、親会社の株主がたとえわずか1株でも保有していれば提起できる制度のことをいう。
  • ④多重代表訴訟は、通常の株主代表訴訟の場合と異なり、会社に対する事前の提訴請求を一切必要としない制度のことをいう。
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正解 ①多重代表訴訟は、一定の要件を満たす親会社の株主が、子会社の取締役等の子会社に対する責任を追及することを認める制度である。
解説
会社法847条の3は、最終完全親会社等の株主が、重要な完全子会社の役員等の特定責任を追及する多重代表訴訟の制度を設けている。

他の選択肢の誤り:
・多重代表訴訟は親会社株主が子会社役員の責任を追及する制度であり、逆方向の追及を認めるものではない。
・対象となる子会社には株式の帳簿価額等に関する重要性の要件があり、あらゆる完全子会社が対象となるわけではない。
・多重代表訴訟にも会社への事前の提訴請求の手続が原則として必要とされている。
問93-5

株主代表訴訟の結果に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①株主代表訴訟に勝訴した株主は、会社に対し、訴訟のために支出した相当な弁護士費用等の支払いを請求することができる。
  • ②株主代表訴訟で株主が勝訴し取締役への損害賠償を命じる判決が確定した場合、当該賠償金は勝訴した株主に直接帰属する。
  • ③株主代表訴訟において株主が敗訴した場合、悪意がなくとも、当該株主は会社に生じた損害の全額を賠償する義務を負う。
  • ④株主代表訴訟における確定判決の効力は、訴えを提起した株主本人にのみ及び、会社や他の株主には及ばない。
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正解 ①株主代表訴訟に勝訴した株主は、会社に対し、訴訟のために支出した相当な弁護士費用等の支払いを請求することができる。
解説
会社法852条は、勝訴した株主が支出した弁護士費用等のうち相当と認められる額を会社に請求できる旨を定めている。

他の選択肢の誤り:
・株主代表訴訟で取締役等に命じられる損害賠償金は会社に帰属し、訴えを提起した株主が直接その支払いを受けるものではない。
・敗訴した株主に悪意があった場合を除き、会社に対する損害賠償義務は原則として負わないとされている。
・株主代表訴訟の判決の効力は会社にも及ぶと解されており、株主のみに限定されるものではない。
問103-5

取締役の第三者に対する損害賠償責任(会社法429条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①取締役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
  • ②取締役の第三者に対する責任は、当該第三者が現に会社の既存株主である場合にのみ認められる特別な責任をいう。
  • ③取締役の第三者に対する責任は、会社が別途会社に対する責任を追及した場合には、重ねて追及することができない。
  • ④取締役の第三者に対する責任は、たとえ軽度の過失であっても常に成立し、悪意又は重大な過失はそもそも要件とされていない。
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正解 ①取締役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
解説
会社法429条は取締役の対第三者責任を定めており、会社が倒産した場合に会社債権者から追及されることが多い責任類型である。

他の選択肢の誤り:
・第三者には株主に限らず、会社債権者や取引先なども広く含まれる。
・会社に対する責任追及(会社法423条)と第三者に対する責任追及(同法429条)は要件や請求権者を異にする別個独立の請求権であり、一方の追及があっても他方の追及が妨げられるものではない。
・本責任の成立には悪意又は重大な過失が要件とされ、軽過失のみでは成立しない。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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