2026年版・9-1

民事保全・民事執行の実務の一問一答

ビジネス実務法務検定試験®2級「企業実務における重要手続」から、民事保全・民事執行の実務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問19-1

債権執行において、債務者の給料債権(給与)を差し押さえる場合の差押えが禁止される範囲に関する次の記述のうち、民事執行法上最も適切なものはどれか。

  • ①給料等の債権は、原則としてその4分の3に相当する部分について差押えが禁止される
  • ②給料等の債権は、原則としてその2分の1に相当する部分についてのみ差押えが禁止される
  • ③扶養義務等の債権を請求する場合、差押禁止の範囲はかえって4分の3超に拡大される
  • ④給料等の債権については、そもそも差押えの範囲を制限する規定自体が設けられていない
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正解 ①給料等の債権は、原則としてその4分の3に相当する部分について差押えが禁止される
解説
民事執行法152条1項により、給料・賃金・俸給・退職年金等の債権は、原則としてその支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、その額)について差押えが禁止される。

他の選択肢の誤り:
・差押禁止の範囲は2分の1ではなく4分の3が原則である
・扶養義務等に係る債権を請求する場合はむしろ差押禁止の範囲が2分の1に縮小され、通常より広い範囲を差し押さえることができる(同条3項)
・給料等の債権についても差押えの範囲を制限する規定が明文で設けられている
問29-1

債権差押命令が第三債務者に送達された場合の、差押債権者による取立権の発生時期に関する次の記述のうち、民事執行法上最も適切なものはどれか。

  • ①債務者に差押命令が送達された日から原則として1週間を経過すると取立てができる
  • ②第三債務者に差押命令が送達された日から、いつでも直ちに取立てをすることができる
  • ③取立権の発生には、あらかじめ債務者の同意を個別に得ることが常に必要である
  • ④差押命令の送達を受けてから取立権が発生するまでの期間という定めは存在しない
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正解 ①債務者に差押命令が送達された日から原則として1週間を経過すると取立てができる
解説
民事執行法155条1項により、差押債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときは、その債権を取り立てることができる(給料等の債権で差押禁止部分を除く額が定められている場合は4週間)。

他の選択肢の誤り:
・取立権が発生するのは第三債務者への送達日ではなく債務者への送達日を起算点とする
・取立権の発生に債務者の同意は要件とされていない
・155条1項が明文で待機期間を定めている
問39-1

強制執行の申立てをしようとする金銭債権者が、債務者の不動産に関する情報を第三者(登記所)から取得する手続に関する次の記述のうち、民事執行法上最も適切なものはどれか。

  • ①申立ての前に、原則として債務者に対する財産開示手続を経ていることを要件とする
  • ②財産開示手続を経ることなく、常にいつでも自由に不動産情報の取得を申し立てることができる
  • ③不動産に関する情報取得手続は、養育費等の債権者に限り利用が認められる特則である
  • ④この情報取得手続によって金融機関から預貯金債権の情報を取得することができる
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正解 ①申立ての前に、原則として債務者に対する財産開示手続を経ていることを要件とする
解説
民事執行法205条2項により、登記所に対する不動産に関する情報の提供命令の申立ては、原則として申立ての日前3年以内に債務者について財産開示期日における手続が実施されていることを要件とする。

他の選択肢の誤り:
・原則として先行する財産開示手続の実施が要件とされており、無条件に申し立てられるわけではない
・養育費等の債権者に限定される特則があるのは給与債権に関する情報取得手続(206条)である
・預貯金債権の情報取得手続は別条(207条)に規定される制度である
問49-1

債務者の勤務先(給与債権)に関する情報を第三者(市町村や日本年金機構等)から取得する手続の申立てをすることができる債権者に関する次の記述のうち、民事執行法上最も適切なものはどれか。

  • ①養育費等の債権や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者等に限られる
  • ②金銭債権を有する債権者であれば、被担保債権の種類を問わず誰でも申し立てられる
  • ③勤務先に関する情報取得手続は、法人である債権者のみが利用できる特別な制度である
  • ④勤務先に関する情報取得手続を申し立てるには、必ず債務者本人の事前同意を要する
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正解 ①養育費等の債権や生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者等に限られる
解説
民事執行法206条1項は、給与債権に関する情報取得手続の申立権者を、養育費等の債権や人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権を有する債権者等、一定の債権者に限定している。不動産・預貯金の情報取得手続にはこのような申立権者の限定はない。

他の選択肢の誤り:
・勤務先情報の取得手続には申立権者の限定があり、金銭債権であれば誰でもよいわけではない
・申立権者を法人に限る規定はない
・債務者本人の同意を取得手続の要件とする規定はない
問59-1

債務者の預貯金債権等に関する情報を第三者(金融機関)から取得する手続に関する次の記述のうち、民事執行法上最も適切なものはどれか。

  • ①預貯金債権のほか、上場株式や国債等に関する情報も取得の対象に含まれ得る制度である
  • ②この手続で取得できるのはあくまで預貯金債権に関する情報のみに限定されている
  • ③預貯金債権に関する情報取得手続を利用するには、先行する財産開示手続が常に必要である
  • ④預貯金債権の情報取得手続は、債務者の同意がある場合に限り利用することができる
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正解 ①預貯金債権のほか、上場株式や国債等に関する情報も取得の対象に含まれ得る制度である
解説
民事執行法207条1項は、金融機関等に対し、預貯金債権に関する情報のほか、振替社債等(上場株式・国債・投資信託受益権等)に関する情報の提供を命じることができると定めている。

他の選択肢の誤り:
・預貯金債権に限られず振替社債等の情報も対象となる
・預貯金・振替社債等の情報取得手続については、不動産の情報取得手続(205条)と異なり先行する財産開示手続の実施は要件とされていない
・債務者の同意を要件とする規定はない
問69-1

財産開示手続の期日において、正当な理由なく出頭せず、又は虚偽の陳述をした開示義務者に対する制裁に関する次の記述のうち、民事執行法上最も適切なものはどれか。

  • ①6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金という刑事罰の対象となる
  • ②違反者には30万円以下の過料という秩序罰が科されるにとどまる
  • ③制裁の対象となるのは不出頭の場合のみで、虚偽の陳述には制裁が生じない
  • ④開示義務者に対する制裁を定めた明文の規定はそもそも設けられていない
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正解 ①6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金という刑事罰の対象となる
解説
民事執行法213条1項は、正当な理由なく財産開示期日に出頭せず若しくは宣誓を拒んだ開示義務者、又は宣誓の上正当な理由なく陳述をせず若しくは虚偽の陳述をした開示義務者について、6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処すると定める。令和元年改正前は30万円以下の過料にとどまっていたが、実効性確保のため刑事罰に強化された。

他の選択肢の誤り:
・過料による秩序罰は改正前の規律であり、現行法では刑事罰が科される
・虚偽の陳述をした場合も213条1項の制裁対象に含まれる
・213条1項が制裁を明文で定めている
問79-1

債務者が債権者を害することを知って自己の財産を第三者に贈与した場合に、債権者が当該贈与を取り消すことができる詐害行為取消権に関する次の記述のうち、民法上最も適切なものはどれか。

  • ①債権者は、債務者の詐害の意思に加え、受益者の悪意も要件として取消しを請求できる
  • ②詐害行為取消権を行使するには、債権者は受益者の主観的事情を一切問われない
  • ③詐害行為取消権は、被保全債権が詐害行為の後に発生した場合でも常に行使できる
  • ④詐害行為取消権の行使には、必ず事前に債務者を被告とする訴訟を提起しなければならない
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正解 ①債権者は、債務者の詐害の意思に加え、受益者の悪意も要件として取消しを請求できる
解説
民法424条により、債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求できるが、受益者がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときはこの限りでない。取消しは裁判上の請求によらなければならない。

他の選択肢の誤り:
・受益者が善意であった場合は取消しを請求できず、受益者の主観的事情も要件となる
・被保全債権は原則として詐害行為より前の原因に基づいて生じたものであることを要する(424条3項)
・詐害行為取消権の行使は、債務者ではなく受益者又は転得者を被告とする訴えによる(424条の7)
問89-1

動産の売主が有する動産売買の先取特権に関する次の記述のうち、民法上最も適切なものはどれか。

  • ①売買代金及びその利息に関する債権について、売却した動産の上に成立する
  • ②動産売買の先取特権は、目的物が第三者に引き渡された後もその動産上に及び続ける
  • ③動産売買の先取特権は、買主が代金を完済すると同時に自動的に消滅しない
  • ④動産売買の先取特権が転売代金債権に物上代位することは一切認められない
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正解 ①売買代金及びその利息に関する債権について、売却した動産の上に成立する
解説
民法321条により、動産の売主は、その動産の代価及び利息に関し、その動産について先取特権を有する。ただし同法333条により、目的物が第三取得者に引き渡された後は先取特権を行使することができなくなる。

他の選択肢の誤り:
・第三者への引渡し後は先取特権の行使ができなくなる点で333条に反する
・代金完済により被担保債権が消滅すれば先取特権も付従性により消滅する
・判例上、動産売買の先取特権者は転売代金債権について物上代位をすることが認められている
問99-1

商人間の取引において認められる商事留置権に関する次の記述のうち、商法上最も適切なものはどれか。

  • ①被担保債権と留置物との間に個別の牽連関係があることは要件とされていない
  • ②商事留置権の成立には、民事留置権の場合と同様に個別の牽連関係を要する
  • ③商事留置権は消費者との取引であっても要件を満たせば当然に成立する
  • ④商事留置権は、当事者があらかじめ特約を定めない限り一切成立することがない
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正解 ①被担保債権と留置物との間に個別の牽連関係があることは要件とされていない
解説
商法521条により、商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は弁済を受けるまで、その債務者との間の商行為によって自己が占有するに至った債務者所有の物又は有価証券を留置することができる。民事留置権(民法295条)と異なり、被担保債権と留置物との個別の牽連関係は要件とされない点に特色がある。

他の選択肢の誤り:
・個別の牽連関係を要するのは民事留置権であり商事留置権ではない
・商事留置権は商人間の商行為によって生じた債権を前提とし、消費者取引には当然には成立しない
・特約がなくても法定の要件を満たせば当然に成立する法定担保物権である
問109-1

抵当権の被担保債権のうち、利息その他の定期金及び遅延損害金について抵当権を行使できる範囲に関する次の記述のうち、民法上最も適切なものはどれか。

  • ①後順位抵当権者等がいる場合、原則として満期となった最後の2年分に制限される
  • ②利息及び遅延損害金についても、元本と同様に発生した全期間分の行使が常に認められる
  • ③利息その他の定期金についてのみ制限があり、遅延損害金には期間の制限が及ばない
  • ④被担保債権の利息等について、抵当権を行使できる期間の制限は設けられていない
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正解 ①後順位抵当権者等がいる場合、原則として満期となった最後の2年分に制限される
解説
民法375条は、抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができると定め、遅延損害金についても同様に扱われる(同条2項)。これは後順位抵当権者や一般債権者等の利害関係人を保護する趣旨であり、利害関係人がいない場合には2年分に制限されない。

他の選択肢の誤り:
・利害関係人がいる場合は2年分に制限され、全期間分の行使が常に認められるわけではない
・遅延損害金についても375条2項により同様の制限が及ぶ
・375条が期間の制限を明文で定めている

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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