2026年10月版・0-5

ソーシャルワークの価値と事例問題の読み方の一問一答

精神保健福祉士国家試験「最初に覚える土台知識」から、ソーシャルワークの価値と事例問題の読み方に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問10-5

バイステックのケースワークの7原則に含まれないものはどれか。

  • ①自己決定
  • ②非審判的態度
  • ③自己覚知
  • ④統制された情緒的関与
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正解 ③自己覚知
解説
バイステックは、援助関係を形成するための7原則として、個別化、意図的な感情表出、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、クライエントの自己決定、秘密保持を示しました。
「自己覚知」は、援助者が自分の価値観や感情の傾向に気付いておくことで、援助者に欠かせない姿勢ですが、7原則の名称には含まれていません(統制された情緒的関与を実践する前提となる考え方です)。

他の選択肢が誤りの理由
・非審判的態度:クライエントの行動や考えを、援助者が善悪で一方的に裁かない原則です。
・自己決定:クライエントが自ら選び決める権利を尊重する原則です。
・統制された情緒的関与:援助者が自分の感情を自覚し、適切に反応する原則です。

ひっかけ注意
自己覚知は統制された情緒的関与と深く関係するため、7原則の一つと取り違えやすい用語です。

覚え方のポイント
7原則は「個別化・感情表出・情緒的関与・受容・非審判・自己決定・秘密保持」。名称を正確に覚えます。
問20-5

ソーシャルワークにおける「ストレングス視点」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①本人の問題点や欠けている能力を詳しく調べ、一つずつ治すことを目指す
  • ②本人の強み、好きなこと、周りの資源に注目し、それを支援の土台にする
  • ③専門職が最も効果的な方法を判断し、本人にはその方法に従ってもらう
  • ④本人の困りごとの原因を幼いころの体験に求め、その解決を中心にする
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正解 ②本人の強み、好きなこと、周りの資源に注目し、それを支援の土台にする
解説
ストレングス視点は、本人の持つ強み(能力・意欲・好きなこと・経験)や、家族・友人・地域などの環境の強みに注目し、それを生かして支援する考え方です。
精神保健福祉の分野では、ラップ(Rapp, C.)らのストレングスモデルによるケースマネジメントが知られています。

他の選択肢が誤りの理由
・問題点や欠けた能力を治す:病理や欠陥に注目する「医学モデル(病理モデル)」的な見方で、ストレングス視点はこれを見直すものです。
・専門職の判断に従わせる:パターナリズムで、本人の主体性を重んじるストレングス視点と逆です。
・幼いころの体験に原因を求める:精神分析的な考え方です。

覚え方のポイント
ストレングス=「できないこと」より「できること・好きなこと・使える資源」。
問30-5

「エンパワメント」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①力を奪われてきた人が、自分の生活や環境をコントロールする力を取り戻す過程
  • ②障害があっても、地域で普通の生活を送れるよう、社会の側の条件を整えていくこと
  • ③本人の能力や意欲、周りの資源といった強みに注目し、それを生かして支援する考え方
  • ④自分の権利を主張しにくい人に代わって、支援者がその意思を代弁していく活動
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正解 ①力を奪われてきた人が、自分の生活や環境をコントロールする力を取り戻す過程
解説
エンパワメントは、差別や偏見、長期入院などによって力を奪われてきた(パワーレスな状態にある)人が、自らの生活や環境に対するコントロールの力を取り戻していく過程と、それを支える援助の考え方です。
ソロモン(Solomon, B.)が黒人のコミュニティへの実践から体系化したことで知られます。

他の選択肢が誤りの理由
・地域で普通の生活を送れるよう社会の側の条件を整える:ノーマライゼーションの説明です。
・強みに注目し、それを生かして支援する:ストレングス視点の説明です。
・本人に代わって意思を代弁する活動:アドボカシー(権利擁護)の説明です。エンパワメントは、本人自身が力を取り戻していく過程に重点があります。

覚え方のポイント
エンパワメント=「パワーレス」から「自分で決められる」へ。キーワードは「取り戻す」です。
問40-5

精神保健福祉の分野でいう「リカバリー」の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①再発の心配がなくなるまで入院を続け、退院後の生活を準備すること
  • ②治療によって症状が完全に消え、発病する前の状態に戻ることだけを指す
  • ③専門職が設定した目標を、本人がすべて達成した時点で終わる到達点
  • ④病気や障害があっても、希望を持ち、自分らしい人生を歩んでいく過程
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正解 ④病気や障害があっても、希望を持ち、自分らしい人生を歩んでいく過程
解説
精神保健福祉の分野で重視される「リカバリー(パーソナル・リカバリー)」は、症状の有無だけで判断するのではなく、病気や障害があっても、本人が希望を持ち、自分で選びながら、意味のある人生を歩んでいく個人的な過程を指します。
アンソニー(Anthony, W.)や、当事者のディーガン(Deegan, P.)らが、この考え方を広めました。

他の選択肢が誤りの理由
・症状が消えて元に戻ることだけ:症状の改善(臨床的リカバリー)は一つの側面にすぎません。
・専門職の目標を達成した時点:リカバリーは本人が主体の、終わりのない過程です。
・入院を続けて準備:長期入院を前提にする考え方は、リカバリーの視点と合いません。

覚え方のポイント
リカバリー=「治る」ではなく「自分らしく生きる過程」。キーワードは希望・自己選択・人生の意味です。
問50-5

援助者が「本人のためになるから」として、本人の意思に反して行動に干渉したり代わりに決めたりすることを表す用語はどれか。

  • ①インクルージョン
  • ②アドボカシー
  • ③ノーマライゼーション
  • ④パターナリズム
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正解 ④パターナリズム
解説
パターナリズム(父権主義、温情的干渉主義)は、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるとして、本人の意思に反して干渉したり決定したりすることをいいます。
精神医療では、本人の自己決定よりも専門職や家族の判断が優先されてきた歴史があり、精神保健福祉士は本人の自己決定を尊重する立場からこれを問い直すことが求められます。

他の選択肢が誤りの理由
・アドボカシー:権利擁護、代弁。本人の意思や権利を守るための活動です。
・ノーマライゼーション:障害があっても、地域で普通の生活を送れるようにする考え方です。
・インクルージョン:誰も排除せず、社会の一員として包み込む考え方です。

覚え方のポイント
パターナリズム=「あなたのためだから」と本人に代わって決めること。自己決定の尊重と対になる言葉です。
問60-5

「アドボカシー」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①利用者の苦情を受け付けたうえで、提供している側の正当性を利用者に示す
  • ②サービスを提供する機関の方針を、利用者に分かりやすく説明して納得させる
  • ③自分の権利や意思を主張しにくい人に代わり、その権利を守り意思を代弁する
  • ④複数の専門職が集まり、利用者の支援の方針について合意を形成していく
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正解 ③自分の権利や意思を主張しにくい人に代わり、その権利を守り意思を代弁する
解説
アドボカシー(権利擁護)は、自分の権利やニーズを十分に主張できない状況にある人の意思を代弁し、その権利を守る活動です。
個人に対して行うケースアドボカシーと、同じ課題を抱える集団のために制度やしくみの改善を求めるクラスアドボカシー(コーズアドボカシー)があります。本人が自ら主張できるよう支えるセルフアドボカシーも大切です。

他の選択肢が誤りの理由
・機関の方針を説明して納得させる:機関の側に立つ説明で、本人の側に立つアドボカシーとは逆です。
・提供側の正当性を示す:苦情解決は本人の権利を守るための仕組みです。
・専門職の合意形成:ケア会議(カンファレンス)の説明です。

覚え方のポイント
アドボカシー=「本人の側に立つ」。ケース(個人)とクラス(集団・制度)の2種類を区別します。
問70-5

事例問題で「最も適切なもの」を選ぶときの基本的な考え方として、適切なものはどれか。

  • ①本人の安全を守るため、本人の意向を聞く前に支援者が方針を決める対応を選ぶ
  • ②本人の思いや希望を確かめ、本人が決めることを支える対応を優先して考える
  • ③家族の負担を減らすことを最優先にし、家族の希望に沿う対応を選ぶ
  • ④早く問題を解決するため、支援者が関係機関に連絡して手続を代行する対応を選ぶ
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正解 ②本人の思いや希望を確かめ、本人が決めることを支える対応を優先して考える
解説
精神保健福祉士の事例問題では、多くの場合、本人の思いや希望を丁寧に聴き、本人の自己決定を支える選択肢が正解になります。
とくに初回面接やかかわりの初期の場面では、「まず本人の話を聴く」「本人の意向を確認する」対応が基本です。

他の選択肢が誤りの理由
・本人の意向を聞く前に方針を決める:生命の危険が差し迫る場面などを除き、本人の意向の確認が先です。
・家族の希望を最優先:家族への支援も大切ですが、援助の主体は本人です。
・手続を代行:本人ができることを代わりに行うと、本人の力を奪うことになりかねません。

覚え方のポイント
事例問題の合言葉は「本人の思いを聴く・本人が決める・本人の力を生かす」。支援者が先回りする選択肢は疑ってかかります。
問80-5

Aさん(40歳、男性、統合失調症)は精神科病院に10年入院している。病状は安定しており、病棟でB精神保健福祉士に「本当は退院したいけれど、外での暮らしが想像できない」と話した。B精神保健福祉士の最初の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①退院について考えていることや、外での暮らしで不安に思うことをAさんから詳しく聴く
  • ②Aさんの退院は難しいと考え、病棟での生活を充実させる方法を一緒に考えることにする
  • ③退院先として、すぐにグループホームを探して申込みの手続をAさんの代わりに進める
  • ④Aさんの家族に連絡し、Aさんを家で引き取ることができるかどうかを先に確かめる
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正解 ①退院について考えていることや、外での暮らしで不安に思うことをAさんから詳しく聴く
解説
Aさんは「退院したい」という希望と、「外での暮らしが想像できない」という不安の両方を話しています。
最初の対応として大切なのは、その思いを受け止め、退院についてどう考えているか、何が不安なのかを本人から丁寧に聴くことです。そのうえで、地域移行支援の利用や外出・外泊の体験など、具体的な支援につなげていきます。

他の選択肢が誤りの理由
・退院は難しいと考える:本人の退院の希望を否定することになり、長期入院を固定化させます。
・グループホームの手続を代行:本人の意向を確かめる前に、支援者が住まいを決めることになります。
・先に家族に引取りを確かめる:本人の意向を聴く前に家族へ連絡するのは順番が逆で、退院先を家族のもとに限る理由もありません。

覚え方のポイント
長期入院の人の「退院したい」は大切なサイン。最初は「聴く」、次に「一緒に考える」、それから「制度につなぐ」の順です。
問90-5

インフォームド・コンセントの説明として、正しいものはどれか。

  • ①医療者が十分に説明し、患者が理解したうえで自らの意思で同意すること
  • ②医師が最善と判断した治療を、患者の家族の了承を得たうえで実施すること
  • ③患者が治療内容を理解できない場合に、医療者が代わって治療を選ぶこと
  • ④治療の前に、病院が定めた同意書に患者の署名だけをもらっておくこと
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正解 ①医療者が十分に説明し、患者が理解したうえで自らの意思で同意すること
解説
インフォームド・コンセント(説明と同意)は、医療者が病状、治療の目的や方法、効果と危険、ほかの選択肢などを十分に説明し、患者がそれを理解したうえで、自らの意思で同意(又は拒否)することです。
医療法第1条の4第2項は、医療の担い手が適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないと定めています。

他の選択肢が誤りの理由
・家族の了承で実施:同意の主体は患者本人です。
・理解できない場合は医療者が選ぶ:まず理解できるよう工夫して説明し、意思決定を支援することが求められます。
・署名だけもらう:形式だけで、説明と理解がなければインフォームド・コンセントになりません。

覚え方のポイント
インフォームド・コンセントは「説明」+「理解」+「本人の自由な同意」の3つがそろって成立します。
問100-5

精神保健福祉士が大切にする「自己決定の尊重」についての考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①本人がどんな決定をしても、支援者は一切口をはさまずに見守るだけにする
  • ②本人の決定が支援者の考えと違う場合は、支援者の考えに従うよう説得する
  • ③精神障害のある人は判断が難しいので、家族が代わりに決めることを基本とする
  • ④本人が自分で選べるよう情報や経験の機会を用意し、決めた内容を尊重する
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正解 ④本人が自分で選べるよう情報や経験の機会を用意し、決めた内容を尊重する
解説
自己決定の尊重は、本人が自分の人生について選び、決める権利を尊重することです。
そのために、選択に必要な情報を分かりやすく伝え、見学や体験などで選ぶための経験の機会を用意し、迷いや不安に寄り添いながら、本人の決定を支えます(意思決定支援)。

他の選択肢が誤りの理由
・支援者の考えに従うよう説得:自己決定の尊重と逆のパターナリズムです。
・家族が代わりに決める:精神障害があることを理由に、決める力がないと決めつけるのは誤りです。
・一切口をはさまず見守るだけ:自己決定の尊重は放任ではありません。危険や不利益が予想されるときは、情報を伝え一緒に考えます。

覚え方のポイント
自己決定の尊重=「選べるように支える」+「決めたことを尊重する」。放任とも代行とも違います。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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