2026年10月版・1-2

精神症状と精神疾患の分類・診断(ICD・DSM)の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神医学と精神医療」から、精神症状と精神疾患の分類・診断(ICD・DSM)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問11-2

精神疾患の国際的な診断分類について、正しいものはどれか。

  • ①ICDは身体の病気だけを分類し、精神疾患はDSMだけで分類する
  • ②ICDはアメリカ精神医学会、DSMは世界保健機関が作成している
  • ③ICDもDSMも、日本の厚生労働省が作成して世界に広めたものである
  • ④ICDは世界保健機関、DSMはアメリカ精神医学会が作成している
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正解 ④ICDは世界保健機関、DSMはアメリカ精神医学会が作成している
解説
ICD(国際疾病分類)は、世界保健機関(WHO)が作成する、身体と精神を含むあらゆる病気の国際的な分類です。現在の版はICD-11で、2022年1月に発効しました。
DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)は、アメリカ精神医学会(APA)が作成する精神疾患の診断基準で、現在の版はDSM-5-TR(2022年)です。

他の選択肢が誤りの理由
・作成者が逆:ICDがWHO、DSMがAPAです。
・厚生労働省が作成:日本は国内の統計などでICDを使っていますが、作成者ではありません。
・ICDは身体だけ:ICDには精神・行動の障害の章(ICD-10ではF、ICD-11では第6章)があります。

覚え方のポイント
「I」はInternational(国際=WHO)、「D」で始まるDSMはアメリカの学会の診断マニュアル。
問21-2

Aさん(82歳)は、肺炎で入院した数日後から様子が変わり、主治医はせん妄を疑っている。家族から、せん妄とはどのような状態かを尋ねられた。せん妄について、正しいものはどれか。

  • ①生まれつきの知的な発達の遅れによるもので、症状は一生変わらない
  • ②意識ははっきりしたまま、記憶力だけがゆっくりと何年もかけて低下する
  • ③軽い意識の混濁に、幻覚や興奮などが加わり、夜間に悪化しやすくなる
  • ④強い心理的ショックの直後に、特定の期間の記憶だけが思い出せなくなる
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正解 ③軽い意識の混濁に、幻覚や興奮などが加わり、夜間に悪化しやすくなる
解説
せん妄は、体の病気や手術、薬、脱水などをきっかけに起こる「意識障害」の一種です。
軽い意識の混濁を土台に、注意の障害、見当識の障害、錯覚や幻覚(とくに幻視)、興奮などがみられ、症状が急に始まり、1日のうちで変動し、夕方から夜間に悪化しやすい(夜間せん妄)のが特徴です。原因を取り除けば回復しうる点が、認知症との大きな違いです。

他の選択肢が誤りの理由
・意識清明で何年もかけて低下:認知症の経過です。
・生まれつきの発達の遅れ:知的障害の説明です。
・ショック後の特定の期間の記憶喪失:解離性健忘の説明です。

覚え方のポイント
せん妄は「急に始まる・意識がくもる・日内変動・原因を除けば治る」。高齢の入院患者でとくに多くみられます。
問31-2

「見当識」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①新しく聞いたことを、数分後に正確に思い出すことができること
  • ②今がいつで、ここがどこで、相手が誰かを正しく分かっていること
  • ③物の名前を聞いて、それが何であるかを正しく言い当てられること
  • ④自分が病気であることを、自分自身で正しく自覚していること
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正解 ②今がいつで、ここがどこで、相手が誰かを正しく分かっていること
解説
見当識は、時間(今がいつか)、場所(ここがどこか)、人(相手が誰か)について、自分の置かれている状況を正しく把握する能力です。
見当識の障害は認知症やせん妄でみられ、一般に時間、場所、人の順に障害されやすいとされます。

他の選択肢が誤りの理由
・数分後に思い出す:記銘力(新しいことを覚える力)・記憶の説明です。
・物の名前の理解:言語や認知(失認・失語)にかかわる機能です。
・病気の自覚:「病識」の説明です。統合失調症の急性期などでは病識が乏しくなることがあります。

覚え方のポイント
見当識=「いつ・どこ・だれ」。認知症のスクリーニング検査でも最初のほうで確かめます。
問41-2

考えが次々に浮かんで話題が飛び、話がまとまらなくなる思考の形式の障害で、躁状態に特徴的なものはどれか。

  • ①観念奔逸
  • ②思考途絶
  • ③保続
  • ④迂遠
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正解 ①観念奔逸
解説
観念奔逸は、考えが次々にわき出て、連想のままに話題が移り変わり、最初の目的からそれていく思考の障害で、躁状態に特徴的です。
多弁や、話す勢いの速さ(談話心迫)を伴うことがよくあります。

他の選択肢が誤りの理由
・思考途絶:考えの流れが急に途切れて話が止まるもので、統合失調症でみられます。
・保続:前の考えや言葉が繰り返し出てきて次に移れないもので、器質性の障害(認知症など)でみられます。
・迂遠:回りくどく細部にこだわるが、最終的には目的にたどり着くもので、てんかんや知的障害でみられることがあります。

覚え方のポイント
奔逸=「走り出して止まらない」=躁状態。途絶=「急に止まる」=統合失調症。
問51-2

「自分の考えや行動が、誰かに操られてさせられている」と感じる症状を何というか。

  • ①作為体験
  • ②離人感
  • ③強迫行為
  • ④被害念慮
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正解 ①作為体験
解説
作為体験(させられ体験)は、自分の思考や感情、行動が、外部の何者かによって操られている、させられていると感じる体験です。
自分と外界との境界があいまいになる「自我障害」の一つで、統合失調症に特徴的な症状とされ、シュナイダーの一級症状にも含まれます。

他の選択肢が誤りの理由
・離人感:自分が自分でないような、現実感が失われたように感じる体験です。自分の体験だという感覚は保たれています。
・強迫行為:不合理だと分かっていても、手洗いや確認などをやめられない行為です。
・被害念慮:「悪口を言われているのでは」と感じる考えで、妄想ほど確信は強くありません。

覚え方のポイント
統合失調症の自我障害:作為体験・思考吹入・思考奪取・思考伝播。「考えが外から入る・抜かれる・漏れる」と覚えます。
問61-2

地域包括支援センターのB精神保健福祉士は、もの忘れが増えたというAさん(78歳)の家族から相談を受けた。かかりつけ医では、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)による評価が行われることになった。HDS-Rについて、正しいものはどれか。

  • ①インクのしみの図版を見せて、何に見えるかを答えてもらう投影法の検査
  • ②100点満点の知能検査で、知能指数(IQ)を算出して知的障害を診断する
  • ③質問紙に本人が回答していく性格検査で、パーソナリティの傾向を調べる
  • ④30点満点の認知症のスクリーニング検査で、20点以下で認知症が疑われる
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正解 ④30点満点の認知症のスクリーニング検査で、20点以下で認知症が疑われる
解説
改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は、日本で広く使われている認知症のスクリーニング検査です。年齢、日時の見当識、場所の見当識、言葉の記銘、計算、数字の逆唱、言葉の遅延再生、物品の記銘、言語の流暢性の9項目からなり、30点満点で、20点以下の場合に認知症の疑いがあるとされます。
同じく30点満点のMMSE(ミニメンタルステート検査)では、23点以下が認知症の疑いの目安とされます。

他の選択肢が誤りの理由
・IQを算出する知能検査:WAIS(成人)やWISC(児童)などの説明です。
・質問紙の性格検査:MMPIなどの説明です。
・インクのしみの図版:ロールシャッハ・テストの説明です。

覚え方のポイント
HDS-R=30点満点・20点以下、MMSE=30点満点・23点以下。どちらもスクリーニング(ふるい分け)であって、診断を確定する検査ではありません。
問71-2

ブロイラーが統合失調症の基本症状として挙げた「4つのA」に含まれるものはどれか。

  • ①誇大妄想
  • ②幻聴
  • ③両価性
  • ④記憶障害
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正解 ③両価性
解説
スイスの精神科医ブロイラー(Bleuler, E.)は、それまでの「早発性痴呆」に代わって「統合失調症(Schizophrenia)」という名称を提唱しました。
彼が基本症状とした「4つのA」は、連合弛緩(Association)、感情の障害(Affect)、両価性(Ambivalence:同じ対象に正反対の感情を同時に抱く)、自閉(Autism:外界から引きこもり自分の世界に閉じこもる)です。

他の選択肢が誤りの理由
・幻聴、誇大妄想:ブロイラーは幻覚や妄想を、基本症状から派生する「副次症状」と位置づけました。
・記憶障害:統合失調症の基本症状とはされていません。

覚え方のポイント
ブロイラーの4つのA:連合弛緩・感情障害・両価性・自閉。シュナイダーの一級症状(考想化声・作為体験など)と区別します。
問81-2

外界からの刺激にほとんど反応せず、意識はあるのに動かず話さない状態を何というか。

  • ①昏睡
  • ②昏迷
  • ③失神
  • ④多動
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正解 ②昏迷
解説
昏迷は、意識は保たれているのに、意志の発動が著しく妨げられ、話しかけなどの外からの刺激にほとんど反応せず、動かず話さない状態です。
統合失調症(緊張病)、重いうつ病、解離症などでみられます。

他の選択肢が誤りの理由
・昏睡:最も重い意識障害で、強い刺激にも反応しない状態です。昏迷は意識が保たれている点が違います。
・失神:脳の血流が一時的に減って、短時間意識を失うことです。
・多動:落ち着きなく動き回る状態で、昏迷とは正反対です。

ひっかけ注意
「昏迷」と「昏睡」は字が似ていますが、昏迷は意識がある、昏睡は意識がない、という違いがあります。

覚え方のポイント
昏迷=意志の障害(意識はある)、昏睡=意識の障害。
問91-2

成人の知能を測定し、知能指数(IQ)を算出するために用いられる検査はどれか。

  • ①MMPI(ミネソタ多面人格目録)
  • ②WAIS(ウェクスラー成人知能検査)
  • ③TAT(主題統覚検査)
  • ④CMI(コーネル・メディカル・インデックス)
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正解 ②WAIS(ウェクスラー成人知能検査)
解説
WAIS(ウェクスラー成人知能検査)は、成人(16歳以上)の知能を測る個別式の知能検査で、全体のIQとともに、言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度といった指標の得点を出します。児童用にはWISCがあります。
知的障害の診断や、発達障害の特性の把握などに使われます。

他の選択肢が誤りの理由
・MMPI:多数の質問に「はい・いいえ」で答える質問紙法の性格検査です。
・TAT:絵を見て物語を作ってもらう投影法の性格検査です。
・CMI:身体と精神の自覚症状を問う質問紙で、健康状態のスクリーニングに使われます。

覚え方のポイント
知能=WAIS・WISC・田中ビネー、性格(質問紙)=MMPI・YG、性格(投影法)=ロールシャッハ・TAT・バウムテスト。
問101-2

「自分が自分でないように感じる」「周りの世界に現実感がない」といった体験を何というか。

  • ①離人感
  • ②作為体験
  • ③幻視
  • ④観念奔逸
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正解 ①離人感
解説
離人感は、自分の考えや体、行動から切り離されて外から眺めているように感じる体験で、現実感消失は、周りの世界が夢の中のようで現実味がないと感じる体験です。
本人は「そう感じている」と自覚しており、現実の判断は保たれています。強いストレスや疲労、解離症、うつ病、不安症などでみられます。

他の選択肢が誤りの理由
・作為体験:外部の誰かに操られていると確信する体験で、統合失調症に特徴的です。
・幻視:実際にはないものが見える体験です。
・観念奔逸:考えが次々に飛んで話がまとまらない思考の障害です。

覚え方のポイント
離人感=「自分が遠い」、現実感消失=「世界が遠い」。どちらも「感じ」であり、操られているという確信(作為体験)とは違います。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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