2026年10月版・1-9

精神医療の動向と医療・保健・福祉の連携の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神医学と精神医療」から、精神医療の動向と医療・保健・福祉の連携に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問11-9

診療報酬上の精神科デイ・ケアについて、1日当たりの標準的な実施時間として正しいものはどれか。

  • ①4時間
  • ②3時間
  • ③6時間
  • ④10時間
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正解 ③6時間
解説
診療報酬では、精神科デイ・ケアは1日につき6時間を標準とし、精神科ショート・ケアは3時間、精神科ナイト・ケアは午後4時以降に開始して4時間、精神科デイ・ナイト・ケアは10時間を標準としています。
いずれも、精神障害のある人の社会生活機能の回復を目的に、医師の指示のもとで、作業療法士、看護師、精神保健福祉士、公認心理師などの多職種で、グループ活動などを行います。

他の選択肢が誤りの理由
・3時間:ショート・ケアの標準時間です。
・4時間:ナイト・ケアの標準時間です。
・10時間:デイ・ナイト・ケアの標準時間です。

覚え方のポイント
ショート3・ナイト4・デイ6・デイナイト10。数字が小さい順に「ショート→ナイト→デイ→デイナイト」と並べて覚えます。
問21-9

2004年に厚生労働省の精神保健福祉対策本部が示した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の基本的な方針として、正しいものはどれか。

  • ①社会防衛中心から人権擁護中心へ
  • ②入院医療中心から地域生活中心へ
  • ③措置制度から利用者の契約制度へ
  • ④精神衛生中心から精神保健中心へ
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正解 ②入院医療中心から地域生活中心へ
解説
2004年(平成16年)の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」は、「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的な方策を掲げ、国民の理解の深化、精神医療の改革、地域生活支援の強化を柱に、おおむね10年間で、受入条件が整えば退院可能な精神病床の入院患者約7万人の解消を図るとしました。
その後も、地域移行・地域定着の推進や「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築へと政策が引き継がれています。

他の選択肢が誤りの理由
・措置制度から契約制度へ:2000年の社会福祉基礎構造改革で示された方向(措置から契約へ)です。
・社会防衛から人権擁護へ:宇都宮病院事件を受けた1987年の精神保健法の流れを表す言い方で、改革ビジョンの基本方策ではありません。
・精神衛生から精神保健へ:1987年に精神衛生法が精神保健法に改められた際の名称の変化です。

覚え方のポイント
改革ビジョン(2004年)=「入院医療中心から地域生活中心へ」「約7万人」「10年」。
問31-9

医療法に基づく医療計画で、都道府県が対策を定める「5疾病」に精神疾患が加えられたことについて、正しいものはどれか。

  • ①対象外とされ、医療計画では身体の病気だけが計画の対象とされてきた
  • ②がん・脳卒中・心筋梗塞等の心血管疾患・糖尿病とともに5疾病とされた
  • ③感染症・小児医療・へき地医療とともに、5事業の一つとされている
  • ④介護保険事業計画だけで扱われ、医療計画には位置づけられていないとされる
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正解 ②がん・脳卒中・心筋梗塞等の心血管疾患・糖尿病とともに5疾病とされた
解説
都道府県の医療計画では、がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病の4疾病に、2013年度からの計画で精神疾患が加わり、「5疾病」とされています。
精神疾患の医療体制では、統合失調症、うつ病、認知症、依存症、児童・思春期の精神疾患など多様な疾患ごとに、医療機関の役割分担と連携を進めることが求められています。

他の選択肢が誤りの理由
・精神疾患は対象外:5疾病の一つです。
・5事業の一つ:5事業(現在は新興感染症を加えた6事業)は救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療などで、精神疾患は疾病の側に位置づけられています。
・介護保険事業計画だけ:医療計画に位置づけられています。

覚え方のポイント
5疾病=がん・脳卒中・心血管疾患・糖尿病・精神疾患。精神疾患は「最後に加わった5つ目」です。
問41-9

1958年の厚生省事務次官通知によるいわゆる「精神科特例」の内容として、正しいものはどれか。

  • ①精神病床では、医師や看護職員の配置を一般病床より少なくてよいとした
  • ②精神病床では、医師や看護職員を一般病床より多く置かなければならないとした
  • ③精神科病院では、入院患者全員に必ず個室を用意しなければならないとした
  • ④精神科病院の入院期間を、法律で最長3か月までに制限するものとした
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正解 ①精神病床では、医師や看護職員の配置を一般病床より少なくてよいとした
解説
いわゆる「精神科特例」は、1958年(昭和33年)の厚生省事務次官通知により、精神病床では医師の数を一般病床の約3分の1、看護職員の数を約3分の2としてよいとしたものです。
この特例と、同じ時期の精神科病院の設置への国庫補助や低利融資が重なり、民間の精神科病院が急増し、少ない職員で多くの患者を長く入院させる構造ができたとされています(2000年の医療法改正で通知による特例は廃止され、基準は医療法施行規則に改められましたが、大学病院等を除く精神病床の人員配置の基準は、現在も一般病床より少ない水準とされています)。

他の選択肢が誤りの理由
・一般病床より多く置く:特例は「少なくてよい」とするものです。
・全員に個室:そのような内容ではありません。
・最長3か月:入院期間を制限する規定ではありません。

覚え方のポイント
精神科特例=「医師3分の1・看護3分の2」。日本の長期入院の背景として必ず出てくる用語です。
問51-9

日本の精神医療の特徴として、国際的にみて指摘されてきたことはどれか。

  • ①人口当たりの精神病床数は少ないが、入院期間が長い傾向がみられてきた
  • ②人口当たりの精神病床数が多いが、入院期間は短い傾向がみられてきた
  • ③精神科病院の多くが公立で、民間の病院の割合が低い傾向がみられてきた
  • ④人口当たりの精神病床数が多く、入院期間も長いという傾向がみられた
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正解 ④人口当たりの精神病床数が多く、入院期間も長いという傾向がみられた
解説
日本は、人口当たりの精神病床数がOECD諸国の中でも多く、精神病床の平均在院日数も長いことが、国際的に指摘されてきました。精神科病院の多くが民間(医療法人など)であることも特徴です。
こうした背景から、「入院医療中心から地域生活中心へ」の方針のもと、長期入院者の地域移行や、地域で暮らし続けるための支援体制づくりが進められています。

他の選択肢が誤りの理由
・病床数は少ない:人口当たりの精神病床数は、国際的にみて多いとされてきました。
・入院期間は短い:平均在院日数も、国際的にみて長いとされてきました。
・多くが公立:日本の精神科病院は、民間の病院が大部分を占めています。

覚え方のポイント
日本の精神医療の課題=「病床が多い・入院が長い・民間病院が多い」。
問61-9

A市の保健所のB精神保健福祉士は、措置入院から退院するCさんについて、国のガイドラインに沿って退院後の支援を行うことにした。厚生労働省の「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」(2018年)の内容として、正しいものはどれか。

  • ①退院後支援計画は病院が作成し、本人の同意は必要とされず、警察も支援の担い手となる
  • ②地方公共団体が計画を作るが、本人や家族は計画の作成の会議には参加しないものとする
  • ③地方公共団体が本人の同意を得て退院後支援計画を作り、本人や家族も計画の作成に参加する
  • ④措置入院者に限らず、すべての精神科病院の退院者に計画の作成が法律で義務付けられている
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正解 ③地方公共団体が本人の同意を得て退院後支援計画を作り、本人や家族も計画の作成に参加する
解説
このガイドラインは、措置入院者などが退院後に地域で安心して暮らせるよう、地方公共団体(都道府県・保健所設置市など)が中心となって、本人の同意を得て「退院後支援計画」を作り、医療・保健・福祉の支援を調整する手順を示したものです。
計画の作成には本人と家族などの参加を求め、本人の意向を十分に尊重することが強調されています。支援は本人の地域生活を支えるためのもので、監視や防犯を目的とするものではありません。

他の選択肢が誤りの理由
・病院が作成し本人の同意は不要・警察も担い手:計画は地方公共団体が本人の同意を得て作成します。退院後支援は防犯を目的とするものではないため、警察は支援の担い手には含まれません。
・本人や家族は会議に参加しない:本人や家族も計画の作成に参加することが基本です。
・すべての退院者に義務:主に措置入院者を対象とする取組で、すべての退院者に法律で義務付けられたものではありません。

覚え方のポイント
退院後支援計画=「自治体が作る」「本人の同意と参加」「防犯ではなく生活支援」。
問71-9

一般病棟に入院している身体疾患の患者のせん妄やうつ状態などに対し、精神科医や看護師、精神保健福祉士などのチームが診療や支援を行うことを何というか。

  • ①精神科救急
  • ②精神科デイ・ケア
  • ③精神科リエゾン
  • ④精神科訪問看護
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正解 ③精神科リエゾン
解説
精神科リエゾン(コンサルテーション・リエゾン精神医学)は、一般病院の身体科の病棟などで、身体疾患の治療中に起こるせん妄、抑うつ、不安、自殺企図後の対応などについて、精神科医を中心とするチームが身体科の医療者と連携して診療・支援を行うものです。
診療報酬上も「精神科リエゾンチーム加算」が設けられており、チームには精神保健福祉士などが加わります。

他の選択肢が誤りの理由
・精神科デイ・ケア:通院している人の社会生活機能の回復を目指すリハビリテーションです。
・精神科救急:夜間・休日などに急に状態が悪くなった人に対応する医療です。
・精神科訪問看護:在宅で暮らす人の自宅を訪問して看護を行うものです。

覚え方のポイント
リエゾン=フランス語で「つなぐ」。身体科と精神科をつなぐチーム医療です。
問81-9

精神科救急医療体制について、正しいものはどれか。

  • ①精神科の救急医療体制は国が整備するもので、都道府県は体制づくりにかかわらない
  • ②都道府県が、夜間や休日も含めて精神科の救急医療を受けられる体制を整備する
  • ③市町村が精神科救急の病院を指定し、夜間や休日に限って入院の要否を判定する
  • ④精神科の救急医療は、総合病院の救命救急センターだけが担うこととされている
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正解 ②都道府県が、夜間や休日も含めて精神科の救急医療を受けられる体制を整備する
解説
精神保健福祉法は、都道府県が、精神障害の救急医療が適切かつ効率的に提供されるよう、夜間又は休日でも精神障害の医療を必要とする精神障害者やその家族等からの相談に応じること、精神障害の救急医療を提供する医療施設相互間の連携を確保することなどを通じて、地域の実情に応じた体制の整備を図るよう努めるものとしています(第19条の11)。
多くの都道府県で、精神科救急情報センターや輪番制の当番病院などの仕組みが設けられています。

他の選択肢が誤りの理由
・国が整備:精神保健福祉法では、都道府県が体制の整備に努めるものとされています。
・市町村が指定し判定:入院の要否の判定は精神保健指定医が行い、市町村が救急の病院を指定する仕組みではありません。
・救命救急センターだけ:精神科病院や精神科救急情報センターなどが連携して担います。

覚え方のポイント
精神科救急=「都道府県」「夜間・休日も」「医療機関の連携」。
問91-9

厚生労働省が2017年の検討会報告書をふまえて構築を進めている「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①精神障害の有無や程度にかかわらず、地域で安心して暮らせるよう支援を包括的に確保する
  • ②精神障害の程度が重い人に対象を絞り込み、精神科病院を中心に住まいと支援を確保していく
  • ③高齢者の地域包括ケアシステムに統合し、介護保険の給付によって支援を確保していく
  • ④都道府県を基本の単位として構築し、市町村は相談支援の体制づくりにかかわらない
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正解 ①精神障害の有無や程度にかかわらず、地域で安心して暮らせるよう支援を包括的に確保する
解説
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労など)、地域の助け合い、普及啓発(教育など)が包括的に確保された仕組みを目指すものです。
市町村を基盤に、保健所・精神保健福祉センター・医療機関・障害福祉の事業所などが協議の場を通じて重層的に連携します。2022年の精神保健福祉法の改正では、相談支援の対象を精神保健に課題を抱える人にも広げることなどで、この考え方が法律にも反映されました(第46条)。

他の選択肢が誤りの理由
・重い人に絞り精神科病院中心:精神障害の有無や程度にかかわらず、地域で暮らせるよう支援を確保することを目指しています。
・高齢者の仕組みに統合し介護保険で:医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労など)、地域の助け合い、普及啓発(教育)を包括的に確保する、精神障害にも対応した独自の取組です。
・都道府県が単位で市町村はかかわらない:市町村などの基礎自治体を基盤として、保健所や都道府県が重層的に支える形で構築することとされています。

覚え方のポイント
「精神障害の有無や程度にかかわらず」「市町村が基盤」「医療・福祉・住まい・社会参加・地域の助け合い・普及啓発」。
問101-9

日本の精神医療と地域ケアの動向について、正しいものの組合せはどれか。
a.精神科特例は、精神病床の医師の配置を一般病床より多くするものであった。
b.精神保健医療福祉の改革ビジョンは「入院医療中心から地域生活中心へ」を掲げた。
c.精神科デイ・ケアの標準的な実施時間は、1日につき3時間である。
d.医療計画の5疾病の一つとして、精神疾患が位置づけられている。

  • ①a・d
  • ②a・c
  • ③b・c
  • ④b・d
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正解 ④b・d
解説
b:2004年の精神保健医療福祉の改革ビジョンは「入院医療中心から地域生活中心へ」を基本方針として掲げました。
d:都道府県の医療計画では、2013年度からの計画で精神疾患が加わり、5疾病の一つとなっています。

他の記述が誤りの理由
a:精神科特例(1958年)は、精神病床の医師を一般病床の約3分の1、看護職員を約3分の2としてよいとするもので、配置を少なくする内容でした。
c:1日につき3時間を標準とするのは精神科ショート・ケアで、精神科デイ・ケアは6時間が標準です。

覚え方のポイント
改革ビジョン=地域生活中心へ、特例=少なくてよい、5疾病=精神疾患を含む、デイ・ケア=6時間。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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