2026年10月版・2-2

家族・ライフサイクルと精神保健の一問一答

精神保健福祉士国家試験「現代の精神保健の課題と支援」から、家族・ライフサイクルと精神保健に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問12-2

エリクソン(Erikson, E.)の心理社会的発達理論で、青年期の発達課題(心理社会的危機)として正しいものはどれか。

  • ①統合 対 絶望
  • ②基本的信頼 対 不信
  • ③勤勉性 対 劣等感
  • ④同一性 対 同一性の拡散
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正解 ④同一性 対 同一性の拡散
解説
エリクソンは、人生を8つの段階に分け、各段階に心理社会的な危機(発達課題)があるとしました。
青年期の課題は「同一性(アイデンティティ)対 同一性の拡散」で、自分は何者か、どう生きるかという感覚を確立していくことが課題になります。

他の選択肢が誤りの理由
・基本的信頼 対 不信:乳児期の課題です。
・勤勉性 対 劣等感:学童期の課題です。
・統合 対 絶望:老年期の課題です。

覚え方のポイント
乳児期=信頼、幼児前期=自律性、幼児後期=自主性、学童期=勤勉性、青年期=同一性、成人前期=親密性、成人期=世代性(生殖性)、老年期=統合。
問22-2

子どもが独立して家を離れた後に、親が心にぽっかり穴があいたような喪失感や抑うつ状態になることを何というか。

  • ①上昇停止症候群
  • ②燃え尽き症候群
  • ③空の巣症候群
  • ④帰宅恐怖症候群
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正解 ③空の巣症候群
解説
空の巣症候群は、子育てを終えて子どもが巣立った後に、親(とくに子育てを生きがいにしてきた人)が、役割の喪失から抑うつや不安などを経験することをいいます。中年期は、子どもの独立、親の介護、更年期、職業上の転機などが重なりやすい時期です。

他の選択肢が誤りの理由
・燃え尽き症候群(バーンアウト):対人援助職などが、献身的に働いた末に心身のエネルギーを使い果たし、意欲を失う状態です。
・上昇停止症候群:昇進の見込みがなくなったことで意欲を失い、抑うつ的になる状態です。
・帰宅恐怖症候群:家に帰ることに強い抵抗や不安を感じる状態を指して使われる言葉です。

覚え方のポイント
空の巣=「ひなが巣立った後の空っぽの巣」。中年期の喪失体験の代表です。
問32-2

いわゆる「8050問題」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①80代の親が50代の子の介護を受けながら暮らし、親が子に経済的に依存する問題
  • ②80代の親の介護と50代の子の仕事の両立が難しくなり、子が仕事を辞めてしまう問題
  • ③80代の親が、ひきこもり状態などにある50代の子の生活を支え、親子ともに孤立する
  • ④80代の親と50代の子がそれぞれ別々に一人暮らしをして、どちらも孤立していく問題
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正解 ③80代の親が、ひきこもり状態などにある50代の子の生活を支え、親子ともに孤立する
解説
8050(はちまるごーまる)問題は、ひきこもりの長期化・高年齢化により、80代の親が50代の子の生活を年金などで支え、親の高齢化や病気、介護、経済的困窮などをきっかけに、親子ともに生活が行き詰まり、社会から孤立してしまう問題です。
介護・障害・生活困窮など複数の課題が重なるため、属性を問わない包括的な相談支援体制(重層的支援体制整備事業など)での対応が求められています。

他の選択肢が誤りの理由
・親が子の介護を受け経済的に依存:8050問題は、親が子の生活を支えている状況を指します。
・介護と仕事の両立:いわゆる介護離職の問題で、8050問題とは別の課題です。
・別々に一人暮らし:8050問題は、親子が同じ世帯で暮らし、世帯ごと孤立する状況を指します。

覚え方のポイント
8050=「80代の親と50代の子」。ひきこもりの高年齢化と、複合的な課題を抱えた世帯の孤立がポイントです。
問42-2

中学校のスクールソーシャルワーカーであるB精神保健福祉士は、遅刻が増えているAさん(14歳)について、担任から「家で精神疾患のある母親の面倒をみているらしい」と相談を受けた。子ども・若者育成支援推進法の改正(2024年)で、国や地方公共団体などが支援に努める対象として明記された「ヤングケアラー」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①家族の介護などの世話を担っていても、本人が負担を感じていなければ対象外となる子ども
  • ②家族の介護その他の日常生活上の世話を、過度に行っていると認められる子ども・若者
  • ③家族の介護などの世話を担っている18歳未満の子どもに限られ、若者は含まれない
  • ④家族の介護などの世話を担う子どものうち、親が精神疾患のある場合に限られる
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正解 ②家族の介護その他の日常生活上の世話を、過度に行っていると認められる子ども・若者
解説
2024年の子ども・若者育成支援推進法の改正で、「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」が、国・地方公共団体等が各種の支援に努めるべき対象として明記されました。これがいわゆるヤングケアラーです。
精神疾患のある親やきょうだいの世話をしている子どもも少なくなく、学業や友人関係、自分の将来への影響に配慮した支援が求められます。

他の選択肢が誤りの理由
・本人が負担を感じていなければ対象外:本人の自覚にかかわらず、過度に世話を行っていると認められる子ども・若者が対象です。
・18歳未満に限る:子どもだけでなく若者も対象として明記されました。
・親が精神疾患の場合に限る:世話の対象は親に限らず、きょうだいや祖父母などの場合もあり、病気や障害の種類も限られません。

覚え方のポイント
ヤングケアラー=「本来大人が担う家族の世話を、日常的に(過度に)担っている子ども・若者」。
問52-2

B精神保健福祉士は、出産後2か月のAさん(32歳)の様子を心配した保健師から相談を受けた。出産後の母親の心の健康について、正しいものはどれか。

  • ①産後うつ病は珍しくなく、早期の発見のためにスクリーニングの質問票が使われる
  • ②産後うつ病は出産後数日以内に始まり、多くは2週間以内に自然に治まるとされる
  • ③産後うつ病は初めての出産だけに起こり、2人目以降の出産では起こらないとされる
  • ④産後うつ病の支援は母子保健の分野だけで行い、精神科の医療とは連携しないとされる
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正解 ①産後うつ病は珍しくなく、早期の発見のためにスクリーニングの質問票が使われる
解説
出産後は、ホルモンの急激な変化、睡眠不足、育児への不安などが重なり、心の不調が起こりやすい時期です。出産後数日に一時的な涙もろさなどが起こるマタニティブルーズは多くの人にみられ、通常は短期間で治まりますが、2週間以上抑うつが続く場合は産後うつ病が疑われます。
早期の発見のため、産婦健康診査などでエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)などのスクリーニングが使われ、市町村の母子保健の支援につなげます。

他の選択肢が誤りの理由
・数日以内に始まり2週間以内に治まる:マタニティブルーズの説明です。産後うつ病は出産後数週間から数か月の間に始まることが多く、治療や支援が必要です。
・初めての出産だけ:2人目以降の出産でも起こります。
・精神科とは連携しない:母子保健と精神保健・精神科医療が連携して支援することが求められています。

覚え方のポイント
マタニティブルーズ=一時的、産後うつ病=続く・治療が必要。EPDSで早めに気付くことが大切です。
問62-2

ボウルビィ(Bowlby, J.)が提唱した「愛着(アタッチメント)」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①子どもが特定の養育者から離れて、自立して行動できるようになる発達の過程
  • ②子どもが養育者のまねをすることで、社会の規範を身に付けていく学習の過程
  • ③子どもが養育者に対して、言葉で自分の欲求を伝えられるようになっていく発達の段階
  • ④子どもが不安なときに特定の養育者に近づき、安心を得ようとする情緒的な結び付き
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正解 ④子どもが不安なときに特定の養育者に近づき、安心を得ようとする情緒的な結び付き
解説
ボウルビィは、子どもが不安や恐れを感じたときに、特定の養育者に近づき、くっつくことで安心を得ようとする情緒的な結び付きを「愛着(アタッチメント)」と呼びました。
安定した愛着は、子どもが外の世界を探索するための「安全基地」となり、その後の対人関係や心の健康の土台になると考えられています。乳幼児期に適切な養育を受けられなかった場合の困難は、反応性アタッチメント障害などとして整理されています。

他の選択肢が誤りの理由
・離れて自立して行動できるようになる過程:愛着は、子どもが安心して外の世界を探索するための「安全基地」となる結び付きで、自立の過程そのものではありません。
・まねをして規範を身に付ける:観察学習(モデリング)や社会化の説明です。
・言葉で欲求を伝える:言語の発達の説明です。

覚え方のポイント
愛着=「不安なときに逃げ込める安全基地」。ボウルビィとセットで覚えます。
問72-2

統合失調症のAさん(30歳)の母親は、「同じ立場の人と話してみたい」とB精神保健福祉士に相談した。精神障害のある人の家族が集まって学び合い、支え合う家族会について、正しいものはどれか。

  • ①家族会は精神科病院が設置し、病院の職員が中心となって運営することとされている
  • ②家族会は本人の同意がなければ参加できず、本人の病名を明かすことが条件とされる
  • ③家族会は精神保健福祉法に基づく機関で、医療保護入院の同意を家族に代わって行う
  • ④家族同士が体験を分かち合い、病気への理解を深め、社会への働きかけも行っている
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正解 ④家族同士が体験を分かち合い、病気への理解を深め、社会への働きかけも行っている
解説
家族会は、精神障害のある人の家族が、同じ立場の家族と体験を分かち合い、病気や制度について学び、互いに支え合うセルフヘルプグループです。全国組織として公益社団法人全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)などがあり、家族の立場から制度の改善を求める活動(アドボカシー)も行っています。
家族の孤立を防ぎ、家族が元気になることは、本人の回復にもよい影響を与えます。

他の選択肢が誤りの理由
・病院が設置し職員が運営:病院の家族会もありますが、家族自身が主体となって運営する自主的な会が基本です。
・本人の同意と病名の開示が条件:そのような条件はありません。
・法律に基づく機関:家族会は法律に基づく機関ではなく、医療保護入院の同意を代わりに行うこともできません。

覚え方のポイント
家族会=家族のセルフヘルプグループ。「分かち合い・学び合い・社会への働きかけ」の3つの機能があります。
問82-2

地域で一人暮らしをするAさん(78歳)について、民生委員から、気分の落ち込みを心配する相談がB精神保健福祉士に寄せられた。高齢期の精神保健について、正しいものはどれか。

  • ①高齢者の自殺は少ないため、自殺対策の重点の対象からは外されている
  • ②高齢者のうつ病では物忘れが目立つことはなく、認知症と区別しやすい
  • ③配偶者との死別や役割の喪失などが重なり、うつ病の背景となることがある
  • ④高齢者の不眠は加齢による自然な変化であり、心の不調の手がかりにはならない
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正解 ③配偶者との死別や役割の喪失などが重なり、うつ病の背景となることがある
解説
高齢期には、配偶者や友人との死別、退職による役割の喪失、身体機能の低下、経済的な不安など、さまざまな喪失体験が重なりやすく、うつ病の背景となることがあります。
高齢者のうつ病は、物忘れや集中力の低下が目立って認知症と間違えられること(仮性認知症)があり、身体の不調の訴えが前面に出ることもあります。

他の選択肢が誤りの理由
・高齢者の自殺は少ない:高齢者の自殺も重要な課題とされ、対策の対象です。
・物忘れは目立たない:高齢者のうつ病では物忘れなどが目立ち、認知症と見分けにくいことがあります(いわゆる仮性認知症)。
・不眠は心の不調の手がかりにならない:不眠はうつ病などの重要なサインとなることがあります。

覚え方のポイント
高齢期のうつ=「喪失体験」と「認知症との見分け(仮性認知症)」。
問92-2

親が精神疾患を抱えている子どもへの支援について、最も適切なものはどれか。

  • ①子どもの年齢にかかわらず、大人に伝えるのと同じ内容で親の病名や治療を詳しく伝える
  • ②子どもの年齢に応じて、親の病気について分かりやすく説明し、子ども自身の相談先を用意する
  • ③子どもの負担を減らすため、家事や親の世話から子どもを外すよう家族に指示しておく
  • ④病気の説明は親の主治医が行うものとし、支援者は子どもとは直接にかかわらないようにしておく
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正解 ②子どもの年齢に応じて、親の病気について分かりやすく説明し、子ども自身の相談先を用意する
解説
親が精神疾患を抱えている子どもは、親の変化に戸惑い、「自分のせいではないか」と感じたり、家事や親の世話を担ったりすることがあります。
子どもの年齢や理解に応じて、親の病気について分かりやすく伝え、「あなたのせいではない」ことを伝えるとともに、学校や地域に子ども自身が相談できる場所を用意することが大切です。ヤングケアラーになっていないかにも目を配ります。

他の選択肢が誤りの理由
・大人と同じ内容で詳しく伝える:子どもの年齢や理解の程度に合わせた伝え方が必要です。詳しすぎる説明は、かえって不安を強めることがあります。
・世話から子どもを外すよう家族に指示:過度な負担を減らすことは大切ですが、子どもや家族の思いを聴かずに一方的に指示するのではなく、家事援助などのサービスで家族全体を支えます。
・支援者は子どもとかかわらない:主治医との連携は大切ですが、支援者も子ども自身の気持ちを聴き、相談できる場につなぎます。

覚え方のポイント
子どもへの支援の3点:年齢に応じた説明・「あなたのせいではない」・子ども自身の相談先。
問102-2

家族の精神保健について、正しいものの組合せはどれか。
a.8050問題は、80代の親が50代の子の生活を支えて親子ともに孤立する問題をいう。
b.空の巣症候群は、子どもが乳幼児期のうちに親に起こる抑うつ状態をいう。
c.マタニティブルーズは、出産後数日以内に起こり、多くは短期間で治まる。
d.ヤングケアラーは、介護の仕事に就いている若い職員のことをいう。

  • ①a・c
  • ②b・d
  • ③a・b
  • ④c・d
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正解 ①a・c
解説
a:8050問題は、ひきこもりの長期化・高年齢化などにより、80代の親と50代の子が地域で孤立する問題です。
c:マタニティブルーズは出産後数日以内に起こる一時的な涙もろさや気分の変化で、多くは短期間で治まります。2週間以上続く場合は産後うつ病を疑います。

他の記述が誤りの理由
b:空の巣症候群は、子どもが独立して家を離れた後に親が経験する喪失感や抑うつです。
d:ヤングケアラーは、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に担っている子ども・若者のことです。

覚え方のポイント
ライフサイクルの各時期に、特有の精神保健の課題があります。言葉と時期をセットで覚えます。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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