2026年10月版・3-1

障害者福祉の思想と原理の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神保健福祉の原理」から、障害者福祉の思想と原理に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問13-1

ノーマライゼーションの理念を、デンマークの1959年法に盛り込み「ノーマライゼーションの父」と呼ばれる人物はどれか。

  • ①ロバーツ
  • ②ニィリエ
  • ③ヴォルフェンスベルガー
  • ④バンク-ミケルセン
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正解 ④バンク-ミケルセン
解説
デンマークのバンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)は、知的障害者の親の会の運動を受けて、「障害のある人も、できる限りノーマルな生活を送れるようにする」という考え方を、1959年の知的障害者福祉法(いわゆる1959年法)に盛り込みました。このことから「ノーマライゼーションの父」と呼ばれています。

他の選択肢が誤りの理由
・ニィリエ(Nirje, B.):スウェーデンで、ノーマライゼーションの8つの原理を示し、理念を具体化しました。
・ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.):北米に理念を広め、のちに「社会的役割の実践(ソーシャルロール・バロリゼーション)」へと発展させました。
・ロバーツ(Roberts, E.):アメリカのカリフォルニア州バークレーで自立生活運動を進めた人物です。

覚え方のポイント
デンマーク=バンク-ミケルセン(父)、スウェーデン=ニィリエ(8つの原理)、北米=ヴォルフェンスベルガー(社会的役割)。
問23-1

ニィリエ(Nirje, B.)が示したノーマライゼーションの8つの原理に含まれるものはどれか。

  • ①社会的に価値のある役割
  • ②最も制限の少ない環境
  • ③1日のノーマルなリズム
  • ④合理的配慮の提供
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正解 ③1日のノーマルなリズム
解説
ニィリエは、ノーマライゼーションの8つの原理として、1日のノーマルなリズム、1週間のノーマルなリズム、1年間のノーマルなリズム、ライフサイクルにおけるノーマルな発達的経験、ノーマルな個人の尊厳と自己決定権、その文化におけるノーマルな性的関係、その社会におけるノーマルな経済的水準とそれを得る権利、その地域におけるノーマルな環境形態と水準を示しました。

他の選択肢が誤りの理由
・社会的に価値のある役割:ヴォルフェンスベルガーが提唱したソーシャルロール・バロリゼーション(社会的役割の実践)の考え方です。
・最も制限の少ない環境:1991年の国連原則(精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための原則)などで示された、治療やケアの環境に関する原則です。
・合理的配慮の提供:障害者権利条約や障害者差別解消法で示された考え方です。

覚え方のポイント
ニィリエの8原理は「1日・1週間・1年のリズム」「ライフサイクル」「自己決定」「性的関係」「経済水準」「環境水準」。
問33-1

ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)がノーマライゼーションを発展させて提唱した考え方として、正しいものはどれか。

  • ①介助を受けていても、障害のある人が自ら選び決めて地域で暮らせるように支援する
  • ②社会的に価値を低くみられがちな人に、価値のある社会的役割を獲得できるよう支援する
  • ③障害のある人の1日・1週間・1年の生活を、ノーマルなリズムにできるように支援する
  • ④心身の機能の障害と社会的障壁との相互作用に着目し、社会の側の障壁を取り除く
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正解 ②社会的に価値を低くみられがちな人に、価値のある社会的役割を獲得できるよう支援する
解説
ヴォルフェンスベルガーは、ノーマライゼーションを北米に広めるとともに、それを発展させて「ソーシャルロール・バロリゼーション(社会的役割の実践、社会的役割の価値付与)」を提唱しました。
社会から価値を低くみられ、不利な立場に置かれがちな人に対し、社会的に価値のある役割を獲得し、維持できるよう支援することを重視する考え方です。

他の選択肢が誤りの理由
・自ら選び決めて地域で暮らす:アメリカの自立生活運動(エド・ロバーツら)の自立観です。
・1日・1週間・1年のノーマルなリズム:ニィリエが示したノーマライゼーションの8つの原理の内容です。
・社会の側の障壁を取り除く:障害の社会モデル(イギリスのUPIASやオリバーら)の考え方です。

覚え方のポイント
ヴォルフェンスベルガー=「社会的役割(ソーシャルロール)」。
問43-1

1970年代にアメリカのカリフォルニア州バークレーを中心に広がった自立生活運動(IL運動)の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①介助を受けていても、自分で選び決めて生活することを「自立」ととらえた
  • ②身の回りのことをすべて自分一人でできるようになることを「自立」とした
  • ③障害者の生活の場を施設に一本化することで、「自立」を実現しようとした
  • ④障害者の生活の判断を家族に委ねることを、「自立」の第一歩ととらえた
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正解 ①介助を受けていても、自分で選び決めて生活することを「自立」ととらえた
解説
自立生活運動は、カリフォルニア大学バークレー校に在籍した重度の障害のあるエド・ロバーツらを中心に広がった、障害のある当事者による運動です。1972年にはバークレーで自立生活センター(CIL)が設立されました。
「他人の介助を受けて15分で服を着て仕事に出かける人は、自分で2時間かけて服を着て家にいる人よりも自立している」という考え方に代表されるように、介助を受けていても、自分で選び決めること(自己決定)を自立ととらえました。

他の選択肢が誤りの理由
・すべて自分一人でできることが自立:自立生活運動が見直した従来の自立観(身辺自立・経済的自立)です。
・施設に一本化:施設ではなく地域で暮らすことを求めた運動です。
・家族に委ねる:本人の自己決定を重んじる運動の考え方と合いません。

覚え方のポイント
IL運動の自立=「自己決定する自立」。介助を受けることと自立は両立します。
問53-1

障害の「社会モデル」の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①障害は、心身の機能の障害と社会的障壁との相互作用によって生じるものであると考える
  • ②障害は、個人の心身の機能の障害から生じる問題で、治療や訓練で解決を図ると考える
  • ③障害は、機能の障害と環境の相互作用で生じるが、その解消は本人の適応に求めると考える
  • ④障害は、社会的障壁によって生じるため、機能の障害への医療は必要ないと考える
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正解 ①障害は、心身の機能の障害と社会的障壁との相互作用によって生じるものであると考える
解説
障害の社会モデルは、障害(できないこと・不利益)は、個人の心身の機能の障害だけから生じるのではなく、社会の側にある障壁(建物や制度、慣行、偏見など)との相互作用によって生じると考えます。障壁を取り除く責任は社会の側にあるとする考え方です。
イギリスの障害者団体(UPIAS)の主張や、オリバー(Oliver, M.)らの理論で広まり、障害者権利条約や、日本の障害者基本法・障害者差別解消法の「社会的障壁」の考え方に反映されています。

他の選択肢が誤りの理由
・個人の障害から生じ治療や訓練で解決:医学モデル(個人モデル)の考え方です。
・解消を本人の適応に求める:社会モデルでは、社会の側が障壁を取り除く責任を負うと考えます。
・医療は必要ない:社会モデルは医療を否定するものではなく、社会的障壁の除去に目を向ける考え方です。

覚え方のポイント
医学モデル=障害は個人の中にある、社会モデル=障害は社会との間で生じる。
問63-1

1970年代に、障害者を「あってはならない存在」とみなす社会の意識を厳しく告発し、障害者運動に大きな影響を与えた日本の脳性マヒ者の団体はどれか。

  • ①全国自立生活センター協議会
  • ②全国精神障害者家族会連合会
  • ③日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会
  • ④青い芝の会
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正解 ④青い芝の会
解説
青い芝の会は、1957年に結成された脳性マヒ者の団体です。1970年代には、母親による障害児殺害事件に対する減刑嘆願運動への抗議などを通じて、障害者を「あってはならない存在」とみなす社会の意識(優生思想)を厳しく告発し、「行動綱領」を掲げて日本の障害者運動に大きな影響を与えました。

他の選択肢が誤りの理由
・全国精神障害者家族会連合会(全家連):1965年に結成された精神障害者の家族会の全国組織です(2007年に解散)。
・日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会:1964年に設立された、現在の日本精神保健福祉士協会の前身です。
・全国自立生活センター協議会:1991年に結成された、自立生活センターの全国組織です。

覚え方のポイント
青い芝の会=脳性マヒ者の当事者団体、1970年代に優生思想を告発。
問73-1

旧優生保護法に基づく強制的な不妊手術について、2024年7月の最高裁判所大法廷判決の内容として正しいものはどれか。

  • ①旧優生保護法の規定は違憲としたが、除斥期間の経過により国の責任を否定した
  • ②旧優生保護法の不妊手術に関する規定は憲法に違反しないとし、国の責任を否定した
  • ③旧優生保護法の不妊手術に関する規定は憲法に違反するとし、国の賠償責任を認めた
  • ④旧優生保護法の規定の合憲性は判断せず、すべての訴えを不適法として却下した
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正解 ③旧優生保護法の不妊手術に関する規定は憲法に違反するとし、国の賠償責任を認めた
解説
旧優生保護法(1948〜1996年)は、「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的に掲げ、障害や疾病を理由に、本人の同意のない不妊手術などを認めていました。精神疾患や知的障害のある人も多く対象とされました。
2024年7月3日、最高裁判所大法廷は、不妊手術に関する規定は憲法13条と14条1項に違反するとし、除斥期間(20年)の経過を理由に国が賠償責任を免れることは著しく正義・公平の理念に反するとして、国の賠償責任を認めました。これを受けて同年10月、被害者への補償の法律が成立しました。

他の選択肢が誤りの理由
・憲法に違反しない:最高裁は違憲と判断しました。
・除斥期間で責任を否定:除斥期間の適用を認めませんでした。
・判断せず却下:違憲の判断を示し、国の責任を認めました。

覚え方のポイント
旧優生保護法=1948〜1996年。2024年に最高裁が違憲・国の賠償責任を認め、補償の法律ができました。
問83-1

「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①社会的に排除されやすい人々を、専用の施設に集めて保護する考え方
  • ②社会的に排除されやすい人々を、社会の一員として包み支え合う考え方
  • ③社会的に排除されやすい人々に、社会の規範に合わせるよう求める考え方
  • ④社会的に排除されやすい人々の支援を、家族だけに委ねる考え方
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正解 ②社会的に排除されやすい人々を、社会の一員として包み支え合う考え方
解説
ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)は、障害、貧困、失業、孤立などによって社会から排除されがちな人々(ソーシャル・エクスクルージョンの状態にある人々)を、社会の一員として包み込み、支え合う考え方です。ヨーロッパで広がり、日本では2000年の厚生省の「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告書で取り上げられました。

他の選択肢が誤りの理由
・専用の施設に集めて保護:社会からの分離であり、包摂とは逆です。
・社会の規範に合わせるよう求める:本人だけに変化を求めるのではなく、社会の側が包み込むことを重視します。
・家族だけに委ねる:社会全体で支え合う考え方と異なります。

覚え方のポイント
エクスクルージョン(排除)の反対がインクルージョン(包摂)。
問93-1

障害者権利条約における「合理的配慮」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①障害者が他の者と平等に権利を行使できるよう、どれほど負担が大きくても例外なく行わなければならない変更や調整
  • ②障害者が他の者と平等に権利を行使できるよう、過度の負担を課さない範囲で行われる必要かつ適当な変更や調整
  • ③障害者が他の者と平等に権利を行使できるよう、障害者本人や家族が自らの負担で行わなければならない変更や調整
  • ④障害者が他の者と平等に権利を行使できるよう、国や自治体だけが行い民間の事業者には求められない変更や調整
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正解 ②障害者が他の者と平等に権利を行使できるよう、過度の負担を課さない範囲で行われる必要かつ適当な変更や調整
解説
障害者権利条約第2条は、合理的配慮を「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義しています。合理的配慮を行わないことは、障害に基づく差別に含まれます。
日本では障害者差別解消法により、行政機関等に加え、2024年4月からは民間の事業者にも合理的配慮の提供が義務付けられました。

他の選択肢が誤りの理由
・負担が大きくても例外なく:「過度の負担」とならない範囲で行うものです。
・本人が自らの負担で行う:配慮を提供するのは、行政機関や事業者などの側です。
・民間の事業者には求められない:民間の事業者にも求められます。

覚え方のポイント
合理的配慮=「必要かつ適当な変更・調整」「過度の負担にならない範囲」「しないことも差別」。
問103-1

障害者福祉の思想について、正しいものの組合せはどれか。
a.ノーマライゼーションの8つの原理を示したのは、ニィリエである。
b.障害の社会モデルは、社会的障壁との相互作用で障害が生じると考える。
c.自立生活運動は、身の回りのことをすべて自分でできることを自立とした。
d.ソーシャルロール・バロリゼーションを提唱したのは、バンク-ミケルセンである。

  • ①a・b
  • ②c・d
  • ③a・d
  • ④b・c
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正解 ①a・b
解説
a:スウェーデンのニィリエが、ノーマライゼーションの8つの原理を示しました。
b:障害の社会モデルは、障害は心身の機能の障害と社会的障壁との相互作用によって生じると考えます。

他の記述が誤りの理由
c:自立生活運動は、介助を受けていても、自分で選び決めて生活すること(自己決定)を自立ととらえました。
d:ソーシャルロール・バロリゼーション(社会的役割の実践)を提唱したのはヴォルフェンスベルガーです。バンク-ミケルセンは「ノーマライゼーションの父」と呼ばれる人物です。

覚え方のポイント
人物と考え方の組合せは定番の出題です。バンク-ミケルセン(父)・ニィリエ(8原理)・ヴォルフェンスベルガー(社会的役割)・ロバーツ(自立生活運動)。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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