2026年10月版・3-4

諸外国の精神保健福祉の歴史と障害者権利条約の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神保健福祉の原理」から、諸外国の精神保健福祉の歴史と障害者権利条約に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問13-4

18世紀末のフランスで、精神病者を鎖から解放したとされる精神科医はどれか。

  • ①ピネル
  • ②テューク
  • ③ビアーズ
  • ④バザーリア
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正解 ①ピネル
解説
フランスの精神科医ピネル(Pinel, P.)は、フランス革命期の1790年代に、パリのビセートル病院やサルペトリエール病院で、鎖につながれていた精神病者を解放したとされ、精神医療の人道的な改革の象徴とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・テューク(Tuke, W.):イギリスのヨークで、1796年にヨーク・リトリートを開設し、人道的な「道徳療法」を行ったクエーカー教徒の商人です。
・ビアーズ(Beers, C.):アメリカで、自らの入院体験をもとに『わが魂にあうまで』(1908年)を著し、精神衛生運動を始めた人物です。
・バザーリア(Basaglia, F.):イタリアで精神科病院の廃止を進めた精神科医です。

覚え方のポイント
ピネル(フランス・鎖からの解放)、テューク(イギリス・ヨーク・リトリート)、ビアーズ(アメリカ・精神衛生運動)、バザーリア(イタリア・精神科病院の廃止)。
問23-4

1908年に自らの精神科病院での入院体験を記した『わが魂にあうまで』を著し、アメリカで精神衛生運動を始めた人物はどれか。

  • ①マイヤー
  • ②ピネル
  • ③テューク
  • ④ビアーズ
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正解 ④ビアーズ
解説
ビアーズ(Beers, C.)は、精神科病院での自らの入院体験と、そこで受けた非人道的な処遇を『わが魂にあうまで(A Mind That Found Itself)』(1908年)に記しました。この本は大きな反響を呼び、1909年には全米精神衛生委員会が設立され、精神衛生運動が世界に広がっていきました。
精神科医のマイヤー(Meyer, A.)は、この運動を支援し、「精神衛生(mental hygiene)」という言葉を広めたとされます。

他の選択肢が誤りの理由
・ピネル:18世紀末のフランスで精神病者を鎖から解放したとされる精神科医です。
・テューク:イギリスのヨーク・リトリートで道徳療法を行った人物です。
・マイヤー:ビアーズの運動を支援した精神科医で、本の著者ではありません。

覚え方のポイント
ビアーズ=「当事者の体験記」から始まった精神衛生運動。当事者の声が社会を動かした先駆けです。
問33-4

1978年に成立し、精神科病院への新たな入院を原則として禁止し、精神科病院を段階的に廃止していく方向を示したイタリアの法律を何というか。

  • ①精神保健法(メンタルヘルス法)
  • ②精神病者監護法
  • ③地域精神保健センター法
  • ④法律180号(バザーリア法)
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正解 ④法律180号(バザーリア法)
解説
イタリアでは、精神科医バザーリア(Basaglia, F.)がゴリツィアやトリエステで精神科病院の解体と地域ケアへの転換を進め、1978年に法律180号(バザーリア法)が成立しました。
精神科病院への新たな入院を禁止し、既存の精神科病院を段階的に閉鎖して、地域の精神保健センターを中心とする地域ケアへ移行することを定めました。

他の選択肢が誤りの理由
・精神病者監護法:1900年に日本で制定された法律です。
・地域精神保健センター法:1963年のケネディ大統領の教書を受けて、アメリカで制定された法律です。
・精神保健法(メンタルヘルス法):イギリスなどの法律の名称で、イタリアの1978年の法律ではありません。

覚え方のポイント
1978年イタリア=法律180号(バザーリア法)=精神科病院の廃止と地域ケアへの転換。
問43-4

1963年にアメリカのケネディ大統領が議会に送った「精神病及び精神薄弱に関する大統領教書」をきっかけに進められたこととして、正しいものはどれか。

  • ①精神障害者を家族が自宅で監護することを義務付けて、地域の支援機関を廃止した
  • ②大規模な州立精神科病院を増設し、長期の入院による治療を中心とする体制を全国に整えた
  • ③大規模な州立精神科病院を縮小し、地域精神保健センターを中心とした地域ケアを進めた
  • ④精神障害者の治療をすべて民間の病院に委ねることとし、公的な支援の体制を縮小した
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正解 ③大規模な州立精神科病院を縮小し、地域精神保健センターを中心とした地域ケアを進めた
解説
1963年のケネディ教書は、大規模な州立精神科病院に多くの人が収容されている状況を改め、地域で治療とケアを受けられるようにすることを目指しました。同年に地域精神保健センター法が成立し、脱施設化(ディインスティテューショナリゼーション)が進められました。
一方で、地域の受け皿が不十分なまま退院が進んだことで、入退院を繰り返す「回転ドア現象」やホームレス化などの問題も生じ、その反省からケースマネジメントやACTなどの地域支援の方法が発展しました。

他の選択肢が誤りの理由
・州立精神科病院を増設:逆で、縮小と地域ケアへの移行を進めました。
・家族に自宅での監護を義務付け:そのような内容ではありません。
・民間に委ね公的支援を縮小:公的な地域精神保健センターを整備する方向でした。

覚え方のポイント
1963年ケネディ教書→地域精神保健センター法→脱施設化→回転ドア現象→ケースマネジメント・ACTの発展。
問53-4

1991年に国連総会で採択された「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための原則」の内容として、正しいものはどれか。

  • ①精神疾患を有する者の治療は、入院による治療を原則とすべきであるとした
  • ②精神疾患を有する者は、できる限り地域社会で生活し、働く権利を持つことを示した
  • ③精神疾患を有する者への強制的な入院を、どのような場合も一切認めないこととした
  • ④精神疾患を有する者の権利の保障は、各国の家族による監護に委ねるべきであるとした
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正解 ②精神疾患を有する者は、できる限り地域社会で生活し、働く権利を持つことを示した
解説
「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための原則」(国連原則、1991年)は、精神疾患を有するすべての人が、可能な限り最良のメンタルヘルスケアを受ける権利、人間としての尊厳をもって扱われる権利、地域社会で生活し働く権利、インフォームド・コンセントの原則、最も制限の少ない環境で治療を受ける権利などを示しました。
日本では、宇都宮病院事件などを通じた国際的な批判とあわせ、こうした国際的な人権の考え方が、その後の法改正に影響を与えました。

他の選択肢が誤りの理由
・入院による治療が原則:できる限り地域社会で生活し、地域で治療を受ける権利を示しています。
・強制的な入院を一切認めない:一定の要件と手続のもとで非自発的な入院を認めたうえで、その保障の仕組みを定めています。
・家族による監護に委ねる:権利の保障は、各国の法律や審査の仕組みによって行うものとしています。

覚え方のポイント
1991年国連原則=「最良のケア」「尊厳」「地域で生活し働く権利」「インフォームド・コンセント」「最も制限の少ない環境」。
問63-4

障害者権利条約について、正しいものはどれか。

  • ①2006年に国連総会で採択され、日本は国内法を整備したうえで2014年に批准した
  • ②2006年に国連総会で採択され、日本は国内法を整備しないまま採択と同じ年に批准した
  • ③2014年に国連総会で採択され、日本は採択されたのと同じ年にすぐに批准した
  • ④1981年の国際障害者年に国連総会で採択され、日本は2000年に批准した
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正解 ①2006年に国連総会で採択され、日本は国内法を整備したうえで2014年に批准した
解説
障害者権利条約は、2006年12月に国連総会で採択され、2008年に発効しました。日本は2007年に署名した後、批准に先立って国内法の整備を進めました。具体的には、2011年の障害者基本法改正(社会的障壁、合理的配慮の考え方の導入など)、2012年の障害者総合支援法の成立、2013年の障害者差別解消法の成立と障害者雇用促進法の改正などです。そのうえで、2014年1月に批准しました。

他の選択肢が誤りの理由
・国内法を整備せず批准:国内法の整備を先に行いました。
・2014年に採択:採択は2006年です。2014年は日本の批准の年です。
・1981年に採択・2000年に批准:1981年は国際障害者年で、条約の採択ではありません。

覚え方のポイント
2006年採択→2007年日本署名→国内法整備(2011〜2013)→2014年批准。
問73-4

障害者権利条約第12条(法律の前にひとしく認められる権利)の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①障害者が他の者と平等に法的能力を享有することを認め、その行使に必要な支援を求める
  • ②障害者が法的能力を行使するのは難しいので、原則として代理人が本人に代わって判断する
  • ③障害者が地域社会で自立して生活し、地域社会に包容される権利を認めるよう求める
  • ④障害者が他の者と平等に、インクルーシブな教育を受ける権利を認めるよう求める
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正解 ①障害者が他の者と平等に法的能力を享有することを認め、その行使に必要な支援を求める
解説
障害者権利条約第12条は、障害者が生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認め、締約国に対して、障害者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用する機会を提供するための適当な措置をとることを求めています。
本人に代わって決める「代行決定」から、本人が決めることを支える「意思決定支援(支援付き意思決定)」への転換を求める考え方とされ、成年後見制度の在り方にも影響しています。

他の選択肢が誤りの理由
・代理人が代わって判断:本人に代わって決める代行決定を原則とする考え方は、第12条の趣旨と異なります。
・地域社会で自立して生活し包容される権利:第19条(自立した生活及び地域社会への包容)の内容です。
・インクルーシブな教育を受ける権利:第24条(教育)の内容です。

覚え方のポイント
第12条=「法的能力の平等」+「行使のための支援」=代行決定から意思決定支援へ。第19条=地域生活、第24条=教育、と条文の番号もセットで押さえます。
問83-4

アメリカで脱施設化が進んだ後に生じたとされる「回転ドア現象」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①退院した人が地域の支援機関を順番に利用して、地域での生活が安定していく現象
  • ②長期入院の患者が病棟を移りながら入院を続け、退院に至らないまま過ごす現象
  • ③精神科病院の病床が減った分だけ、刑務所などの施設に収容される人が増える現象
  • ④地域での支えが不十分なまま退院した人が、短期間で再入院を何度も繰り返す現象
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正解 ④地域での支えが不十分なまま退院した人が、短期間で再入院を何度も繰り返す現象
解説
回転ドア現象は、地域での治療や生活支援の受け皿が十分に整わないまま退院が進められた結果、退院した人が地域で生活を維持できず、短期間のうちに入退院を繰り返す状態をいいます。
アメリカの脱施設化の反省から、地域で継続的に支えるケースマネジメントやACTなどの方法が発展しました。日本の地域移行でも、退院後の継続的な支援の大切さを示す教訓とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・地域の支援機関を順番に利用して安定:回転ドア現象は、退院と再入院を繰り返す望ましくない状態を指します。
・病棟を移りながら入院を続ける:退院に至らない長期入院の説明で、回転ドア現象ではありません。
・病床が減った分だけ刑務所などに収容される:脱施設化の後に指摘された、人が施設の間を移るだけの現象(いわゆるトランスインスティテューショナリゼーション)の説明です。

覚え方のポイント
回転ドア現象=「出てもすぐ戻る」。脱施設化には地域の受け皿が不可欠、という教訓です。
問93-4

イギリスのヨークで1796年に開設され、拘束を避け、家庭的な環境で人道的な処遇を行う「道徳療法」で知られる施設はどれか。

  • ①ケロプダス病院
  • ②ビセートル病院
  • ③ヨーク・リトリート
  • ④ファウンテンハウス
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正解 ③ヨーク・リトリート
解説
ヨーク・リトリートは、クエーカー教徒の商人テューク(Tuke, W.)が、1796年にイギリスのヨークに開設した施設です。鎖などによる拘束を避け、家庭的な雰囲気の中で、作業や規則正しい生活を通じて回復を促す「道徳療法(モラル・トリートメント)」を行いました。

他の選択肢が誤りの理由
・ビセートル病院:ピネルが精神病者を鎖から解放したとされるパリの病院です。
・ケロプダス病院:フィンランドの西ラップランド地方で、オープンダイアローグが発展した病院です。
・ファウンテンハウス:ニューヨークで1948年に始まったクラブハウスモデルの起源です。

覚え方のポイント
1796年ヨーク・リトリート(テューク・道徳療法)と、同じころのフランスのピネル(鎖からの解放)。人道的な処遇の始まりとして並べて覚えます。
問103-4

諸外国の精神保健福祉の歴史について、正しいものの組合せはどれか。
a.ピネルは、イギリスのヨークでヨーク・リトリートを開設した。
b.イタリアでは1978年に法律180号(バザーリア法)が成立した。
c.障害者権利条約は、1991年に国連総会で採択された。
d.ビアーズは、自らの入院体験を記した本を著し、精神衛生運動を始めた。

  • ①a・c
  • ②b・d
  • ③a・b
  • ④c・d
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正解 ②b・d
解説
b:イタリアでは、バザーリアの改革を背景に、1978年に法律180号(バザーリア法)が成立しました。
d:ビアーズは『わが魂にあうまで』(1908年)を著し、アメリカで精神衛生運動を始めました。

他の記述が誤りの理由
a:ヨーク・リトリートを開設したのはテュークです。ピネルはフランスで精神病者を鎖から解放したとされる精神科医です。
c:障害者権利条約は2006年に国連総会で採択されました。1991年に採択されたのは「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための原則」です。

覚え方のポイント
ピネル(仏)・テューク(英)・ビアーズ(米)・バザーリア(伊)。1991年国連原則と2006年権利条約を取り違えないようにします。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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