2026年10月版・3-5

精神障害者の人権と権利擁護の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神保健福祉の原理」から、精神障害者の人権と権利擁護に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全810問) 精神保健福祉の原理の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問13-5

精神保健福祉法第36条第2項に基づき、精神科病院の管理者が入院中の者に対して行うことができない行動の制限として、正しいものはどれか。

  • ①外出の時間の制限
  • ②信書の発受の制限
  • ③面会の時間帯の制限
  • ④電話の利用の時間の制限
答えと解説を見る
正解 ②信書の発受の制限
解説
精神保健福祉法第36条第2項は、精神科病院の管理者は、信書の発受の制限、都道府県その他の行政機関の職員との面会の制限その他の行動の制限であって、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定めるものについては、これを行うことができないとしています。
厚生労働大臣の告示では、信書の発受の制限(刃物など異物が同封されていると判断される受信信書の扱いを除く)、人権擁護に関する行政機関の職員や患者の代理人である弁護士との電話・面会の制限などが、行うことができない制限とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・外出の時間、面会の時間帯、電話の利用の時間:医療又は保護に欠くことのできない限度で、必要な制限を行うことがありえます(第36条第1項)。ただし、行政機関の職員や代理人の弁護士との電話・面会は制限できません。

覚え方のポイント
絶対に制限できないもの=「信書(手紙)」「行政機関の職員・代理人弁護士との電話と面会」。外の世界と権利擁護につながる道は閉ざさない、と覚えます。
問23-5

精神科病院の病棟で、興奮が続くAさん(30歳)について、身体的拘束を行うかどうかが検討されている。精神科病院における隔離と身体的拘束について、正しいものはどれか。

  • ①身体的拘束と12時間を超える隔離は、精神保健指定医が必要と認める場合に限り行える
  • ②身体的拘束と12時間を超える隔離は、看護師長が必要と判断すれば医師の判断なく行える
  • ③隔離と身体的拘束は、医療保護入院に同意した家族等が了承すれば、指定医の判断なく行える
  • ④隔離と身体的拘束は、本人の同意を得た場合に限り、指定医の判断なく行うことができる
答えと解説を見る
正解 ①身体的拘束と12時間を超える隔離は、精神保健指定医が必要と認める場合に限り行える
解説
精神保健福祉法第36条第3項は、行動の制限のうち、厚生労働大臣が定める患者の隔離その他の行動の制限は、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ行うことができないとしています。告示では、身体的拘束と、12時間を超える患者の隔離がこれに当たります(12時間以内の隔離は、指定医以外の医師の判断でも行えます)。
隔離や身体的拘束は、代わりの方法がない場合に、必要な最小限の範囲で行い、できる限り早く解除することが求められ、診療録への記載、本人への説明なども定められています。

他の選択肢が誤りの理由
・看護師長の判断で行える:身体的拘束と12時間を超える隔離は、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ行えません。
・家族等の了承で行える:家族等の同意は医療保護入院の要件であり、行動の制限の要件ではありません。必要がなくなれば速やかに解除します。
・本人の同意があれば指定医の判断は不要:本人が同意していても、身体的拘束などは指定医の判断のもとで行う行動制限です。

覚え方のポイント
指定医が必要=「12時間を超える隔離」と「身体的拘束」。最小限・早期解除・記録・説明がセットです。
問33-5

医療保護入院中のAさん(50歳)は、B精神保健福祉士に「退院したいが、どこに何を言えばよいのか分からない」と相談した。精神科病院に入院中の者が退院や処遇の改善を求める手続について、正しいものはどれか。

  • ①入院中の者又は家族等は家庭裁判所に退院の請求を行い、家事審判で入院の要否を判断する
  • ②入院中の者だけが都道府県知事に退院等の請求を行うことができ、家族等は請求できない
  • ③入院中の者又は家族等は病院の管理者に退院を請求し、院内の委員会がその可否を審査する
  • ④入院中の者又は家族等は都道府県知事に退院等の請求を行い、精神医療審査会が審査する
答えと解説を見る
正解 ④入院中の者又は家族等は都道府県知事に退院等の請求を行い、精神医療審査会が審査する
解説
精神保健福祉法第38条の4により、精神科病院に入院中の者又はその家族等(家族等がいない場合などは市町村長)は、都道府県知事に対し、退院させること、又は精神科病院の管理者に退院や処遇の改善を命じることを求めることができます。
請求を受けた知事は精神医療審査会に審査を求め、審査会は、請求者と病院の管理者の意見を聴いたうえで(特に必要がないと認めたときを除く)、入院の必要性や処遇の適否を審査します。知事は、その結果に基づいて退院や処遇改善を命じなければなりません(第38条の5)。

他の選択肢が誤りの理由
・家庭裁判所に請求:精神保健福祉法の退院等の請求は都道府県知事に対して行うもので、裁判所の審判ではありません。
・家族等は請求できない:家族等(家族等がいない場合などは市町村長)も請求できます。
・病院の管理者に請求し院内の委員会が審査:病院から独立した精神医療審査会が審査します。院内の医療保護入院者退院支援委員会は、入院期間の更新の前に審議する別の仕組みです。

覚え方のポイント
退院請求・処遇改善請求=「本人又は家族等」→「知事」→「精神医療審査会」。精神保健福祉士は、請求の方法を伝え、手続を支えます。
問43-5

精神科病院に医療保護入院中のAさん(50歳)は、面会に来る人がおらず、B精神保健福祉士に「外の人と話がしたい」と話した。精神保健福祉法に定める入院者訪問支援事業について、正しいものはどれか。

  • ①精神医療審査会の委員が、入院中の者を定期的に訪問して、入院の必要性を審査する
  • ②精神科病院の職員が、病棟内の患者を定期的に訪問して、治療の方針を説明する
  • ③都道府県知事が選任した入院者訪問支援員が、本人の求めに応じて訪問し、話を聴く
  • ④市町村の職員が、市町村長同意の入院者を毎月訪問し、入院継続への同意を確認する
答えと解説を見る
正解 ③都道府県知事が選任した入院者訪問支援員が、本人の求めに応じて訪問し、話を聴く
解説
入院者訪問支援事業は、2022年の精神保健福祉法改正で創設され、2024年4月から始まった事業です(第35条の2)。都道府県は、精神科病院に入院している者のうち、市町村長の同意による医療保護入院者など外部との交流を促進するための支援を要する者に対し、都道府県知事が行う研修を修了し知事が選任した入院者訪問支援員が、本人の求めに応じて訪問し、その話を誠実かつ熱心に聞くほか、入院中の生活に関する相談、必要な情報の提供などを行う事業を行うことができます。
支援員は、常に本人の立場に立って誠実に職務を行わなければならず、秘密保持の義務も負います。

他の選択肢が誤りの理由
・病院の職員が治療方針を説明:入院者訪問支援員は、病院から独立した第三者として、本人の求めに応じて訪問します。
・精神医療審査会の委員が入院の必要性を審査:審査会は届出や請求に基づいて審査を行う機関で、入院者訪問支援事業とは別の仕組みです。
・市町村の職員が同意を確認:入院者訪問支援員は入院の継続への同意を確認する役割ではなく、本人の話を聴き、相談や情報提供を行う役割です。

覚え方のポイント
入院者訪問支援事業=「都道府県の事業(任意)」「知事が選任した支援員」「本人の求めに応じて」「話を聴く・情報提供」。
問53-5

精神科病院に勤務するB精神保健福祉士は、病棟で職員が入院中のAさんを強く突き飛ばすのを目撃した。精神保健福祉法に定める、精神科病院における業務従事者による障害者虐待の通報について、正しいものはどれか。

  • ①虐待を通報した業務従事者であっても、守秘義務に反した場合は懲戒処分の対象となる
  • ②虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した者は、病院の管理者の許可を得てから通報する
  • ③虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した者は、速やかに都道府県に通報する義務がある
  • ④虐待の通報先は精神科病院の管理者で、管理者が事実を調査したうえで都道府県に報告する
答えと解説を見る
正解 ③虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した者は、速やかに都道府県に通報する義務がある
解説
2022年の精神保健福祉法改正(2024年4月施行)により、精神科病院において業務従事者による障害者虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した者は、速やかに、これを都道府県に通報しなければならないとされました(第40条の3第1項)。虐待を受けた本人も都道府県に届け出ることができます(同条第2項)。
刑法の秘密漏示罪などの守秘義務に関する規定は、この通報(虚偽や過失によるものを除く)を妨げるものと解釈してはならず、業務従事者は通報をしたことを理由に解雇その他不利益な取扱いを受けません(同条第3項・第4項)。

他の選択肢が誤りの理由
・管理者の許可を得てから:許可は不要で、発見した者が速やかに通報します。
・守秘義務違反として処分:守秘義務は通報を妨げず、不利益な取扱いも禁止されています。
・通報先は病院の管理者:通報先は都道府県です。病院の管理者には、虐待防止のための研修や相談体制の整備などの措置を講じる義務があります(第40条の2)。

覚え方のポイント
精神科病院の虐待=「発見した者は都道府県へ通報」「守秘義務に優先」「通報者の保護」。
問63-5

B精神保健福祉士は、言葉で意思を表すことが難しいAさん(30歳、知的障害)の支援について、意思決定支援の考え方を確認した。厚生労働省の「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(2017年)の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①本人の意思の確認が難しい場合は、支援者が最も安全と考える方法を決めて実行する
  • ②本人の自己決定を尊重し、意思の確認が難しい場合も本人の意思と選好を推定する
  • ③本人の意思よりも、家族の意向を優先して支援の内容を決めることを原則とする
  • ④本人が不合理と思われる決定をした場合は、その決定を必ず取り消すこととする
答えと解説を見る
正解 ②本人の自己決定を尊重し、意思の確認が難しい場合も本人の意思と選好を推定する
解説
このガイドラインは、意思決定支援を、自ら意思を決定することに困難を抱える障害者が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるよう、可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援し、本人の意思の確認や意思及び選好を推定し、支援を尽くしても本人の意思及び選好の推定が困難な場合には、最後の手段として本人の最善の利益を検討するために事業者の職員が行う支援の行為や仕組み、と定義しています。
本人への支援は自己決定の尊重に基づいて行うこと、職員などの価値観では不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば尊重するよう努めることなどが基本原則とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・支援者が安全と考える方法を決める:まず本人の意思と選好の推定を尽くします。
・家族の意向を優先:本人の意思を中心に置きます。
・不合理な決定は必ず取り消す:他者の権利を侵害しない限り尊重するよう努めます。

覚え方のポイント
意思決定支援の順番=「本人が決める」→「意思と選好を推定する」→「最後の手段として最善の利益」。
問73-5

精神科病院の入院者が、入院時に書面で知らされなければならない事項として、精神保健福祉法に定められているものはどれか。

  • ①退院等の請求に関することがら
  • ②入院中の治療の内容と薬の名称
  • ③入院費用の見込額と支払方法
  • ④主治医の氏名と変更の手続
答えと解説を見る
正解 ①退院等の請求に関することがら
解説
精神保健福祉法は、任意入院(第21条第1項)、措置入院(第29条第3項)、医療保護入院(第33条の3)、応急入院(第33条の7で第29条第3項を準用)のいずれの場合も、入院の際に、本人に対し、退院等の請求に関することその他厚生労働省令で定める事項を書面で知らせなければならないとしています(医療保護入院では、症状に照らし支障がある場合は、入院後4週間を経過する日までの間、告知を延期できます)。
入院中の権利を本人が知り、必要なときに行使できるようにするための規定です。

他の選択肢が誤りの理由
・入院中の治療の内容と薬の名称:治療についての説明は大切ですが、精神保健福祉法が入院時の書面による告知事項として定めているものではありません。
・入院費用の見込額と支払方法:病院が案内することはありますが、法律で定められた告知事項ではありません。
・主治医の氏名と変更の手続:法律で定められた告知事項ではありません。入院の際に書面で知らせるのは、入院の形態、退院等の請求に関すること、行動の制限や処遇に関することなどです。

覚え方のポイント
入院時の告知=「書面で」「退院等の請求ができること」。権利を知らせることが権利擁護の第一歩です。
問83-5

精神科病院の行動制限最小化委員会に参加するB精神保健福祉士は、厚生労働大臣の基準を確認した。精神科病院における行動の制限に関する厚生労働大臣の基準の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①行動の制限は、いったん開始すれば、症状が改善しても一定の期間は必ず続けることとする
  • ②行動の制限は、病院の人員が少ないときには、人員の確保のために広く行ってよい
  • ③行動の制限は、制裁や懲罰として行うことも、病院の規則に定めれば認められる
  • ④行動の制限は、症状に応じて最も制限の少ない方法で、必要最小限の範囲で行う
答えと解説を見る
正解 ④行動の制限は、症状に応じて最も制限の少ない方法で、必要最小限の範囲で行う
解説
厚生労働大臣の定める処遇の基準(告示)は、入院患者の処遇は、患者の個人としての尊厳を尊重し、その人権に配慮しつつ、適切な精神医療の確保と社会復帰の促進に資するものでなければならないとしています。行動の制限は、患者の症状に応じて最も制限の少ない方法により行われなければならないとされます。
隔離や身体的拘束は、制裁や懲罰、見せしめのために行ってはならず、代替方法がない場合に限り、できる限り早期にほかの方法に切り替えるよう努めることとされています。

他の選択肢が誤りの理由
・人員が少ないときに広く行う:人手不足を理由とする行動制限は認められません。
・制裁や懲罰として:制裁や懲罰のための行動制限は行ってはなりません。
・改善しても続ける:必要がなくなれば速やかに解除します。

覚え方のポイント
行動制限の原則=「最も制限の少ない方法」「必要最小限」「懲罰に使わない」「早期解除」。
問93-5

精神科病院に医療保護入院中のAさんは、B精神保健福祉士に「入院が長すぎる。退院したいのに誰も話を聞いてくれない」と訴えた。B精神保健福祉士の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①Aさんの家族に連絡して退院への意向を確認し、家族が同意した場合に限って支援を始めると伝える
  • ②Aさんの訴えは症状によるものと判断し、主治医に報告したうえで、Aさんには経過を見守ると伝える
  • ③主治医との関係が悪くならないよう、退院請求の前に主治医とよく相談するようAさんを説得する
  • ④Aさんの思いを聴き、退院請求の方法を伝えるとともに、退院に向けた院内の話し合いを調整する
答えと解説を見る
正解 ④Aさんの思いを聴き、退院請求の方法を伝えるとともに、退院に向けた院内の話し合いを調整する
解説
入院中の人には、都道府県知事に退院等の請求を行う権利があります(精神保健福祉法第38条の4)。精神保健福祉士は、本人の訴えを症状として片付けず、まずその思いを丁寧に聴き、退院請求の方法を分かりやすく説明して、権利の行使を支えます。
あわせて、退院後生活環境相談員などとして、主治医や看護師、家族、地域援助事業者などと、退院に向けた具体的な話し合いの場を調整することが求められます。

他の選択肢が誤りの理由
・症状と判断し経過を見守ると伝える:本人の訴えを症状として扱い、権利を知らせていません。
・請求の前に主治医と相談するよう説得:主治医との話し合いは大切ですが、退院請求の権利の行使を思いとどまらせることになり、権利擁護の役割に反します。
・家族が同意した場合に限って支援:家族の意向を支援の条件にすると、本人の思いが後回しになります。

覚え方のポイント
退院の訴え=「聴く」「権利を知らせる」「手続と話し合いを支える」。精神保健福祉士は本人の側に立つ専門職です。
問103-5

精神障害者の人権と権利擁護について、正しいものの組合せはどれか。
a.入院者訪問支援事業は、精神科病院の管理者が選任した職員が行う。
b.身体的拘束は、看護師の判断で行うことができる。
c.退院等の請求は、入院中の者の家族等も行うことができる。
d.行政機関の職員や代理人の弁護士との面会は、制限することができない。

  • ①b・d
  • ②a・b
  • ③c・d
  • ④a・c
答えと解説を見る
正解 ③c・d
解説
d:都道府県その他の行政機関の職員(人権擁護に関するもの)や、患者の代理人である弁護士との電話・面会は、制限することができません(精神保健福祉法第36条第2項と告示)。
c:退院等の請求は、入院中の者又はその家族等が都道府県知事に対して行うことができます(第38条の4)。

他の記述が誤りの理由
b:身体的拘束は、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ行うことができません。
a:入院者訪問支援員は、都道府県知事が行う研修を修了した者のうちから知事が選任します。病院から独立した立場で訪問します。

覚え方のポイント
制限できない=信書・行政機関の職員・代理人弁護士。身体的拘束=指定医。退院請求=本人と家族等。訪問支援員=知事が選任。

精神保健福祉士の対策問題(全810問)に戻る

非公式の資格試験対策サイトです。厚生労働省・公益財団法人社会福祉振興・試験センターとは一切関係がなく、これらの機関の公認・認定を受けた教材ではありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】