2026年10月版・5-1

リハビリテーションの理念とプロセスの一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神障害リハビリテーション論・精神保健福祉制度論」から、リハビリテーションの理念とプロセスに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問15-1

アンソニー(Anthony, W.)らが示した精神科リハビリテーションの目的として、最も適切なものはどれか。

  • ①本人が専門職の選んだ環境で、専門職の介入を少なくして、満足と成功を得られるようにしていく
  • ②本人が選んだ環境で、専門職が継続的に生活を管理し、問題を起こさずに暮らせるようにする
  • ③本人の症状を完全になくし、病気になる前とまったく同じ生活にそのまま戻れるようにする
  • ④本人が選んだ環境で、専門職の介入をできるだけ少なくして、満足と成功を得られるようにする
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正解 ④本人が選んだ環境で、専門職の介入をできるだけ少なくして、満足と成功を得られるようにする
解説
アンソニーらは、精神科リハビリテーションの目的を、長期にわたる精神障害を抱える人が、自ら選んだ環境で、専門職の介入をできるだけ少なくして、成功と満足を得られるよう、その人の機能を高めることにあるとしました。
そのために、本人の技能を高めること(技能開発)と、本人を取り巻く環境の支えを高めること(資源開発・環境調整)の2つの方法を用います。

他の選択肢が誤りの理由
・専門職の選んだ環境:本人が選んだ環境であることが重視されます。
・専門職が継続的に管理:専門職の介入をできるだけ少なくすることを目指します。
・症状を完全になくし発病前に戻る:症状が残っていても、本人が選んだ環境で満足と成功を得られるようにすることが目的です。

覚え方のポイント
アンソニー=「本人が選んだ環境」「最小限の専門的介入」「成功と満足」「技能開発と資源開発」。
問25-1

精神科リハビリテーションのプロセスとして、一般的な順序で正しいものはどれか。

  • ①計画→リハビリテーションの診断(評価)→介入→評価と見直し
  • ②リハビリテーションの診断(評価)→介入→計画→評価と見直し
  • ③リハビリテーションの診断(評価)→計画→介入→評価と見直し
  • ④計画→介入→リハビリテーションの診断(評価)→評価と見直し
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正解 ③リハビリテーションの診断(評価)→計画→介入→評価と見直し
解説
精神科リハビリテーションは、一般に、リハビリテーションの診断(本人の目標、必要な技能や支援の評価)→リハビリテーション計画の作成→介入(技能開発、資源開発・環境調整)→評価と計画の見直し、という過程で進みます。
アンソニーらは、本人が望む生活の環境(住まい、仕事、学びなど)を本人が選ぶことを出発点とし、その環境で成功し満足するために必要な技能と支援を評価するとしています。

他の選択肢が誤りの理由
・計画の後に診断:計画は、本人の目標と必要な技能・支援を評価する診断の結果に基づいて立てます。
・診断の後すぐに介入し、その後に計画:介入は計画に基づいて行います。
・計画→介入の後に診断:評価(診断)をせずに計画と介入を進めることになり、順序が逆です。

覚え方のポイント
「評価する→計画する→働きかける→見直す」。ソーシャルワークの援助過程と同じ流れです。
問35-1

精神障害のある人の生活のしづらさを評価する尺度として、日本で開発された精神障害者社会生活評価尺度はどれか。

  • ①HDS-R
  • ②LASMI
  • ③WAIS
  • ④EPDS
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正解 ②LASMI
解説
LASMI(精神障害者社会生活評価尺度)は、日本で開発された、精神障害のある人の社会生活の能力を評価する尺度で、日常生活、対人関係、労働又は課題の遂行、持続性・安定性、自己認識の5つの領域から評価します。リハビリテーションの計画づくりや効果の評価に用いられます。

他の選択肢が誤りの理由
・HDS-R:改訂長谷川式簡易知能評価スケールで、認知症のスクリーニング検査です。
・WAIS:ウェクスラー成人知能検査で、知能を測る検査です。
・EPDS:エジンバラ産後うつ病質問票で、産後うつ病のスクリーニングに使われます。

覚え方のポイント
生活の評価=LASMI、認知症=HDS-R・MMSE、知能=WAIS・WISC、産後うつ=EPDS。
問45-1

WHOが開発した、健康状態に関連する生活機能の困難さを、ICFの考え方に基づいて評価する尺度はどれか。

  • ①WHODAS 2.0
  • ②WHOQOL-BREF
  • ③GAF
  • ④BPRS
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正解 ①WHODAS 2.0
解説
WHODAS 2.0(WHO障害評価面接基準)は、WHOが開発した、健康状態に関連する生活機能の困難さを評価する尺度で、ICFの考え方に基づき、認知、移動、セルフケア、他者との交流、日常活動、社会への参加の6つの領域から評価します。DSM-5でも評価の手段として紹介されています。

他の選択肢が誤りの理由
・WHOQOL-BREF:同じくWHOが開発したものですが、生活の質(QOL)を、身体的領域、心理的領域、社会的関係、環境の4領域と全体について、本人の主観的な評価で測る質問票です。ICFに基づいて生活機能の困難さを評価する尺度ではありません。
・GAF:DSM-IVで用いられた、精神症状と社会的機能を合わせて0〜100で評価する尺度で、WHOが開発したものではありません。
・BPRS:簡易精神症状評価尺度で、精神症状の重さを評価する尺度です。

覚え方のポイント
WHODAS 2.0=「ICFに基づく」「生活機能の困難さ」「6つの領域」、WHOQOL=「生活の質」。どちらもWHOなので、何を測るかで区別します。
問55-1

B精神保健福祉士は、一人暮らしを目指すAさん(35歳)とリハビリテーションの計画を立てている。リハビリテーションにおける「技能開発」と「資源開発(環境調整)」の関係について、最も適切なものはどれか。

  • ①本人の技能を高めることと、周りの環境の支えを整えることを、組み合わせて進めていく
  • ②本人の技能が十分に高まるまでは、周りの環境の支えを整えることは行わないこととする
  • ③周りの環境の支えを整えることを優先し、本人の技能を高める取組は後回しにしていく
  • ④技能開発は医療機関が行い、資源開発は福祉の機関だけが担うものとして分けて進める
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正解 ①本人の技能を高めることと、周りの環境の支えを整えることを、組み合わせて進めていく
解説
精神科リハビリテーションでは、本人が望む環境で成功し満足するために、本人の技能を高めること(技能開発:SST、心理教育など)と、本人を取り巻く環境の支えを整えること(資源開発・環境調整:住まい、職場の配慮、支援者の確保など)を組み合わせて進めます。
どちらか一方だけでは十分でなく、本人の状況に応じて両方のバランスを考えることが大切です。

他の選択肢が誤りの理由
・技能が高まるまで環境は整えない、環境を優先し技能は後回し:技能開発と資源開発は、どちらかを先にするのではなく、本人の目標に合わせて組み合わせて進めます。
・医療と福祉で分ける:機関で分けるのではなく、本人を中心に関係者が協力して進めます。

覚え方のポイント
リハビリテーションの両輪=「技能開発(人)」と「資源開発・環境調整(環境)」。
問65-1

長期の入院や施設での生活によって、意欲や自発性が失われ、受け身で依存的になる状態を何というか。

  • ①適応障害
  • ②燃え尽き症候群
  • ③空の巣症候群
  • ④施設症
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正解 ④施設症
解説
施設症(インスティテューショナリズム、ホスピタリズム)は、長期の入院や施設での生活によって、規則に従うだけの受け身の生活が続き、意欲や自発性の低下、依存的な態度、社会生活の技能の低下などが生じる状態です。病気そのものの症状と区別して理解することが大切です。
精神科リハビリテーションや地域移行支援では、本人が自分で選び、決める機会を増やすことなどを通じて、施設症の影響を和らげることを目指します。

他の選択肢が誤りの理由
・燃え尽き症候群:献身的に働いた末に、心身のエネルギーを使い果たして意欲を失う状態です。
・空の巣症候群:子どもが独立した後の親の喪失感や抑うつです。
・適応障害:はっきりしたストレス因に反応して、3か月以内に症状が現れるものです。

覚え方のポイント
施設症=「長い入院・施設生活が生む受け身と依存」。病気の症状と区別して考えます。
問75-1

B精神保健福祉士は、精神科デイ・ケアに通い始めたAさん(30歳)と、リハビリテーションの計画を立てることになった。精神科リハビリテーションの原則として、最も適切なものはどれか。

  • ①症状が安定し、再発の危険が十分に低くなってから、リハビリテーションを始めることを重視する
  • ②専門職が本人の機能を評価して目標を示し、本人がその目標に沿って訓練を重ねることを重視する
  • ③本人が自らリハビリテーションの目標をつくり、その実施にも主体的に参加することを重視する
  • ④本人と家族の希望が一致したことを確かめたうえで、支援の目標を定めることを重視する
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正解 ③本人が自らリハビリテーションの目標をつくり、その実施にも主体的に参加することを重視する
解説
精神科リハビリテーションでは、本人の主体的な参加と選択が重視されます。本人が自分の望む生活(目標)を決め、その実現に必要な技能や支援を、専門職と一緒に考えて取り組みます。
また、症状があっても、本人の機能と環境の支えを高めることで生活の質を高めることができると考え、症状の消失を待たずに取り組むことが大切です。

他の選択肢が誤りの理由
・症状が安定してから始める:症状があっても、生活の機能を高める取組は可能で、症状の消失を待たずに取り組みます。
・専門職が目標を示す:本人が自分の望む生活(目標)を決め、主体的に参加することが原則です。
・家族の希望との一致を確かめてから:家族の思いも大切ですが、本人の希望を中心に置きます。

覚え方のポイント
リハビリテーションの主役は本人。「本人が選び、本人が参加する」。
問85-1

精神障害のある人の「障害」の特徴について、最も適切なものはどれか。

  • ①障害の程度は症状が固定した後に定まり、その後は大きく変化しないことが多い
  • ②疾病と障害が共存しており、症状の変動によって生活のしづらさも変化しやすい
  • ③疾病が治った後に残る後遺症が障害であり、疾病と障害は時期を分けて現れる
  • ④障害は疾病から生じるため、治療で症状が安定すれば生活のしづらさも解消する
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正解 ②疾病と障害が共存しており、症状の変動によって生活のしづらさも変化しやすい
解説
精神障害は、疾病(病気)と障害(生活のしづらさ)が共存することが大きな特徴です。症状の変動によって生活のしづらさも変化しやすく、体調の良いときと悪いときの差が大きいこともあります。
そのため、医療による治療と、福祉による生活の支援を、同時に、継続して提供することが求められます。

他の選択肢が誤りの理由
・症状が固定した後は変化しない:症状の変動とともに変化しやすいことが特徴です。
・疾病が治った後に障害が現れる:疾病と障害が共存することが特徴です。
・治療で症状が安定すれば解消する:症状が安定しても生活のしづらさが残ることも多く、医療と福祉の両方による支援が必要です。

覚え方のポイント
精神障害の特徴=「疾病と障害の共存」「変動しやすい」「医療と福祉の両方が必要」。
問95-1

精神障害のある人が、調子の悪くなる前のサインや、そのときの対処方法、周りの人にしてほしいことなどを、あらかじめ支援者と一緒にまとめておく計画を一般に何というか。

  • ①サービス等利用計画
  • ②クライシスプラン
  • ③個別支援計画
  • ④障害福祉計画
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正解 ②クライシスプラン
解説
クライシスプランは、調子が悪くなる前の注意サイン、そのときに自分でできる対処、周りの人や支援者にしてほしいこと、緊急時の連絡先などを、本人が支援者と一緒にあらかじめまとめておく計画です。
本人の意思を前もって示しておくことで、危機のときにも本人の希望に沿った対応がとりやすくなり、再発の予防や入院の回避にもつながります。WRAPのクライシスプランの考え方とも通じます。

他の選択肢が誤りの理由
・サービス等利用計画:相談支援専門員が作成する、障害福祉サービスの利用の計画です。
・個別支援計画:サービス管理責任者が作成する、事業所ごとの支援の計画です。
・障害福祉計画:市町村や都道府県が作成する、障害福祉サービスの提供体制の計画です。

覚え方のポイント
クライシスプラン=「調子が悪いときのための、本人と一緒に作る事前の計画」。
問105-1

精神科リハビリテーションについて、正しいものの組合せはどれか。
a.LASMIは、WHOが開発した生活機能の評価尺度である。
b.アンソニーは、本人が選んだ環境での成功と満足を目的とした。
c.リハビリテーションは、症状が完全に消えてから始めるのが原則である。
d.施設症は、長期の入院などによって意欲や自発性が失われる状態である。

  • ①b・d
  • ②a・c
  • ③a・b
  • ④c・d
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正解 ①b・d
解説
b:アンソニーらは、本人が選んだ環境で、専門職の介入をできるだけ少なくして、成功と満足を得られるようにすることを精神科リハビリテーションの目的としました。
d:施設症(インスティテューショナリズム)は、長期の入院や施設での生活によって、意欲や自発性が失われ、受け身で依存的になる状態です。

他の記述が誤りの理由
a:LASMIは日本で開発された精神障害者社会生活評価尺度です。WHOが開発したのはWHODAS 2.0です。
c:症状があっても、生活の機能を高める取組は可能で、症状の消失を待たずに取り組みます。

覚え方のポイント
アンソニー(本人が選んだ環境)、LASMI(日本)、WHODAS 2.0(WHO)、施設症(受け身と依存)。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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