2026年10月版・6-6

社会学:生活・集団・社会問題の一問一答

精神保健福祉士国家試験「共通:医学概論・心理学・社会学」から、社会学:生活・集団・社会問題に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問16-6

ベッカー(Becker, H.)のラベリング理論の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①社会の規範が弱まり、人々の欲求を抑えられなくなることで、逸脱が増えていくとされる
  • ②逸脱は生まれつきの身体的な特徴によって決まり、社会の反応とは関係がないとされる
  • ③逸脱は行為そのものの性質ではなく、周囲が逸脱者というラベルを貼ることで生まれる
  • ④逸脱した人との接触を通じて、逸脱の行動や価値観が学習されることで起こるとされる
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正解 ③逸脱は行為そのものの性質ではなく、周囲が逸脱者というラベルを貼ることで生まれる
解説
ラベリング理論は、ベッカーらが示したもので、逸脱は行為そのものに備わった性質ではなく、社会の側がある行為や人に「逸脱」というラベルを貼ることによってつくり出されると考えます。ラベルを貼られた人は、自分を逸脱者とみなすようになり、さらに逸脱を重ねていくことがある(二次的逸脱)とされます。
精神障害に対するスティグマや、レッテル貼りが本人に与える影響を考えるうえでも重要な理論です。

他の選択肢が誤りの理由
・生まれつきの身体的な特徴で決まる:ロンブローゾ(Lombroso, C.)の生来性犯罪者説に近い考え方です。
・規範が弱まり欲求を抑えられない:デュルケム(Durkheim, É.)のアノミーの考え方です。
・接触を通じて学習される:サザーランド(Sutherland, E.)の分化的接触理論です。

覚え方のポイント
ベッカー=ラベリング(貼られたラベルが逸脱をつくる)。
問26-6

ゴッフマン(Goffman, E.)が『アサイラム』で示した「全制的施設(トータル・インスティテューション)」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①利用者が自分の生活の場から通い、必要な時間だけ専門的な支援を受けて帰宅する施設
  • ②外部の社会から隔離され、日常生活のすべてが一つの管理のもとで画一的に営まれる施設
  • ③地域の住民が自由に出入りし、住民どうしの交流の場として活用されている開かれた施設
  • ④利用者が自分で日課を決め、外出や外泊も自由にできる、地域の中の小規模な住まい
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正解 ②外部の社会から隔離され、日常生活のすべてが一つの管理のもとで画一的に営まれる施設
解説
ゴッフマンは、精神科病院での参与観察をもとに『アサイラム』(1961年)を著し、精神科病院、刑務所、兵営などのように、多くの人が外部の社会から隔離され、睡眠、遊び、仕事などの日常生活のすべてが同じ場所で、一つの権威のもと、画一的な日課に従って営まれる施設を「全制的施設」と呼びました。
そこでは、入所者の自己が無力化されていく過程があることを指摘し、長期入院の問題や脱施設化の議論に大きな影響を与えました。

他の選択肢が誤りの理由
・通って支援を受ける施設:通所型のサービスで、全制的施設とは逆の特徴です。
・地域に開かれた施設:外部から隔離されていない点で異なります。
・自分で日課を決める小規模な住まい:画一的な管理がない点で異なります。

覚え方のポイント
ゴッフマン=『アサイラム』(全制的施設)と『スティグマ』。どちらも精神保健福祉と深くかかわります。
問36-6

デュルケム(Durkheim, É.)が『自殺論』で示した自殺の類型のうち、社会の規範や秩序が急激に崩れ、欲求に歯止めがきかなくなる状態で起こるとされるものはどれか。

  • ①自己本位的自殺
  • ②アノミー的自殺
  • ③集団本位的自殺
  • ④宿命的自殺
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正解 ②アノミー的自殺
解説
デュルケムは『自殺論』(1897年)で、自殺を社会的な要因から分析し、次の類型を示しました。
自己本位的自殺:社会や集団との結びつきが弱く、個人が孤立している状態で起こる。
集団本位的自殺:集団との結びつきが強すぎ、集団のために個人が犠牲になる状態で起こる。
アノミー的自殺:経済の急変などで社会の規範が崩れ、欲求に歯止めがきかなくなる無規制の状態(アノミー)で起こる。
宿命的自殺:規制が強すぎ、将来の希望が閉ざされた状態で起こる(注で触れられた類型)。

他の選択肢が誤りの理由
・自己本位的自殺:孤立による自殺です。
・集団本位的自殺:集団への結びつきが強すぎる場合の自殺です。
・宿命的自殺:規制が強すぎる場合の自殺です。

覚え方のポイント
デュルケムの自殺の類型=「結びつきが弱い(自己本位)」「強すぎる(集団本位)」「規範が崩れる(アノミー)」「規制が強すぎる(宿命)」。
問46-6

パットナム(Putnam, R.)が論じた「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①人々の間の信頼、互酬性の規範、ネットワークなど、協調行動を容易にする特徴
  • ②個人が教育や訓練によって身に付けた、知識や技能などの能力のことである
  • ③家庭の中で受け継がれる、言葉づかいや教養、趣味などの文化的な資源のことである
  • ④道路や上下水道など、人々の生活と経済活動を支える物理的な施設のこと
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正解 ①人々の間の信頼、互酬性の規範、ネットワークなど、協調行動を容易にする特徴
解説
パットナムは、ソーシャル・キャピタルを、人々の協調行動を容易にし、社会の効率性を高める、信頼、互酬性(お互いさま)の規範、ネットワークといった社会組織の特徴と定義しました。
ソーシャル・キャピタルが豊かな地域では、健康状態が良い、犯罪が少ないといった関係が報告されており、地域福祉や精神保健の分野でも、人と人とのつながりを育むことの大切さを示す概念として用いられています。

他の選択肢が誤りの理由
・教育や訓練で身に付けた能力:人的資本の説明です。
・家庭で受け継がれる文化的な資源:ブルデューが論じた文化資本の説明です。
・道路や上下水道などの施設:社会資本(インフラ)の説明で、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)とは別の概念です。

覚え方のポイント
ソーシャル・キャピタル=「信頼」「お互いさまの規範」「ネットワーク」。
問56-6

人の一生を、年齢に応じた標準的な段階の繰り返しとしてではなく、個人がたどる多様な人生の道筋として、歴史的・社会的な出来事との関係からとらえる考え方を何というか。

  • ①ライフイベント
  • ②ライフサイクル
  • ③ライフステージ
  • ④ライフコース
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正解 ④ライフコース
解説
ライフコースは、エルダー(Elder, G.)らが発展させた考え方で、個人が年齢に応じて経験する出来事や役割の移り変わりを、その人が生きた時代の歴史的・社会的な出来事との関係の中でとらえ、多様な人生の道筋として理解しようとするものです。
これに対し、ライフサイクルは、誕生、成長、結婚、子育て、老後といった、人生の標準的な段階が世代ごとに繰り返されるという考え方です。

他の選択肢が誤りの理由
・ライフサイクル:標準的な段階の繰り返しとしてとらえる考え方です。
・ライフステージ:人生の各段階(乳幼児期、青年期など)のことです。
・ライフイベント:結婚、出産、転職など人生の中の出来事のことです。

覚え方のポイント
ライフサイクル=みんな同じ「周期」、ライフコース=一人ひとり違う「道筋」(時代の影響も見る)。
問66-6

一人の人が同時に複数の役割を担い、それぞれの役割から求められることが両立しないために生じる葛藤を何というか。

  • ①役割距離
  • ②役割取得
  • ③役割葛藤
  • ④役割期待
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正解 ③役割葛藤
解説
役割葛藤は、一人の人が担う複数の役割(例えば、会社員と親、介護者と子)から求められることが矛盾したり両立しなかったりすることで生じる葛藤です。仕事と介護の両立の困難などが例として挙げられます。

他の選択肢が誤りの理由
・役割取得:ミード(Mead, G.)が示した、他者の役割や期待を自分の中に取り入れていくことです。
・役割距離:ゴッフマンが示した、自分の役割と一定の距離をとり、役割に完全には没入していないことを示すふるまいです。
・役割期待:ある役割を担う人に対して、周囲が期待する行動のことです。

覚え方のポイント
役割葛藤=「あちらを立てればこちらが立たず」。ヤングケアラーの学業と家族の世話の両立も役割葛藤の例です。
問76-6

タウンゼント(Townsend, P.)が示した「相対的剥奪」の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①貧困層に特有の価値観や行動様式が、世代を超えて受け継がれることに原因を求めている
  • ②生命を維持するのに必要な最低限の栄養や衣服などが得られない状態を貧困とする
  • ③その社会で一般的とされる生活の様式や活動に参加できない状態を貧困としてとらえる
  • ④生活に必要な品目の費用を積み上げて最低生活費を算定し、それを下回る状態を指す
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正解 ③その社会で一般的とされる生活の様式や活動に参加できない状態を貧困としてとらえる
解説
タウンゼントは、貧困を、生命の維持に必要な最低限の水準(絶対的貧困)だけでとらえるのではなく、その社会で一般的とされる食事、住まい、交際、娯楽などの生活の様式や活動に参加できない状態(相対的剥奪)としてとらえました。
この考え方は、社会的排除の議論にもつながっています。

他の選択肢が誤りの理由
・価値観や行動様式が世代を超えて受け継がれる:ルイス(Lewis, O.)の「貧困の文化」の考え方です。
・最低限の栄養や衣服などが得られない状態:絶対的貧困の考え方です。
・品目の費用を積み上げて最低生活費を算定:ラウントリーがヨーク市の調査で用いた方法(マーケット・バスケット方式)で、肉体的な生存を基準にした絶対的貧困のとらえ方です。

覚え方のポイント
タウンゼント=「相対的剥奪」(みんなが当たり前にしていることができない状態)。
問86-6

ゴッフマン(Goffman, E.)が『スティグマの社会学』で論じたスティグマの説明として、正しいものはどれか。

  • ①望ましくないとされる属性そのものに備わる性質で、周囲との関係とは無関係に生じる
  • ②社会で望ましくないとされる属性が、その人の全体の評価をおとしめる烙印として働く
  • ③社会の規範が弱まって欲求に歯止めがきかなくなり、逸脱が増えていく状態のこと
  • ④外部から隔離され、日常生活のすべてが一つの管理のもとで営まれる施設のこと
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正解 ②社会で望ましくないとされる属性が、その人の全体の評価をおとしめる烙印として働く
解説
ゴッフマンは、スティグマを、社会の中で望ましくないとされる属性によって、その人が「普通の人」から「汚れた、価値の低い人」へとおとしめられることとしてとらえました。スティグマは属性そのものにあるのではなく、人と人との関係の中で生じるものとされます。
スティグマを負う人は、その属性を隠したり、周囲の反応を気にしたりしながら生活することを強いられます。精神障害へのスティグマを理解するうえで基本となる考え方です。

他の選択肢が誤りの理由
・属性そのものに備わり関係とは無関係:ゴッフマンは、スティグマは属性そのものではなく、人と人との関係の中で生じるものとしました。
・規範が弱まり欲求に歯止めがきかない:デュルケムのアノミーの説明です。
・外部から隔離された施設:ゴッフマンが『アサイラム』で示した全制的施設の説明です。

覚え方のポイント
スティグマ=「烙印」。属性そのものではなく、社会の関係の中で生まれるもの。
問96-6

マートン(Merton, R.)が示したアノミー論の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①文化的に価値づけられた目標と、それを達成する制度的手段とのずれが逸脱を生む
  • ②逸脱は、周囲の人々が貼るラベルによってのみ生み出されるものであると考えている
  • ③逸脱は生まれつきの性質によって決まり、社会の構造とは関係がないと考える
  • ④社会の規範が強すぎるために、個人が集団のために命を犠牲にすると考える
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正解 ①文化的に価値づけられた目標と、それを達成する制度的手段とのずれが逸脱を生む
解説
マートンは、デュルケムのアノミーの概念を発展させ、社会が人々に掲げる文化的な目標(経済的な成功など)と、それを達成するための制度的に認められた手段(教育、勤勉な労働など)との間にずれがあると、人々はさまざまな適応の様式(同調、革新、儀礼主義、逃避主義、反抗)をとり、逸脱が生まれるとしました。

他の選択肢が誤りの理由
・ラベルによってのみ生み出される:ベッカーのラベリング理論の説明です。
・生まれつきの性質で決まる:社会の構造に注目するマートンの考え方とは異なります。
・集団のために命を犠牲にする:デュルケムの集団本位的自殺の説明です。

覚え方のポイント
マートンのアノミー=「目標と手段のずれ」。適応の5様式(同調・革新・儀礼主義・逃避主義・反抗)。
問106-6

生活・集団・社会問題の社会学について、正しいものの組合せはどれか。
a.ラベリング理論は、ベッカーらによって示された。
b.デュルケムは、自殺を社会的な要因から分析した。
c.全制的施設は、パットナムが示した概念である。
d.相対的剥奪は、最低限の生命維持ができない状態だけを指す。

  • ①b・d
  • ②c・d
  • ③a・c
  • ④a・b
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正解 ④a・b
解説
a:ラベリング理論は、ベッカーらによって示されました。
b:デュルケムは『自殺論』で、自殺を社会的な要因から分析し、自己本位的自殺、集団本位的自殺、アノミー的自殺などの類型を示しました。

他の記述が誤りの理由
c:全制的施設は、ゴッフマンが『アサイラム』で示した概念です。パットナムはソーシャル・キャピタルの議論で知られます。
d:相対的剥奪は、その社会で一般的とされる生活の様式に参加できない状態を指します。最低限の生命維持ができない状態は絶対的貧困です。

覚え方のポイント
ベッカー(ラベリング)、ゴッフマン(全制的施設・スティグマ)、デュルケム(自殺論・アノミー)、パットナム(ソーシャル・キャピタル)、タウンゼント(相対的剥奪)。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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