2026年10月版・9-2

ソーシャルワークの概念と形成過程の一問一答

精神保健福祉士国家試験「共通:ソーシャルワークの基盤・方法・調査」から、ソーシャルワークの概念と形成過程に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全810問) 共通:ソーシャルワークの基盤・方法・調査の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問19-2

1869年にロンドンで設立され、友愛訪問員による貧困家庭への個別訪問や、救済の重複を防ぐための調整を行った組織はどれか。

  • ①救世軍
  • ②トインビー・ホール
  • ③ハル・ハウス
  • ④慈善組織協会
答えと解説を見る
正解 ④慈善組織協会
解説
慈善組織協会(COS)は、1869年にロンドンで設立され、乱立していた慈善団体の救済の重複や漏れを防ぐための連絡・調整と、友愛訪問員による貧困家庭への個別訪問を行いました。その活動は、のちのケースワークやコミュニティ・オーガニゼーションの源流とされています。
一方で、救済に値する貧困者とそうでない貧困者を区別し、貧困の原因を個人に求める傾向があったとも指摘されています。

他の選択肢が誤りの理由
・トインビー・ホール:1884年にバーネットがロンドンに開設したセツルメントです。
・ハル・ハウス:1889年にアダムズらがシカゴに開設したセツルメントです。
・救世軍:1865年にブースが始めたキリスト教の伝道・社会事業の団体です。

覚え方のポイント
COS(1869・ロンドン)=「友愛訪問」「調整」→ケースワークとコミュニティ・オーガニゼーションの源流。
問29-2

リッチモンド(Richmond, M.)について、正しいものはどれか。

  • ①慈善組織協会での実践をもとに、問題解決アプローチの4つのPを体系化した
  • ②セツルメントでの実践をもとに『社会診断』を著し、グループワークの体系化に貢献した
  • ③慈善組織協会での実践をもとに『社会診断』を著し、ケースワークの体系化に貢献した
  • ④機能主義の立場から、援助機関の機能を活用した援助の過程を重視して体系化した
答えと解説を見る
正解 ③慈善組織協会での実践をもとに『社会診断』を著し、ケースワークの体系化に貢献した
解説
リッチモンドは、アメリカの慈善組織協会での友愛訪問などの実践をもとに、1917年に『社会診断』、1922年に『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』を著し、ケースワークの体系化に大きく貢献したことから「ケースワークの母」と呼ばれます。
『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』では、ケースワークを、一人ひとりの状況に合わせて人と社会環境との関係を意識的に調整し、その人の人格(パーソナリティ)の成長を促していく過程として説明しています。

他の選択肢が誤りの理由
・セツルメント・グループワーク:リッチモンドは慈善組織協会の実践を基盤とし、ケースワークを体系化しました。
・4つのP:パールマンが示したものです。
・機能主義:ランクの意志心理学を基盤に、タフトやロビンソンらが発展させた立場です。

覚え方のポイント
リッチモンド=「COS」「『社会診断』(1917)」「ケースワークの母」。
問39-2

1884年にロンドンに開設され、大学生などが貧困地域に住み込んで住民とともに生活の改善に取り組んだ、世界最初のセツルメントとされる施設はどれか。

  • ①ハル・ハウス
  • ②トインビー・ホール
  • ③キングスレー館
  • ④岡山博愛会
答えと解説を見る
正解 ②トインビー・ホール
解説
トインビー・ホールは、1884年にバーネット夫妻がロンドンのイーストエンドに開設した、世界最初のセツルメントとされる施設です。大学生などの知識人が貧困地域に住み込み(セツル)、住民との交流を通じて教育や生活の改善に取り組みました。貧困の原因を社会の側にも見いだし、社会改良を志向した点が特徴で、グループワークやコミュニティワークの源流とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・ハル・ハウス:1889年にアダムズらがアメリカのシカゴに開設したセツルメントです。
・キングスレー館:1897年に片山潜が東京に開設したセツルメントです。
・岡山博愛会:1891年にアダムスが岡山に開設した、日本の初期のセツルメントの一つとされる施設です。

覚え方のポイント
セツルメント=トインビー・ホール(1884・ロンドン・バーネット)→ハル・ハウス(1889・シカゴ・アダムズ)→キングスレー館(1897・東京・片山潜)。
問49-2

1920年代から30年代のアメリカで、ケースワークの各分野に共通する基盤があることを確認し、「ジェネリック・ソーシャル・ケースワーク」の考え方を示した会議はどれか。

  • ①ミルフォード会議
  • ②ニューヨーク会議
  • ③ボストン会議
  • ④シカゴ会議
答えと解説を見る
正解 ①ミルフォード会議
解説
ミルフォード会議は、1923年からアメリカのペンシルベニア州ミルフォードで開かれた会議で、1929年の報告書で、医療、児童、家族などの各分野のケースワーク(スペシフィック)に共通する基盤(ジェネリック)があることを確認し、「ジェネリック・ソーシャル・ケースワーク」の考え方を示しました。
これは、のちのソーシャルワークの統合化の議論につながる流れの一つとされています。

他の選択肢が誤りの理由
・ニューヨーク会議、ボストン会議、シカゴ会議:ジェネリック・ソーシャル・ケースワークの考え方を示した会議としては知られていません。

覚え方のポイント
ミルフォード会議(報告1929)=「ジェネリックとスペシフィック」。
問59-2

ケースワークの歴史における診断主義と機能主義について、正しいものはどれか。

  • ①機能主義は、ランクの意志心理学を基盤とし、援助機関の機能を活用した援助の過程を重視した
  • ②機能主義は、フロイトの精神分析を基盤とし、クライエントの生育歴の調査と診断を重視した
  • ③診断主義は、ランクの意志心理学を基盤とし、援助機関の機能を活用した援助の過程を重視した
  • ④診断主義と機能主義は、どちらもフロイトの精神分析を基盤とし、対立することはなかった
答えと解説を見る
正解 ①機能主義は、ランクの意志心理学を基盤とし、援助機関の機能を活用した援助の過程を重視した
解説
診断主義(診断派)は、フロイトの精神分析を理論的な基盤とし、クライエントの生育歴などの調査をもとに診断し、援助者が主導して治療的に援助することを重視しました。ハミルトンやホリスらが知られています。
機能主義(機能派)は、ランクの意志心理学を基盤とし、クライエントの成長への意志を尊重し、援助機関の機能を活用した援助の過程を重視しました。タフトやロビンソンらが知られています。両者は1930年代から激しく対立し、その後、パールマンの問題解決アプローチなどにより、両者を折衷する試みが行われました。

他の選択肢が誤りの理由
・機能主義はフロイトの精神分析:機能主義の基盤はランクの意志心理学です(フロイトの精神分析を基盤としたのは診断主義です)。
・診断主義はランクの意志心理学:逆です。
・どちらもフロイト・対立なし:基盤は異なり、両者は激しく対立しました。

覚え方のポイント
診断主義=フロイト・診断・援助者主導、機能主義=ランク・機関の機能・援助の過程。
問69-2

パールマン(Perlman, H.)が示したケースワークを構成する「4つのP」に含まれるものはどれか。

  • ①実践(Practice)
  • ②政策(Policy)
  • ③予測(Prediction)
  • ④場所(Place)
答えと解説を見る
正解 ④場所(Place)
解説
パールマンは、1957年に『ソーシャル・ケースワーク:問題解決の過程』を著し、ケースワークを構成する要素として、人(Person)、問題(Problem)、場所(Place)、過程(Process)の4つのPを示しました。のちに、専門家(Professional person)と制度・施策(Provisions)を加えて6つのPとしました。
診断主義と機能主義の折衷を試み、問題解決アプローチを体系化した人物です。

他の選択肢が誤りの理由
・政策(Policy)、予測(Prediction)、実践(Practice):4つのPには含まれていません(後に加えられたのは専門家と制度・施策です)。

覚え方のポイント
4つのP=「人・問題・場所・過程」(Person・Problem・Place・Process)、6つのP=+専門家・制度。
問79-2

バートレット(Bartlett, H.)が『社会福祉実践の共通基盤』(1970年)で示した、ソーシャルワーク実践を構成する要素の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①知識、経験、制度
  • ②価値、技術、評価
  • ③価値、知識、介入
  • ④理論、方法、効果
答えと解説を見る
正解 ③価値、知識、介入
解説
バートレットは、1970年の『社会福祉実践の共通基盤』で、ソーシャルワーク実践の共通基盤を、価値の体系と知識の体系、そして調整活動のレパートリー(介入)の組合せとして示しました。また、人々が環境からの要求に対処しようとする「社会生活機能」という概念を重視しました。
個々の方法の違いではなく、ソーシャルワークに共通する基盤を明らかにしようとしたもので、ソーシャルワークの統合化の流れに位置づけられます。

他の選択肢が誤りの理由
・技術・評価、経験・制度、理論・方法・効果:バートレットが示した構成要素の組合せではありません。

覚え方のポイント
バートレット=「価値・知識・介入(調整活動のレパートリー)」「社会生活機能」。
問89-2

ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)が示した、ソーシャルワーク実践にかかわる4つのシステムに含まれるものはどれか。

  • ①フィードバック・システム
  • ②ターゲット・システム
  • ③サポート・システム
  • ④コントロール・システム
答えと解説を見る
正解 ②ターゲット・システム
解説
ピンカスとミナハンは、システム理論を取り入れ、ソーシャルワーク実践にかかわるシステムとして、次の4つを示しました。
・チェンジ・エージェント・システム:ソーシャルワーカーとその所属機関
・クライエント・システム:援助を求め、援助を受ける人々
・ターゲット・システム:目標を達成するために変えていく必要がある人々や組織
・アクション・システム:目標を達成するためにソーシャルワーカーとともに活動する人々

他の選択肢が誤りの理由
・フィードバック・システム、サポート・システム、コントロール・システム:4つのシステムには含まれていません。

覚え方のポイント
4つのシステム=「チェンジ・エージェント」「クライエント」「ターゲット」「アクション」。
問99-2

1915年に「ソーシャルワークは専門職か」と題する講演を行い、当時のソーシャルワークは専門職の要件を満たしていないと述べた人物はどれか。

  • ①グリーンウッド(Greenwood, E.)
  • ②フレックスナー(Flexner, A.)
  • ③ホリス(Hollis, F.)
  • ④ロス(Ross, M.)
答えと解説を見る
正解 ②フレックスナー(Flexner, A.)
解説
フレックスナーは、医学教育の改革で知られる人物で、1915年の全米慈善矯正会議で「ソーシャルワークは専門職か」と題する講演を行い、当時のソーシャルワークは専門職の要件を満たしていないと述べました。この講演は、ソーシャルワークの専門職化を進める大きな契機となりました。

他の選択肢が誤りの理由
・グリーンウッド:1957年に、体系的な理論、専門職的権威、社会的承認、倫理綱領、専門職的副次文化を専門職の属性として示した人物です。
・ホリス:心理社会的アプローチを体系化した人物です。
・ロス:コミュニティ・オーガニゼーションの理論で知られる人物です。

覚え方のポイント
フレックスナー(1915)=「ソーシャルワークは専門職か」→専門職化の契機。グリーンウッド(1957)=専門職の属性。
問109-2

ソーシャルワークの形成過程について、正しいものの組合せはどれか。
a.リッチモンドは、『社会診断』を著した。
b.トインビー・ホールは、アダムズがシカゴに開設した。
c.パールマンは、ケースワークを構成する4つのPを示した。
d.機能主義は、フロイトの精神分析を理論的な基盤とした。

  • ①a・c
  • ②b・d
  • ③a・b
  • ④c・d
答えと解説を見る
正解 ①a・c
解説
a:リッチモンドは、1917年に『社会診断』を著しました。
c:パールマンは、人・問題・場所・過程の4つのPを示しました。

他の記述が誤りの理由
b:トインビー・ホールは、1884年にバーネットがロンドンに開設したセツルメントです。アダムズがシカゴに開設したのはハル・ハウスです。
d:機能主義の基盤はランクの意志心理学です。フロイトの精神分析を基盤としたのは診断主義です。

覚え方のポイント
リッチモンド=社会診断、トインビー・ホール=バーネット(ロンドン)、ハル・ハウス=アダムズ(シカゴ)、機能主義=ランク、4つのP=パールマン。

精神保健福祉士の対策問題(全810問)に戻る

非公式の資格試験対策サイトです。厚生労働省・公益財団法人社会福祉振興・試験センターとは一切関係がなく、これらの機関の公認・認定を受けた教材ではありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】