2026年10月版・9-3

実践モデルとアプローチの一問一答

精神保健福祉士国家試験「共通:ソーシャルワークの基盤・方法・調査」から、実践モデルとアプローチに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問19-3

ホリス(Hollis, F.)が体系化し、「状況の中の人」という視点からクライエントとその環境の両方に働きかける実践アプローチはどれか。

  • ①ナラティブアプローチ
  • ②課題中心アプローチ
  • ③行動変容アプローチ
  • ④心理社会的アプローチ
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正解 ④心理社会的アプローチ
解説
心理社会的アプローチは、診断主義の流れをくむホリスが体系化したアプローチで、「状況の中の人(person-in-situation)」という視点から、クライエントの内面(心理)と、その人を取り巻く環境(社会)の両方に着目し、両者の相互作用に働きかけます。
持続的支持、直接的指示、浄化法(カタルシス)、人と状況の全体的反省などの面接技法を示しました。

他の選択肢が誤りの理由
・課題中心アプローチ:リードとエプスタインが体系化した、短期・計画的なアプローチです。
・行動変容アプローチ:学習理論を基盤に、問題となる行動の変容を目指すアプローチです。
・ナラティブアプローチ:ホワイトとエプストンらが発展させた、語り(物語)に着目するアプローチです。

覚え方のポイント
ホリス=「心理社会的アプローチ」「状況の中の人」。
問29-3

B精神保健福祉士は、「アパートを探したい」と話すAさん(40歳)に、課題中心アプローチで関わることにした。リード(Reid, W.)とエプスタイン(Epstein, L.)が体系化した課題中心アプローチの特徴として、正しいものはどれか。

  • ①援助者が課題を決めてクライエントに指示し、期間を定めずに援助を続けていく
  • ②クライエントの生育歴を長期間かけて詳しく調べ、無意識の葛藤の解決を目指す
  • ③クライエントが自ら認めた具体的な課題に取り組み、短期間で計画的に援助を行う
  • ④課題の設定は行わず、クライエントの語る物語の書き換えだけを援助の目標とする
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正解 ③クライエントが自ら認めた具体的な課題に取り組み、短期間で計画的に援助を行う
解説
課題中心アプローチは、リードとエプスタインが1970年代に体系化したアプローチで、クライエントが自ら認めた具体的な問題(課題)に焦点を当て、援助の期間や回数を定めて(短期・計画的に)、課題の達成に取り組みます。
クライエントとの契約を重視し、効果の測定がしやすいことも特徴とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・生育歴を長期間調べ無意識の葛藤を解決:精神分析的な考え方に基づく援助の説明です。
・援助者が課題を決めて期間を定めない:クライエントが認めた課題に取り組み、期間を定めて援助します。
・物語の書き換えだけ:ナラティブアプローチの考え方に近い説明です。

覚え方のポイント
課題中心アプローチ=「クライエントが認めた課題」「短期」「計画的」「契約」。
問39-3

ソロモン(Solomon, B.)が1976年に著した『黒人のエンパワメント』を一つの契機として広がったエンパワメントアプローチの考え方として、正しいものはどれか。

  • ①クライエントの問題の原因を本人の能力の欠如に求め、専門職がその欠如を補って解決する
  • ②抑圧などにより奪われていたクライエントの力を、援助者が本人に代わって行使して問題を解決する
  • ③抑圧などにより奪われていたクライエントの力を、本人が自ら取り戻し高めていくことを支える
  • ④社会の構造には目を向けず、クライエント個人の心理的な適応の改善だけを援助の目標とする
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正解 ③抑圧などにより奪われていたクライエントの力を、本人が自ら取り戻し高めていくことを支える
解説
エンパワメントアプローチは、差別や抑圧などによって無力な状態に置かれた人々が、本来もっている力を自ら取り戻し、自分の生活や社会に影響を及ぼせるようになることを支える考え方です。ソロモンが1976年に著した『黒人のエンパワメント』が契機の一つとされています。
個人、対人関係、社会・政治の各レベルに働きかけ、クライエントと援助者の協働関係を重視します。

他の選択肢が誤りの理由
・援助者が代わりに行使:本人が自ら力を取り戻し高めていくことを支えます。
・能力の欠如を専門職が補う:問題の原因を本人の欠如に求める考え方とは異なり、本人の力に着目します。
・社会の構造に目を向けない:社会の構造による抑圧にも目を向け、働きかけます。

覚え方のポイント
エンパワメント=「奪われた力を自ら取り戻す」「個人から社会・政治まで」「協働」。
問49-3

B精神保健福祉士は、「自分はダメな人間だ」と話し続けるAさん(35歳)に、ナラティブアプローチで関わることにした。ホワイト(White, M.)とエプストン(Epston, D.)らが発展させたナラティブアプローチで用いられる「問題の外在化」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①問題を本人の内側にあるものとして語り、本人の性格の欠点を明らかにしてその修正を目指していく
  • ②問題を本人の内側にあるものではなく、本人と切り離されたものとして語り、問題との関係を見直す
  • ③問題をすでに解決された状態を想像してもらい、そのときに起きている変化を具体的に語ってもらう
  • ④問題が起きていない例外的な場面を探し、その場面でうまくいっている行動をくり返すよう促していく
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正解 ②問題を本人の内側にあるものではなく、本人と切り離されたものとして語り、問題との関係を見直す
解説
ナラティブアプローチは、人は自分の経験を物語(ナラティブ)として理解しているという考え方に立ち、本人を苦しめている支配的な物語(ドミナント・ストーリー)に代わる、新しい物語(オルタナティブ・ストーリー)をつくることを支援します。
問題の外在化は、「問題が人なのではなく、問題が問題である」という考え方から、問題を本人の内側にあるものではなく、本人と切り離された存在として語ることで、本人と問題との関係を見直し、問題に対処する力を引き出す技法です。

他の選択肢が誤りの理由
・本人の内側にあるものとして性格の欠点を修正:外在化とは逆の考え方です。
・解決された状態を想像してもらう:解決志向アプローチのミラクル・クエスチョンの説明です。
・例外的な場面を探す:解決志向アプローチの例外探し(例外の質問)の説明です。

覚え方のポイント
ナラティブ=「ドミナント→オルタナティブ・ストーリー」「問題の外在化(問題が人ではない)」。
問59-3

学習理論を基盤とし、問題となる行動を観察・測定して、強化などによって望ましい行動を増やす実践アプローチはどれか。

  • ①行動変容アプローチ
  • ②機能的アプローチ
  • ③心理社会的アプローチ
  • ④エンパワメントアプローチ
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正解 ①行動変容アプローチ
解説
行動変容アプローチは、オペラント条件づけやレスポンデント条件づけ、社会的学習理論(モデリング)などの学習理論を基盤とし、問題となる行動を具体的に観察・測定したうえで、望ましい行動に対する強化(ほめる、ごほうびを与えるなど)などによって、行動の変容を目指すアプローチです。
精神科リハビリテーションのSST(社会生活技能訓練)にも、この考え方が取り入れられています。

他の選択肢が誤りの理由
・機能的アプローチ:機能主義の流れをくみ、援助機関の機能を活用した援助の過程を重視するアプローチです。
・心理社会的アプローチ:「状況の中の人」の視点で、内面と環境の両方に働きかけるアプローチです。
・エンパワメントアプローチ:奪われた力を本人が取り戻すことを支えるアプローチです。

覚え方のポイント
行動変容アプローチ=「学習理論」「観察・測定」「強化」。SSTにもつながる考え方です。
問69-3

システム理論の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①システムの一部に生じた変化はほかの部分にも影響するが、全体は部分の単純な総和に等しいとみる
  • ②システムの一部に生じた変化はほかの部分にも影響し、原因と結果は一方向の因果関係でとらえる
  • ③システムの一部に生じた変化はほかの部分にも影響し、外部の環境とは切り離された閉鎖系とみる
  • ④システムの一部に生じた変化はほかの部分にも影響し、全体は部分の総和以上のものとしてとらえる
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正解 ④システムの一部に生じた変化はほかの部分にも影響し、全体は部分の総和以上のものとしてとらえる
解説
ベルタランフィ(Bertalanffy, L.)の一般システム理論などを取り入れたシステム理論では、人や家族、地域などをシステムとしてとらえ、システムの一部に生じた変化はほかの部分や全体に影響を及ぼすと考えます。全体は部分の単なる総和以上のものとされ、システムは外部の環境とやりとり(エネルギーや情報の出入り)をする開放システムとしてとらえられます。
また、原因と結果が互いに影響し合う円環的因果関係の考え方をとります。

他の選択肢が誤りの理由
・全体は部分の総和に等しい:全体は部分の単なる総和以上のものとされます。
・一方向の因果関係:原因と結果が互いに影響し合う円環的因果関係でとらえます。
・外部の環境と切り離された閉鎖系:外部の環境とやりとりをする開放システムとしてとらえます。

覚え方のポイント
システム理論=「全体は部分の総和以上」「一部の変化は全体へ」「円環的因果関係」「開放システム」。
問79-3

ド・シェイザー(de Shazer, S.)とバーグ(Berg, I.)らが発展させた解決志向アプローチの考え方として、正しいものはどれか。

  • ①援助者が解決の姿を決めてクライエントに示し、その実現に必要な行動を一つずつ訓練していく
  • ②問題の原因を生育歴までさかのぼって詳しく追究し、その原因を取り除くことで解決を目指していく
  • ③クライエントの欠点や弱さを詳しく把握し、援助者がそれを補う方法を考えて指示していく
  • ④問題の原因を詳しく追究するより、クライエントが望む解決の姿とそこに向かう資源に焦点を当てる
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正解 ④問題の原因を詳しく追究するより、クライエントが望む解決の姿とそこに向かう資源に焦点を当てる
解説
解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)は、ド・シェイザーとバーグらが発展させたアプローチで、問題の原因を詳しく追究するよりも、クライエントが望む解決の姿や、すでにうまくいっていること(例外)、クライエントのもつ資源に焦点を当てて、解決の構築を目指します。
ミラクル・クエスチョン、例外の質問、スケーリング・クエスチョン、コーピング・クエスチョンなどの質問の技法が用いられます。

他の選択肢が誤りの理由
・原因を生育歴までさかのぼって追究:解決志向アプローチは原因の追究よりも解決に焦点を当てます。
・欠点や弱さを把握し援助者が補う:クライエントの資源や強みに焦点を当てます。
・援助者が解決の姿を決めて訓練:解決の姿はクライエント自身が描くものとされます。

覚え方のポイント
解決志向=「原因より解決」「例外」「資源」「ミラクル・クエスチョン」。
問89-3

実践アプローチと、それに関係の深い人物の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①心理社会的アプローチ ― リード
  • ②課題中心アプローチ ― ホリス
  • ③問題解決アプローチ ― パールマン
  • ④エンパワメントアプローチ ― ランク
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正解 ③問題解決アプローチ ― パールマン
解説
問題解決アプローチは、パールマンが体系化したアプローチで、クライエントを問題解決の主体ととらえ、その動機づけ(Motivation)、能力(Capacity)、機会(Opportunity)を高めることを重視しました(MCOモデル)。
実践アプローチと人物を整理すると、次のようになります。
・心理社会的アプローチ:ホリス
・課題中心アプローチ:リード、エプスタイン
・エンパワメントアプローチ:ソロモン
・機能的アプローチ:タフト、ロビンソン(ランクの意志心理学を基盤)

他の選択肢が誤りの理由
・課題中心アプローチ―ホリス:課題中心アプローチはリードとエプスタインです。
・心理社会的アプローチ―リード:心理社会的アプローチはホリスです。
・エンパワメントアプローチ―ランク:エンパワメントアプローチはソロモンなどです(ランクは機能主義の理論的な基盤を示した人物です)。

覚え方のポイント
パールマン=問題解決(MCO)、ホリス=心理社会的、リード&エプスタイン=課題中心、ソロモン=エンパワメント。
問99-3

Aさん(40歳、うつ病で休職中)は、相談の中で「自分はダメな人間だ。何をやっても失敗する」と繰り返している。B精神保健福祉士が認知行動療法の考え方を取り入れて関わる場合の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①その考えは誤りだと根拠を示して説明し、前向きな考えに置き換える宿題を出して指示する
  • ②出来事とそのときに浮かんだ考えを一緒に書き出し、その考え以外の見方ができないか話し合う
  • ③否定的な考えを話すとかえって強まるので、楽しかった出来事だけを話すよう話題を変える
  • ④考えの背景にある幼少期の親子関係を詳しく尋ね、無意識の葛藤に気付けるよう解釈を伝えていく
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正解 ②出来事とそのときに浮かんだ考えを一緒に書き出し、その考え以外の見方ができないか話し合う
解説
認知行動療法は、出来事そのものではなく、出来事をどうとらえるか(認知)が感情や行動に影響すると考え、偏った考え方(認知のゆがみ)に気付き、より柔軟でバランスのとれた考え方や行動を身につけることを目指します。
「何をやっても失敗する」という考えは、一部の経験を全体に広げる「過度の一般化」などの例です。出来事、そのときに浮かんだ考え(自動思考)、感情を一緒に書き出し、根拠や別の見方を検討していくことが基本です(協働的経験主義)。

他の選択肢が誤りの理由
・誤りだと説明し置き換える宿題を指示:考えを一方的に否定して置き換えさせるのではなく、本人と一緒に根拠や別の見方を検討していくことが基本です。
・楽しかった出来事だけを話すよう話題を変える:本人の語っている苦しさを受け止めずに話題をそらすのは適切ではありません。
・幼少期の親子関係と無意識の葛藤の解釈:精神分析的な考え方で、認知行動療法の考え方ではありません。

覚え方のポイント
認知行動療法=「出来事→考え(自動思考)→感情・行動」「書き出す」「別の見方を一緒に探す」。
問109-3

実践モデルとアプローチについて、正しいものの組合せはどれか。
a.心理社会的アプローチは、「状況の中の人」の視点を重視する。
b.ナラティブアプローチでは、問題の外在化の技法が用いられる。
c.課題中心アプローチは、期間を定めずに長期にわたって援助する。
d.システム理論では、原因と結果を一方向の因果関係でとらえる。

  • ①a・b
  • ②c・d
  • ③a・c
  • ④b・d
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正解 ①a・b
解説
a:心理社会的アプローチ(ホリス)は、「状況の中の人」の視点から、内面と環境の両方に働きかけます。
b:ナラティブアプローチでは、問題を本人と切り離して語る「問題の外在化」の技法が用いられます。

他の記述が誤りの理由
c:課題中心アプローチは、期間や回数を定めて短期・計画的に援助します。
d:システム理論では、原因と結果が互いに影響し合う円環的因果関係でとらえます。

覚え方のポイント
心理社会的=状況の中の人、課題中心=短期・計画的、ナラティブ=外在化、システム理論=円環的因果関係。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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