2026年版・9-4

悪用・社会への影響とAIガバナンスの一問一答

G検定(ジェネラリスト検定)「AI倫理・AIガバナンス」から、悪用・社会への影響とAIガバナンスに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は多肢選択式で、問い方は問題ごとに異なりますが、ここでは4択で出題しています。

問19-4

ディープラーニングなどを用いて、実在の人物が実際には言っていないことを話しているように見せる動画や音声を作る技術や、その生成物を指す言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①フィルターバブル
  • ②エコーチェンバー
  • ③ディープフェイク
  • ④コールドスタート
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正解 ③ディープフェイク
解説
ディープフェイクは、ディープラーニング(Deep Learning)と偽物(Fake)を組み合わせた言葉で、生成AIなどを用いて、実在の人物の顔や声を合成し、その人が実際には言っていないことを話したり、していないことをしたりしているように見せる動画・画像・音声、またはその技術を指します。映画の制作などへの正当な活用もある一方、政治家の偽の発言による世論の操作、有名人になりすました詐欺、本人の同意のない性的な画像の作成など、深刻な悪用が問題になっています。

他の選択肢が不適切な理由
・フィルターバブル:利用者の好みに合った情報ばかりが表示され、自分の見たい情報の泡の中に閉じこもってしまう現象です。
・エコーチェンバー:似た意見を持つ人どうしで交流を繰り返すうちに、特定の意見が増幅され、正しいと信じ込んでしまう現象です。
・コールドスタート:協調フィルタリングで、履歴の少ない新しい利用者や商品にうまく推薦できない問題です。

覚え方のポイント
ディープフェイクへの対策には、生成されたコンテンツであることを示す電子透かしや来歴情報の付与、偽物を検出する技術の開発、情報の受け手のリテラシーの向上などがあります。
問29-4

SNSや検索サービスで、アルゴリズムが利用者の好みに合った情報ばかりを表示することで、利用者が自分と異なる意見や情報に触れにくくなる現象として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①ディープフェイク
  • ②モード崩壊
  • ③勾配消失
  • ④フィルターバブル
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正解 ④フィルターバブル
解説
フィルターバブルは、SNSや検索サービス、ニュースのアプリなどで、アルゴリズムが利用者の過去の行動にもとづいて、その人の好みや考えに合った情報を優先して表示することで、利用者が、自分の見たい情報という「泡(バブル)」の中に閉じこもり、異なる意見や情報に触れにくくなる現象です。社会の分断や、偏った意見の強化につながるおそれが指摘されており、民主主義に対するAIの影響の一つとして議論されています。似た考えの人どうしのやり取りの中で意見が増幅される「エコーチェンバー」と、あわせて論じられることが多くあります。

他の選択肢が不適切な理由
・ディープフェイク:AIで合成された、本物のように見える偽の動画・画像・音声のことです。
・モード崩壊:GANの学習で、生成器が似たようなデータばかりを生成するようになる現象です。
・勾配消失:ニューラルネットワークの層が深いときに、勾配が小さくなって学習が進まなくなる現象です。

覚え方のポイント
「フィルターバブル=アルゴリズムが作る情報の泡」「エコーチェンバー=似た人どうしで意見が反響し増幅する」。どちらも、情報の偏りが社会に与える影響として押さえましょう。
問39-4

人間の判断を介さずに、AIが自律的に攻撃の対象を選び、殺傷を行う兵器として、国際的に規制の議論が行われているものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①自律型致死兵器システム(LAWS)
  • ②エキスパートシステム
  • ③レコメンドシステム
  • ④エッジAI
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正解 ①自律型致死兵器システム(LAWS)
解説
自律型致死兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapons Systems)は、いったん起動されると、人間の判断を介さずに、AIなどによって自律的に攻撃の対象を選び、殺傷を行う兵器システムを指します。人間の生死にかかわる判断を機械に委ねることの倫理的な問題、国際人道法を守れるのか、事故や誤作動の責任を誰が負うのかといった問題から、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みなどで、国際的な規制のあり方が議論されています。日本政府は、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性兵器を開発する意図はないとの立場を示しています。

他の選択肢が不適切な理由
・エキスパートシステム:専門家の知識をルールとして組み込んだ、第2次AIブームのシステムです。
・レコメンドシステム:利用者の好みに合った商品や情報を推薦するシステムです。
・エッジAI:スマートフォンなどの端末側でAIの推論を行う形態です。

覚え方のポイント
「LAWS=人間の関与なしに殺傷を判断する兵器」。AIの軍事利用は、AIの悪用とガバナンスをめぐる重要な論点の一つです。
問49-4

大規模なAIのモデルの学習や運用が環境に与える影響についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①電力を多く使うのは学習の時だけで、公開後の推論は電力をほとんど使わないため考慮しなくてよい。
  • ②大量の計算で多くの電力を消費するため、エネルギーや温室効果ガスの面での配慮が求められる。
  • ③大規模なモデルほど必ず消費電力が少なくなるため、モデルを大きくするほど環境に優しくなる。
  • ④環境への負荷は電力に限られるため、データセンターが水資源に与える影響は考えなくてよい。
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正解 ②大量の計算で多くの電力を消費するため、エネルギーや温室効果ガスの面での配慮が求められる。
解説
大規模なAIのモデルの学習には、多数のGPUなどを長期間動かす必要があり、ばく大な電力を消費します。学習後も、多くの利用者からの要求に応じて推論を行うため、継続的に電力が使われます。発電の方法によっては多くの温室効果ガスを排出することになり、データセンターの冷却のために大量の水が使われることもあります。そのため、AIの開発や運用では、計算の効率化、モデルの軽量化、再生可能エネルギーの活用など、環境への影響に配慮することが求められています。

他の選択肢が不適切な理由
・電力を使うのは学習の時だけ:公開後も、多くの利用者からの要求に応じて推論が繰り返されるため、継続的に電力が使われます。利用の多いサービスでは、推論による消費も大きくなります。
・大規模なモデルほど消費電力が少ない:一般に、モデルが大きいほど計算量が増え、消費電力も大きくなります。
・負荷は電力に限られ水は考えなくてよい:データセンターの冷却の方式によっては大量の水が使われるため、水資源への影響も考慮する必要があります。

覚え方のポイント
「AIの環境負荷=電力(温室効果ガス)と水」。モデルの軽量化(蒸留・量子化・枝刈り)は、コストの削減だけでなく、環境への負荷を減らす意味もあります。
問59-4

AIの普及が雇用や働き方に与える影響についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①AIによってなくなる仕事の数と新たに生まれる仕事の数は、同じになることが確実に分かっている。
  • ②AIがどの仕事を代替するかは技術だけで決まり、企業の判断や社会の制度には左右されない。
  • ③一部の業務がAIに置き換わる一方、新たな仕事も生まれうるため、学び直しの支援が重要になる。
  • ④AIが仕事を代替するのは工場の単純作業だけで、事務や専門的な仕事には影響が及ばない。
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正解 ③一部の業務がAIに置き換わる一方、新たな仕事も生まれうるため、学び直しの支援が重要になる。
解説
AIの普及により、定型的な作業を中心に、一部の業務がAIに置き換わっていくと考えられています。生成AIの登場により、文章の作成、翻訳、プログラミング、デザインなど、これまで影響を受けにくいと考えられていた知的な業務にも影響が広がりつつあります。一方で、AIを活用する仕事や、AIでは代替しにくい仕事など、新たな仕事も生まれうると考えられています。そのため、働く人が新しい技能を身につけるための学び直し(リスキリング)や、仕事の移行を支える制度が重要になっています。

他の選択肢が不適切な理由
・なくなる仕事と生まれる仕事の数が同じになる:影響の大きさについてはさまざまな予測があり、数がつり合うことが確実に分かっているわけではありません。
・技術だけで決まる:実際にどの業務をAIに任せるかは、費用、法律や制度、企業の業務の設計、社会の受け止め方などによっても変わります。
・工場の単純作業だけ:生成AIは、事務や専門的な知的業務にも影響を及ぼしています。

覚え方のポイント
AIと雇用の問題は「置き換わる仕事」「新たに生まれる仕事」「変わる仕事(AIと協働する)」の3つの面から考えます。キーワードは「リスキリング(学び直し)」です。
問69-4

技術や社会の変化が速いAIの分野で、ゴールを設定し、システムを設計・運用し、その結果を評価して、環境やリスクを分析し直すというサイクルを継続的に回す、経済産業省の指針などで示されたガバナンスの考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①ウォーターフォール型の開発
  • ②ルールベースの管理
  • ③トップダウン型の一括規制
  • ④アジャイル・ガバナンス
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正解 ④アジャイル・ガバナンス
解説
アジャイル・ガバナンスは、変化が速く、リスクを事前にすべて予測することが難しいAIなどの分野で、あらかじめ決めたルールを固定的に守るのではなく、「環境・リスクの分析」「ゴールの設定」「システムのデザイン」「運用」「評価」といったサイクルを、状況の変化に応じて継続的かつ高速に回していくガバナンスの考え方です。経済産業省の「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」などで示され、AI事業者ガイドラインにも引き継がれています。

他の選択肢が不適切な理由
・ウォーターフォール型の開発:要件定義から設計、実装、テストへと、工程を順番に一方向に進めるシステム開発の手法です。
・ルールベースの管理:あらかじめ決めた規則に従って管理する考え方で、変化に応じてサイクルを回すアジャイル・ガバナンスとは異なります。
・トップダウン型の一括規制:上位の組織が一律の規制を定めて従わせる考え方です。

覚え方のポイント
「アジャイル(機敏な)=走りながら見直す」。AIガバナンスは一度決めて終わりではなく、継続的に改善していくもの、という考え方を押さえましょう。
問79-4

米国国立標準技術研究所(NIST)が公表したAIのリスク管理の枠組み(AI RMF)の中核となる4つの機能の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①統治(Govern)・特定(Map)・測定(Measure)・管理(Manage)
  • ②計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)
  • ③収集(Collect)・加工(Process)・学習(Train)・推論(Infer)
  • ④発見(Discover)・購入(Buy)・販売(Sell)・廃棄(Dispose)
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正解 ①統治(Govern)・特定(Map)・測定(Measure)・管理(Manage)
解説
NIST(米国国立標準技術研究所)は、2023年1月に、AIのリスクを管理するための枠組み「AI RMF(AI Risk Management Framework)1.0」を公表しました。その中核(コア)は4つの機能で構成されています。組織の中にリスク管理の文化や体制を作る「統治(Govern)」、AIを使う状況を把握してリスクを特定する「特定(Map)」、リスクを分析・評価・追跡する「測定(Measure)」、優先順位をつけてリスクに対応する「管理(Manage)」です。法的な拘束力のない、組織が自主的に活用するための枠組みです。

他の選択肢が不適切な理由
・計画・実行・評価・改善:品質管理などで広く使われるPDCAサイクルで、AI RMFの4つの機能ではありません。
・収集・加工・学習・推論:AIのデータと処理の流れを表したもので、リスク管理の枠組みではありません。
・発見・購入・販売・廃棄:AI RMFとは関係のない言葉の組み合わせです。

覚え方のポイント
「NIST AI RMF=Govern・Map・Measure・Manage」。英語の頭文字(G・M・M・M)とあわせて覚えておきましょう。
問89-4

生成AIで作られた画像や動画について、誰がどのように作成・編集したかといった来歴の情報を付与し、確認できるようにする取り組みとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①データ拡張によるデータの水増し
  • ②来歴情報(C2PAなど)の付与
  • ③ドロップアウトによる過学習の防止
  • ④勾配クリッピングによる学習の安定化
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正解 ②来歴情報(C2PAなど)の付与
解説
生成AIで作られた画像や動画が本物と見分けにくくなる中で、偽情報への対策として、コンテンツに「誰が、いつ、どのように作成・編集したか」といった来歴の情報を付与し、改ざんされていないかを確認できるようにする取り組みが進められています。C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)は、こうした来歴の情報の技術的な標準を策定している団体で、多くの企業が参加しています。生成AIで作ったことを示す電子透かしを埋め込む技術なども、あわせて研究・導入が進められています。

他の選択肢が不適切な理由
・データ拡張によるデータの水増し:学習データに変形を加えて水増しする手法で、コンテンツの来歴を示すものではありません。
・ドロップアウトによる過学習の防止:学習時にニューロンを無効にする手法です。
・勾配クリッピングによる学習の安定化:勾配の大きさに上限を設けて、学習の発散を防ぐ手法です。

覚え方のポイント
「来歴情報・電子透かし=生成物の出どころを示す」。ディープフェイクや偽情報への技術的な対策として押さえておきましょう。
問99-4

企業がAIを適切に開発・利用するための「AIガバナンス」の取り組みとして、最も不適切なものを1つ選びなさい。

  • ①AIの利用に関する方針や社内の体制を定め、責任の所在を明確にする。
  • ②AIのリスクを洗い出して評価し、その大きさに応じた対策を講じる。
  • ③リスクがゼロと証明されるまで、AIの利用の検討自体を一切禁止する。
  • ④社外の有識者や利用者などの意見も取り入れ、取り組みを継続的に見直す。
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正解 ③リスクがゼロと証明されるまで、AIの利用の検討自体を一切禁止する。
解説
どのような技術でも、リスクを完全にゼロにすることはできません。リスクがゼロと証明されるまでAIの利用の検討すら禁止してしまうと、AIがもたらす便益を得られず、競争力の低下などにもつながります。AIガバナンスは、AIのリスクを適切に管理しながら、その便益を最大化するための取り組みであり、リスクに応じた対策を講じたうえで活用していくことが基本です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「不適切なもの」を選ぶ問題です。以下はAIガバナンスの取り組みとして適切な記述です。
・方針や体制を定め、責任の所在を明確にする:誰が何に責任を持つのかを明確にすることは、ガバナンスの基本です。
・リスクを洗い出し、大きさに応じた対策を講じる:リスクベースの考え方にもとづく取り組みです。
・外部の意見を取り入れて継続的に見直す:多様な視点を取り入れ、アジャイルに改善していく取り組みです。

覚え方のポイント
AIガバナンスは「ブレーキ(リスク管理)」と「アクセル(活用の推進)」の両方を担います。リスクに応じて対策の強さを変える「リスクベースアプローチ」がキーワードです。
問109-4

過去に、ある企業が公開した会話AIが、利用者との会話から学習した結果、差別的な発言をするようになり、短期間で公開を停止した事例がある。この事例から得られる教訓として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①学習データの量が少なかったことが原因で、データを増やせば同じ問題は起こらなくなる。
  • ②この問題は会話AIに特有のもので、利用者の行動から学ぶ推薦システムなどでは起こらない。
  • ③会話AIは公開する前に一度だけ試験をすれば十分で、公開後に監視をする必要はまったくない。
  • ④入力から学習するAIは、悪意ある入力で振る舞いがゆがみうるため、対策と監視が必要である。
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正解 ④入力から学習するAIは、悪意ある入力で振る舞いがゆがみうるため、対策と監視が必要である。
解説
2016年に、Microsoftが公開した会話AI「Tay(テイ)」は、SNS上で利用者との会話から学習する仕組みでしたが、一部の利用者が意図的に差別的な発言を大量に教え込んだ結果、差別的な発言をするようになり、公開から短期間で停止されました。この事例は、利用者の入力から学習するAIは、悪意のある入力によって振る舞いがゆがめられうること(データポイズニングの一種)、そのため、学習するデータの管理、不適切な出力を防ぐ仕組み、公開後の監視と迅速な対応が必要であることを示しています。

他の選択肢が不適切な理由
・データの量が少なかったことが原因:原因は量ではなく、悪意のある利用者が意図的に偏った入力を与えたことです。入力をそのまま学習する仕組みでは、データが増えても同じことが起こりえます。
・会話AIに特有の問題:利用者の行動や入力から学習する仕組みであれば、推薦システムなど他のAIでも、意図的に偏ったデータを送り込まれて振る舞いがゆがむおそれがあります。
・一度試験すれば十分で監視は不要:公開後に想定外の使われ方をすることがあるため、継続的な監視が必要です。

覚え方のポイント
「Tayの事例=悪意ある入力でAIがゆがむ」。AIの提供者は、公開前の検証だけでなく、公開後の監視と迅速な停止・修正の体制まで備える必要があります。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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