Aさん(32歳、男性)は、3年前の交通事故による脊髄損傷のため両下肢が麻痺し、胸から下の感覚もない。車いすを自分でこいで移動でき、現在は一人暮らしをしながら事務の仕事をしている。最近、仕事で長時間座り続けることが多く、お尻に赤みが出ていることを訪問介護員(ホームヘルパー)が見つけた。Aさんへの助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ①座っているときは、時間を決めてお尻を浮かせて除圧する。
- ②痛みを感じていないので、赤みは心配しなくてよいと伝える。
- ③赤みのある部分は、血行を良くするため強くマッサージする。
- ④お尻の圧迫を減らすため、中央が空いた円座を敷いて座る。
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脊髄損傷で感覚が失われている人は、長時間同じ姿勢でいてもお尻の痛みやしびれを感じないため、圧迫に気づかず褥瘡(床ずれ)ができやすい状態にあります。車いすに座っているときは、両手でアームサポートなどを押して体を持ち上げる(プッシュアップ)、体を左右や前に傾けるなどして、時間を決めてお尻にかかる圧力を抜く(除圧する)ことが大切です。
あわせて、体圧を分散する車いす用のクッションを使い、毎日鏡などで皮膚の状態を確かめる習慣をつけることで、仕事を続けながら褥瘡を予防できます。
他の選択肢が不適切な理由
「痛みを感じていないので、赤みは心配しなくてよいと伝える。」は誤りです。感覚がないために痛みを感じないだけで、赤みは褥瘡の初期のサインである可能性があり、放置すると悪化します。
「赤みのある部分は、血行を良くするため強くマッサージする。」は、赤くなった部分を強くこすると、傷んだ組織をさらに傷つけるおそれがあるため不適切です。
「お尻の圧迫を減らすため、中央が空いた円座を敷いて座る。」は、円座は輪の部分に圧力が集中して周囲の血流を悪くするため、褥瘡予防には使いません。体圧を分散するクッションを使います。
試験の罠
脊髄損傷の人は「感覚がない=痛みで気づけない」ため、褥瘡・やけど・けがに注意が必要です。車いすでは「定期的なプッシュアップ(除圧)」「体圧分散クッション」が正解の軸です。