2026年版・2-4

多職種連携・リスクマネジメント・介護従事者の安全の一問一答

介護福祉士国家試験「人間の尊厳と自立・介護の基本」から、多職種連携・リスクマネジメント・介護従事者の安全に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問12-4

言語聴覚士(ST)の主な役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①寝返りや起き上がり、歩行などの基本動作の訓練を行う
  • ②食事や家事など、生活に必要な応用的な動作の訓練を行う
  • ③栄養状態を評価して、食事の内容や栄養の管理を行う
  • ④話すことや飲み込むことに障害がある人の訓練を行う
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正解 ④話すことや飲み込むことに障害がある人の訓練を行う
解説
言語聴覚士(ST)は、言語聴覚士法に基づく国家資格で、音声機能・言語機能・聴覚に障害のある人に対して、その機能の維持向上を図るための訓練、検査、助言、指導などを行います。医師または歯科医師の指示の下で、嚥下(飲み込み)の訓練も行います。
介護職は、STから食事の姿勢や食べ物の形態、コミュニケーションの方法について助言を受け、日々の介護に生かします。

他の選択肢が不適切な理由
「寝返りや起き上がり、歩行などの基本動作の訓練を行う」は、理学療法士(PT)の主な役割だからです。理学療法士は、運動療法や温熱などの物理療法で基本的な動作能力の回復を図ります。
「食事や家事など、生活に必要な応用的な動作の訓練を行う」は、作業療法士(OT)の主な役割だからです。作業療法士は、手芸や工作などの作業を通じて応用的な動作能力や社会的適応能力の回復を図ります。
「栄養状態を評価して、食事の内容や栄養の管理を行う」は、管理栄養士の主な役割だからです。

試験の罠
「PT=基本動作(起きる・立つ・歩く)」「OT=応用動作・作業(食事・家事・趣味)」「ST=言語・聴覚・嚥下」の区別は頻出です。飲み込みの訓練がSTの役割であることは特によく問われます。
問22-4

ヒヤリハットの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①事故が起きて、利用者がけがをしてしまった実際の出来事
  • ②事故に至らず、ひやりとしたり、はっとしたりした出来事
  • ③職員同士の意見の食い違いによって起きた職場のトラブル
  • ④利用者や家族から寄せられた、サービスへの苦情や不満
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正解 ②事故に至らず、ひやりとしたり、はっとしたりした出来事
解説
ヒヤリハットとは、事故には至らなかったものの、一歩間違えれば事故になっていたかもしれない場面で、ひやりとしたり、はっとしたりした出来事のことです。
ヒヤリハットを報告して共有し、原因を分析して対策を立てることで、重大な事故を未然に防ぐことができます。報告は個人の責任を追及するためではなく、組織として安全を高めるために行うものです。

他の選択肢が不適切な理由
「事故が起きて、利用者がけがをしてしまった実際の出来事」は、実際に事故が起きた場合であり、事故報告書で報告する対象だからです。ヒヤリハットは事故に至らなかった出来事を指します。
「職員同士の意見の食い違いによって起きた職場のトラブル」は、職場の人間関係やチーム運営の問題であり、事故につながりかけた出来事というヒヤリハットの意味とは異なるためです。
「利用者や家族から寄せられた、サービスへの苦情や不満」は、苦情解決の対象となるものであり、ヒヤリハットとは異なるためです。苦情もサービス改善の大切な情報として扱います。

試験の罠
ハインリッヒの法則では、1件の重大な事故の背後に29件の軽い事故、300件のヒヤリハットがあるとされます。ヒヤリハットは「事故に至らなかった出来事」であり、報告は責任追及のためではないことを押さえましょう。
問32-4

スタンダードプリコーション(標準予防策)の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①感染症と診断された利用者の介助に限り、手袋などを使用する
  • ②汗も含めて、すべての体液を感染の危険があるものとして扱う
  • ③すべての人の血液・体液・排泄物などを感染の危険があるとみなす
  • ④手袋を着けて介助したときは、外した後の手洗いを省略しても構わない
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正解 ③すべての人の血液・体液・排泄物などを感染の危険があるとみなす
解説
スタンダードプリコーション(標準予防策)は、感染症の有無にかかわらず、すべての人の血液、汗を除く体液・分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜を感染の危険があるものとして扱うという考え方です。
感染症があることに本人も周りも気づいていない場合もあるため、誰に対しても同じ予防策をとることで感染を防ぎます。手洗いなどの手指衛生、手袋・マスク・エプロンなどの使用、使った物品の適切な処理が基本です。

他の選択肢が不適切な理由
「感染症と診断された利用者の介助に限り、手袋などを使用する」は、標準予防策は感染症の有無にかかわらず、すべての利用者に同じように行うものだからです。
「汗も含めて、すべての体液を感染の危険があるものとして扱う」は、標準予防策では汗は対象から除かれているためです。
「手袋を着けて介助したときは、外した後の手洗いを省略しても構わない」は、手袋には目に見えない穴があることや、外すときに手が汚れることがあるため、手袋を外した後も手指衛生が必要だからです。

試験の罠
標準予防策の対象は「すべての人」の「血液・体液・分泌物(汗を除く)・排泄物・傷のある皮膚・粘膜」です。「汗を除く」と「手袋を外した後も手洗い」の2点がよく狙われます。
問42-4

ノロウイルスによる感染症が疑われる利用者の嘔吐物を処理する方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①使い捨ての手袋やマスクなどを着け、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
  • ②消毒用アルコールを十分に吹きつけてから、乾いた布で拭き取って片づける
  • ③嘔吐物が乾燥して固まるまで待ってから、掃除機で吸い取って片づける
  • ④ほかの利用者に広がらないよう、窓や扉をすべて閉め切ってから処理する
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正解 ①使い捨ての手袋やマスクなどを着け、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
解説
ノロウイルスは、嘔吐物や便に大量に含まれ、ごく少ない量でも感染する力が強いウイルスです。処理する人は使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着け、嘔吐物をペーパータオルなどで外側から内側に向けて静かに拭き取り、ビニール袋に密閉して捨てます。
その後、嘔吐物のあった場所を次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の消毒液)で消毒します。ノロウイルスには消毒用アルコールが効きにくいため、次亜塩素酸ナトリウムを使うことが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「消毒用アルコールを十分に吹きつけてから、乾いた布で拭き取って片づける」は、ノロウイルスには消毒用アルコールが効きにくく、十分な消毒にならないためです。
「嘔吐物が乾燥して固まるまで待ってから、掃除機で吸い取って片づける」は、嘔吐物が乾燥するとウイルスが空気中に舞い上がり、吸い込んで感染するおそれがあるためです。すぐに処理します。
「ほかの利用者に広がらないよう、窓や扉をすべて閉め切ってから処理する」は、処理の際はほかの人を遠ざけつつ、ウイルスを含む空気を入れ替えるために十分に換気することが必要だからです。

試験の罠
ノロウイルスは「アルコールが効きにくい→次亜塩素酸ナトリウム」「乾燥すると舞い上がる→すぐ処理」「換気する」の3点がセットで問われます。
問52-4

介護職員に起こりうるバーンアウト(燃え尽き症候群)に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①仕事を休まず働き続けずにはいられない状態が特徴である
  • ②情緒的な消耗感や、人と距離を置く態度などが特徴である
  • ③短期間の強い疲れで起こり、休日に休めば回復する状態である
  • ④つらい出来事の場面が、何度もよみがえることが特徴である
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正解 ②情緒的な消耗感や、人と距離を置く態度などが特徴である
解説
バーンアウト(燃え尽き症候群)は、人を支える仕事に熱心に取り組んできた人が、心身のエネルギーを使い果たしたように意欲を失ってしまう状態です。心が疲れ果てた感じ(情緒的消耗感)、利用者に対して思いやりのない態度をとったり距離を置いたりする(脱人格化)、仕事をやり遂げたという感覚が持てなくなる(個人的達成感の低下)などが特徴とされます。
早めに気づけるよう、職員同士で支え合い、相談しやすい職場をつくることが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「仕事を休まず働き続けずにはいられない状態が特徴である」は、仕事への過度な依存(いわゆるワーカホリック)の説明だからです。働きすぎはバーンアウトの一因になりえますが、バーンアウトそのものは、意欲を失って心身が疲れ果てた状態を指します。
「短期間の強い疲れで起こり、休日に休めば回復する状態である」は、バーンアウトは長い期間にわたるストレスの積み重ねで起こるもので、短い休息だけで回復するとは限らないためです。業務量や職場の支え合いの見直しなど、組織としての対策が必要になります。スーパービジョンや研修、相談窓口の設置などがあります。
「つらい出来事の場面が、何度もよみがえることが特徴である」は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などでみられるフラッシュバックの説明だからです。バーンアウトは、命に関わるような出来事の体験ではなく、仕事での長い期間のストレスが積み重なって起こります。

試験の罠
バーンアウトの3つの特徴「情緒的消耗感・脱人格化・個人的達成感の低下」を押さえましょう。「熱心な人ほど起こりやすい」「組織で取り組む」がキーワードです。
問62-4

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」の、介護作業に関する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①移乗の介助は、職員二人で抱え上げて行うことを基本にする
  • ②腰の負担を減らすため、腰をひねった姿勢で介助を行う
  • ③腰部保護ベルトを着ければ、人力で抱え上げても問題はない
  • ④人の抱え上げは原則として人力で行わず、福祉用具を使う
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正解 ④人の抱え上げは原則として人力で行わず、福祉用具を使う
解説
職場における腰痛予防対策指針(2013年改訂)は、介護作業について、移乗介助、入浴介助、排泄介助における対象者の抱え上げは腰に著しい負担がかかるため、全介助が必要な対象者にはリフトなどを積極的に使用し、原則として人力による人の抱え上げは行わせないこととしています。
あわせて、ベッドの高さを調整する、前かがみや腰をひねる姿勢をとらない、作業標準をつくる、腰痛の健康診断を行うなど、作業の管理と健康管理を組み合わせた対策が示されています。

他の選択肢が不適切な理由
「移乗の介助は、職員二人で抱え上げて行うことを基本にする」は、二人で行っても人力による抱え上げであることに変わりはなく、指針は原則として人力による抱え上げを行わせないとしているためです。
「腰の負担を減らすため、腰をひねった姿勢で介助を行う」は、腰をひねる姿勢は腰への負担を大きくするため、避けるべき姿勢とされているからです。
「腰部保護ベルトを着ければ、人力で抱え上げても問題はない」は、指針では腰部保護ベルトは一律に使うのではなく個人ごとに効果を確認するものとされ、ベルトを着けても抱え上げの負担がなくなるわけではないためです。

試験の罠
「人力による抱え上げは原則として行わない」「福祉用具(リフト、スライディングボード等)の積極的な活用」がこの指針の要点です。ボディメカニクスだけで腰痛を防げるわけではない点も押さえましょう。
問72-4

労働基準法で、労働時間が8時間を超える場合に、使用者が労働時間の途中に与えなければならない休憩時間として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①少なくとも15分
  • ②少なくとも45分
  • ③少なくとも30分
  • ④少なくとも1時間
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正解 ④少なくとも1時間
解説
労働基準法第34条第1項は、使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならないと定めています。
介護の現場では夜勤などで長い時間働くことがありますが、休憩は職員の心身の健康を守り、事故を防ぐためにも欠かせません。また第32条は、労働時間を原則として1日8時間、1週40時間までと定めています。

他の選択肢が不適切な理由
「少なくとも45分」は、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合の休憩時間であり、8時間を超える場合には足りないためです。
「少なくとも30分」は、労働基準法に定められた休憩時間の基準にはない数値だからです。6時間以下の労働では休憩を与える義務はなく、6時間を超えれば45分以上が必要です。
「少なくとも15分」は、労働基準法に定められた休憩時間の基準にはない数値だからです。

試験の罠
休憩は「6時間超→45分以上」「8時間超→1時間以上」で、労働時間の途中に与えます。労働時間の上限「1日8時間・週40時間」、年次有給休暇「6か月継続勤務・8割以上出勤で10日」もあわせて覚えましょう。
問82-4

育児・介護休業法に定められた介護休業に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①対象家族1人につき通算93日まで、1回に限って取得できる
  • ②対象家族1人につき1年度に5日まで、時間単位で取得できる
  • ③対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割できる
  • ④対象家族1人につき通算180日まで、回数の制限なく取得できる
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正解 ③対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割できる
解説
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)では、労働者は要介護状態にある対象家族1人につき、通算93日まで、3回を上限として分割して介護休業を取得できます(第11条、第15条)。
介護休業は、家族が自分で介護をし続けるための期間というより、介護サービスの手続きや体制を整えるための期間と位置づけられています。休業中は、雇用保険から介護休業給付金を受けられる場合があります。

他の選択肢が不適切な理由
「対象家族1人につき通算93日まで、1回に限って取得できる」は、2017年1月に施行された改正で3回まで分割して取得できるようになっており、1回に限られないためです。
「対象家族1人につき1年度に5日まで、時間単位で取得できる」は、介護休暇の説明だからです。介護休暇は、対象家族が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日まで取得でき、時間単位でも取得できます(第16条の5)。
「対象家族1人につき通算180日まで、回数の制限なく取得できる」は、日数の上限は通算93日であり、回数も3回までとされているためです。

試験の罠
「介護休業=93日・3回まで分割」「介護休暇=年5日(2人以上で10日)・時間単位で取得可」の区別が頻出です。休業と休暇の違いを取り違えないようにしましょう。
問92-4

介護施設の防災と業務継続の取り組みとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①業務継続計画は、地震などの自然災害だけを想定して作成する
  • ②災害や感染症の際も介護を続けられるよう、業務継続計画を作る
  • ③業務継続計画は職員に配れば足り、研修や訓練は求められない
  • ④非常災害の計画は消防署が作るものなので、施設では作成しない
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正解 ②災害や感染症の際も介護を続けられるよう、業務継続計画を作る
解説
介護サービスは利用者の生活や命を支えるものであり、災害や感染症が発生しても止めることができません。そのため、介護施設を含む介護サービス事業者には、業務継続計画(BCP)の策定、職員への周知、研修と訓練の定期的な実施、定期的な見直しが運営基準で義務づけられています。2021年4月に義務化され、介護施設では3年間の経過措置が2024年3月末で終わり、同年4月から完全に義務となりました。
業務継続計画では、職員が集まれない場合の優先業務や、物資の備蓄、関係機関との連絡体制などをあらかじめ決めておきます。

他の選択肢が不適切な理由
「業務継続計画は、地震などの自然災害だけを想定して作成する」は、運営基準が、感染症と非常災害の両方の発生時に介護を続けるための計画を作ることを求めているためです。感染症の流行で職員が出勤できない場合なども想定しておく必要があります。
「業務継続計画は職員に配れば足り、研修や訓練は求められない」は、計画を作って配るだけでは足りず、運営基準で、職員への周知に加えて、必要な研修と訓練を定期的に行い、計画を定期的に見直すことまで求められているためです。
「非常災害の計画は消防署が作るものなので、施設では作成しない」は、運営基準で、施設自らが非常災害に関する具体的な計画を立て、関係機関への通報や連携の体制を整え、定期的に避難や救出などの訓練を行うことが求められているためです。

試験の罠
業務継続計画(BCP)は「災害」と「感染症」の両方について作成します。策定だけでなく、研修と訓練を定期的に行い、必要に応じて見直すことまで求められている点を押さえましょう。
問102-4

介護老人福祉施設で、Dさん(86歳、女性、要介護3、骨粗鬆症あり)が居室の床に倒れているのを介護福祉士が発見した。Dさんは呼びかけに応じるが、右の太ももの付け根を痛がっている。介護福祉士の最初の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①無理に動かさず看護職員に連絡し、状態を観察して待つ
  • ②痛む場所を確かめるため、立ち上がって少し歩いてもらう
  • ③床は冷えるので、一人で抱え上げて急いでベッドへ戻す
  • ④まず家族に連絡し、病院を受診するかを決めてもらう
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正解 ①無理に動かさず看護職員に連絡し、状態を観察して待つ
解説
骨粗鬆症のある高齢者が転倒し、太ももの付け根を痛がっている場合は、大腿骨頸部骨折の可能性があります。無理に動かすと骨折がずれたり、痛みが強まったりするおそれがあるため、その場で安静を保ち、すぐに看護職員など医療職に連絡します。
医療職が来るまでの間は、意識や顔色、痛みの部位と程度、出血の有無などを観察し、声をかけて安心させます。その後、医療職の判断に基づいて受診などの対応を行い、家族への連絡や事故報告書の作成、再発防止の検討を行います。

他の選択肢が不適切な理由
「痛む場所を確かめるため、立ち上がって少し歩いてもらう」は、骨折している場合に体重をかけると状態を悪化させるおそれがあるためです。
「床は冷えるので、一人で抱え上げて急いでベッドへ戻す」は、骨折の可能性がある人を医療職の判断なしに動かすことになり、さらに職員一人での抱え上げは本人にも職員にも危険だからです。冷えには毛布をかけるなどで対応します。
「まず家族に連絡し、病院を受診するかを決めてもらう」は、家族への連絡は必要ですが、最初に行うべきは医療職への連絡と安全の確保だからです。受診の要否は医療職が判断します。

試験の罠
事故の直後は「動かさない」「医療職へ連絡」「観察」が最優先です。家族への連絡や事故報告は、その後に確実に行う手順として押さえましょう。

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