2026年版・5-8

人生の最終段階における介護の一問一答

介護福祉士国家試験「生活支援技術」から、人生の最終段階における介護に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問15-8

アドバンス・ケア・プランニング(ACP、愛称「人生会議」)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①延命治療の希望を一度書面に残したら、後から変えられないように確定すること
  • ②本人に代わって、家族だけで最期の過ごし方や治療方針をあらかじめ決めておくこと
  • ③今後の医療やケアを、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合うこと
  • ④亡くなった後に、遺された家族の悲しみに寄り添い、生活の立て直しを支えること
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正解 ③今後の医療やケアを、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合うこと
解説
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、もしものときのために、本人が大切にしていることや望む医療・ケアについて、前もって家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みです。厚生労働省は「人生会議」という愛称で普及を進めています。
人の気持ちは心身の状態や環境によって変わるため、一度決めて終わりではなく、繰り返し話し合うことが重視されています。本人が意思を示せなくなったときにも、話し合いの内容が本人の意思を推し量る手がかりになります。

他の選択肢が不適切な理由
「延命治療の希望を一度書面に残したら、後から変えられないように確定すること」は、ACPでは本人の意思が変わりうることを前提に繰り返し話し合うため誤りです。書面に残すこと自体はありますが、変更できないものではありません。
「本人に代わって、家族だけで最期の過ごし方や治療方針をあらかじめ決めておくこと」は、ACPの中心は本人の意思であり、本人を抜きに家族だけで決めるものではないため誤りです。
「亡くなった後に、遺された家族の悲しみに寄り添い、生活の立て直しを支えること」は、グリーフケアの説明です。ACPは本人が生きている間に行う話し合いです。

試験の罠
ACPのキーワードは「本人が主体」「前もって」「繰り返し」「家族等や医療・ケアチームと共有」です。「一度決めたら変えない」「家族だけで」は誤りの定番です。
問25-8

厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①本人の意思が確認できないときは、担当の医師が一人で方針を決める。
  • ②本人の意思は変わりうるため、その都度、話し合いを繰り返していく。
  • ③家族の意向を最優先にして、本人の意思は参考程度にとどめておく。
  • ④一度決めた方針は、本人の状態が変わっても見直さずに続けていく。
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正解 ②本人の意思は変わりうるため、その都度、話し合いを繰り返していく。
解説
このガイドラインでは、医師等から適切な情報提供と説明がなされたうえで、本人が医療・ケアチームと十分に話し合い、本人の意思決定を基本として医療・ケアを進めることが最も重要な原則とされています。
また、時間の経過や心身の状態の変化などにより本人の意思は変わりうるため、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援が行われ、話し合いを繰り返すことが重要とされています。介護福祉職も医療・ケアチームの一員として、日々の関わりの中で本人の思いを聴き取り、共有する役割を担います。

他の選択肢が不適切な理由
「本人の意思が確認できないときは、担当の医師が一人で方針を決める。」は誤りです。本人の意思が確認できない場合は、家族等が本人の意思を推定できるならそれを尊重し、本人にとって最善の方針を医療・ケアチームで慎重に判断します。
「家族の意向を最優先にして、本人の意思は参考程度にとどめておく。」は、本人の意思決定を基本とするという原則に反するため誤りです。
「一度決めた方針は、本人の状態が変わっても見直さずに続けていく。」は、状態の変化に応じて話し合いを繰り返すという考え方に反するため誤りです。

試験の罠
ガイドラインは「本人の意思決定が基本」「医療・ケアチームで判断(医師一人で決めない)」「繰り返し話し合う」「家族等も含めて共有する」の4点で整理しましょう。
問35-8

死が近づいたときにみられることがある呼吸で、呼吸がしだいに深く大きくなった後、しだいに浅くなり、しばらく止まる、という周期を繰り返すものとして、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①チェーンストークス呼吸
  • ②下顎呼吸
  • ③死前喘鳴
  • ④クスマウル呼吸
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正解 ①チェーンストークス呼吸
解説
チェーンストークス呼吸は、小さな呼吸から始まってしだいに深く大きくなり、その後しだいに浅くなって、しばらく呼吸が止まる(無呼吸)という周期を繰り返す呼吸です。脳の呼吸を調節する働きが低下したときなどにみられ、死が近づいた時期に現れることがあります。
家族は呼吸が止まるたびに不安になることが多いため、介護福祉職は看護職と連携し、このような呼吸の変化が起こりうることを家族に伝え、そばで寄り添えるよう支えます。

他の選択肢が不適切な理由
「下顎呼吸」は、下あごを上下に動かして、あえぐように呼吸するものです。呼吸の力が弱くなった状態で、死が間近に迫ったときにみられることが多い呼吸ですが、深さが周期的に変わる呼吸ではありません。
「死前喘鳴」は、飲み込む力が弱くなって唾液や分泌物がのどにたまり、呼吸のたびにのどの奥でゴロゴロと音がするものです。呼吸の深さの周期的な変化ではありません。
「クスマウル呼吸」は、深くて大きな呼吸が規則正しく続くもので、糖尿病の重い合併症(糖尿病性ケトアシドーシス)などで体が酸性に傾いたときにみられます。無呼吸をはさむ周期的な変化はありません。

試験の罠
終末期の呼吸は「チェーンストークス呼吸(深さが周期的に変わり無呼吸をはさむ)」「下顎呼吸(あごであえぐ、死の直前)」「死前喘鳴(のどのゴロゴロ)」の3つを区別して覚えます。
問45-8

Aさん(92歳、女性、要介護5)は、介護老人福祉施設で看取りの段階に入っている。本人と家族の希望により、延命のための処置は行わず、施設で最期を迎える方針が決まっている。ある夜、介護福祉職が訪室すると、Aさんは口を開けて眠っており、呼吸のたびにのどの奥でゴロゴロと音がしていた。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①のどの分泌物をやわらかくするため、コップで水を飲ませる。
  • ②顔を横に向けるなど楽な姿勢に整え、看護職に状態を伝える。
  • ③咳をして分泌物を出せるよう、体を強く揺すって起こしておく。
  • ④呼吸は止まっていないので、次の定時の訪室まで様子をみる。
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正解 ②顔を横に向けるなど楽な姿勢に整え、看護職に状態を伝える。
解説
死が近づき飲み込む力が弱くなると、唾液や分泌物がのどにたまり、呼吸のたびにゴロゴロと音がすることがあります(死前喘鳴)。本人は意識が低下していて苦痛を感じていないことも多いとされますが、顔を横に向ける、体を少し横向きにするなどして、分泌物が口の外へ流れやすい楽な姿勢に整えます。
状態の変化は看取りの時期を判断する大切な情報なので、看護職に伝えて対応を相談し、家族への連絡の必要性についても確認します。

他の選択肢が不適切な理由
「のどの分泌物をやわらかくするため、コップで水を飲ませる。」は、飲み込む力が弱くなっているAさんに水を飲ませると、誤嚥や窒息を招くおそれがあるため不適切です。口の乾燥には、口の中を湿らせる程度のケアを行います。
「咳をして分泌物を出せるよう、体を強く揺すって起こしておく。」は、看取りの時期にある人に強い刺激を与えて苦痛を増やすことになり、安楽の保持に反するため不適切です。
「呼吸は止まっていないので、次の定時の訪室まで様子をみる。」は、状態の変化を医療職と共有せずに放置することになり、看取りの時期の急な変化に対応できないため不適切です。

試験の罠
看取りの時期の介護の目的は「苦痛を和らげ、安楽を保つこと」です。水を飲ませる、強く刺激するなどの「治そうとする」対応は誤りになりやすく、「姿勢を整える・医療職に伝える」が正解の軸です。
問55-8

Bさん(88歳、男性)は、自宅で最期を迎える時期にある。呼びかけにほとんど反応しなくなったが、妻と長男がそばに付き添っている。訪問介護員(ホームヘルパー)が家族に伝える内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①反応がないので、枕元で今後の手続きの相談をしても差し支えない。
  • ②意識がないため、声はかけずに黙って身の回りの世話だけを続ける。
  • ③体に触れると苦痛になるので、手を握ったりさすったりは控える。
  • ④反応がなくても聞こえているかもしれないので、声をかけ手を握る。
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正解 ④反応がなくても聞こえているかもしれないので、声をかけ手を握る。
解説
死が近づき意識が低下しても、聴覚(耳の聞こえ)は比較的最後まで保たれやすいといわれています。そのため、反応がなくても本人に聞こえている可能性があると考えて、名前を呼んだり、感謝の言葉や思い出を語りかけたりすることが大切です。
手を握る、体をさするなどのふれあいは、本人の安心につながるとともに、家族にとっても最期の時間を一緒に過ごしたという大切な経験になります。家族ができることを具体的に伝えることは、家族への支援にもなります。

他の選択肢が不適切な理由
「反応がないので、枕元で今後の手続きの相談をしても差し支えない。」は、本人に聞こえている可能性があり、葬儀や手続きの話を聞かせることは本人の尊厳を傷つけ、不安を与えるおそれがあるため不適切です。
「意識がないため、声はかけずに黙って身の回りの世話だけを続ける。」は、聞こえている可能性がある本人とのコミュニケーションの機会を失わせるため不適切です。ケアの前後にも声をかけます。
「体に触れると苦痛になるので、手を握ったりさすったりは控える。」は、やさしいふれあいは多くの場合、本人に安心感を与えるため不適切です。痛みのある部位を避けるなどの配慮をしながら行います。

試験の罠
「意識が低下しても聴覚は保たれやすいといわれる」は看取りの定番の知識です。「反応がない=聞こえていない」と考える選択肢は誤りになります。
問65-8

Cさん(95歳、女性、要介護5)は、介護老人福祉施設で看取り介護を受けている。本人と家族は延命のための処置を望まず、施設で最期を迎えることを希望しており、看取り介護計画が作成されている。深夜、介護福祉職が訪室すると、Cさんの呼吸が止まっているように見えた。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①介護職が死亡を確認して、死亡の時刻を家族に電話で伝える。
  • ②救急車を呼び、心臓マッサージを続けながら病院へ運んでもらう。
  • ③看取りの手順に沿って看護職や医師に連絡し、家族にも知らせる。
  • ④家族が到着する前に、エンゼルケアを始めて身なりを整えておく。
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正解 ③看取りの手順に沿って看護職や医師に連絡し、家族にも知らせる。
解説
施設での看取りでは、あらかじめ本人と家族の意向を確認して看取り介護計画を作成し、状態が変化したときの連絡の手順を医師・看護職・介護職で共有しておきます。呼吸が止まっているように見えたときは、その手順に沿って看護職や医師に連絡し、家族にも知らせます。
死亡の確認(死亡診断)は医師が行う行為です。介護福祉職は、医師や家族が到着するまでの間、Cさんのそばで状態を見守り、尊厳を保てるよう環境を整えます。

他の選択肢が不適切な理由
「介護職が死亡を確認して、死亡の時刻を家族に電話で伝える。」は、死亡の確認と死亡診断は医師が行うものであり、介護職が死亡を判断することはできないため不適切です。
「救急車を呼び、心臓マッサージを続けながら病院へ運んでもらう。」は、延命の処置を望まず施設での看取りを希望するという本人と家族の意思、および看取り介護計画に反するため、この事例では不適切です。
「家族が到着する前に、エンゼルケアを始めて身なりを整えておく。」は、医師による死亡の確認の前に行うものではなく、家族の希望を聞いて一緒に行う機会を奪うことにもなるため不適切です。

試験の罠
「死亡の確認は医師」は必ず押さえます。看取りの事例では、事前に確認された本人と家族の意思に沿って対応することが正解の軸になり、「とにかく救急搬送」は事例によっては誤りになります。
問75-8

死後の介護(エンゼルケア)の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①口や目は、死後硬直が始まってから閉じるように整える。
  • ②義歯を使っていた人は、義歯を外して保管しておく。
  • ③宗教や習慣にかかわらず、施設で決まった方法で行う。
  • ④家族の希望を聞き、一緒に行うことを提案して整える。
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正解 ④家族の希望を聞き、一緒に行うことを提案して整える。
解説
エンゼルケアは、亡くなった人の体を清潔にし、その人らしい姿に整えるケアです。故人の尊厳を守るとともに、家族にとってはお別れの大切な時間にもなります。
家族の希望を聞き、体を拭く、好きだった服を着せる、化粧をするなどを家族と一緒に行うことを提案すると、家族が故人との最後の関わりを持つことができ、悲しみを受け入れていく助け(グリーフケア)にもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
「口や目は、死後硬直が始まってから閉じるように整える。」は誤りです。死後硬直が始まると、口や目を閉じることが難しくなるため、硬直が始まる前にできるだけ早く整えます。
「義歯を使っていた人は、義歯を外して保管しておく。」は、義歯を外すと口元がくぼんで生前と表情が変わってしまうため不適切です。義歯は、死後硬直が始まる前に装着して顔の形を整えます。
「宗教や習慣にかかわらず、施設で決まった方法で行う。」は、故人や家族の宗教、地域の習慣、生前の希望を尊重していないため不適切です。着せる衣服の合わせ方などにも、家族の意向を確認します。

試験の罠
エンゼルケアは「死後硬直の前に(目・口・義歯)」「家族の希望を聞き一緒に」「宗教や習慣を尊重」の3点がポイントです。硬直は死後2〜3時間ごろから始まるとされ、時間の順序が問われます。
問85-8

Dさん(89歳、女性)は、介護老人福祉施設で最期を迎えた。1週間後、面会によく来ていた長女が施設にあいさつに訪れ、「もっと会いに来てあげればよかった。何かできたのではないか」と涙ぐんで話した。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①長女の気持ちを受け止め、Dさんの思い出を共有していく。
  • ②早く気持ちを切り替えられるよう、悲しまないよう励ます。
  • ③後悔は当然なので、今後に向けて改善すべき点を伝える。
  • ④悲しみに触れないよう、Dさんの話題は避けて話をする。
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正解 ①長女の気持ちを受け止め、Dさんの思い出を共有していく。
解説
大切な人を亡くした家族は、悲しみだけでなく、後悔や自責の気持ちを抱くことが少なくありません。グリーフケアは、このような遺族の悲嘆(グリーフ)に寄り添い、悲しみを受け止めながら少しずつ生活を立て直していくことを支えるものです。
長女の気持ちを否定せずに受け止め、じっくり話を聴くことが基本です。施設でのDさんの様子や、長女の面会を喜んでいたことなどの思い出を共有すると、長女が自分の関わりの意味を感じ、気持ちを整理する助けになります。

他の選択肢が不適切な理由
「早く気持ちを切り替えられるよう、悲しまないよう励ます。」は、悲しむことは自然な反応であり、それを否定すると気持ちを表に出せなくなってしまうため不適切です。
「後悔は当然なので、今後に向けて改善すべき点を伝える。」は、長女の後悔の気持ちを強め、自分を責めさせることになるため不適切です。
「悲しみに触れないよう、Dさんの話題は避けて話をする。」は、故人について語ることは遺族が悲しみを受け入れていくために大切な過程であり、話題を避けると長女が気持ちを表す機会を失うため不適切です。

試験の罠
グリーフケアは「悲しみを否定しない」「話を聴く」「故人の思い出を共有する」が正解の軸です。「励ます」「話題を避ける」は、一見思いやりに見えても誤りになりやすい選択肢です。
問95-8

施設で利用者を看取った後に行うデスカンファレンスの目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①亡くなった原因を特定し、責任のある職員を明らかにすること
  • ②看取りの前に、延命治療をするかを家族と決めておくこと
  • ③看取りのケアを振り返り、学びを今後のケアに活かすこと
  • ④亡くなった直後に、家族へ死因と経過を説明すること
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正解 ③看取りのケアを振り返り、学びを今後のケアに活かすこと
解説
デスカンファレンスは、利用者が亡くなった後に、看取りに関わった職員が集まり、行ったケアを振り返る話し合いです。本人や家族の意向に沿ったケアができたか、よかった点や難しかった点は何かを共有し、今後のケアの質の向上に活かします。
また、看取りに関わった職員が抱く悲しみや迷いなどの気持ちを語り合い、互いに支え合う場にもなります。職員の心の負担を和らげ、燃え尽きを防ぐ意味もあります。

他の選択肢が不適切な理由
「亡くなった原因を特定し、責任のある職員を明らかにすること」は、デスカンファレンスは責任追及の場ではなく、ケアの振り返りと学びの共有の場であるため不適切です。責める場になると、職員が率直に語れなくなります。
「看取りの前に、延命治療をするかを家族と決めておくこと」は、本人の意思を中心に亡くなる前に行う話し合い(アドバンス・ケア・プランニングなど)の説明であり、亡くなった後に行うデスカンファレンスの目的ではありません。
「亡くなった直後に、家族へ死因と経過を説明すること」は、医師などが家族に対して行う説明であり、職員が看取りを振り返るデスカンファレンスとは異なります。

試験の罠
「デス(死)」の後に行うのがデスカンファレンス、生きている間に行うのがACP(人生会議)です。デスカンファレンスは「振り返り」「学び」「職員の支え合い」がキーワードで、「責任追及」は誤りです。
問105-8

Eさん(86歳、男性)は、がんの末期で、自宅で訪問診療と訪問看護、訪問介護を利用しながら過ごしている。医師からは、残された時間は数日程度と説明されている。付き添っている妻が訪問介護員(ホームヘルパー)に「私は何もしてあげられない」と話した。訪問介護員の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①口元をしめらせる、手を握るなど、妻にできることを一緒に考える。
  • ②妻の負担を減らすため、できるだけ部屋に入らないよう勧めておく。
  • ③専門職に任せるのが一番なので、妻は何もしなくてよいと伝える。
  • ④最期が近いことを妻が知ると動揺するので、そのことには触れない。
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正解 ①口元をしめらせる、手を握るなど、妻にできることを一緒に考える。
解説
最期が近い時期の家族は、「何もしてあげられない」という無力感や、別れへの悲しみ(予期悲嘆)を抱えています。口元を湿らせる、手を握る、好きだった音楽を流す、話しかけるなど、家族にもできることを具体的に一緒に考えると、家族は本人のために役立っていると感じられ、最期の時間を大切に過ごせます。
家族が看取りに関わった経験は、死別後の悲しみを受け入れていく支えにもなります。家族の疲れにも目を配り、休息がとれるよう声をかけることも大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「妻の負担を減らすため、できるだけ部屋に入らないよう勧めておく。」は、残された貴重な時間を夫婦で過ごす機会を奪うことになるため不適切です。負担の軽減は、休息の時間をつくるなどの方法で行います。
「専門職に任せるのが一番なので、妻は何もしなくてよいと伝える。」は、妻の無力感をかえって強め、看取りに関わる機会を失わせるため不適切です。
「最期が近いことを妻が知ると動揺するので、そのことには触れない。」は、医師から既に説明されている状況で、家族が心の準備をしたり、会わせたい人に連絡したりする機会を妨げるため不適切です。

試験の罠
看取りの時期の家族支援は「家族にできることを一緒に考える」「気持ちを受け止める」「休息への配慮」が軸です。家族を遠ざける、関わらせない選択肢は誤りになりやすいと覚えましょう。

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