2026年版・2-9

実務:抵当権・根抵当権などの担保の一問一答

貸金業務取扱主任者資格試験「貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること」から、実務:抵当権・根抵当権などの担保に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験と同じく、4択で出題しています。

問12-9

抵当権(民法第369条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①抵当権は、設定者が目的物を債権者に引き渡すことで効力を生ずる担保物権である
  • ②抵当権は、設定者が占有を移転しないまま不動産を担保とする約定担保物権である
  • ③抵当権は、債務者自身の不動産にしか設定することができない担保物権である
  • ④抵当権は、動産にも登記なしで設定することができる担保物権である
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正解 ②抵当権は、設定者が占有を移転しないまま不動産を担保とする約定担保物権である
解説
民法第369条第1項は、抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有すると定めています。設定者は不動産を使い続けながら担保にできるのが特徴です。抵当権は、登記によって第三者に対抗します。

他の選択肢が不適切な理由
・引き渡すことで効力を生ずる:それは質権の説明です(第344条)。
・債務者自身の不動産に限る:条文は「債務者又は第三者」としており、第三者の不動産にも設定できます(物上保証人)。
・動産にも登記なしで設定できる:抵当権の目的は不動産(及び地上権・永小作権)です。第三者に対抗するには登記が必要です(第177条)。

覚え方のポイント
抵当権は「使いながら担保にできる」、質権は「預けて担保にする」、留置権は「預かっている物を返さない」です。担保物権の違いは、占有の有無に注目すると整理しやすくなります。
問22-9

抵当権の被担保債権の範囲(民法第375条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①利息その他の定期金は、期間の制限なくすべて抵当権を行使して回収できる
  • ②利息その他の定期金は、満期となった最後の5年分についてのみ抵当権を行使できる
  • ③利息その他の定期金は、満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使できる
  • ④遅延損害金は、利息とは別に最後の2年分をさらに加えて抵当権を行使できる
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正解 ③利息その他の定期金は、満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使できる
解説
民法第375条第1項は、抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができると定めています。同条第2項は、債務の不履行によって生じた損害の賠償(遅延損害金)の最後の2年分についても適用するとしつつ、利息その他の定期金と通算して2年分を超えることができないとしています。

他の選択肢が不適切な理由
・5年分:2年分です。
・期間の制限なくすべて:後順位の抵当権者など他の債権者を保護するため、2年分に制限されています。
・遅延損害金は別に2年分加える:利息と通算して2年分を超えることはできません。

覚え方のポイント
この制限は、後順位担保権者などとの関係での優先弁済の範囲の制限です。債務者本人に対しては、2年分を超える利息も請求できます。根抵当権には2年分の制限はなく、極度額まで優先弁済を受けられます(第398条の3第1項)。
問32-9

抵当権の物上代位(民法第372条・第304条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①抵当建物の賃料には、物上代位による抵当権の効力は一切及ばない
  • ②物上代位は、抵当建物の賃料には及ぶが、建物の焼失による保険金には及ばない
  • ③物上代位は、保険金が債務者に払い渡された後に差し押さえれば足りる
  • ④建物の焼失による火災保険金請求権にも、払渡し前の差押えで物上代位できる
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正解 ④建物の焼失による火災保険金請求権にも、払渡し前の差押えで物上代位できる
解説
民法第372条は第304条を抵当権に準用しており、抵当権者は、目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても権利を行使できます(物上代位)。ただし、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければなりません(第304条第1項ただし書)。火災保険金請求権は、滅失によって受けるべき金銭として物上代位の対象になると解されています。

他の選択肢が不適切な理由
・賃料には及ぶが保険金には及ばない:賃料に物上代位できる点は判例のとおりですが、建物の焼失によって債務者が受けるべき火災保険金請求権も、目的物の「滅失」によって受けるべき金銭として物上代位の対象になると解されています。前半が正しくても、後半が誤りです。
・払い渡された後に差し押さえれば足りる:払渡し前の差押えが必要です。いったん払い渡されると、他の財産と混ざり特定できなくなるためです。
・賃料には及ばない:判例は、抵当不動産の賃料債権にも物上代位できるとしています(第371条も被担保債権の不履行後に生じた果実に抵当権の効力が及ぶと定めています)。

覚え方のポイント
物上代位は「担保の目的物が形を変えたもの(保険金・賃料・売却代金)にも及ぶ、ただし払渡し前に差押え」です。実務では、建物に設定した抵当権と火災保険金への質権設定を組み合わせることもあります。
問42-9

法定地上権(民法第388条)が成立する場合として、適切なものはどれか。

  • ①土地と建物が同一所有者でも、抵当権が実行されず任意に売却されて所有者が別になった
  • ②抵当権設定時には更地で、その後に建物が建築され、土地の抵当権の実行で所有者が別になった
  • ③抵当権設定時に土地と建物の所有者が別々で、土地の抵当権の実行で建物所有者が変わらない
  • ④抵当権設定時に同一所有者の土地と建物があり、土地の抵当権の実行で所有者が別になった
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正解 ④抵当権設定時に同一所有者の土地と建物があり、土地の抵当権の実行で所有者が別になった
解説
民法第388条は、土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について地上権が設定されたものとみなすと定めています。判例上、要件は(1)抵当権設定時に土地上に建物が存在すること、(2)設定時に土地と建物が同一所有者であること、(3)土地・建物の一方又は双方に抵当権が設定されたこと、(4)抵当権の実行により所有者が別になったこと、です。

他の選択肢が不適切な理由
・設定時に更地:設定時に建物が存在しないので、原則として法定地上権は成立しません(抵当権者は更地として評価しているため)。
・設定時に所有者が別々:要件を欠きます(建物所有者はすでに土地利用権を持っているはずです)。
・任意に売却:法定地上権は抵当権の実行(競売)による場合の制度です。

覚え方のポイント
更地に抵当権を設定した後に建物が建てられた場合は、抵当権者は土地と建物を一括して競売できます(第389条、ただし建物の代価からは優先弁済を受けられません)。
問52-9

抵当建物使用者の引渡しの猶予(民法第395条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①競売開始前から使用する賃借人は、買受けの時から6か月を経過するまで引渡しを猶予される
  • ②競売開始前から使用する賃借人は、買受けの時から3年を経過するまでは引渡しを猶予される
  • ③抵当権者に対抗できない賃借人は、買受人から請求されれば即日引き渡さなければならない
  • ④抵当権者に対抗できない賃借人も、競売後は買受人に対して賃借権を当然に対抗できる
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正解 ①競売開始前から使用する賃借人は、買受けの時から6か月を経過するまで引渡しを猶予される
解説
民法第395条第1項は、抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって、競売手続の開始前から使用又は収益をする者などは、その建物の競売における買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しないと定めています。これは、2004年施行の改正で、それまでの短期賃貸借保護の制度に代えて設けられた制度です。

他の選択肢が不適切な理由
・3年:猶予期間は6か月です。
・即日引き渡す:一定の要件を満たす使用者には6か月の猶予があります。
・当然に対抗できる:抵当権者に対抗できない賃借権は、買受人にも対抗できません。猶予はあくまで引渡しの猶予です。

覚え方のポイント
猶予期間中も使用の対価は支払う必要があり、買受人が相当の期間を定めて1か月分以上の支払を催告し、期間内に支払がなければ猶予は受けられなくなります(同条第2項)。
問62-9

根抵当権(民法第398条の2・第398条の3)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①確定した元本については極度額まで、利息と損害金は最後の2年分に限って行使できる
  • ②確定した元本・利息・損害金の全部について、極度額を限度に根抵当権を行使できる
  • ③根抵当権は、極度額を定めずに不特定の債権を無制限に担保することができる
  • ④根抵当権の被担保債権の範囲は、債務者とのあらゆる取引として定めることができる
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正解 ②確定した元本・利息・損害金の全部について、極度額を限度に根抵当権を行使できる
解説
民法第398条の3第1項は、根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができると定めています。普通抵当権のような「最後の2年分」の制限はありません。

他の選択肢が不適切な理由
・利息は最後の2年分:根抵当権には2年分の制限はなく、極度額が上限です。
・極度額を定めずに無制限:根抵当権は、極度額の限度において担保する抵当権です(第398条の2第1項)。
・あらゆる取引:第398条の2第2項は、被担保債権の範囲を、特定の継続的取引契約によって生ずるものその他一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならないとしています(包括根抵当の禁止)。

覚え方のポイント
根抵当権は「極度額という枠の中で、範囲を決めた取引の債権をまとめて担保する」仕組みです。事業者向けの継続的な融資で使われます。
問72-9

根抵当権の元本確定請求(民法第398条の19)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①根抵当権者は、設定の時から3年を経過しなければ、元本の確定を請求できない
  • ②根抵当権設定者は、設定の時から1年を経過したときは、元本の確定を請求できる
  • ③根抵当権設定者は、設定の時から3年を経過したときは、元本の確定を請求できる
  • ④元本確定期日の定めがあっても、設定者はいつでも元本の確定を請求できる
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正解 ③根抵当権設定者は、設定の時から3年を経過したときは、元本の確定を請求できる
解説
民法第398条の19第1項は、根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができ、元本はその請求の時から2週間を経過することによって確定すると定めています。同条第2項は、根抵当権者は、いつでも元本の確定を請求することができ、元本はその請求の時に確定するとしています。

他の選択肢が不適切な理由
・1年を経過したとき:設定者が請求できるのは3年を経過したときです。
・根抵当権者は3年経過が必要:根抵当権者はいつでも請求できます。
・確定期日の定めがあってもいつでも:同条第3項は、元本の確定すべき期日の定めがあるときは、第1項・第2項は適用しないとしています。

覚え方のポイント
「設定者は3年経過後・請求から2週間で確定」「根抵当権者はいつでも・請求の時に確定」です。元本が確定すると、その後に生じた元本は担保されなくなり、普通抵当権に近い状態になります。
問82-9

根抵当権の変更に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①元本の確定後であっても、被担保債権の範囲や債務者を自由に変更できる
  • ②元本の確定前でも、被担保債権の範囲を変更するには後順位抵当権者の承諾を要する
  • ③極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾がなくても自由にすることができる
  • ④元本の確定前は、被担保債権の範囲の変更に後順位抵当権者の承諾を要しない
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正解 ④元本の確定前は、被担保債権の範囲の変更に後順位抵当権者の承諾を要しない
解説
民法第398条の4第1項は、元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができ、債務者の変更も同様とし、同条第2項は、その変更をするには後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しないと定めています。極度額の枠内の変更であり、後順位者の利益を害しないからです。ただし、元本の確定前に登記をしなかったときは、変更をしなかったものとみなされます(同条第3項)。

他の選択肢が不適切な理由
・後順位抵当権者の承諾を要する:承諾は不要です。
・極度額の変更は自由:第398条の5は、極度額の変更は利害関係を有する者の承諾を得なければすることができないと定めています。極度額が増えれば後順位者の取り分が減るためです。
・確定後も自由に変更:範囲や債務者の変更は、元本の確定前に限られます。

覚え方のポイント
「範囲・債務者の変更=承諾不要(確定前・登記必要)」「極度額の変更=利害関係人の承諾必要」と対比して覚えましょう。
問92-9

担保物権に関する次のa〜dの記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
a 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる
b 留置権は、債権が弁済期にないときでも、目的物を留置することができる
c 留置権は、占有が不法行為によって始まった場合でも成立する
d 抵当権は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について成立する

  • ①a、b
  • ②a、d
  • ③b、c
  • ④c、d
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正解 ②a、d
解説
適切なのはaとdです。担保物権は、目的物を誰が持つか(占有)と、どのように成立するか(契約か法律の規定か)によって性質が分かれます。

各記述の正誤
・a(適切):民法第344条のとおりです(要物契約)。質権は、債権者が目的物を手元に置くことで弁済を促す仕組みです。
・b(不適切):第295条第1項ただし書は、債権が弁済期にないときは留置権は成立しないとしています。弁済期の前から物を返さないことを認めると、相手方に不当な不利益を与えるためです。
・c(不適切):同条第2項は、占有が不法行為によって始まった場合には留置権は成立しないと定めています。盗んだ物に修理費をかけても、その費用のために物を留置することはできません。
・d(適切):第369条第1項のとおりです。所有者は抵当権の設定後も不動産を使用し続けることができます。

覚え方のポイント
「質権=引渡しが必要」「抵当権=占有を移さない」「留置権=法律上当然に成立する(弁済期の到来と適法な占有が必要)」と対比して覚えましょう。貸金業の実務で不動産を担保に貸し付けるときは、抵当権(継続的な取引では根抵当権)を設定するのが一般的です。
問102-9

抵当権に関する次のa〜dの記述のうち、適切でないものの組合せはどれか。
a 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その順位は登記の前後による
b 抵当不動産の第三取得者は、一定の手続により抵当権消滅請求をすることができる
c 抵当権の効力は、設定行為に別段の定めがなくても、抵当地の上に存する建物に当然に及ぶ
d 根抵当権の元本確定後、根抵当権設定者は極度額の減額を請求することはできない

  • ①a、b
  • ②a、c
  • ③b、d
  • ④c、d
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正解 ④c、d
解説
適切でないのはcとdです。抵当権の順位・効力の範囲・消滅請求・根抵当権の減額請求は、いずれも抵当権の実務で基本となる条文です。

各記述の正誤
・a(適切):民法第373条のとおりです。
・b(適切):第379条は、抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより抵当権消滅請求をすることができると定めています。
・c(不適切):第370条は、抵当権は「抵当地の上に存する建物を除き」、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶと定めています。土地と建物は別個の不動産です。
・d(不適切):第398条の21第1項は、元本の確定後においては、根抵当権設定者は、極度額を、現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息・損害金などを加えた額に減額することを請求できると定めています。

覚え方のポイント
日本では土地と建物は別の不動産なので、土地の抵当権は建物に及びません。だからこそ法定地上権(第388条)や一括競売(第389条)の制度があります。条文どうしのつながりで理解しておきましょう。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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