Hさん(50歳、男性)は、家族に勧められて福祉事務所の相談窓口に来たが、初回の面接では「特に話すことはない」と言って黙りがちである。面接を担当する社会福祉士の対応として、最も適切なものはどれか。
- ①次回までに困っていることを全て整理してくるよう求める
- ②黙っている理由を問いただし、事情を説明するよう促す
- ③無理に聞き出さず、話せる範囲で話してよいと伝える
- ④家族の話を基に、必要な制度を先に説明していく
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Hさんは自ら望んで来所したのではなく、家族に勧められて来ています。初回面接で口が重いのは自然なことで、「援助関係の形成の段階にある」と読み取ることが手がかりです。
解説
初回面接(インテーク)では、問題を聞き出すことよりも、来談者が安心して話せる関係をつくることが優先されます。黙りがちな態度も一つの表現として受け止め(受容)、話したくない気持ちを尊重しつつ、話せる範囲で話してよいこと、ここで話したことの秘密は守られることなどを伝えます。来所してくれたこと自体をねぎらうことも、関係づくりに役立ちます。信頼関係(ラポール)ができれば、本人が自分のペースで困りごとを語り始めることが期待できます。
他の選択肢が不適切な理由
・全て整理してくるよう求める:本人に過大な負担を課し、来所の意欲をそぐおそれがあります。
・理由を問いただす:詰問は本人を追い詰め、信頼関係を損ないます。
・家族の話を基に制度を説明:本人の思いを聴く前に解決策の説明へ進んでおり、段階を飛ばしています。Hさん自身の困りごとが分からないまま制度を示しても、本人に合った支援にはなりません。
覚え方のポイント
事例問題では、まず「支援のどの段階か」を確認します。初回面接なら関係づくり(受容・傾聴・秘密保持の説明)が最優先で、結論や解決策を急ぐ選択肢は不適切と判断できます。