2026年版・1-1

医学概論:ライフステージと健康・ICFの一問一答

社会福祉士国家試験「医学・心理学・社会学」から、医学概論:ライフステージと健康・ICFに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問11-1

世界保健機関(WHO)憲章の前文に示された健康の定義として、最も適切なものはどれか。

  • ①身体・精神・社会的に完全に良好な状態をいう
  • ②病気や障害がない状態のことを健康としている
  • ③身体的に良好な状態であれば健康とみなしている
  • ④本人が健康だと感じている状態を健康としている
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正解 ①身体・精神・社会的に完全に良好な状態をいう
解説
WHO憲章の前文は、健康を「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義しています。この定義の意義は、健康を病気の有無という医学的な基準だけでなく、社会の中での人間関係や役割、生活の状態まで含めて捉えた点にあります。ソーシャルワークが、医療だけでなく生活や社会参加を支える根拠の一つとして、この定義はよく引用されます。

他の選択肢が不適切な理由
・病気や障害がない状態:定義は「単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と明記しており、病気の有無だけで健康を捉える考え方を否定しています。
・身体的に良好であれば健康:身体面に限っており、精神的・社会的な側面が抜けています。
・本人が健康だと感じている状態:主観的な健康感は健康を考えるうえで大切な視点ですが、WHO憲章の定義そのものではありません。

覚え方のポイント
「身体・精神・社会」の3つがそろって「完全に良好(well-being)」と覚えます。1998年に「スピリチュアル(霊的)」と「動的(dynamic)」を加える改正案が検討されましたが、採択されていない点もあわせて押さえましょう。
問21-1

WHO憲章の前文に示された健康の定義において、健康の側面として挙げられているものとして、適切でないものはどれか。

  • ①肉体的
  • ②精神的
  • ③霊的
  • ④社会的
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正解 ③霊的
解説
WHO憲章の前文が健康の側面として挙げているのは、肉体的(身体的)、精神的、社会的の3つです。1998年のWHO執行理事会で、「霊的(spiritual)」な側面と、健康と疾病が連続したものであることを示す「動的(dynamic)」という語を加える改正案が総会に提案されましたが、審議は見送られ、定義は改正されていません。したがって「霊的」は現在の定義には含まれません。ただし、緩和ケアの分野では、生きる意味や価値に関わるスピリチュアルな苦痛への配慮が重視されています。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は定義に含まれるものです。
・肉体的:定義に含まれています。身体の構造や機能が良好であることを指します。
・精神的:定義に含まれています。心の健康も健康の重要な要素です。
・社会的:定義に含まれています。人間関係や社会の中での役割など、社会生活の良好さを指します。

覚え方のポイント
「定義は3つ(肉体・精神・社会)、改正案で加えようとしたのが2つ(霊的・動的)、改正は未実施」と数字で整理しましょう。試験では「スピリチュアルを含む」という誤った選択肢として出題されやすいポイントです。
問31-1

国際生活機能分類(ICF)において、「背景因子」に分類されるものはどれか。

  • ①活動
  • ②環境因子
  • ③参加
  • ④心身機能・身体構造
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正解 ②環境因子
解説
ICFは、人の生活機能と障害を、「生活機能」と「背景因子」の2つの部門で捉えます。生活機能は「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つのレベルからなり、背景因子は「環境因子」と「個人因子」の2つからなります。環境因子は、建物や道路などの物的環境、家族や支援者などの人的環境、制度やサービス、社会の態度などを含み、生活機能を促進したり阻害したりします。個人因子は、年齢、性別、生活歴、価値観など、その人固有の特徴です。

他の選択肢が不適切な理由
・活動:生活機能のうち、歩く、食事をするなど個人が行う課題や行為の遂行のレベルです。
・参加:生活機能のうち、家庭や地域、職場などの生活・人生場面への関わりのレベルです。
・心身機能・身体構造:生活機能のうち、体の生理的・心理的機能と、器官や手足などの解剖学的部分のレベルです。

覚え方のポイント
ICFの図は「上段に健康状態、中段に生活機能の3つ(心身機能・身体構造/活動/参加)、下段に背景因子の2つ(環境因子/個人因子)」の3段で覚えます。問題が生じた状態は、それぞれ機能障害・活動制限・参加制約と呼ばれます。
問41-1

国際生活機能分類(ICF)に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①2001年に世界保健機関の総会で採択された
  • ②生活機能は心身機能・身体構造、活動、参加からなる
  • ③構成要素どうしは互いに影響し合うと捉える
  • ④障害を機能障害から社会的不利へ一方向で捉える
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正解 ④障害を機能障害から社会的不利へ一方向で捉える
解説
障害を「機能障害→能力障害→社会的不利」という一方向の流れで捉えたのは、1980年にWHOが発表した国際障害分類(ICIDH)です。ICIDHは障害を個人の側の問題として捉える医学モデルの色彩が強いとの批判を受けました。その改訂版として2001年に採択されたICFは、生活機能の各要素と健康状態、環境因子・個人因子が互いに影響し合う双方向の関係にあるとし、障害を人と環境との相互作用から生じるものとして捉えます。したがってこの記述は適切ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な記述です。
・2001年に採択:ICFは2001年の世界保健総会で採択されました。
・生活機能の構成要素:心身機能・身体構造、活動、参加の3つのレベルからなります。
・相互に影響し合う:ICFの図では各要素が双方向の矢印で結ばれています。

覚え方のポイント
「ICIDH(1980年)=一方向・マイナス面中心」「ICF(2001年)=双方向・生活機能というプラス面も含む・環境因子を重視」と対比で覚えます。障害者福祉の科目でも必ず問われる基礎知識です。
問51-1

Pさん(72歳、女性)は、膝の関節の痛みのために長い距離を歩くことが難しくなった。自宅の前には急な坂があり、楽しみにしていた地域の行事にも出られなくなっている。国際生活機能分類(ICF)の「参加」に当たるものとして、最も適切なものはどれか。

  • ①膝の関節に痛みがあること
  • ②長い距離を歩けないこと
  • ③地域の行事に出られないこと
  • ④自宅の前に急な坂があること
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正解 ③地域の行事に出られないこと
事例のポイント
事例には、体の状態、行為の困難、社会的な場面への関わりの困難、周囲の環境という異なるレベルの情報が含まれています。それぞれをICFのどの構成要素に当てはめるかが問われています。

解説
ICFの「参加」は、生活・人生場面への関わりを指します。地域の行事への参加は社会生活の場面への関わりであり、それができなくなっている状態は「参加制約」に当たります。ICFでは、参加の困難が膝の痛みだけで生じるのではなく、歩行の困難や自宅前の坂という環境とも影響し合って生じていると捉えます。そのため、支援の糸口も、痛みの治療だけでなく、移動手段の確保など環境への働きかけに見いだすことができます。

他の選択肢が不適切な理由
・膝の関節に痛みがあること:体の機能に関わるもので「心身機能・身体構造」のレベルです。問題が生じている状態は「機能障害」と呼ばれます。
・長い距離を歩けないこと:個人による行為の遂行に関わるもので「活動」のレベルです。困難がある状態は「活動制限」と呼ばれます。
・自宅の前に急な坂があること:物的な環境で、背景因子のうちの「環境因子」です。この事例では参加を阻害する因子として働いています。

覚え方のポイント
体の中のこと=心身機能・身体構造、個人ができるかどうか=活動、社会の場面に関われるかどうか=参加、本人の外にあるもの=環境因子、と判断の順番を決めておくと、事例の分類問題で迷いません。
問61-1

加齢に伴う身体の変化に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①肺の残気量は増加する
  • ②収縮期血圧は低下する
  • ③骨密度は増加していく
  • ④腎血流量は増加する
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正解 ①肺の残気量は増加する
解説
加齢に伴い、肺の弾力性の低下や呼吸筋力の低下によって、息を吐き切った後も肺に残る空気の量(残気量)が増加します。その一方で、1回に吐き出せる最大の量である肺活量は低下します。このため高齢者は息切れを起こしやすく、肺炎などの呼吸器の病気が重症化しやすくなります。加齢による変化は臓器ごとに現れ方が違い、「低下するもの」が多い中で「増加するもの」を押さえておくことが、医学概論の得点につながります。

他の選択肢が不適切な理由
・収縮期血圧は低下:加齢に伴って動脈が硬くなるため、収縮期血圧(上の血圧)は上昇する傾向があります。
・骨密度は増加:骨密度は加齢とともに低下し、特に女性は閉経後に女性ホルモンが減るため大きく低下して、骨粗鬆症になりやすくなります。
・腎血流量は増加:腎臓の血流量や老廃物をろ過する力(糸球体ろ過量)は加齢とともに低下します。そのため高齢者は薬が体内に残りやすく、副作用に注意が必要です。

覚え方のポイント
加齢で「増える・上がる」ものを少数だけ覚えます。残気量、収縮期血圧、味やにおいを感じる閾値(感じにくくなる)などです。肺活量、骨密度、腎機能、筋力、視力・聴力の多くは「減る・下がる」と整理しましょう。
問71-1

ライフステージ別の健康課題に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①思春期には第二次性徴が現れるようになる
  • ②高齢期にはフレイルを予防することが重要
  • ③更年期には性ホルモンの分泌が変化する
  • ④フレイルは要介護状態の一段階に当たる
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正解 ④フレイルは要介護状態の一段階に当たる
解説
フレイルは、加齢に伴って筋力や心身の活力が低下し、ストレスに弱くなって要介護状態に陥りやすくなった状態を指します。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、栄養の改善、運動、社会参加などの適切な働きかけによって、健康な状態に戻ることができる可逆性がある点が重要な特徴です。フレイルは要介護状態に含まれるものではなく、その手前の段階であるため、「要介護状態の一段階に当たる」という記述は適切ではありません。早期に気づいて対応することが、介護予防の中心的な考え方になっています。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な記述です。
・思春期の第二次性徴:性ホルモンの働きにより、体つきの変化や月経の開始などの第二次性徴が現れます。心と体の急な変化に戸惑いやすい時期でもあります。
・高齢期のフレイル予防:要介護状態の予防のため、フレイルの早期発見と対応が重視されています。
・更年期の性ホルモン:女性では閉経前後に女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、ほてりや気分の変化などの更年期症状が現れることがあります。

覚え方のポイント
フレイルは「身体的(筋力低下など)」「精神・心理的(うつ・認知機能低下)」「社会的(閉じこもり・孤立)」の多面性と「可逆性」がセットです。筋肉量が減少するサルコペニアは、フレイルの身体的な要因の一つとして区別しておきましょう。
問81-1

ストレーラー(Strehler, B.)が示した老化の特徴(原則)として、適切でないものはどれか。

  • ①普遍性
  • ②可逆性
  • ③内在性
  • ④進行性
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正解 ②可逆性
解説
ストレーラーは、生理的な老化の特徴として、普遍性、内在性、進行性、有害性の4つを挙げました。老化は時間の経過とともに一方向に進むもので、元の状態に戻る「可逆性」は老化の特徴には含まれません。老化の原則を知ることは、加齢による変化(生理的老化)と病気による変化(病的老化)を区別し、高齢者の状態を正しく理解するための出発点になります。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は老化の原則に含まれるものです。
・普遍性:老化はすべての生物に、程度の差はあっても必ず起こるという特徴です。
・内在性:老化は外からの影響だけでなく、生物がもともと持っている性質として体の内側から起こるという特徴です。
・進行性:老化は後戻りせず、時間とともに徐々に進んでいくという特徴です。
このほか、有害性(老化は機能の低下をもたらし、生きていくうえで不利に働く)も挙げられています。

覚え方のポイント
4原則は頭文字で「ふ・な・し・ゆ(普遍・内在・進行・有害)」などと語呂にして覚えます。「可逆性」は、老化ではなくフレイルの特徴として出てくる言葉なので、取り違えないよう注意しましょう。
問91-1

病気についての捉え方のうち、医学的に診断される病態とは区別して、本人が主観的に経験している不調や苦しみを表す概念として、最も適切なものはどれか。

  • ①イルネス(病い)
  • ②ディジーズ(疾患)
  • ③シックネス
  • ④インペアメント
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正解 ①イルネス(病い)
解説
医療人類学などでは、病気を複数の側面から捉えます。イルネス(病い)は、本人が主観的に経験している不調や苦しみ、それが生活や人生にもたらす意味を表す概念です。これに対してディジーズ(疾患)は、医学的な検査や診断によって客観的に捉えられる身体の異常を指します。同じ診断名であっても、本人の病いの経験は一人ひとり異なるため、支援者は検査の数値だけでなく、本人の語りに耳を傾ける必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
・ディジーズ(疾患):医学的に定義・診断される客観的な病態を指し、本人の主観的な経験とは区別されます。
・シックネス:病気であることが周囲や社会から認められ、社会的な役割(仕事を休むなど)が変化する側面を指すものとして用いられます。
・インペアメント:国際障害分類(ICIDH)などで用いられた「機能障害」を指す語で、病気の主観的な経験を表す概念ではありません。

覚え方のポイント
「ディジーズ=医師が診るもの」「イルネス=本人が感じるもの」「シックネス=社会が認めるもの」と、誰の視点かで区別します。ソーシャルワークでは、本人のイルネスの経験を理解することが支援の出発点になります。
問101-1

乳幼児期の発育・発達に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①モロー反射は成長とともに強まっていく
  • ②生後1年で身長は出生時の約2倍になる
  • ③生後1年で体重は出生時の約3倍になる
  • ④大泉門は生まれた時点で既に閉じている
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正解 ③生後1年で体重は出生時の約3倍になる
解説
乳児期は一生のうちで最も発育が急速な時期で、体重は生後3〜4か月で出生時の約2倍、生後1年で約3倍になります。身長は生後1年で出生時の約1.5倍になります。発育の目安を知っておくことは、乳幼児健康診査での発育の遅れや、不適切な養育(ネグレクト)による体重増加不良に気づく手がかりになり、児童・家庭福祉の支援にもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
・モロー反射は強まる:モロー反射などの原始反射は新生児期にみられ、脳の発達とともに消失していきます。モロー反射は生後4か月ごろまでに消えるのが一般的で、残り続ける場合は発達の遅れを疑う手がかりになります。
・生後1年で身長が約2倍:生後1年の身長は出生時の約1.5倍です。身長が出生時の約2倍になるのは4歳ごろです。
・大泉門は閉じている:頭の骨のすき間である大泉門は出生時には開いており、1歳半ごろまでに閉じます。

覚え方のポイント
「体重:3〜4か月で2倍・1年で3倍」「身長:1年で1.5倍」「大泉門:1歳半で閉じる」「原始反射:成長とともに消える」の4点をまとめて覚えます。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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