2026年版・2-11

権利擁護:行政法と権利擁護の仕組みの一問一答

社会福祉士国家試験「原理と政策・社会保障・権利擁護」から、権利擁護:行政法と権利擁護の仕組みに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全760問) 原理と政策・社会保障・権利擁護の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問12-11

行政不服審査法に基づく審査請求に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①処分についての審査請求は、処分を知った日の翌日から60日以内にしなければならない。
  • ②処分についての審査請求は、原則として処分を知った日の翌日から3か月以内に行う。
  • ③審査請求は、処分をした行政庁に対してのみ行うことができ、他の行政庁にはできない。
  • ④審査請求は、口頭で行うのが原則であり、書面を提出する方法は例外にあたる。
答えと解説を見る
正解 ②処分についての審査請求は、原則として処分を知った日の翌日から3か月以内に行う。
解説
行政不服審査法は、行政庁の処分に不服がある国民が、裁判よりも簡易・迅速な手続で見直しを求められるようにした法律です。処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内にしなければならず、処分の日の翌日から1年を経過するとできなくなります(行政不服審査法第18条)。2014年の全部改正(2016年施行)で、それまでの60日から3か月に延長され、審理員による審理や行政不服審査会への諮問など、公正さを高める仕組みも導入されました。

他の選択肢が不適切な理由
・60日以内:これは改正前の旧行政不服審査法の期間です。現在は3か月です。
・処分をした行政庁に対してのみ行う:審査請求は、法律に特別の定めがある場合を除き、処分庁の最上級行政庁などに対して行います(同法第4条)。上級行政庁がない場合などは処分庁に行います。
・口頭が原則:審査請求は、他の法律や条例に口頭でできる旨の定めがある場合を除き、審査請求書を提出して行います(同法第19条)。

覚え方のポイント
期間は「審査請求=知った日の翌日から3か月(行政不服審査法)」「取消訴訟=知った日から6か月(行政事件訴訟法)」。介護保険の審査請求(3か月・文書または口頭)のように、個別の法律に特則がある点にも注意しましょう。
問22-11

行政事件訴訟に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①取消訴訟は、原則として処分を知った日から6か月を過ぎると提起できない。
  • ②生活保護法に基づく処分の取消訴訟は、審査請求の裁決を経た後に提起する。
  • ③行政事件訴訟法には、取消訴訟のほか義務付けの訴えや差止めの訴えがある。
  • ④処分の取消訴訟が提起されると、その処分の効力や執行は当然に停止される。
答えと解説を見る
正解 ④処分の取消訴訟が提起されると、その処分の効力や執行は当然に停止される。
解説
行政事件訴訟法第25条第1項は、処分の取消しの訴えを提起しても、処分の効力、処分の執行または手続の続行は妨げられないと定めています(執行不停止の原則)。訴えが起こされるたびに行政の活動が止まると、行政の円滑な運営が損なわれるおそれがあるためです。ただし、重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、申立てにより裁判所が執行停止を決定することができます(同条第2項)。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・取消訴訟は処分を知った日から6か月:行政事件訴訟法第14条の出訴期間です。処分の日から1年を経過したときも提起できなくなります(いずれも正当な理由がある場合を除く)。
・生活保護法の処分は裁決を経た後に提起:行政事件訴訟法は審査請求と訴訟のどちらを先にしてもよい自由選択を原則としていますが(同法第8条)、生活保護法第69条は審査請求に対する裁決を経た後でなければ訴えを提起できないと定めています(審査請求前置)。
・義務付けの訴えや差止めの訴え:行政事件訴訟法第3条は、取消訴訟のほか、無効等確認の訴え、不作為の違法確認の訴え、義務付けの訴え、差止めの訴えを定めています。

覚え方のポイント
「原則は自由選択、生活保護は審査請求前置」「訴えても処分は止まらない(執行不停止)、止めるには執行停止の申立て」。社会福祉士が不服申立てを支援する場面で必要な知識です。
問32-11

国家賠償法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①公務員が職務上、故意または過失により違法に他人に損害を加えたときは、国等が賠償責任を負う。
  • ②公務員の職務上の違法行為による損害は、加害行為をした公務員個人だけが賠償責任を負っている。
  • ③国または公共団体は、職務を行った公務員に軽い過失があれば、必ずその公務員に求償ができる。
  • ④道路や河川などの公の営造物の設置管理の瑕疵による損害は、国家賠償法の対象とはならない。
答えと解説を見る
正解 ①公務員が職務上、故意または過失により違法に他人に損害を加えたときは、国等が賠償責任を負う。
解説
国家賠償法第1条第1項は、国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が賠償する責任を負うと定めています。被害者にとって、資力が確実な国や公共団体が責任を負うほうが救済が確実であり、公務員も萎縮せずに職務を行えるためです。福祉事務所のケースワーカーや児童相談所の職員などの違法な職務行為による損害も対象になりえます。

他の選択肢が不適切な理由
・公務員個人だけが賠償責任を負う:賠償責任を負うのは国または公共団体です。判例は、被害者が公務員個人に直接賠償を求めることは原則としてできないとしています。
・軽い過失があれば必ず求償できる:国または公共団体が公務員に求償できるのは、公務員に故意または重大な過失があった場合に限られます(同条第2項)。
・公の営造物の瑕疵は対象外:道路、河川その他の公の営造物の設置または管理に瑕疵があって損害が生じたときも、国または公共団体が賠償責任を負います(同法第2条)。この責任は、過失の有無を問わない無過失責任とされています。

覚え方のポイント
「1条=公務員の違法な職務行為(故意・過失が必要)」「2条=公の営造物の瑕疵(無過失責任)」「求償は故意・重過失のときだけ」。民法の使用者責任(715条)と対比すると理解が深まります。
問42-11

地方公共団体の事務に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①地方公共団体の事務は、現在も機関委任事務と自治事務の2つに区分されている。
  • ②介護保険の保険者として市町村が行う事務は、第1号法定受託事務に当たる。
  • ③生活保護の決定と実施に関する事務は、法定受託事務として位置づけられている。
  • ④法定受託事務については、地方公共団体が条例を制定することは一切できない。
答えと解説を見る
正解 ③生活保護の決定と実施に関する事務は、法定受託事務として位置づけられている。
解説
2000年施行の地方分権一括法により、国の機関として地方公共団体の長に事務を処理させる機関委任事務は廃止され、地方公共団体の事務は自治事務と法定受託事務に再編されました。法定受託事務は、本来国が果たすべき役割に係るもので、全国で統一的に処理する必要がある事務です。生活保護の決定・実施は、憲法25条に基づき国の責任で最低生活を保障する制度であるため、法定受託事務とされています(生活保護法第84条の5)。

他の選択肢が不適切な理由
・現在も機関委任事務と自治事務に区分:機関委任事務は2000年に廃止され、現在は自治事務と法定受託事務の2つです。
・介護保険の保険者の事務は法定受託事務:市町村が保険者として行う介護保険の事務は、地域の実情に応じて自主的に行う自治事務です。
・法定受託事務には条例を一切制定できない:法定受託事務も地方公共団体の事務であり、法令に反しない限り条例を制定することができます。ただし、国の関与は自治事務より強く認められています。

覚え方のポイント
「法定受託事務=国の責任が強いもの(生活保護の決定・実施、社会手当の一部など)」「自治事務=それ以外(介護保険、保育、障害福祉サービスの多くなど)」。「機関委任事務は2000年に廃止」も頻出です。
問52-11

社会福祉法に定める運営適正化委員会に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①運営適正化委員会は、都道府県社会福祉協議会に置かれている。
  • ②申出人と事業者の同意を得て、苦情の解決のあっせんを行うことができる。
  • ③福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保する役割も担っている。
  • ④苦情の申出を受けたときは、事業者に行政処分として改善命令を出す。
答えと解説を見る
正解 ④苦情の申出を受けたときは、事業者に行政処分として改善命令を出す。
解説
運営適正化委員会は、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するため、都道府県社会福祉協議会に置かれる第三者機関です(社会福祉法第83条)。苦情の申出があると、相談に応じて助言し、事情を調査し、申出人と事業者の双方の同意を得てあっせんを行います(同法第85条)。利用者への不当な行為のおそれがあるときは都道府県知事に通知しますが(同法第86条)、委員会自身が行政処分として改善命令を出す権限は持っていません。話し合いによる解決を支える機関だからです。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・都道府県社会福祉協議会に置かれる:社会福祉法第83条の規定です。市町村社会福祉協議会ではない点が頻出です。
・同意を得てあっせん:同法第85条第2項の規定で、当事者の合意による解決を目指します。
・福祉サービス利用援助事業の適正な運営の確保:委員会は、日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)の運営を監視する役割も担っています(同法第83条)。

覚え方のポイント
苦情解決の流れは「事業者自身による解決(苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員)→運営適正化委員会(都道府県社協)」。介護保険サービスの苦情は国民健康保険団体連合会も受け付けます。どの機関に命令権限があるかを区別しましょう。
問62-11

事例を読んで、特別養護老人ホームの生活相談員(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕入所者Dさん(85歳、女性)の長女が面会に訪れ、生活相談員に「母の食事介助が雑で、声をかけられずに口に運ばれているのを見た。施設に言っても無駄だと思うが、どこに訴えればいいのか」と強い口調で話した。

  • ①施設の苦情解決の仕組みを説明し、解決しない場合は外部機関にも申し出られると伝える。
  • ②苦情の申出は利用者本人に限られるので、Dさん本人から申し出てもらうよう伝える。
  • ③長女の話は面会時の一場面にすぎないので、職員に確認することなく様子を見ると伝える。
  • ④苦情は施設では受け付けていないので、直接市町村の窓口へ相談するよう伝えて終える。
答えと解説を見る
正解 ①施設の苦情解決の仕組みを説明し、解決しない場合は外部機関にも申し出られると伝える。
事例のポイント
長女は具体的な介助の場面を目撃しており、「施設に言っても無駄」と不信感を抱いています。苦情を権利として受け止め、解決の道筋を示すことが求められています。

解説
社会福祉事業の経営者は、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければなりません(社会福祉法第82条)。施設には苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員を置く仕組みがあり、まずその流れを説明して苦情を受け止めます。そのうえで、施設内で解決しない場合には、運営適正化委員会(都道府県社会福祉協議会)や、介護保険サービスについては国民健康保険団体連合会、市町村などにも申し出ることができると伝えます。外部の相談先を示すことは、利用者と家族の権利を守り、施設のサービスの質を高めることにもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
・申出は利用者本人に限られる:社会福祉法第82条は「利用者等からの苦情」の解決を定めており、家族も苦情を申し出ることができます。長女の申出を受け止めずに本人へ回すことは、苦情解決の仕組みの趣旨に反します。
・職員に確認せず様子を見る:不適切な介助の可能性があり、事実確認と改善を怠ることになります。
・施設では受け付けないとして市町村へ:事業者には自ら苦情を解決する努力義務があり、受付を拒むことは不適切です。

覚え方のポイント
苦情は「サービス改善の貴重な情報」と捉えます。対応の順番は「受け止める→事業者内の仕組みで解決→解決しなければ第三者機関(運営適正化委員会・国保連・市町村)」です。
問72-11

児童虐待防止法、高齢者虐待防止法、障害者虐待防止法の比較に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①児童虐待防止法は、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告の義務を課している。
  • ②高齢者虐待防止法は、養護者と養介護施設従事者等による虐待を対象としている。
  • ③障害者虐待防止法は、使用者による障害者への虐待も対象に含めて規定している。
  • ④児童虐待防止法の児童虐待の定義には、経済的虐待も一つの類型として含まれている。
答えと解説を見る
正解 ④児童虐待防止法の児童虐待の定義には、経済的虐待も一つの類型として含まれている。
解説
児童虐待防止法が定める児童虐待は、保護者による身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4類型で(児童虐待防止法第2条)、経済的虐待は含まれていません。これに対し、高齢者虐待防止法と障害者虐待防止法は、この4類型に加えて経済的虐待(本人の財産を不当に処分するなど)を定めています。高齢者や障害者は年金などの収入や財産を持っていることが多く、それを家族などに奪われる被害が実際に多いためです。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告義務:児童虐待防止法第6条は、「思われる」段階で、市町村、福祉事務所、児童相談所などへの通告を義務づけています。確証がなくてもよい点が重要です。
・高齢者虐待防止法は養護者と養介護施設従事者等による虐待が対象:同法第2条で定められています。
・障害者虐待防止法は使用者による虐待も対象:養護者、障害者福祉施設従事者等に加え、障害者を雇用する使用者による虐待も対象としている点が、他の2法にない特徴です。

覚え方のポイント
「類型:児童は4つ(経済的なし)、高齢者と障害者は5つ(経済的あり)」「主体:児童は保護者、高齢者は養護者+施設従事者等、障害者は養護者+施設従事者等+使用者」。表にして横に並べて覚えるのが確実です。
問82-11

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①行政機関等による合理的配慮の提供は、現在も努力義務にとどまっている。
  • ②不当な差別的取扱いの禁止は、行政機関等だけに課され、事業者には課されない。
  • ③事業者による合理的配慮の提供は、2024年4月から法的な義務とされている。
  • ④同法の対象となる障害者は、障害者手帳の交付を受けている人に限られている。
答えと解説を見る
正解 ③事業者による合理的配慮の提供は、2024年4月から法的な義務とされている。
解説
障害者差別解消法は、障害を理由とする差別の解消を推進し、共生社会の実現を目指す法律です。2021年の改正により、2024年4月1日から、事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務に改められました(障害者差別解消法第8条第2項)。合理的配慮とは、障害のある人から社会的障壁の除去を求める意思の表明があった場合に、負担が過重でない範囲で必要かつ合理的な配慮を行うことです。民間の店舗やサービスでも配慮が当たり前に受けられるようにするための改正です。

他の選択肢が不適切な理由
・行政機関等は努力義務:行政機関等による合理的配慮の提供は、法の施行当初から法的義務です(同法第7条第2項)。
・不当な差別的取扱いの禁止は行政機関等だけ:不当な差別的取扱いの禁止は、行政機関等(同法第7条第1項)と事業者(同法第8条第1項)の両方に課されています。
・障害者手帳を持つ人に限る:同法の障害者は、心身の機能の障害があり、障害と社会的障壁によって継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受ける状態にある人で、手帳の有無は問いません。

覚え方のポイント
「不当な差別的取扱いの禁止=行政・事業者とも義務」「合理的配慮=行政は当初から義務、事業者は2024年4月から義務」。「社会的障壁」という言葉が、障害の社会モデルの考え方を表していることも押さえましょう。
問92-11

行政手続法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①行政庁は、申請に対する処分の審査基準を定めても、公にしておく必要はない。
  • ②行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをすることが許される。
  • ③不利益処分をする場合、行政庁は相手方に意見を述べる機会を与える必要はない。
  • ④申請を拒否する処分をするときは、原則として同時に理由を示さなければならない。
答えと解説を見る
正解 ④申請を拒否する処分をするときは、原則として同時に理由を示さなければならない。
解説
行政手続法は、行政運営の公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益を保護するための法律です。行政庁が申請により求められた許認可等を拒否する処分をするときは、申請者に対し、同時にその理由を示さなければなりません(行政手続法第8条)。理由が示されなければ、申請者は何が問題だったのか分からず、不服申立てをすることも難しくなるからです。生活保護の申請を却下する場合なども、理由の提示が重要な論点になります。

他の選択肢が不適切な理由
・審査基準を公にする必要はない:行政庁は審査基準を定め、行政上特別の支障があるときを除き、公にしておかなければなりません(同法第5条)。
・行政指導に従わないことを理由に不利益な取扱いをしてもよい:行政指導は相手方の任意の協力によって実現されるもので、従わなかったことを理由とする不利益な取扱いは禁止されています(同法第32条第2項)。
・意見を述べる機会を与える必要はない:不利益処分をしようとする場合は、処分の重さに応じて聴聞または弁明の機会の付与を行わなければなりません(同法第13条)。

覚え方のポイント
行政手続法の柱は「申請に対する処分(審査基準・標準処理期間・理由の提示)」「不利益処分(聴聞・弁明の機会・理由の提示)」「行政指導(任意の協力・不利益取扱いの禁止)」の3つです。事前の手続を定めるのが行政手続法、事後の救済が行政不服審査法と行政事件訴訟法、と役割で区別しましょう。
問102-11

事例を読んで、地域包括支援センターの社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕Eさん(80歳、男性)は、介護保険の要介護認定を申請したが、結果は「要支援1」であった。Eさんは「自分の状態はもっと重いはずだ。このままでは必要なサービスが使えない。認定をやり直してほしい」と社会福祉士に訴えた。認定結果の通知を受け取ってから2週間がたっている。

  • ①都道府県に置かれた介護保険審査会に、審査請求ができることを説明する。
  • ②認定をした市町村の介護認定審査会に、審査請求をするよう助言する。
  • ③審査請求の前に、まず市町村長に異議申立てをする必要があると説明する。
  • ④運営適正化委員会に苦情を申し出れば、認定の結果が変更されると伝える。
答えと解説を見る
正解 ①都道府県に置かれた介護保険審査会に、審査請求ができることを説明する。
事例のポイント
Eさんは要介護認定という行政処分の結果に不服を持っており、通知から2週間しかたっていません。不服申立ての正しい窓口と期限を示すことが求められています。

解説
要介護認定・要支援認定に関する処分に不服がある場合は、介護保険審査会に審査請求をすることができます(介護保険法第183条)。介護保険審査会は各都道府県に置かれ(同法第184条)、保険者である市町村とは別の立場から処分の妥当性を審査します。審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、文書または口頭で行います(同法第192条)。社会福祉士は、制度と期限を説明し、本人が権利を行使できるよう手続を支援します。状態が変化している場合には、区分変更の申請という方法があることもあわせて説明できます。

他の選択肢が不適切な理由
・市町村の介護認定審査会に審査請求:介護認定審査会は市町村に置かれ、要介護状態の区分を審査・判定する機関で、不服を審査する機関ではありません。
・まず市町村長に異議申立てが必要:要介護認定の処分に対しては、直接、介護保険審査会に審査請求をします。異議申立ての手続は2016年施行の行政不服審査法の全部改正で廃止されており、市町村長への申立てを先に行う必要はありません。
・運営適正化委員会に申し出れば認定が変更される:運営適正化委員会は福祉サービスの苦情解決を担う機関で、行政処分である認定を変更する権限はありません。

覚え方のポイント
「介護認定審査会=市町村・判定する」「介護保険審査会=都道府県・不服を審査する」。名前がよく似ているので、置かれる場所と役割をセットで覚えます。期限は3か月、文書でも口頭でもよい点も介護保険の特徴です。

社会福祉士国家試験の対策問題(全760問)に戻る

非公式の資格試験対策サイトです。公益財団法人社会福祉振興・試験センター及び厚生労働省とは一切関係ありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】