事例を読んで、民法に定める法定相続分として、正しいものを1つ選びなさい。〔事例〕Dさん(79歳、男性)が病気で亡くなった。Dさんには妻のEさん(76歳)がいるが、子はいない。Dさんの父母はすでに亡くなっており、Dさんには、父母を同じくする兄(82歳)と妹(74歳)がいる。Dさんは遺言を残していなかった。Eさんは、地域包括支援センターの社会福祉士に「夫の財産は、すべて私が相続するのでしょうか」と尋ねた。
- ①妻が4分の3、兄と妹が各8分の1
- ②妻が3分の2、兄と妹が各6分の1
- ③妻が2分の1、兄と妹が各4分の1
- ④妻が全部で、兄と妹は相続人でない
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Dさんには子がなく、父母(直系尊属)もすでに亡くなっています。遺言もないため、民法の定める順位と割合で相続人と相続分が決まります。
解説
配偶者は常に相続人となり(民法第890条)、血族は、第1順位が子、第2順位が直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です(同法第887条・第889条)。Dさんには子も直系尊属もいないため、妻Eさんと兄・妹が相続人になります。配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき、法定相続分は配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1です(同法第900条第3号)。兄弟姉妹が複数いるときは等分するので(同条第4号)、兄と妹は各8分の1です。長く生活を共にしてきた配偶者の生活を守るため、血縁が遠くなるほど配偶者の取り分が大きくなる仕組みです。
他の選択肢が不適切な理由
・妻3分の2、兄妹各6分の1:3分の2は、配偶者と直系尊属が相続人のときの配偶者の相続分です(同条第2号)。
・妻2分の1、兄妹各4分の1:2分の1は、配偶者と子が相続人のときの割合です(同条第1号)。
・妻が全部:子や直系尊属がいなくても、兄弟姉妹は第3順位の相続人になります。
覚え方のポイント
配偶者の取り分は「子と=2分の1、親と=3分の2、兄弟姉妹と=4分の3」と、順位が下がるほど増えます。なお、父母の一方だけを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1です(同号ただし書)。