刑法に定める刑の一部の執行猶予に関する記述として、正しいものはどれか。
- ①3年以下の拘禁刑の言渡しをするとき、刑の一部の執行を猶予できる
- ②猶予の期間中は、罪名を問わず必ず保護観察に付されることになる
- ③猶予の期間は、判決が確定した日から数え始めることになっている
- ④50万円以下の罰金の言渡しをするときも、その一部の執行を猶予できる
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刑の一部の執行猶予は、3年以下の拘禁刑の言渡しを受けた者について、刑期の一部を刑事施設で執行し、残りの部分の執行を1年以上5年以下の期間猶予する制度である(刑法27条の2第1項)。施設内での処遇に続けて、社会の中で処遇する期間を十分に確保し、再犯を防ぐことをねらいとしている。対象は、前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者などに限られるが、薬物使用等の罪を犯した者については特則があり、この限定がかからない(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律3条)。
他の選択肢が不適切な理由
・罪名を問わず必ず保護観察:刑法上、猶予期間中の保護観察は「付することができる」任意のものである(刑法27条の3第1項)。必ず保護観察に付されるのは、薬物使用等の罪で一部猶予を受けた場合である(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律4条1項)。
・判決確定日から数える:猶予の期間は、執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わった日などから起算する(刑法27条の2第2項)。
・罰金の一部を猶予:一部猶予の対象は拘禁刑だけである。50万円以下の罰金に執行猶予を付けられるのは、刑の全部の執行猶予の場合である(刑法25条1項)。
覚え方のポイント
全部猶予は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」、一部猶予は「3年以下の拘禁刑だけ」。猶予期間はどちらも1年以上5年以下。一部猶予の猶予期間は「刑事施設を出てから」数え始めると整理する。