2026年版・4-2

基盤と専門職:概念と基盤となる考え方の一問一答

社会福祉士国家試験「ソーシャルワークの基盤と方法・調査」から、基盤と専門職:概念と基盤となる考え方に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問14-2

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)において、ソーシャルワークの中核をなすとされる原理に含まれるものを1つ選びなさい。

  • ①自己責任
  • ②集団的責任
  • ③最小限介入
  • ④専門職の自律
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正解 ②集団的責任
解説
2014年に国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)が採択したグローバル定義では、「社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理」がソーシャルワークの中核をなすとされています。集団的責任は、個人の権利は人々が互いに、そして環境に対して責任をもつことによって日常的に実現されるという考え方で、地域や集団の中で支え合う関係を築くことの大切さを示しています。

他の選択肢が不適切な理由
・自己責任:生活課題を本人の責任に帰す考え方は、社会構造にも働きかけるソーシャルワークの原理とは相いれません。定義が掲げるのは、それと対照的な「集団的責任」です。
・最小限介入:定義の中核原理には含まれていません。介入の程度はクライエントの状況と自己決定に基づいて判断されるものです。
・専門職の自律:専門職のあり方にかかわる概念ですが、グローバル定義が中核原理として挙げたものではありません。

覚え方のポイント
中核原理は「社会正義・人権・集団的責任・多様性尊重」の4つです。2000年の旧定義にはなかった「集団的責任」と「多様性尊重」が加わった点が特に問われます。日本の倫理綱領(2020年改定)の原理にも、これらに「人間の尊厳」「全人的存在」を加えた6つが並んでいます。
問24-2

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①ソーシャルワークは、実践に基づいた専門職であり学問でもあるとされる。
  • ②国際ソーシャルワーカー連盟のみが単独で採択した定義として示されている。
  • ③西洋の理論を基盤とし、地域・民族固有の知は基盤に含めないとされる。
  • ④個人の問題解決を主な目的とし、社会変革は目的に含めないとされる。
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正解 ①ソーシャルワークは、実践に基づいた専門職であり学問でもあるとされる。
解説
グローバル定義は、ソーシャルワークを「社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である」と定めています。実践の現場から生まれた知識を理論化し、その理論がまた実践を導くという往復の関係を重視しているため、専門職であると同時に学問であると位置づけられているのです。

他の選択肢が不適切な理由
・IFSWが単独で採択:2014年7月、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会で採択されたものです。
・地域・民族固有の知を含めない:定義は「ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、および地域・民族固有の知を基盤として」と明記しています。西洋中心の知だけでは各地の実情に合わないという反省が反映されています。
・社会変革は目的に含めない:社会変革は定義の冒頭に掲げられた中核的な任務の一つです。個人だけでなく「人々やさまざまな構造に働きかける」とされています。

覚え方のポイント
定義の骨格は「任務(社会変革・社会開発・社会的結束・エンパワメントと解放)」「原理(社会正義・人権・集団的責任・多様性尊重)」「知(理論・社会科学・人文学・地域民族固有の知)」「実践(人々と構造に働きかける)」の4層です。
問34-2

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)に関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよいとされている。
  • ②生活課題に取り組むため、人々やさまざまな構造に働きかけるとされる。
  • ③中核となる任務には、社会的結束の促進も含まれるとされている。
  • ④2000年に採択された旧定義を、変更せずにそのまま引き継いでいる。
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正解 ④2000年に採択された旧定義を、変更せずにそのまま引き継いでいる。
解説
2014年のグローバル定義は、2000年に採択された「ソーシャルワークの定義」を改めたものであり、そのまま引き継いだものではありません。旧定義は「人間関係における問題解決」や「人々がその環境と相互に影響し合う接点に介入する」ことを中心に据えていましたが、新定義では社会開発・社会的結束・集団的責任・多様性尊重・地域民族固有の知などが新たに盛り込まれました。欧米以外の地域の視点を取り入れ、個人への支援と社会への働きかけを一体のものとしてとらえ直した点が大きな変化です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は誤っているものを選ぶため、以下はいずれも正しい記述です。
・各国・各地域で展開してよい:定義の末尾に「この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい」とあり、グローバル・地域・国の重層的な構造がとられています。日本でも「日本における展開」がまとめられています。
・人々や構造に働きかける:定義は、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかけるとしています。
・社会的結束の促進:社会変革・社会開発・社会的結束の促進、人々のエンパワメントと解放が中核となる任務です。

覚え方のポイント
旧定義(2000年)のキーワードは「問題解決」「接点への介入」、新定義(2014年)は「社会開発」「集団的責任」「多様性尊重」「地域・民族固有の知」「重層的展開」です。新旧の違いとして出題されやすい部分です。
問44-2

中西正司と上野千鶴子が提唱した「当事者主権」の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①専門職がニーズを判定し、本人はその判定に同意するという考え方
  • ②自分のニーズが何かを決める権利は本人にあるという考え方
  • ③家族が本人に代わってニーズを表明する権利を持つという考え方
  • ④当事者団体の代表者が個々人のニーズを決めるという考え方
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正解 ②自分のニーズが何かを決める権利は本人にあるという考え方
解説
当事者主権は、中西正司と上野千鶴子が著書『当事者主権』(2003年)で示した考え方で、障害者や高齢者、女性など社会的に弱い立場に置かれてきた人が、自分のニーズは何か、どのような支援を受けるかを自ら決める権利をもつとするものです。専門職や家族が「本人のため」に判断してきたことが、かえって本人の生き方を狭めてきたという反省から生まれ、障害者の自立生活運動と深く結びついています。

他の選択肢が不適切な理由
・専門職が判定し本人が同意:専門職が主導し本人は追認するだけという関係は、当事者主権が乗り越えようとしたパターナリズムそのものです。
・家族が代わって表明:家族も本人とは別の立場であり、家族の意向が本人の意思と一致するとは限りません。当事者主権は本人自身の決定を重視します。
・団体の代表者が決める:当事者団体は重要な役割を果たしますが、個々のニーズを決めるのはあくまで一人ひとりの本人です。

覚え方のポイント
当事者主権の「主権」は、国民主権の主権と同じく「最終的に決める権利」を意味します。ソーシャルワークの価値である自己決定の尊重やクライエント主体と重ねて理解し、「誰がニーズを決めるのか」という問いに「本人」と答える考え方だと覚えましょう。
問54-2

〔事例〕Dさん(82歳、女性)は一人暮らしで、軽い物忘れはあるが、自分の生活について十分に判断し意思を伝えることができる。最近、自宅で転倒したことをきっかけに、遠方に住む長男が施設への入所を強く望んでいる。Dさんは「住み慣れたこの家で暮らしたい」とC社会福祉士に話した。地域包括支援センターのC社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①Dさんと長男の意向の中間をとり、ショートステイの定期利用を決める。
  • ②在宅を続けられるかどうかは、主治医の判断を待ってから検討する。
  • ③判断能力を確かめるため、成年後見制度の利用をDさんに勧める。
  • ④Dさんの意向を尊重し、在宅生活を支える方法を一緒に検討する。
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正解 ④Dさんの意向を尊重し、在宅生活を支える方法を一緒に検討する。
事例のポイント
Dさんは「十分に判断し意思を伝えることができる」と明記されています。本人の意思がはっきりしている場面で、家族の意向や安全への配慮とどう向き合うかが問われています。

解説
ソーシャルワークでは、クライエントが自らの生活について決める権利(自己決定)を尊重することが基本です。倫理綱領も、社会福祉士はクライエントの自己決定を尊重し、クライエントがその権利を十分に理解し、活用できるようにするとしています。Dさんには判断能力があるため、まずDさんの意向を受け止め、転倒の危険を減らす住宅改修や見守り、介護サービスなど在宅生活を続ける方法を本人と一緒に検討するのが適切です。そのうえで長男の不安にも耳を傾け、支援内容を共有して理解を得ていきます。

他の選択肢が不適切な理由
・中間をとってショートステイの定期利用を決める:一見折り合いをつけた案に見えますが、Dさんの意向を確かめないまま支援者が方針を決めており、自己決定の尊重に反します。サービスの利用は、本人が選択肢を理解したうえで選ぶものです。
・主治医の判断を待ってから検討する:医師の意見は転倒の危険を知るための大切な情報ですが、どこで暮らすかを決めるのは判断能力のあるDさん自身です。決定を医師の判断に委ねることは、自己決定の尊重に反します。
・成年後見制度を勧める:Dさんは十分な判断能力があると示されており、本人の希望と異なる意思決定を正当化するために制度を使うことは不適切です。

覚え方のポイント
事例問題では「本人に判断能力があるか」をまず確認します。あるなら本人の意思が出発点で、家族の意向や医師の意見は、本人が判断するための材料や調整の対象です。家族との折衷案や医師の判断を理由に、本人抜きで方針を決める選択肢は誤りと判断しましょう。
問64-2

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)の注釈で示されている「集団的責任」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①生活課題の解決には、まず本人とその家族が責任を負うべきだとする考え方
  • ②専門職が集団として、支援の結果について法的な責任を負うという考え方
  • ③個人の権利は、人々が互いと環境に責任を持つことで実現するという考え方
  • ④国家が福祉の供給について全面的な責任を負うべきであるとする考え方
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正解 ③個人の権利は、人々が互いと環境に責任を持つことで実現するという考え方
解説
グローバル定義の注釈では、集団的責任という考えは、一つには人々がお互い同士、そして環境に対して責任をもつ限りにおいて、はじめて個人の権利が日常レベルで実現されるという現実、もう一つには共同体の中で互恵的な関係を確立することの重要性を強調するものだと説明されています。個人の権利を守るには、制度だけでなく、人と人、人と環境との間に支え合いの関係を築くことが必要だという考え方です。

他の選択肢が不適切な理由
・本人と家族が責任を負う:これは自己責任や家族責任を強調する考え方で、集団的責任とは方向が異なります。
・専門職が集団として法的責任を負う:集団的責任は専門職の法的責任を意味する概念ではありません。
・国家が全面的な責任を負う:国家の責任は重要ですが、集団的責任は国家に限らず、人々が互いに責任をもち合う互恵的な関係に重点を置いています。

覚え方のポイント
集団的責任は「人権(個人の権利)」とセットで考えると理解しやすくなります。個人の権利を主張するだけでなく、その権利が実現する土台として、共同体の支え合いや環境への責任があるという発想です。日本の倫理綱領でも2020年の改定で原理に加えられました。
問74-2

ノーマライゼーションに関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①アメリカで生まれ、のちに北欧諸国へ広まった理念とされている。
  • ②障害者を訓練によって健常者と同じ状態に近づけることを指している。
  • ③デンマークの1959年法に、その理念が盛り込まれたとされている。
  • ④ニィリエは、社会的役割の実現としてこの理念を再構成したとされる。
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正解 ③デンマークの1959年法に、その理念が盛り込まれたとされている。
解説
ノーマライゼーションは、デンマークで知的障害者の親の会の運動を背景に、行政官バンク-ミケルセンの尽力によって1959年の法律(いわゆる1959年法)に盛り込まれた理念です。大規模施設に隔離されていた知的障害者に、できる限り普通に近い生活条件を保障することをめざしました。その後、スウェーデンのニィリエが「ノーマライゼーションの原理」として8つの要素に整理し、世界に広まりました。

他の選択肢が不適切な理由
・アメリカで生まれた:北欧(デンマーク)で生まれ、のちにアメリカなどへ広まりました。
・健常者と同じ状態に近づける:ノーマライゼーションが「普通」にしようとするのは障害者本人ではなく、生活の条件(住まい・日課・経済水準など)です。本人を変える訓練を意味するものではありません。
・ニィリエが社会的役割として再構成:社会的に価値のある役割の獲得を重視する「ソーシャルロールバロリゼーション」へと再構成したのは、北米で活動したヴォルフェンスベルガーです。

覚え方のポイント
「バンク-ミケルセン=デンマーク・1959年法・ノーマライゼーションの父」「ニィリエ=スウェーデン・8つの原理(1日・1週間・1年のリズム、ライフサイクル、自己決定、性的関係、経済水準、環境水準)」「ヴォルフェンスベルガー=北米・社会的役割の実現」と3人をセットで覚えましょう。
問84-2

〔事例〕E社会福祉士は、障害者相談支援事業所の相談支援専門員として、うつ病で休職中のFさん(40歳、男性)の相談を担当している。Fさんは「復職はしたいが、何から始めればよいか分からない」と話している。E社会福祉士は、クライエントとのパートナーシップを重視して支援計画を作ろうと考えている。E社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①迷っているFさんに代わり、最適と考える案を選んで示すようにする。
  • ②Fさんと一緒に目標を話し合い、Fさんの言葉で計画に書き表す。
  • ③目標を話し合う前に、利用する復職支援の機関を決めて申し込む。
  • ④所属する事業所の標準的な計画を、そのままFさんに適用する。
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正解 ②Fさんと一緒に目標を話し合い、Fさんの言葉で計画に書き表す。
事例のポイント
Fさん自身が「復職はしたい」と意向を示しつつ、進め方に迷っています。E社会福祉士が「パートナーシップを重視」している点が判断の手がかりです。

解説
パートナーシップとは、クライエントとソーシャルワーカーが対等な立場で協働し、ともに課題に取り組む援助関係のことです。クライエントは自分の生活の専門家であり、ワーカーは制度や方法の専門家として、それぞれの知恵を持ち寄ります。目標をFさんと一緒に話し合い、Fさん自身の言葉で計画に表すことで、Fさんが計画を「自分のもの」として受け止め、主体的に取り組む力が引き出されます。クライエント主体の考え方にも合致する対応です。

他の選択肢が不適切な理由
・Fさんに代わり最適と考える案を選んで示す:善意からの提案でも、選ぶのがワーカーであればパターナリズムです。複数の選択肢を一緒に検討し、Fさん自身が選べるよう支えるのがパートナーシップです。
・話し合う前に復職支援の機関を決めて申し込む:目標の共有を飛ばして手段を先に決めており、Fさんが計画づくりに参加する機会を奪っています。
・標準的な計画をそのまま適用:個別化の原則に反し、Fさん固有の状況や希望が反映されません。

覚え方のポイント
パートナーシップ・クライエント主体・当事者主権は、いずれも「決めるのは本人、ワーカーは伴走者」という同じ方向を向いた考え方です。事例で「一緒に」「本人の言葉で」という表現を含む選択肢は、この原則に沿っているかを確認しましょう。
問94-2

〔事例〕障害者相談支援事業所のK社会福祉士は、複数の利用者から「市の移動支援の利用時間の上限が低く、通院以外の外出がほとんどできない」という相談を受けた。K社会福祉士は、同じ課題を抱える人々のために、当事者団体と協力して市に制度の見直しを求める活動を始めた。この活動を表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①ケースアドボカシー
  • ②セルフアドボカシー
  • ③コーズアドボカシー
  • ④ピアアドボカシー
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正解 ③コーズアドボカシー
事例のポイント
K社会福祉士は、特定の1人のためではなく「同じ課題を抱える人々のために」、市に「制度の見直し」を求めています。対象が個人か集団か、働きかける先が個別の支援か制度かに注目します。

解説
コーズアドボカシー(クラスアドボカシーとも呼ばれる)は、同じ課題を抱える人々の集団や階層全体の利益のために、制度・政策・社会の仕組みの変更を求めて行う権利擁護活動です。一人を救っても同じ仕組みが残れば同じ被害が繰り返されるため、個別の支援で見えてきた共通の課題を、社会の側の変化につなげる役割を担います。ソーシャルアクションとも深く結びついています。

他の選択肢が不適切な理由
・ケースアドボカシー:特定の個人や家族の権利を守るために、その人のために代弁・交渉する活動です。対象が「集団」ではなく「個別の事例」である点が違います。
・セルフアドボカシー:障害のある人などが、自分自身の権利や要求を自ら主張する活動です。
・ピアアドボカシー:同じ経験や立場をもつ仲間(ピア)が、互いに代弁・支援し合う活動です。

覚え方のポイント
アドボカシーは「誰のために」と「誰が」で区別します。誰のために=個人ならケース、集団ならコーズ(クラス)。誰が=本人ならセルフ、仲間ならピア、専門職ならプロフェッショナル(専門職による)アドボカシー。社会福祉士は、個別支援から見えた課題をコーズアドボカシーにつなげる視点が求められます。
問104-2

ソーシャルワークの基盤となる考え方に関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①社会福祉法は、福祉サービスは個人の尊厳の保持を旨とすると定めている。
  • ②自立生活運動は、介助を受けながら自己決定して暮らすことを自立ととらえた。
  • ③多様性の尊重は、個人や家族、集団、地域社会の多様性を認めることを求める。
  • ④自立支援は、他者の援助を受けずに身辺の処理ができることを目標に限定する。
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正解 ④自立支援は、他者の援助を受けずに身辺の処理ができることを目標に限定する。
解説
ソーシャルワークでいう自立は、身辺のことを一人でこなせる「身辺自立」や「経済的自立」だけを意味するものではありません。必要な支援を受けながらでも、自分の生活のあり方を自ら選び決めて暮らすこと(自己決定に基づく自立)を重視します。自立を身辺処理に限定すると、重い障害のある人は永久に自立できないことになり、支援の目標から外されてしまうためです。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は誤っているものを選ぶため、以下はいずれも正しい記述です。
・個人の尊厳の保持:社会福祉法3条は、福祉サービスは個人の尊厳の保持を旨とし、能力に応じ自立した日常生活を営めるよう支援するものでなければならないと定めています。
・自立生活運動:1970年代のアメリカで重度障害のある学生らを中心に広がった運動で、「介助を受けて15分で服を着て外出できる人は、2時間かけて自分で服を着て家にいる人より自立している」という考え方で知られます。
・多様性の尊重:日本の倫理綱領(2020年改定)の原理の一つで、個人、家族、集団、地域社会に存在する多様性を認識し、尊重することを求めています。

覚え方のポイント
自立の考え方は「身辺自立・経済的自立」から「自己決定による自立(人格的自立)」へと広がってきました。社会福祉法3条の「能力に応じ自立した日常生活」も、その人なりの自立を支えるという意味で読むと理解しやすくなります。

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