貧困に関する古典的な社会調査に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
- ①ブースは、相対的剥奪という概念を用いて貧困の程度を測定した。
- ②タウンゼントは、ロンドン市民の生活を調べ貧困線を示した。
- ③ラウントリーは、ヨーク市で第一次貧困と第二次貧困を区別した。
- ④ブースは、ヨーク市で3回にわたる貧困調査を自ら実施した。
答えと解説を見る
ラウントリーは、1899年にイギリスのヨーク市で貧困調査を行い、総収入が肉体的な能率を維持するのに必要な最低限にも満たない「第一次貧困」と、収入はそれを満たすものの、他の支出に回るなどして生活が維持できない「第二次貧困」を区別しました。また、人の一生の中で貧困に陥りやすい時期(子ども期、子育て期、老年期)があることを示し、貧困を個人の怠惰ではなく生活の構造から説明しました。ヨーク市の調査は、その後1936年と1950年にも行われています。
他の選択肢が不適切な理由
・ブースが相対的剥奪:相対的剥奪の概念を用いて貧困を測定したのはタウンゼントです。社会で標準的とされる生活様式から排除されている状態を貧困ととらえました。
・タウンゼントがロンドンで貧困線:19世紀末にロンドン市民の生活実態を大規模に調査し、「貧困線」という考え方を示したのはブースです。
・ブースがヨーク市で3回:ヨーク市で3回の調査を行ったのはラウントリーです。
覚え方のポイント
「ブース=ロンドン・貧困線」「ラウントリー=ヨーク・第一次と第二次の貧困・ライフサイクル」「タウンゼント=相対的剥奪」と、人物・場所・キーワードをセットで覚えます。これらの調査は、社会調査が社会の実態を明らかにし政策を動かしてきた、社会福祉調査の原点として位置づけられています。