2026年版・5-13

保健医療と福祉:専門職の連携と支援の実際の一問一答

社会福祉士国家試験「高齢者・児童家庭・貧困・保健医療」から、保健医療と福祉:専門職の連携と支援の実際に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問15-13

2026年3月に全部改正された「医療ソーシャルワーカー業務指針」(厚生労働省)に示された医療ソーシャルワーカーの業務の範囲として、適切でないものを1つ選びなさい。

  • ①患者が治療を選べるように行う意思決定支援
  • ②入退院や在宅療養を支える入退院支援・療養支援
  • ③医師に代わって行う病状の診断と治療方針の決定
  • ④医療費や生活費に関する経済的課題の解決支援
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正解 ③医師に代わって行う病状の診断と治療方針の決定
解説
医療ソーシャルワーカー業務指針は、2026年3月の厚生労働省医政局長通知で全部改正され、2002年の旧指針は廃止されました。新しい指針は、医療ソーシャルワーカーを、医療機関等の管理者の監督の下に、社会福祉の立場から、専門的知識と技術に基づき、医療・ケアに関わる多職種と連携して業務を行う者と位置づけています。病状の診断や治療方針の決定は医師の業務であり、指針は、他職種の業務独占の範囲を侵害しないことも明記しています。医療ソーシャルワーカーは、医師などと連携しながら、患者が安心して治療を受け、地域での生活に戻れるよう支援します。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「適切でないもの」を選ぶ問題です。以下は指針に示された業務です。
・意思決定支援:全ての患者の多様な価値観を尊重し、最善の医療・ケアが受けられるよう、医療・ケアチームの一員として調整・支援を行います。
・入退院支援・療養支援:入退院などの療養環境の変化や在宅での療養に伴う課題を予測し、その予防と早期の対応を行います。
・経済的課題の把握と解決に向けた支援:生活に困窮している、または困窮が予測される患者・家族等に、活用できる行政サービス等を紹介・案内します。

覚え方のポイント
新しい指針の業務の範囲は8つです。「意思決定支援」「心理的・社会的課題解決への支援」「入退院支援・療養支援」「社会生活と治療の両立支援」「受診・受療支援」「経済的課題の把握と解決に向けた支援」「組織内活動」「地域・社会活動」。旧指針の「退院援助」「経済的問題の解決、調整援助」などの言い方と混同しないようにし、医学的判断は業務に含まれない点を押さえましょう。
問25-13

2026年3月に全部改正された「医療ソーシャルワーカー業務指針」に示された、専門職としての姿勢と方法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①受診・受療支援では、医師に相談し、その指示を踏まえた支援を行う。
  • ②治療・ケアの主体は医療機関であり、その方針を患者の意思より優先する。
  • ③支援の記録は、患者や家族等から開示を求められても開示しないとする。
  • ④課題が生じて相談を受けてから支援を始めることを基本としている。
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正解 ①受診・受療支援では、医師に相談し、その指示を踏まえた支援を行う。
解説
新しい医療ソーシャルワーカー業務指針は、「専門職としての姿勢と方法」として、患者の主体性の尊重と権利擁護、個別支援に係る業務の具体的展開、組織内活動や地域・社会活動に係る業務の具体的展開、心理的・社会的・経済的課題の予測と予防的・計画的支援、記録の作成・共有等、受診・受療支援と医師の指示を挙げています。このうち受診・受療支援については、患者の心理的・社会的・経済的課題と傷病とが密接に関連しているため、医師への相談とともに、その指示を踏まえた支援を実施することとされています。医療の安全と患者の利益を守るためです。

他の選択肢が不適切な理由
・治療・ケアの主体は医療機関:指針は「治療・ケアの主体は患者である」とし、患者が自らの意思に基づいて治療を選択できるよう最善を尽くし、自己決定を促進することを求めています。
・記録は求められても開示しない:指針は、記録を患者の権利擁護などの倫理的側面に配慮して管理し、患者・家族等から求められた場合には適切に開示して説明責任を果たすこととしています。
・課題が生じてから支援を始める:指針は、課題が生じた後に相談を受けて支援を始めるのではなく、早期から情報を収集して課題を予測し、予防的・計画的な支援を行うことを求めています。

覚え方のポイント
姿勢と方法のキーワードは「患者が主体」「面接を重視した個別支援」「多職種・地域との連携」「予測と予防的・計画的支援」「根拠が見える記録と開示」「受診・受療支援は医師の指示を踏まえる」。「医師の指示」が明記されているのは受診・受療支援の場面であることがポイントです。
問35-13

保健医療領域の専門職の業務に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①理学療法士は、医師の指示の下に理学療法を行うことを業とする。
  • ②精神保健福祉士は、医師の指示の下に精神療法を行うことを業とする。
  • ③言語聴覚士は、医師等の指示の下に嚥下訓練を行うことができる。
  • ④管理栄養士は、傷病者の療養に必要な栄養の指導を行うことを業とする。
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正解 ②精神保健福祉士は、医師の指示の下に精神療法を行うことを業とする。
解説
精神保健福祉士は、精神障害者の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする、社会福祉の専門職です。精神療法などの治療を行う職種ではありません。また、精神障害者に主治の医師があるときは、その「指導」を受けなければならないとされており(精神保健福祉士法第41条第2項)、医師の「指示」の下に業務を行う医療職とは位置づけが異なります。福祉職としての独自の視点で、医療職と対等に連携することが期待されているためです。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・理学療法士:医師の指示の下に、身体に障害のある者に対し、基本的動作能力の回復を図るため理学療法を行うことを業とします。
・言語聴覚士:音声機能、言語機能、聴覚に障害のある者への訓練などを行い、医師または歯科医師の指示の下に嚥下訓練などを行うことができます。
・管理栄養士:傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導などを行うことを業とします。

覚え方のポイント
「医師の指示」を受けるのは医療職(看護師の診療の補助、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)、「主治医の指導」を受けるのは精神保健福祉士。社会福祉士は「連携」の義務(社会福祉士及び介護福祉士法第47条)と覚えましょう。
問45-13

2026年3月に全部改正された「医療ソーシャルワーカー業務指針」における医療ソーシャルワーカーの位置づけに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①業務の対象は入院患者に限られ、外来や在宅の患者は含まれないとしている。
  • ②医療機関の管理者の監督を受けず、独立した立場で業務を行う者としている。
  • ③必要があれば、他職種の業務独占の範囲の行為も代わって行うとしている。
  • ④社会福祉士が医療ソーシャルワーカーを担うことが想定されるとしている。
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正解 ④社会福祉士が医療ソーシャルワーカーを担うことが想定されるとしている。
解説
新しい医療ソーシャルワーカー業務指針は、医療ソーシャルワーカーを、医療機関等の管理者の監督の下に、社会福祉の立場から、専門的知識と技術に基づき、医療・ケアに関わる多職種と連携して業務を行う者としたうえで、社会福祉学を基にした専門性を十分に発揮し業務を適正に行うことができるよう、社会福祉士が医療ソーシャルワーカーを担うことが想定されるとしています。生活困窮、孤独・孤立、依存症、虐待など、医療の現場で生きづらさにつながる課題が顕在化していることを背景に、社会福祉の専門職としての役割を明確にしたものです。

他の選択肢が不適切な理由
・入院患者に限られる:指針は、入院・外来、在宅など患者の居所を問わず、早期から情報を収集して適時適切に業務を行うとしています。
・管理者の監督を受けず独立して業務を行う:医療ソーシャルワーカーは、医療機関等の管理者の監督の下に業務を行う者とされています。
・他職種の業務独占の範囲も代わって行う:指針は、専門職として支援を行う際に、他職種の業務独占の範囲を侵害しないことを明記しています。診断や治療方針の決定は医師の業務です。

覚え方のポイント
新しい指針(2026年3月)のキーワードは「管理者の監督の下」「社会福祉の立場から」「多職種と連携」「社会福祉士が担うことを想定」「患者の居所を問わない」「他職種の業務独占を侵害しない」。2002年の旧指針は廃止されたので、新旧の用語の違いにも注意しましょう。
問55-13

医療と介護の地域連携に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①退院前カンファレンスには、原則として在宅側の関係者は参加しない。
  • ②地域連携クリティカルパスは、一つの病院の中でのみ使われる計画である。
  • ③地域連携クリティカルパスは、複数の医療機関で診療計画を共有する。
  • ④入退院支援は、退院日が決まってから開始することが原則となっている。
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正解 ③地域連携クリティカルパスは、複数の医療機関で診療計画を共有する。
解説
地域連携クリティカルパスは、急性期の病院から回復期の病院、さらにかかりつけ医や在宅での療養へと移行する患者について、治療の目標や経過、各段階での診療内容などをあらかじめ示した診療計画を、複数の医療機関で共有する仕組みです。脳卒中や大腿骨頸部骨折などで活用されています。患者は医療機関を移っても一貫した治療を受けられ、医療機関どうしは役割分担を明確にしながら連携できます。

他の選択肢が不適切な理由
・退院前カンファレンスに在宅側は参加しない:退院前カンファレンスは、病院の医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどと、ケアマネジャー、在宅医、訪問看護師など在宅側の関係者が一堂に会して、退院後の療養の方針を共有するために行うものです。
・一つの病院の中でのみ使われる:一つの病院内で使うのは院内のクリティカルパスで、地域連携クリティカルパスは複数の医療機関の間で用いられます。
・退院日が決まってから開始:入退院支援は、入院の早い段階(入院前からの場合もある)から退院後の生活を見据えて開始することが重要とされています。

覚え方のポイント
医療と介護の連携の道具は「地域連携クリティカルパス(医療機関どうしの計画の共有)」「退院前カンファレンス(病院と在宅の関係者の協議)」「入退院支援(入院早期からの退院支援)」。どれも「切れ目のない支援」が目的です。
問65-13

事例を読んで、回復期リハビリテーション病棟の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕PPさん(80歳、女性)は、脳梗塞の後、回復期リハビリテーション病棟に入院している。一人暮らしで、要介護2の認定を受けた。PPさんは「杖を使えば歩けるようになったので、家に帰りたい」と話している。退院の予定は1か月後である。

  • ①PPさんの意向を確認し、ケアマネジャーやリハビリ職と退院前の協議を行う。
  • ②要介護2では訪問介護を利用できないため、家族の支援を探すよう伝える。
  • ③退院の日が正式に決まってから、初めてケアマネジャーに連絡を取ることにする。
  • ④退院先については、リハビリ職の判断だけで決めてもらうように依頼する。
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正解 ①PPさんの意向を確認し、ケアマネジャーやリハビリ職と退院前の協議を行う。
事例のポイント
PPさんは自宅への退院を希望し、杖で歩けるまで回復しています。一人暮らしで要介護2の認定を受けており、在宅生活には支援体制の準備が必要です。退院まで1か月の時間があることも手がかりです。

解説
入退院支援では、本人の意向を出発点に、退院後の生活に必要な支援を早い段階から準備します。医療ソーシャルワーカーは、PPさんの希望と生活の状況を確認し、ケアマネジャー、理学療法士・作業療法士、看護師、主治医などと退院前カンファレンスを開いて、住宅改修や福祉用具、訪問介護、通所リハビリテーションなど必要なサービスを検討します。必要に応じて、退院前に自宅を訪問して住環境を確認することも有効です。

他の選択肢が不適切な理由
・要介護2では訪問介護を利用できない:訪問介護は要介護1以上の人が利用できる介護給付のサービスで、要介護2のPPさんも利用できます。誤った説明で在宅生活の選択肢を狭めることになります。
・退院日が決まってからケアマネジャーに連絡:連絡が遅れると、退院までに在宅サービスの準備が間に合わないおそれがあります。
・リハビリ職の判断だけで退院先を決める:退院先は本人の意向を中心に、多職種で検討して決めるものです。

覚え方のポイント
入退院支援の流れは「早期に本人・家族の意向を確認→多職種・在宅側と情報共有→退院前カンファレンス→住環境の整備・サービス調整→退院後のフォロー」。本人の意向と早期からの準備が鍵です。
問75-13

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕RRさん(55歳、男性)は、自営業を営んでおり、国民健康保険に加入している。脳出血で入院し、しばらく仕事ができない見込みである。妻から「医療費の支払いも、今後の生活費も心配だ」と相談があった。

  • ①国民健康保険には傷病手当金が必ずあるので、すぐに申請するよう勧める。
  • ②自営業者は高額療養費の対象外なので、病院に分割払いを申し出るよう勧める。
  • ③生活費に充てるため、雇用保険の基本手当をすぐに申請するよう勧める。
  • ④高額療養費などの負担軽減の制度を説明し、生活費の相談窓口にもつなぐ。
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正解 ④高額療養費などの負担軽減の制度を説明し、生活費の相談窓口にもつなぐ。
事例のポイント
RRさんは自営業で国民健康保険に加入しており、入院によって収入が途絶えるおそれがあります。医療費と生活費の両方に不安がある状況で、加入している制度の特徴を踏まえた援助が求められます。

解説
2026年3月に全部改正された医療ソーシャルワーカー業務指針は、「経済的課題の把握と解決に向けた支援」を業務の一つとし、患者・家族等が活用できる行政サービス等を適時適切に紹介・案内することを求めています。医療費については、高額療養費によって1か月の自己負担に上限が設けられているほか、災害や事業の休廃止などで収入が著しく減った場合には、国民健康保険の一部負担金の減免などの仕組みもあります。生活費については、生活困窮者自立支援制度の相談窓口や生活福祉資金、状況によっては生活保護の相談にもつなぎます。社会保障制度を組み合わせて、治療に専念できる環境を整えることが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
・国保には傷病手当金が必ずある:国民健康保険の傷病手当金は、市町村などが条例で定めた場合に支給できる任意給付であり(国民健康保険法第58条第2項)、必ずあるわけではありません。
・自営業者は高額療養費の対象外:高額療養費は国民健康保険を含む全ての公的医療保険に共通する給付で、RRさんも対象になります(国民健康保険法第57条の2)。
・雇用保険の基本手当を申請:基本手当は、雇用保険の被保険者だった人が失業したときの給付です。自営業者のRRさんは雇用保険に加入しておらず、受給できません。

覚え方のポイント
経済的問題の援助では「加入している制度を確認する(被用者保険か国保か)」ことから始めます。被用者保険なら傷病手当金、国保なら一部負担金の減免や生活困窮者支援など、使える制度が変わる点に注意しましょう。
問85-13

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕SSさん(78歳、男性)は、自宅で倒れているところを発見され救急搬送された。一人暮らしで身寄りがなく、認知機能の低下もみられ、自分の生活の状況をうまく説明できない。病棟からは「身元保証人がいない患者をどうすればよいか」と相談があった。

  • ①身元保証人がいないため、入院を続けることはできないと本人に伝える。
  • ②地域包括支援センター等と連携して意向を把握し、後見制度の利用も考える。
  • ③判断能力が低下しているため、今後の方針は病院内だけで決めて進めていく。
  • ④入院費の支払いに備え、病院で本人の預金通帳を預かって管理することにする。
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正解 ②地域包括支援センター等と連携して意向を把握し、後見制度の利用も考える。
事例のポイント
SSさんは身寄りがなく、認知機能も低下していて、自分の状況を説明できません。本人の生活歴や意向を知る手がかりが病院内にはほとんどないことが問題の中心です。

解説
厚生労働省は、身元保証人等がいないことのみを理由に、医療機関が入院を拒否することは適切でないとの考え方を示しています。医療ソーシャルワーカーは、地域包括支援センターや民生委員など地域の関係機関と連携して、SSさんのこれまでの生活の様子や、本人が大切にしてきたことなどの情報を集め、本人の意向を推定しながら支援の方針を考えます。判断能力の低下が続き、財産管理や契約の手続が必要な場合には、市町村長による申立てを含めて成年後見制度の利用を検討します。

他の選択肢が不適切な理由
・身元保証人がいないので入院を続けられない:身元保証人がいないことだけを理由に医療を受けられなくすることは不適切です。
・方針は病院内だけで決める:本人の意向の把握には地域の関係機関からの情報が重要であり、病院だけで決めることは本人の意思の尊重につながりません。
・病院で預金通帳を預かって管理:法的な権限なく本人の財産を管理することは、本人の権利を侵害するおそれがあり、トラブルの原因にもなります。財産管理が必要なときは、成年後見制度などの法的な仕組みを検討します。

覚え方のポイント
身寄りのない人の入院では「身元保証人がいないことを理由に医療を拒まない」「地域の関係機関と連携して本人の意向を把握する」「必要に応じて成年後見制度(市町村長申立て)を検討する」。医療と地域をつなぐ役割が医療ソーシャルワーカーに求められます。
問95-13

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕TTさん(65歳、男性)は、末期のがんで在宅療養をしている。通院のたびに付き添う妻が、医療ソーシャルワーカーに「夜も眠れず、もう限界かもしれない。でも夫には言えない」と涙ながらに話した。

  • ①妻の了解を得ずに今の話をTTさんに伝え、夫婦で話し合うよう促していく。
  • ②TTさんには知らせずに、緩和ケア病棟への転院を妻と二人で決めてしまう。
  • ③妻の気持ちを受け止め、訪問看護や緩和ケアのチームと家族支援を検討する。
  • ④妻に心療内科の受診を勧め、家族の支援はその医療機関に任せることにする。
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正解 ③妻の気持ちを受け止め、訪問看護や緩和ケアのチームと家族支援を検討する。
事例のポイント
介護を担う妻が心身の限界を訴えており、夫には言えないという葛藤も抱えています。患者本人だけでなく、家族も支援の対象として捉えられるかが問われています。

解説
終末期のケアでは、患者本人だけでなく家族も支援の対象とする考え方が重視されます。医療ソーシャルワーカーは、まず妻のつらさを受け止め、言葉にできたことを支持します。そのうえで、妻の了解を得ながら、訪問看護、緩和ケアチーム、ケアマネジャーなどと情報を共有し、介護の負担を減らすサービス(訪問介護、短期入所など)や、夜間の不安への対応、妻自身の休息の確保を検討します。今後の療養の場については、TTさん本人の意向を確認しながら、本人と家族が一緒に考えられるよう支援します。

他の選択肢が不適切な理由
・妻の了解を得ずにTTさんに伝える:妻は「夫には言えない」と話しており、了解なく伝えると妻の信頼を損ない、相談できる場を失わせるおそれがあります。夫婦で話し合う場を設けるときも、妻の気持ちを確かめてから進めます。
・本人に知らせずに転院を決める:TTさん本人の意思を無視した対応であり、自己決定の尊重に反します。
・心療内科を勧めて支援を任せる:妻の心身の状態によっては受診を勧めることもありますが、支援を他の機関に任せきりにするのは不適切です。医療ソーシャルワーカー業務指針は、患者・家族等の心理的・社会的課題の解決を支援することを業務の一つとしています。

覚え方のポイント
終末期の支援は「本人と家族の両方が支援の対象」「家族の気持ちを受け止める」「多職種(緩和ケア・訪問看護・介護)で負担を分かち合う」「療養の場は本人の意向を中心に」。家族の疲弊に早く気づくことも重要な役割です。
問105-13

保健医療領域における多職種連携に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①入退院支援は、法律上、社会福祉士でなければ行えない業務とされている。
  • ②院内の多職種カンファレンスでは、患者の情報を共有して方針を検討する。
  • ③他機関へ患者の情報を提供するときは、原則として本人の同意を得る。
  • ④地域包括ケアシステムでは、医療と介護の関係者の連携が重視される。
答えと解説を見る
正解 ①入退院支援は、法律上、社会福祉士でなければ行えない業務とされている。
解説
社会福祉士は、資格を持たない人がその名称を使うことを禁じる名称独占の資格であり、業務独占の資格ではありません(社会福祉士及び介護福祉士法第48条)。入退院支援も、特定の資格者だけに法律で独占させている業務ではなく、医療ソーシャルワーカーのほか、病棟の看護師や退院支援を担当する看護師、医師、リハビリ職、薬剤師などが協働して行うものです。看護師は、病状や日常生活の動作、医療的ケアの必要性を把握し、在宅療養に必要な指導を行うなど、中心的な役割を担っています。各職種がそれぞれの専門性を生かし、情報を共有しながら、患者と家族の意向に沿った退院後の生活を準備します。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・院内の多職種カンファレンス:医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどが患者の情報を共有し、治療や退院に向けた方針を検討します。
・他機関への情報提供は原則として本人の同意:個人情報の保護のため、第三者に提供する場合は原則として本人の同意を得ます。生命・身体の保護のため緊急に必要な場合などの例外もあります。
・地域包括ケアシステムでの連携:住み慣れた地域での生活を続けられるよう、医療と介護の関係者が連携することが重視されています。

覚え方のポイント
多職種連携の基本は「目標の共有」「役割の分担と協働」「情報の共有(本人の同意と個人情報の保護)」。社会福祉士には、福祉サービスや保健医療サービスの関係者との連携を保つ義務(社会福祉士及び介護福祉士法第47条)があることも押さえましょう。

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