ラウントリー(Rowntree, B. S.)の貧困研究に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- ①ヨーク市の調査で、人の一生には貧困に陥りやすい時期が周期的に訪れることを示した。
- ②ロンドン市の調査で、住民のおよそ3割が貧困の状態にあることを初めて明らかにした。
- ③貧困を、社会で慣習となっている生活様式からの排除である相対的剝奪として捉えた。
- ④貧困を、価値ある生き方を選ぶ実質的な自由であるケイパビリティの欠如として捉えた。
答えと解説を見る
ラウントリーは、イギリスのヨーク市で労働者世帯の生活を調査し(第1回は1899年)、栄養学の知見に基づいて最低限の生活費を算定して貧困線を引きました。そして、労働者の一生には、子ども時代、子育て期、老年期という3回、貧困線を下回りやすい時期が訪れること(ライフサイクルと貧困)を示しました。貧困の原因を個人の怠惰ではなく、低賃金や家族の構成、生活の段階といった社会的・構造的な要因に求めた点で、その後の社会政策に大きな影響を与えました。
他の選択肢が不適切な理由
・ロンドン市の調査で約3割が貧困:これはブース(Booth, C.)のロンドン調査の結果です。ブースは貧困地図を作成し、貧困の原因が雇用の問題にあることを示しました。
・相対的剝奪:これはタウンゼント(Townsend, P.)の貧困の捉え方です。
・ケイパビリティの欠如:これはセン(Sen, A.)の考え方です。
覚え方のポイント
貧困研究の人物は「ブース=ロンドン調査」「ラウントリー=ヨーク調査・第一次貧困と第二次貧困・ライフサイクル」「タウンゼント=相対的剝奪」「セン=ケイパビリティ」。都市名と概念を人物に結びつけて覚えましょう。