2026年版・6-1

基盤と専門職(専門):専門職の範囲の一問一答

社会福祉士国家試験「ソーシャルワーク専門・福祉サービス経営」から、基盤と専門職(専門):専門職の範囲に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問16-1

社会福祉法に定める福祉に関する事務所(福祉事務所)に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①指導監督を行う所員は、社会福祉士でなければならない。
  • ②町村は、福祉事務所を設置することが認められない。
  • ③現業を行う所員は、社会福祉主事でなければならない。
  • ④現業員の数は、法律で全国一律の人数に定められている。
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正解 ③現業を行う所員は、社会福祉主事でなければならない。
解説
福祉事務所には、所の長のほか、指導監督を行う所員(査察指導員)、現業を行う所員(現業員、いわゆるケースワーカー)、事務を行う所員を置かなければならず、このうち指導監督を行う所員と現業を行う所員は、社会福祉主事でなければならないと定められています(社会福祉法15条1項・6項)。現業員は、援護などを要する人の家庭を訪問して資産や環境を調査し、保護その他の措置の必要性を判断するという、住民の生活に直結する業務を担うため、一定の専門性を備えた社会福祉主事であることが求められています。

他の選択肢が不適切な理由
・指導監督を行う所員は社会福祉士:法律上の要件は社会福祉主事であり、社会福祉士であることは求められていません(同法15条6項)。
・町村は設置できない:都道府県と市(特別区を含む)には設置義務があり、町村は条例で設置することができます(同法14条1項・3項)。
・全国一律の人数:所員の定数は条例で定めます。ただし現業員の数は、被保護世帯数に応じた標準が示されており、市の福祉事務所では被保護世帯80世帯ごとに1人を加えることが標準です(同法16条)。

覚え方のポイント
福祉事務所の所員は「長・指導監督(査察指導員)・現業(ケースワーカー)・事務」の4種で、このうち「指導監督」と「現業」が社会福祉主事の必置資格です。現業員の標準数は「都道府県65世帯・市町村80世帯に1人」と覚えましょう。
問26-1

福祉行政機関に置かれる専門職に関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①都道府県は、設置する児童相談所に児童福祉司を置かなければならない。
  • ②都道府県は、身体障害者更生相談所に身体障害者福祉司を置かなければならない。
  • ③市町村は、設置する福祉事務所に知的障害者福祉司を置かなければならない。
  • ④社会福祉主事は、都道府県知事又は市町村長の補助機関である職員とされる。
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正解 ③市町村は、設置する福祉事務所に知的障害者福祉司を置かなければならない。
解説
知的障害者福祉司は、都道府県が設置する知的障害者更生相談所には置かなければならない職員ですが(知的障害者福祉法13条1項)、市町村が設置する福祉事務所には「置くことができる」とされています(同条2項)。市町村の福祉事務所に置くかどうかは、それぞれの実情に応じて判断されます。身体障害者福祉司も同じ構造で、更生相談所には必置、市町村の福祉事務所には任意設置です(身体障害者福祉法11条の2)。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は誤っているものを選ぶため、以下はいずれも正しい記述です。
・児童福祉司:都道府県は、その設置する児童相談所に児童福祉司を置かなければなりません(児童福祉法13条1項)。任用の要件には社会福祉士も含まれています(同条3項)。
・身体障害者福祉司:都道府県は、その設置する身体障害者更生相談所に身体障害者福祉司を置かなければなりません(身体障害者福祉法11条の2第1項)。
・社会福祉主事:社会福祉主事は、都道府県知事又は市町村長の補助機関である職員として、年齢18歳以上の者から任用されます(社会福祉法19条1項)。

覚え方のポイント
「〇〇福祉司」は、都道府県の専門機関(児童相談所・身体障害者更生相談所・知的障害者更生相談所)には必置です。市町村の福祉事務所では、身体障害者福祉司と知的障害者福祉司は任意設置、と区別しましょう。
問36-1

〔事例〕A小学校に配置されているスクールソーシャルワーカーのB社会福祉士は、担任から「Cさん(9歳)が最近、同じ服で登校し、給食をおかわりしてたくさん食べている。家庭で何かあったのではないか」と相談を受けた。B社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①Cさんに心理検査を実施し、その結果から家庭の問題を診断する。
  • ②校内で情報を共有し、必要に応じて関係機関との連携を検討する。
  • ③担任に代わり、B社会福祉士が単独でCさんの家庭を訪ねて確かめる。
  • ④判断の材料を集めるため、1か月ほど様子を記録してから検討する。
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正解 ②校内で情報を共有し、必要に応じて関係機関との連携を検討する。
事例のポイント
同じ服での登校や給食での様子から、家庭での養育や生活の困難がうかがわれます。まだ事実関係は分かっておらず、スクールソーシャルワーカーとしての最初の動きが問われています。

解説
スクールソーシャルワーカーは、子どもが抱える課題を、家庭や学校、地域などの環境との関係の中でとらえ、学校内のチーム体制を支えるとともに、福祉や医療などの関係機関と連携して支援する専門職です。まずは担任や養護教諭、管理職などと情報を共有して子どもの状況を多面的に把握し、家庭の経済的困難やネグレクトの可能性なども含めて検討します。そのうえで、必要に応じて市町村のこども家庭センターや福祉事務所、児童相談所など関係機関との連携を検討するのが適切です。

他の選択肢が不適切な理由
・心理検査で家庭の問題を診断:心理検査の実施と解釈は心理職の専門領域であり、家庭の問題を診断するものでもありません。スクールソーシャルワーカーは環境への働きかけを担います。
・単独で家庭を訪ねて確かめる:家庭訪問が必要になることはありますが、校内で情報を共有しないまま一人で動くと、学校としての見立てや役割分担ができず、保護者の警戒を招くおそれもあります。まずチームで状況を把握します。
・1か月ほど記録してから検討する:食事や衣服に困っている可能性があるのに検討を先送りにしており、その間に子どもの福祉が損なわれるおそれがあります。記録は校内で共有しながら、並行して対応を検討します。

覚え方のポイント
スクールソーシャルワーカーの役割は「環境への働きかけ」「関係機関とのネットワーク」「校内チーム体制の支援」「保護者・教職員への支援」です。スクールカウンセラー(心理の専門職)との役割の違いが頻出です。
問46-1

2026年3月に全部改正された「医療ソーシャルワーカー業務指針」(厚生労働省)に示されている医療ソーシャルワーカーの業務の範囲に関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①入院や在宅療養に伴う課題を早めに予測し、入退院の支援を行う。
  • ②患者が自らの意思で治療を選べるよう受診・受療を支援する。
  • ③医療費や生活費などの経済的な問題は、業務の範囲に含まれない。
  • ④治療を続けながら仕事や学業とも両立できるよう支援を行う。
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正解 ③医療費や生活費などの経済的な問題は、業務の範囲に含まれない。
解説
医療ソーシャルワーカー業務指針は、2026年3月の厚生労働省医政局長通知で全部改正されました。新しい指針は、業務の範囲として、意思決定支援、心理的・社会的課題解決への支援、入退院支援・療養支援、社会生活と治療の両立支援、受診・受療支援、経済的課題の把握と解決に向けた支援など8つを示しています。入院や治療によって収入が減ったり、医療費の支払いが難しくなったりすることは珍しくなく、経済的な問題が療養の妨げになることもあるため、活用できる行政サービス等を紹介・案内する経済的課題への支援は、医療ソーシャルワーカーの重要な業務です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は誤っているものを選ぶため、以下はいずれも正しい記述です。
・入退院の支援:入退院などの療養環境の変化や、在宅での療養に伴う課題を予測し、その予防と早期の対応を行う「入退院支援・療養支援」にあたります。
・受診・受療の支援:患者が自らの意思に基づいて治療を選択し、適切に受けられるよう支援する「受診・受療支援」にあたります。
・仕事や学業との両立の支援:患者が治療をしながら仕事や学業などと両立できるよう支援する「社会生活と治療の両立支援」にあたります。

覚え方のポイント
医療ソーシャルワーカーは、病気そのものではなく、病気がもたらす生活上の課題を扱う専門職です。2026年の改正で、旧指針の「退院援助」「経済的問題の解決、調整援助」といった呼び方は、「入退院支援・療養支援」「経済的課題の把握と解決に向けた支援」などに改められ、意思決定支援や治療と社会生活の両立支援が明記されました。
問56-1

独立型社会福祉士に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①開業には、都道府県知事による事務所開設の許可が必要とされる。
  • ②特定の施設や機関に所属せず、地域で独立して相談援助を行う。
  • ③独立型として活動するには、精神保健福祉士の資格も必要となる。
  • ④社会福祉法人に雇用されていることが、独立型の要件とされる。
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正解 ②特定の施設や機関に所属せず、地域で独立して相談援助を行う。
解説
独立型社会福祉士は、行政や社会福祉法人などの特定の施設・機関に雇用されるのではなく、自ら事務所を開くなどして地域で独立した立場から相談援助を行う社会福祉士です。所属機関の方針や利害に縛られにくいため、利用者の立場に立った支援を行いやすいという特徴があります。成年後見人等としての活動のほか、福祉サービス利用の相談、権利擁護、第三者評価や研修講師など、活動の場は広がっています。

他の選択肢が不適切な理由
・都道府県知事の開設許可が必要:社会福祉士及び介護福祉士法には、独立型の事務所の開設について許可制度は定められていません。
・精神保健福祉士の資格も必要:独立型として活動するために、精神保健福祉士の資格を併せもつことは求められていません。
・社会福祉法人に雇用されていることが要件:特定の機関に雇用されていないことが独立型の特徴であり、要件とは逆です。

覚え方のポイント
独立型社会福祉士のキーワードは「所属機関からの独立」「利用者の立場に立った支援」「成年後見人等としての活動」です。日本社会福祉士会では、一定の要件を満たす独立型社会福祉士の名簿登録を行っています。
問66-1

〔事例〕地域包括支援センターのD社会福祉士は、一人暮らしのEさん(80歳、女性)が訪問販売で高額な契約をさせられた相談に対応した。その後、同じ地区で似た被害の相談が続いたため、D社会福祉士は民生委員や住民と勉強会を開き、見守りの方法を話し合った。さらに、市に対して消費生活センターとの連携の仕組みをつくるよう提案した。D社会福祉士の一連の実践に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①個別支援で見えた課題を、地域や制度への働きかけにつなげている。
  • ②勉強会の開催はマクロ、市への提案はメゾの実践に当たる。
  • ③個別支援を終えてから地域に働きかけることが、原則とされている。
  • ④マクロの課題は個別支援と無関係なので、切り離して扱っている。
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正解 ①個別支援で見えた課題を、地域や制度への働きかけにつなげている。
事例のポイント
D社会福祉士は、Eさん個人への支援(ミクロ)から始まり、民生委員や住民との勉強会(メゾ)、市への仕組みづくりの提案(マクロ)へと、働きかけの範囲を広げています。

解説
ソーシャルワークは、個人や家族への支援(ミクロ)、グループや組織、地域住民への働きかけ(メゾ)、制度や政策、社会全体への働きかけ(マクロ)の各レベルで展開され、これらは互いに連関しています。個別の相談の積み重ねから地域に共通する課題を見いだし、地域の支え合いの仕組みづくりや制度の改善につなげることは、同じ被害を繰り返さないための重要な実践です。D社会福祉士の一連の実践は、ミクロ・メゾ・マクロの連続性を意識したものといえます。

他の選択肢が不適切な理由
・勉強会はマクロ、市への提案はメゾ:民生委員や住民との勉強会は地域住民への働きかけでメゾ、市への仕組みづくりの提案は制度への働きかけでマクロに当たります。レベルの位置づけが逆です。
・個別支援を終えてから:各レベルへの働きかけは並行して行われるもので、個別支援の終了を待つ必要はありません。
・マクロの課題は無関係:個別の困りごとは、制度の不備や社会の仕組みと結びついていることが多く、各レベルは切り離せません。

覚え方のポイント
ミクロ・メゾ・マクロの問題では「連関性」「連続性」がキーワードです。「切り離す」「順番に行う」という選択肢は、ほとんどの場合誤りと判断できます。
問76-1

ソーシャルワーク実践のミクロ・メゾ・マクロの各レベルに関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①ミクロレベルでは、個人や家族への直接的な支援が中心となる。
  • ②メゾレベルには、グループや組織、地域住民への働きかけが含まれる。
  • ③マクロレベルには、制度や政策、社会全体への働きかけが含まれる。
  • ④3つのレベルは互いに独立しており、影響し合うことはないとされる。
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正解 ④3つのレベルは互いに独立しており、影響し合うことはないとされる。
解説
ミクロ・メゾ・マクロの3つのレベルは、互いに影響し合い、連続しているものとしてとらえられます。たとえば、制度の変更(マクロ)は施設の運営(メゾ)を通じて個々の利用者の生活(ミクロ)に影響し、逆に個々の利用者の困りごと(ミクロ)の積み重ねが、組織や制度の見直し(メゾ・マクロ)を促します。ソーシャルワーカーは、どのレベルで実践していても、他のレベルとのつながりを意識することが求められます。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は誤っているものを選ぶため、以下はいずれも正しい記述です。
・ミクロレベル:個人や家族など、困難を抱える人への直接的な支援が中心です。
・メゾレベル:グループ、学校や職場、施設などの組織、地域住民など、個人と社会の中間に位置する集団への働きかけが含まれます。
・マクロレベル:地域社会全体や国の制度・政策、社会の意識や構造への働きかけが含まれます。ソーシャルアクションや政策提言などが当たります。

覚え方のポイント
ミクロ(個人・家族)、メゾ(グループ・組織・地域住民)、マクロ(地域社会・制度・政策)と対象を整理し、「3つは連関している」と覚えます。家族をミクロとメゾのどちらに位置づけるかは論者により異なるため、細かな線引きよりも連関性を理解することが大切です。
問86-1

〔事例〕F病院の医療ソーシャルワーカーであるG社会福祉士は、緊急入院したHさん(58歳、男性)から「会社を辞めてから国民健康保険の手続きをしておらず、医療費が払えない。貯金もほとんどない」と相談を受けた。G社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①高額療養費制度を使えば医療費の心配はなくなると伝え、相談を終える。
  • ②生活保護は退院した後でないと申請できないため、退院時の相談を勧める。
  • ③Hさんに代わって、G社会福祉士が生活保護を受けられるかを決定する。
  • ④Hさんの状況を聴き、保険の手続きや生活保護の相談を関係機関とつなぐ。
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正解 ④Hさんの状況を聴き、保険の手続きや生活保護の相談を関係機関とつなぐ。
事例のポイント
Hさんは、医療保険の手続きをしていないことと、医療費を払えないという経済的な問題を抱えています。入院中の今、経済的な不安が治療や療養の妨げになりかねない状況です。

解説
2026年3月に全部改正された医療ソーシャルワーカー業務指針は、業務の一つとして「経済的課題の把握と解決に向けた支援」を挙げています。G社会福祉士は、Hさんの収入や資産、家族の状況などを丁寧に聴いたうえで、国民健康保険の加入手続きについて市町村の窓口と調整したり、生活保護の申請について福祉事務所に相談できるよう支援したりすることが適切です。経済的な不安を早い段階で軽くすることは、Hさんが安心して治療に専念することにもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
・高額療養費制度で心配はなくなると伝える:高額療養費制度は医療保険に加入していることが前提で、自己負担限度額までの支払いは残ります。保険の手続きができていないHさんの状況で相談を終えることはできません。
・退院後でないと申請できない:入院中でも生活保護の申請はでき、医療費は医療扶助の対象になりえます。申請を先送りすると、医療費の支払いや生活の立て直しが難しくなります。
・G社会福祉士が生活保護の可否を決定:生活保護の要否の決定は、保護の実施機関(福祉事務所を管理する都道府県知事・市町村長等)が行うもので、医療ソーシャルワーカーが決めることはできません。

覚え方のポイント
医療ソーシャルワーカーの事例では、「経済的課題の把握と解決に向けた支援」「入退院支援・療養支援」「社会生活と治療の両立支援」なども業務に含まれることを押さえます。制度の利用可否を「自分で決定する」選択肢は、権限外の行為として誤りと判断しましょう。
問96-1

社会福祉士が働く職域と、そこでの役割に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①地域生活定着支援センターでは、福祉的支援が必要な矯正施設退所者の地域移行を支える。
  • ②スクールソーシャルワーカーは、学校で児童生徒の心理検査を行い、障害の有無を診断する。
  • ③医療ソーシャルワーカーは、医師に代わって患者に病状と治療方針を説明する役割を担う。
  • ④福祉事務所の査察指導員は、被保護者の家庭への訪問調査を専ら担当する職員である。
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正解 ①地域生活定着支援センターでは、福祉的支援が必要な矯正施設退所者の地域移行を支える。
解説
地域生活定着支援センターは、高齢であったり障害があったりして、刑務所などの矯正施設を出た後に福祉的な支援を必要とする人について、保護観察所などと協力しながら、退所前から福祉サービスの利用や住まいの確保などを調整し、地域での生活に移行できるよう支える機関です。社会福祉士などの専門職が配置され、司法と福祉をつなぐ役割を担っています。社会福祉士の職域が、司法の分野にも広がっていることを示す代表例です。

他の選択肢が不適切な理由
・スクールソーシャルワーカーが心理検査で診断:心理検査は心理職、障害の診断は医師の役割です。スクールソーシャルワーカーは、子どもを取り巻く環境への働きかけや関係機関との連携を担います。
・医療ソーシャルワーカーが医師に代わって病状を説明:病状や治療方針の説明は医師の役割です。医療ソーシャルワーカーは、療養に伴う心理的・社会的な問題への援助を担います。
・査察指導員が訪問調査を専ら担当:家庭訪問や調査を行うのは現業員です。査察指導員は、現業員の業務を指導監督する所員です(社会福祉法15条3項・4項)。

覚え方のポイント
社会福祉士の職域は、行政・福祉・医療・教育・司法・独立型事務所など幅広く広がっています。どの職域でも「診断や治療の説明は医師・心理職、環境への働きかけと調整はソーシャルワーカー」という役割分担を押さえておきましょう。
問106-1

〔事例〕Iさん(35歳、女性)は、精神疾患のため長期間入院していたが、退院して地域の共同生活援助(グループホーム)で暮らし始めた。Iさんは「近所に知り合いがいない。仕事もしてみたい」と話している。相談支援事業所のJ社会福祉士が、ジェネラリストの視点から行う支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①主治医が就労可能と判断するまで、就労の希望は計画に入れない。
  • ②Iさんの希望を軸に、就労支援や地域の居場所など多様な資源をつなぐ。
  • ③生活の支援はグループホームの職員に任せ、J社会福祉士は関わらない。
  • ④まず近所づきあいの課題を解決し、就労の希望はその後に扱うことにする。
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正解 ②Iさんの希望を軸に、就労支援や地域の居場所など多様な資源をつなぐ。
事例のポイント
Iさんは「近所に知り合いがいない」という孤立の不安と、「仕事もしてみたい」という希望を話しています。ジェネラリストの視点から支援すると明記されています。

解説
ジェネラリストの視点に基づくソーシャルワークは、本人のストレングスと希望を出発点に、医療、就労、住まい、地域とのつながりなど、生活のさまざまな側面を一体的にとらえ、フォーマル・インフォーマルな社会資源を組み合わせて支援します。J社会福祉士は、Iさんの希望を軸にして、就労支援の事業所や、同じ経験をもつ人が集まるピアサポートの場、地域の居場所などにつなぎ、関係機関と協働して地域での生活を支えるのが適切です。

他の選択肢が不適切な理由
・主治医の判断まで就労の希望を入れない:医師の意見は大切な情報ですが、判断を待って本人の希望を計画から外すのは、病状を支援の前提条件にする考え方です。希望を計画に位置づけ、医療と連携しながら進めます。
・グループホームの職員に任せて関わらない:相談支援の専門職として、生活全体を見渡し関係機関と協働する役割を放棄しています。
・近所づきあいを先に解決し就労は後にする:生活の課題を一つずつ順番に扱うと、就労の希望が後回しになります。ジェネラリストの視点では、生活のさまざまな側面を一体的にとらえ、並行して支援します。

覚え方のポイント
ジェネラリストの視点の事例では、「本人の希望を軸に」「生活の多様な側面を」「多様な資源につなぐ」という要素がそろった選択肢を選びます。「〜するまで待つ」「〜に任せる」は、包括的な支援とは逆の方向です。

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