〔事例〕中学校のスクールソーシャルワーカーであるA社会福祉士は、担任から、Bさん(14歳)が遅刻や欠席を繰り返していると相談を受けた。Bさんと話すと、精神疾患のある母親の世話と、小学生の弟の送り迎えや食事の用意を毎日していることが分かった。Bさんは「家族のためだから仕方ない」と話している。A社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ①Bさんの思いを聴き、家族への支援を関係機関と調整して負担を軽くする。
- ②家庭の事情なので、Bさんの頑張りを励ますことにとどめておく。
- ③Bさんの負担を減らすため、母親に家事の分担を見直すよう強く指導する。
- ④学校としては、遅刻や欠席を減らすための生活指導に絞って関わる。
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Bさんは、本来大人が担うような家族の世話を日常的に行っており、学業に影響が出ています。一方で「家族のためだから仕方ない」と話しており、自分が支援を必要としていると自覚していない様子です。
解説
家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っている子ども・若者(いわゆるヤングケアラー)は、子ども・若者育成支援推進法において、関係機関等が支援に努める対象として明記されています。A社会福祉士は、Bさんの家族を思う気持ちを尊重しながら、Bさんの思いや困りごとを丁寧に聴き、母親の治療や生活への支援、弟の放課後の居場所など、家族全体への支援を福祉や医療の関係機関と調整し、Bさんの負担を軽くしていくことが適切です。Bさんが子どもらしく学び、過ごせる時間を取り戻すことが目標です。
他の選択肢が不適切な理由
・励ますことにとどめる:Bさんの負担は変わらず、学業や心身の健康への影響が続きます。
・母親に家事の分担を見直すよう指導する:母親には精神疾患があり、自らも支援を必要としている可能性があります。指導で負担を押し戻すのではなく、母親の治療や生活への支援を整えることで、Bさんの負担を軽くします。
・生活指導に絞って関わる:遅刻や欠席は家族の世話による結果であり、その背景に働きかけなければ改善しません。Bさんをさらに追い詰めるおそれもあります。
覚え方のポイント
ヤングケアラーの支援は「本人の思いを尊重」「家族全体への支援」「関係機関の連携」「本人の負担の軽減」の4点です。本人の頑張りに頼る・家族を責める・表面の行動だけを正そうとする選択肢は誤りと判断しましょう。