2026年版・4-10

食品衛生:HACCPと大量調理施設衛生管理マニュアルの一問一答

調理師試験「食品衛生学」から、食品衛生:HACCPと大量調理施設衛生管理マニュアルに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験も多くの地域で四肢択一式のマークシートで出題されます。ここでも4択で出題しています。

問14-10

HACCPの7原則のうち、最初に行う原則1の内容として、正しいものはどれか。

  • ①危害要因の分析
  • ②重要管理点の決定
  • ③管理基準の設定
  • ④記録の保存
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正解 ①危害要因の分析
解説
HACCPは、準備段階の5つの手順と、7つの原則からなる12の手順で導入します。7原則は、原則1:危害要因の分析(ハザード分析)、原則2:重要管理点(CCP)の決定、原則3:管理基準(CL)の設定、原則4:モニタリング方法の設定、原則5:改善措置の設定、原則6:検証方法の設定、原則7:記録と保存方法の設定、です。最初に、原材料や工程ごとに、どのような危害要因(生物的・化学的・物理的)があるかを分析します。

他の選択肢が不適切な理由
・重要管理点の決定:原則2です。
・管理基準の設定:原則3です。
・記録の保存:原則7です。

覚え方のポイント
7原則は「分析→CCP→基準→監視(モニタリング)→改善→検証→記録」の順です。HACCPという名前も「HA(危害要因分析)」と「CCP(重要管理点)」からできている、と結びつけて覚えましょう。
問24-10

HACCPにおける「モニタリング」の説明として、最も適当なものはどれか。

  • ①管理基準から外れたときに、製品や工程を修正する措置のこと
  • ②工程で起こりうる危害要因をすべて洗い出して分析すること
  • ③重要管理点が管理基準内かを、継続的に確認し記録すること
  • ④衛生管理の計画が有効に機能しているかを定期的に見直すこと
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正解 ③重要管理点が管理基準内かを、継続的に確認し記録すること
解説
モニタリング(原則4)は、重要管理点(CCP)が管理基準(CL)の範囲内で管理されているかどうかを、継続的に、または十分な頻度で測定・観察し、記録することです。たとえば、加熱工程が重要管理点で、管理基準が「中心温度75℃で1分以上」であれば、中心温度計で温度と時間を測って記録します。モニタリングで管理基準から外れたことが分かったら、あらかじめ決めておいた改善措置(原則5)をとります。

他の選択肢が不適切な理由
・危害要因をすべて洗い出して分析:原則1の危害要因の分析です。
・管理基準から外れたときの修正措置:原則5の改善措置です。
・計画が有効かを定期的に見直す:原則6の検証です。

覚え方のポイント
「モニタリング=見張って記録」「改善措置=外れたら直す」「検証=仕組み全体を確かめる」と区別しましょう。
問34-10

改正食品衛生法(2021年6月完全施行)で、小規模な飲食店などに求められているHACCPに関する衛生管理として、正しいものはどれか。

  • ①HACCPの国際認証を取得しなければ、営業許可が取り消される
  • ②小規模な飲食店は、HACCPに関する衛生管理が免除されている
  • ③手引書などを参考に、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行う
  • ④大規模な食品工場と同じ手順を、例外なくすべて行わなければならない
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正解 ③手引書などを参考に、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行う
解説
2018年の食品衛生法改正により、原則としてすべての食品等事業者に、一般的な衛生管理に加えて、HACCPに沿った衛生管理に取り組むことが求められるようになりました(2021年6月1日完全施行)。大規模な事業者などは「HACCPに基づく衛生管理」を、小規模な営業者や飲食店などは「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行います。後者では、業界団体が作成し厚生労働省が内容を確認した手引書を参考に、衛生管理計画を作り、実施・記録する簡略化されたアプローチが認められています。

他の選択肢が不適切な理由
・すべて免除されている:小規模な事業者も、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理が求められます。
・国際認証を取得しなければ営業許可が取り消される:法律が求めているのはHACCPに沿った衛生管理を行うことで、民間の国際認証(ISO 22000など)の取得は義務ではありません。
・大規模工場と同じ手順を例外なく:小規模事業者には簡略化されたアプローチが認められています。

覚え方のポイント
「大規模=HACCPに基づく衛生管理」「小規模・飲食店=HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(手引書を活用)」の2本立てと覚えましょう。
問44-10

大量調理施設衛生管理マニュアルの適用対象となる施設として、正しいものはどれか。

  • ①同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上
  • ②同一メニューを1回100食以上又は1日250食以上
  • ③従業員数が10人以上の、すべての飲食店や給食施設
  • ④客席数が50席以上の、すべての飲食店やレストラン
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正解 ①同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上
解説
大量調理施設衛生管理マニュアル(最終改正:平成29年6月16日)は、集団給食施設などでの食中毒を予防するために、HACCPの考え方に基づいて、調理過程における重要管理事項を示したものです。同一メニューを1回300食以上または1日750食以上を提供する調理施設に適用するとされています。それより規模の小さい施設でも、このマニュアルの趣旨を踏まえた衛生管理の徹底が求められています。

他の選択肢が不適切な理由
・1回100食以上又は1日250食以上:健康増進法の特定給食施設の基準です。
・従業員10人以上:マニュアルの適用は提供する食数(1回300食以上または1日750食以上)で決まり、従業員の人数は基準になっていません。
・客席50席以上:客席の数も適用の基準ではありません。一般の飲食店の多くは、手引書を活用して「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行います。

覚え方のポイント
「大量調理マニュアル=300食・750食」「特定給食施設=100食・250食」と、よく似た数字を区別して覚えます。
問54-10

大量調理施設衛生管理マニュアルで示されている加熱調理食品の加熱の目安として、正しいものはどれか(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品を除く)。

  • ①中心部を60℃で30秒間以上
  • ②中心部を65℃で1分間以上
  • ③表面を75℃で10秒間以上
  • ④中心部を75℃で1分間以上
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正解 ④中心部を75℃で1分間以上
解説
大量調理施設衛生管理マニュアルでは、加熱調理食品は、中心温度計を用いるなどにより、中心部が75℃で1分間以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合は85〜90℃で90秒間以上)またはこれと同等以上まで加熱されていることを確認し、温度と時間を記録するよう示されています。揚げ物、焼き物、煮物など調理方法ごとに、中心温度の測り方も示されています。

他の選択肢が不適切な理由
・65℃で1分間:温度が不十分です(65℃は、調理後の食品を温かい状態で保つときの温度の目安です)。
・表面を75℃で10秒間:表面ではなく中心部の温度で確認します。
・60℃で30秒間:温度も時間も不十分です。

覚え方のポイント
「中心75℃・1分以上」「二枚貝は85〜90℃・90秒以上」の2つを組で覚えます。「中心部」で測ることがポイントです。
問64-10

大量調理施設衛生管理マニュアルで示されている検食(保存食)の保存方法として、正しいものはどれか。

  • ①20g程度ずつ、冷蔵庫で3日間以上
  • ②50g程度ずつ、−20℃以下で2週間以上
  • ③100g程度ずつ、−5℃以下で1週間以上
  • ④50g程度ずつ、常温で24時間以上
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正解 ②50g程度ずつ、−20℃以下で2週間以上
解説
検食は、食中毒が発生したときに原因を調べるため、提供した食品を保存しておくものです。大量調理施設衛生管理マニュアルでは、原材料と調理済み食品を、食品ごとに50g程度ずつ清潔な容器(ビニール袋など)に入れて密封し、−20℃以下で2週間以上保存するよう示されています。原材料は洗浄・殺菌などを行わず購入した状態で、調理済み食品は配膳後の状態で保存します。

他の選択肢が不適切な理由
・20g程度・冷蔵で3日間:量も温度も期間も不十分です。
・100g程度・−5℃以下で1週間:温度も期間も不十分です。
・50g程度・常温で24時間:常温では菌が増えて原因の調査ができません。

覚え方のポイント
検食は「50g・−20℃・2週間」の3点セットで覚えます。食中毒の潜伏期間が長いもの(カンピロバクターは1〜7日など)もあるため、2週間以上保存します。
問74-10

大量調理施設衛生管理マニュアルで示されている、加熱調理後の食品を冷却する場合の目安として、正しいものはどれか。

  • ①3時間以内に中心温度を30℃付近まで下げる
  • ②30分以内に中心温度を20℃付近まで下げる
  • ③2時間以内に中心温度を20℃付近まで下げる
  • ④60分以内に中心温度を30℃付近まで下げる
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正解 ②30分以内に中心温度を20℃付近まで下げる
解説
加熱調理後の食品を冷却する場合、細菌が増えやすい温度帯(約20〜50℃)にとどまる時間をできるだけ短くすることが大切です。大量調理施設衛生管理マニュアルでは、食中毒菌の発育至適温度帯の時間を可能な限り短くするため、冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けしたりして、30分以内に中心温度を20℃付近(または60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫し、冷却開始時刻と終了時刻を記録するよう示されています。

他の選択肢が不適切な理由
・3時間以内に30℃付近:時間がかかりすぎ、温度も高すぎます。
・2時間以内に20℃付近:温度は合っていますが、時間がかかりすぎます。細菌が増えやすい温度帯に長くとどまります。
・60分以内に30℃付近:60分かける場合は10℃付近まで下げるのが目安で、30℃では高すぎます。
室温で自然に冷ますと、ウエルシュ菌などが増える原因になります。

覚え方のポイント
「冷やすなら速く:30分で20℃、または60分で10℃」と覚えます。大鍋のまま冷まさず、浅い容器に小分けにする、ブラストチラーを使うなどの方法があります。
問84-10

大量調理施設衛生管理マニュアルで、調理後の食品の喫食(食べること)までの時間の目安として示されているものはどれか。

  • ①調理開始から24時間以内
  • ②調理終了後から6時間以内
  • ③調理終了後から12時間以内
  • ④調理終了後から2時間以内
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正解 ④調理終了後から2時間以内
解説
大量調理施設衛生管理マニュアルでは、調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましいとされています。また、調理後ただちに提供される食品以外の食品は、食中毒菌の増殖を抑えるため、10℃以下または65℃以上で管理することが必要とされています。調理終了時刻や、保存時の温度などを記録します。

他の選択肢が不適切な理由
・調理終了後から6時間以内:目安(2時間以内)の3倍の長さで、その間に食中毒菌が増えるおそれがあります。
・調理終了後から12時間以内:半日も置くことになり、目安を大きく超えます。温度を管理していても、喫食までの時間は短くするのが原則です。
・調理開始から24時間以内:目安の起点は「調理開始」ではなく「調理終了」で、時間も2時間以内です。

覚え方のポイント
「調理後2時間以内に食べる」「待つなら10℃以下か65℃以上」とセットで覚えます。温かい料理は温かいまま、冷たい料理は冷たいままで管理する、という考え方です。
問94-10

大量調理施設衛生管理マニュアルで示されている原材料の保管温度の目安として、正しい組合せはどれか。

  • ①食肉類10℃以下・生鮮魚介類5℃以下
  • ②食肉類15℃以下・生鮮魚介類10℃以下
  • ③食肉類5℃以下・生鮮魚介類15℃以下
  • ④食肉類20℃以下・生鮮魚介類20℃以下
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正解 ①食肉類10℃以下・生鮮魚介類5℃以下
解説
大量調理施設衛生管理マニュアルでは、原材料ごとに保管温度の目安が示されています。主なものは、食肉・鯨肉10℃以下(細切して凍結し容器包装に入れたものは−15℃以下)、生鮮魚介類5℃以下、殻付卵10℃以下、液卵8℃以下、牛乳10℃以下、生鮮果実・野菜10℃前後、冷凍食品や冷凍で保存するもの−15℃以下などです。生鮮魚介類は、腸炎ビブリオなどの対策として、食肉類よりも低い温度で保管します。

他の選択肢が不適切な理由
・食肉類15℃・魚介類10℃:いずれも温度が高すぎます。
・食肉類5℃・魚介類15℃:魚介類の温度が高すぎ、組合せも逆です。
・どちらも20℃以下:細菌が増えやすい温度で、保管温度として不適切です。

覚え方のポイント
「肉は10℃、魚は5℃、冷凍は−15℃」と覚えます。冷蔵庫の中でも、魚介類は温度の低い場所に置き、生の食材が下段、加熱済み食品が上段になるように置いて、汁が垂れて汚染しないようにします。
問104-10

大量調理施設衛生管理マニュアルで、調理従事者に求められている検便の頻度として、正しいものはどれか。

  • ①6か月に1回以上
  • ②3か月に1回以上
  • ③月に1回以上
  • ④年に1回以上
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正解 ③月に1回以上
解説
大量調理施設衛生管理マニュアルでは、調理従事者等(臨時職員も含む)は、定期的な健康診断と、月に1回以上の検便を受けることとされています。検便には、腸管出血性大腸菌の検査を含めることとされ、また、10月から3月までの間には、月に1回以上または必要に応じてノロウイルスの検便検査に努めることとされています。下痢や嘔吐、発熱などの症状がある場合は、責任者に報告し、調理作業に従事しないことが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
・3か月に1回以上:マニュアルは毎月(月に1回以上)の検便を求めており、3か月に1回では間隔が長すぎます。
・6か月に1回以上:半年に1回では、その間に保菌者になっていても気づくのが遅れます。検便は月に1回以上です。
・年に1回以上:健康診断などの頻度と混同したひっかけです。

覚え方のポイント
「検便は月1回、O157を含む。冬(10〜3月)はノロの検査も」と覚えます。症状がなくても菌やウイルスを持っている場合(不顕性感染)があるため、定期的な検便が重要です。

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