2026年版・6-7

運営指針・ガイドラインの要点の一問一答

保育士 筆記試験「社会的養護」から、運営指針・ガイドラインの要点に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-7

乳児院運営指針(平成24年厚生労働省通知)に関する次のA〜Dの記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 日常の養育において「担当養育制」を行い、特別な配慮が必要な場合を除いて、基本的に入所から退所まで一貫した担当制とする。
B 他児と区別された「自分のもの」といえる玩具、食器、衣類、戸棚など、個別化を図る。
C 自立支援計画のためのアセスメントと計画の評価・見直しは、少なくとも1年ごとに定期的に行う。
D 家庭支援専門相談員をケアワークとは独立した専門職として配置し、その役割を明示する。

  • ①A○ B× C○ D○
  • ②A× B○ C× D○
  • ③A○ B○ C× D○
  • ④A○ B○ C○ D×
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正解 ③A○ B○ C× D○
解説

正解は「A○ B○ C× D○」です。乳児院運営指針は、平成24年3月に厚生労働省が社会的養護の施設種別ごとに示した運営指針の一つで、現在もこども家庭庁のページに掲載されています。
・A:○。保護者から離れて暮らす乳幼児が特定の大人との愛着関係を築けるよう、「担当養育制」を行い、基本的に入所から退所まで一貫した担当制とするとしています。
・B:○。家庭と異なる環境で暮らす乳幼児に対し、玩具、食器、衣類、戸棚などを個別化し、「自分のもの」をもてるようにするとしています。おもちゃの個別化と個人別の収納場所によって、自分の所有物という認識や喜び、自分で片付ける意欲を育てる、という記述もあります。
・C:×。指針は、アセスメントと計画の評価・見直しは「少なくとも半年ごとに定期的に行い、かつ緊急の見直しなど必要に応じて行う」としています。乳幼児は発達の変化が速いため、短い間隔での見直しが求められます。
・D:○。家庭支援専門相談員は、子どもの日常の世話(ケアワーク)とは独立した専門職として配置し、家族との関係調整や家庭復帰の支援にあたるとされています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C○ D×:見直しの間隔を「1年」と誤り、家庭支援専門相談員の位置付けも誤りとした組み合わせです。
・A○ B× C○ D○:個別化の記述(B)を誤りとし、Cの「1年ごと」を正しいとした組み合わせです。
・A× B○ C× D○:Cは正しく×にできていますが、一貫した担当制(A)を誤りとしています。複数の職員で交代して関わることを重視すると考えると、この誤りになります。

【覚え方のポイント】
乳児院運営指針のキーワードは「特定の大人との愛着関係」「担当養育制(入所から退所まで一貫)」「自分のものの個別化」「見直しは少なくとも半年ごと」。乳児院は乳幼児期という発達の土台の時期を支える施設である、という視点で読むと覚えやすくなります。
問26-7

児童養護施設運営指針(平成24年厚生労働省通知)に示された日常生活の支援に関する次のA〜Dの記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 小学生以上は個室が望ましいが、相部屋であっても個人の空間を確保する。
B 偏食の指導を適切に行うとともに、郷土料理、季節の料理、伝統行事の料理などに触れ、食文化を継承できるようにする。
C 個人の所有物について記名する場合は、年齢や子どもの意向に配慮する。
D 発達段階や好みに合わせて、四季を通じて子ども自身が衣服を購入する機会を設ける。

  • ①A× B○ C○ D○
  • ②A○ B○ C× D○
  • ③A× B× C○ D○
  • ④A○ B× C○ D×
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正解 ①A× B○ C○ D○
解説

正解は「A× B○ C○ D○」です。児童養護施設運営指針の第Ⅱ部 各論「養育・支援」には、食生活、衣生活、住生活、自己領域の確保などについて具体的な支援の在り方が示されています。
・A:×。住生活について、指針は「中学生以上は個室が望ましいが、相部屋であっても個人の空間を確保する」としています。「小学生以上」ではありません。思春期に入り、自分だけの空間の必要性が高まる年齢を目安にしていると理解しておきましょう。
・B:○。食生活では、食材の買い出しから後片付けまでに触れて基本的な食習慣を身に付けられるよう食育を推進し、偏食の指導を適切に行うこと、郷土料理などに触れて食文化を継承できるようにすることが示されています。
・C:○。自己領域の確保として、他児との共有の物をできる限りなくして個人所有とし、個人の所有物に記名する場合は「年齢や子どもの意向に配慮する」としています。記名が一方的な管理にならないようにするための配慮です。
・D:○。衣生活では、衣服を通じて適切に自己表現できるよう支援し、子ども自身が衣服を購入する機会を設けるとしています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:個室の記述(A)を正しいとし、記名への配慮(C)を誤りとした組み合わせです。
・A× B× C○ D○:Aは正しく×にできていますが、偏食の指導と食文化の継承(B)を誤りとしています。
・A○ B× C○ D×:個室の記述を正しいとしたうえに、食生活・衣生活の記述を誤りとした組み合わせです。

【覚え方のポイント】
運営指針の生活支援は「当たり前の生活」を保障する視点で書かれています。食=団らん・食育・食文化、衣=自分で選び購入する機会、住=「中学生以上」は個室が望ましい(相部屋でも個人の空間)、自己領域=個人所有と記名への配慮、成長の記録(アルバム)の整理、と整理しましょう。
問36-7

情緒障害児短期治療施設運営指針(平成24年厚生労働省通知。現在の施設名は児童心理治療施設)に示された治療・支援の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①治療の基盤は面接室での個人心理療法にあり、日々の生活支援はそれを補う位置付けとされる
  • ②入所治療は長期を前提とし、原則として高校を卒業する時まで施設で生活し、自立を目指していく
  • ③生活のルールは子どもの状態に合わせて、担当職員ごとに柔軟に決めることを原則としている
  • ④福祉・医療・心理・教育の協働により、施設での生活を治療的な経験にする総合環境療法を行う
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正解 ④福祉・医療・心理・教育の協働により、施設での生活を治療的な経験にする総合環境療法を行う
解説

正解は「福祉・医療・心理・教育の協働により、施設での生活を治療的な経験にする総合環境療法を行う」です。運営指針は、この施設の治療を、福祉、医療、心理、教育の協働により、日常生活、学校生活、個人心理治療、集団療法、家族支援、施設外での社会体験などを有機的に結びつけた総合的な治療・支援(総合環境療法)であると説明しています。
対象は、虐待などを背景に心理的な困難を抱え、日常生活に生きづらさを感じている子どもたちです。こうした子どもは「周囲の人は自分を責め脅かす」と感じて警戒心を解けないことがあるため、まず安全で安心できる生活の場を提供し、その生活そのものを治療的な経験にしていくことが治療の出発点とされています。なお、平成28年の児童福祉法改正により、平成29年4月から施設の名称は「児童心理治療施設」になりました。

他の選択肢が不適切な理由

・治療の基盤は面接室での個人心理療法にあり…:誤りです。指針は「治療の基盤は、治療的に配慮された日々の生活にある」としています。個人心理治療は総合環境療法の一部です。
・入所治療は長期を前提とし…:誤りです。指針は「入所治療は原則として数か月から2〜3年程度の期間とし」、家庭復帰や児童養護施設などへの措置変更を行い、通所やアフターケアとしての外来治療を行いながら地域で生活していくことを支援するとしています。
・生活のルールは…担当職員ごとに柔軟に決める:誤りです。指針は「ほぼ変わらずに流れ、子どもたちが見通しを持って行動ができる日課が、安心感につながる」とし、生活のルールは明確で公平であり、原則として職員によって対応が変わることが無いようにするとしています。一人一人への配慮は大切ですが、職員ごとにルールが違うと、不安の強い子どもは見通しがもてなくなります。

【覚え方のポイント】
児童心理治療施設は「生活そのものが治療の場」。キーワードは「総合環境療法」「治療の基盤は日々の生活」「変わらない日課と明確で公平なルールが安心感を生む」です。入所治療は原則として数か月から2〜3年程度とされ(指針作成時の平均入所期間は概ね2.5年)、家庭復帰や児童養護施設などへの措置変更につなぐことを目指す点も押さえておきましょう。
問46-7

次の文は、里親及びファミリーホーム養育指針(平成24年厚生労働省通知)の「里親・ファミリーホームの理念」の一部である。(A)(B)に入る語句の組み合わせとして正しいものはどれか。
社会的養護の養育は、家庭内の養育者が単独で担えるものではなく、家庭外の協力者なくして成立し得ない。養育責任を(A)して成り立つものである。また、家庭内における養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、養育のありかたをできるだけ「(B)」必要がある。

  • ①A 社会的に共有 B まもる
  • ②A 社会的に共有 B ひらく
  • ③A 公的に委任 B ひらく
  • ④A 公的に委任 B まもる
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正解 ②A 社会的に共有 B ひらく
解説

正解は「A 社会的に共有 B ひらく」です。里親及びファミリーホーム養育指針は、里親とファミリーホームを、社会的養護を必要とする子どもを養育者の家庭に迎え入れて養育する「家庭養護」と位置付けたうえで、社会的養護の養育は家庭外の協力者なくして成立し得ず、「養育責任を社会的に共有して成り立つもの」であり、養育のありかたをできるだけ「ひらく」必要があるとしています。
家庭は外から見えにくい私的な場です。そこで行われる養育を一人で抱え込むと、行き詰まりや不適切な関わりが起きても気付かれにくくなります。指針は別の箇所でも、養育に関してSOSを出せることは養育者としての力量の一部であり、自らの養育を「ひらき」、社会と「つながる」必要があると述べています。

他の選択肢が不適切な理由

・A 社会的に共有 B まもる:Aは正しいものの、Bが誤りです。この文は、家庭の中に閉じて守るのではなく、協力者を活用して外に開くことを求めています。
・A 公的に委任 B ひらく:Bは正しいものの、Aが誤りです。里親等の養育は、行政の委託を受けた公的な養育ではありますが、この文の趣旨は、養育の責任を家庭内だけで負わず、社会の中で分かち合うことです。
・A 公的に委任 B まもる:A・Bとも誤りです。

【覚え方のポイント】
家庭養護は「私的な場で行われる社会的かつ公的な養育」。だからこそ「養育責任を社会的に共有」し、「養育をひらく」。ファミリーホームの養育補助者にも、養育が密室化しないよう第三者的な視点で点検する役割があるとされています。「ひらく・つながる」を合言葉として覚えましょう。
問56-7

里親及びファミリーホーム養育指針が示す、社会的養護における「家庭養護」が満たすべき要件として、含まれていないものはどれか。

  • ①一貫かつ継続した特定の養育者の確保
  • ②特定の養育者との生活基盤の共有
  • ③一定の日課や献立表による生活の安定
  • ④同居する人たちとの生活の共有
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正解 ③一定の日課や献立表による生活の安定
解説

含まれていないのは「一定の日課や献立表による生活の安定」です。養育指針は、家庭養護が満たすべき要件として、(1)一貫かつ継続した特定の養育者の確保、(2)特定の養育者との生活基盤の共有、(3)同居する人たちとの生活の共有、(4)生活の柔軟性、(5)地域社会に存在、の5つを挙げています。
このうち「生活の柔軟性」について、指針は「一定一律の役割、当番、日課、規則、行事、献立表は、家庭になじまない」と明記しています。家庭にもルールはありますが、それは暮らしの中で柔軟に営まれるものであり、日課や規則が機械的に運用されると、子どもは自ら考えて行動する姿勢や、大切にされているという思いを育めない、という考え方です。

他の選択肢が不適切な理由

(いずれも5つの要件に含まれています)
・一貫かつ継続した特定の養育者の確保:同一の特定の養育者が継続的に存在することで、子どもは自尊心を培い、人間としての土台を形成できるとされています。
・特定の養育者との生活基盤の共有:養育者が子どもと生活する場に生活の本拠を置き、起居を共にすることです。共に生活を続けるという安心感が信頼につながります。
・同居する人たちとの生活の共有:暮らしをつくっていく過程を共に体験することで、生活の共有意識や情緒的な関係が育まれ、生活上必要な知恵や技術も学べるとされています。

【覚え方のポイント】
家庭養護の5要件は「特定の養育者(一貫・継続)」「生活基盤の共有」「同居する人との生活の共有」「生活の柔軟性」「地域社会に存在」。施設の集団生活と対比して、「決まった日課・当番・献立表」は家庭になじまないものとして否定されている、と覚えると選択肢で迷いません。
問66-7

小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)に関する次のA〜Dの記述について、「小規模住居型児童養育事業実施要綱」及び「里親及びファミリーホーム養育指針」に照らして、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A この事業は、養育者の家庭に児童を迎え入れ、家庭における養育環境と同様の養育環境において養育を行う家庭養護の一環として、児童間の相互作用を活かしつつ、児童の自主性を尊重し、自立を支援することを目的とする。
B ファミリーホームは、里親家庭が大きくなったものであり、施設が小さくなったものではない。
C ファミリーホームの基本型は、生活基盤を別に持つ職員が交代で勤務する住み込み職員型である。
D 児童養護施設等で児童の養育に従事した経験があれば、養育里親でなくても養育者となることができる。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A○ B× C○ D×
  • ③A× B○ C× D○
  • ④A○ B○ C× D×
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正解 ④A○ B○ C× D×
解説

正解は「A○ B○ C× D×」です。
・A:○。実施要綱の「第1 目的」の要旨です。ファミリーホームの特色は、複数の委託児童が一緒に暮らすことを生かす「児童間の相互作用」にあります。
・B:○。養育指針は、ファミリーホームは養育者の住居に子どもを迎え入れる家庭養護の養育形態であり、「里親家庭が大きくなったものであり、施設が小さくなったものではない」としています。
・C:×。養育指針は、ファミリーホームの基本型は夫婦型であり、生活基盤をそこに持たない住み込み職員型ではないとしています。実施要綱も、養育者はファミリーホームに生活の本拠を置く者でなければならないとし、2人の養育者を置く場合は夫婦であるものとしています。
・D:×。実施要綱は、養育者を養育里親である者であって、養育里親としての一定の養育経験がある者、児童養護施設等で児童の養育に3年以上従事した者などのいずれかに該当する者としています。施設での経験がある場合も、養育里親であることが前提です。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:A〜Cは正しく判断できていますが、Dの養育者の要件を誤っています。
・A○ B× C○ D×:ファミリーホームを「施設を小さくしたもの」と考え、BとCの正誤を逆にした組み合わせです。
・A× B○ C× D○:事業の目的(A)を誤りとし、養育者の要件(D)を正しいとした組み合わせです。

【覚え方のポイント】
ファミリーホームは「大きくなった里親家庭」。基本は夫婦型で、養育者はそこで暮らす(生活の本拠)。養育者は養育里親であることが前提で、特色は「児童間の相互作用」。委託児童の定員は5人又は6人です。施設の小規模化(地域小規模児童養護施設など)とは別の仕組みとして区別しましょう。
問76-7

こども家庭庁「一時保護ガイドライン」に示された、一時保護の決定に当たって聴取したこどもの意見の記録に関する記述として適切なものを、次のA〜Eから2つ選んだ組み合わせとして正しいものはどれか。
A 聴取内容は、こどもから聴き取った内容をそのまま記載し、必要に応じて要約を行う。
B こどもの心情が揺らいで当初の意見を撤回した場合は、撤回前の意見は記録から除き、最終的な意見のみを記録する。
C こどもが意見を言いたくないという態度を示しているときは、その旨を記録する。
D 乳幼児など言葉による意見の表出が困難なこどもについては、保護者から聴き取った意向をこども本人の意見として記録する。
E 記録に当たっては、こどもの意見と児童相談所の所見を一体のものとしてまとめて記載する。

  • ①A・C
  • ②A・B
  • ③C・D
  • ④B・E
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正解 ①A・C
解説

正解は「A・C」です。令和4年の児童福祉法改正で、一時保護などの措置の際にこどもの意見又は意向を聴く「意見聴取等措置」(児童福祉法第33条の3の3)が設けられました。一時保護ガイドラインは、聴取した意見は児童記録票に記録して保管し、日時場所、説明方法、説明内容、聴取内容、こどもの反応・様子、所見を記載するとしています。
・A:○。聴取内容は、こどもから聴き取った内容をそのまま記載し、必要に応じて要約を行うとされています。可能な限り、内容に相違がないかこども本人にも確認してもらうことが望ましいとしています。
・B:×。こどもの心情が揺らいだり当初の意見を撤回したりした場合は、「そうした揺れ動きも受け止め、こどもの意見等として記録すべき」とされています。
・C:○。意見を言いたくないという態度も、こどもの意思の表れとして記録します。
・D:×。乳幼児や障害児など言葉による表出が困難なこどもについては、泣き方や表情、しぐさや身振り等の反応や行動変化を客観的に記録するとしています。例として、保護者が近くにいるときといないときの様子の違いを観察して記録することが挙げられています。保護者の意向をこどもの意見に置き換えるものではありません。
・E:×。こどもの意見等は客観的・具体的な事実として記載し、児童相談所の所見とは混同させないことが重要とされています。

他の選択肢が不適切な理由

・A・B:意見の揺れ動きを記録から除くとしたBを選んでいます。
・C・D:言葉で表せないこどもの意向を保護者の意向で代える、としたDを選んでいます。
・B・E:いずれも誤りの記述です。

【覚え方のポイント】
こどもの意見の記録は「そのまま・揺れも・言いたくない態度も・言葉以外の反応も」記録し、「所見とは分ける」。記録は、こどもの声を大人の解釈で上書きしないためのものだと理解しておくと、細かい文言を問われても判断できます。
問86-7

こども家庭庁「被措置児童等虐待対応ガイドライン」(令和7年10月から適用されている版)に関する次のA〜Dの記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 施設等で被措置児童等虐待が発見された場合には、被害を受けた子どものほか、その施設等で生活している他の被措置児童等に対しても、適切で分かりやすい経過説明ときめ細かなケアを実施することが必要である。
B 被害を受けた子どもへの個々のケアの具体的な方針については、基本的に当該施設の施設長が責任主体となる。
C 聞き取り調査は、全ての被措置児童等や施設職員等に実施するなど、通告者や届出者が特定できないよう十分配慮した方法で実施する。
D 子ども間のいじめや暴力などの問題行為を施設職員等が放置することは、被措置児童等虐待に該当すると考えられる。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A○ B× C○ D○
  • ③A× B× C○ D○
  • ④A○ B○ C○ D×
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正解 ②A○ B× C○ D○
解説

正解は「A○ B× C○ D○」です。このガイドラインは、施設職員や里親などによる被措置児童等虐待について、都道府県等が行う対応の手順と考え方を示したもので、令和7年10月1日から新しい版が適用されています。
・A:○。複数の子どもが生活する場で虐待が起きた場合、ほかの子どもも不安を抱えたり、同様の被害を受けていたりする可能性があるため、他の被措置児童等への経過説明ときめ細かなケアが必要とされています。
・B:×。ガイドラインは、個々の被措置児童等のケアの具体的な方針については、基本的に児童相談所が責任主体となるとしています。施設運営そのものの見直しや改善については、都道府県(担当部署)が責任主体となり、児童相談所と連携して対応するとされています。
・C:○。聞き取り調査は、通告者や届出者が特定されないよう、全ての子どもや職員に実施するなどの配慮が必要とされています。子どもからの聞き取りでは、二次被害が生じないよう心情に配慮することも求められています。
・D:○。子ども間の問題行為(いじめ、暴力、性問題等)を施設職員等が放置することは、児童福祉法第33条の10第1項第3号(養育又は業務を著しく怠ること)の規定により、被措置児童等虐待に該当すると考えられる、とされています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:ケアの責任主体を施設長と誤り、通告者を守るための調査方法(C)を誤りとした組み合わせです。
・A× B× C○ D○:Bは正しく×にできていますが、他の子どもへのケア(A)を誤りとしています。
・A○ B○ C○ D×:ケアの責任主体を誤り、子ども間の問題行為の放置が虐待にあたることを見落とした組み合わせです。

【覚え方のポイント】
被措置児童等虐待への対応は「こどものケア方針=児童相談所」「施設運営の改善=都道府県」と主体を分けて覚えます。また、職員自身が手を出さなくても「子ども同士の加害を放置する」ことはネグレクトにあたり得る点が、よく問われます。
問96-7

こども家庭庁「親子関係再構築のための支援体制強化に関するガイドライン」(令和5年12月)に示された考え方として適切なものを、次のA〜Eから3つ選んだ組み合わせとして正しいものはどれか。
A 親子関係再構築支援は、里親・ファミリーホーム・施設で生活するこどもとその親だけでなく、在宅で生活する親子も対象とする。
B こどもは親子関係再構築の主体であり、支援はこどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていく必要がある。
C 親自身も自らの生育歴や家族関係の中で様々な課題を抱えている場合があり、親自身への支援も必要である。
D 親子関係再構築支援は、親子が再び一緒に暮らすこと(家庭復帰)を唯一の目的として行う。
E 親子の交流がない場合は、親子関係再構築支援の対象とはならない。

  • ①A・B・D
  • ②B・C・E
  • ③A・C・E
  • ④A・B・C
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正解 ④A・B・C
解説

正解は「A・B・C」です。このガイドラインは、令和4年の児童福祉法改正で親子再統合支援事業が創設されたことを受けて、都道府県等が親子関係再構築支援を適切に行うための体制整備の在り方を示したものです。親子関係再構築支援とは、「こどもと親がその相互の肯定的つながりを主体的に築いていけるよう、虐待をはじめとする養育上の問題や課題に直面している家庭の親子関係の修復や再構築に取り組むこと」と定義されています。
・A:○。在宅で生活する親子を対象とした支援も含む、とされています。
・B:○。「こどもは親子関係再構築の主体であり」、こどもの意見・意向を丁寧に確認しながら進めていくことが必要とされています。
・C:○。親自身も生育歴や家族関係の中で課題や葛藤を抱え、うまく養育できずに親子関係に問題が生じている場合があるため、親自身への支援も必要とされています。
・D:×。家庭復帰を唯一の目的とするものではなく、家族の状況や課題に応じた多様な形での関係修復や再構築を指すとされています。家庭復帰が困難な場合に、一定の距離をとった交流を続けながら互いを受け入れ認め合う関係を築くことも含まれます。
・E:×。親子の交流がない場合も含め、こどもの生い立ちの整理や、きょうだい等の家族・親族との関係性の構築、永続的なつながりや養育環境を構築するための支援も含まれるとされています。

他の選択肢が不適切な理由

・A・B・D:家庭復帰を唯一の目的とするDを選んでいます。
・B・C・E:交流がない場合は対象外とするEを選び、在宅の親子も対象とするAを落としています。
・A・C・E:こどもを主体とするBを落とし、Eを選んでいます。

【覚え方のポイント】
親子関係再構築は「家庭復帰だけではない」「在宅の親子も」「交流がなくても(生い立ちの整理など)」「主体はこども(と親)」「親自身への支援も必要」。パーマネンシー(永続的な養育環境)の保障を目指す中で、こどもの最善の利益の実現を目的とする、という位置付けも押さえておきましょう。
問106-7

児童自立支援施設運営指針(平成24年厚生労働省通知)に示された支援の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①自立を支えるために一定の「枠のある生活」を基盤とするが、規則の押し付けや管理のためのものとはしない
  • ②生徒会など子どもの自主的な活動よりも、職員が定めた日課や規則を守らせることを支援の中心に置く
  • ③子どもとの関わりでは言葉による指導を中心とし、表情や態度などの非言語的な関わりには頼らないようにする
  • ④思春期の子どもが職員との関わりを避ける場合は、関係づくりより先に行動上の問題への指導を優先する
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正解 ①自立を支えるために一定の「枠のある生活」を基盤とするが、規則の押し付けや管理のためのものとはしない
解説

正解は「自立を支えるために一定の『枠のある生活』を基盤とするが、規則の押し付けや管理のためのものとはしない」です。運営指針は、施設内での生活という限定された時間的・空間的な枠組みの中で、子どもの自立を支援するための一定の「枠のある生活」とも言うべき保護・支援基盤が重要であるとしたうえで、「ただし、規則の押し付けや管理のためとなってはならない」と明記しています。
児童自立支援施設は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童や、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所又は通所させ、自立を支援する施設です(児童福祉法第44条)。見通しのもてる安定した生活の枠組みは、子どもが安心して自分の課題に向き合う土台になりますが、それが管理目的になると、子どもの主体性を育てるという本来の目的から外れてしまいます。

他の選択肢が不適切な理由

・職員が定めた日課や規則を守らせることを支援の中心に置く:誤りです。枠のある生活は「規則の押し付けや管理のためとなってはならない」とされています。指針は、子どもが職員の支援を受動的に受ける上下関係ではなく、生徒会などの自主的な活動を活用し、施設全体が相互の人格を尊重した養育・教育を展開する生活共同体として機能することが大切だとしています。
・子どもとの関わりでは言葉による指導を中心とし…:誤りです。言語的コミュニケーションは重要だがごく一部であり、言葉にばかり依存しすぎず、非言語的コミュニケーションや意識化されない関わりを大切にするとされています。
・関係づくりより先に行動上の問題への指導を優先する:誤りです。指針は、養育・教育の始まりの時期に思春期の子どもが職員との関係を持ちたがらないときは、まず職員がその心情を理解し、じっくりと関わりながら子どもが心を開くまで待つという態度で寄り添い、「つながりの契機」を見いだす努力をするとしています。

【覚え方のポイント】
児童自立支援施設のキーワードは「枠のある生活(ただし管理のためではない)」「生活共同体」「共生共育(共に生活する中で共に育ち合う)」「育ち・育てなおし」。職員が子どもと生活を共にしながら関わるという伝統をもつ施設である、と理解しておきましょう。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 社会的養護の一問一答

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