2026年版・4-10

地域福祉の推進と現代の課題の一問一答

保育士 筆記試験「社会福祉」から、地域福祉の推進と現代の課題に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-10

社会福祉法において、市町村が市町村地域福祉計画を策定し、又は変更しようとするときに、あらかじめ行うよう努めるものとされていることはどれか。

  • ①都道府県知事の認可を受けること
  • ②地域住民等の意見を反映させること
  • ③厚生労働大臣の承認を受けること
  • ④社会福祉協議会の同意を得ておくこと
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正解 ②地域住民等の意見を反映させること
解説

社会福祉法第107条第2項は、市町村は、市町村地域福祉計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、地域住民等の意見を反映させるよう努めるとともに、その内容を公表するよう努めるものとすると定めています。地域福祉は、行政だけで進めるものではなく、地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者、社会福祉に関する活動を行う者(地域住民等)がともに担い手となって進めるものです(第4条第2項)。そのため、計画づくりの段階から住民が参加し、地域の実情や住民の声を計画に反映させることが重視されているのです。また、市町村は、定期的に計画について調査、分析及び評価を行うよう努めるとともに、必要があると認めるときは計画を変更するものとされています(同条第3項)。

他の選択肢が不適切な理由

・都道府県知事の認可:市町村地域福祉計画の策定に、都道府県知事の認可は必要ありません。都道府県は、市町村の地域福祉を支援する立場から、都道府県地域福祉支援計画を策定するよう努めるものとされています(第108条)。
・厚生労働大臣の承認:市町村地域福祉計画に、厚生労働大臣の承認を得る手続はありません。
・社会福祉協議会の同意:社会福祉協議会は地域福祉の推進を図る団体として計画づくりに協力することが期待されますが、法律上、その同意が要件とされているわけではありません。

【覚え方のポイント】
地域福祉計画は「市町村=市町村地域福祉計画」「都道府県=都道府県地域福祉支援計画(名称に“支援”が入る)」で、どちらも策定は努力義務です。策定時は「住民等の意見の反映と公表」、策定後は「定期的な調査・分析・評価」と、計画の流れで押さえましょう。
問24-10

次の文は、社会福祉法第4条第1項(地域福祉の推進)である。(A)(B)にあてはまる語句の組合せとして正しいものはどれか。
「地域福祉の推進は、地域住民が相互に(A)を尊重し合いながら、参加し、(B)する地域社会の実現を目指して行われなければならない。」

  • ①A:人格と個性 B:共生
  • ②A:人格と個性 B:自立
  • ③A:意見と立場 B:共生
  • ④A:意見と立場 B:自立
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正解 ①A:人格と個性 B:共生
解説

社会福祉法第4条第1項は、地域福祉の推進は、地域住民が相互に(A)人格と個性を尊重し合いながら、参加し、(B)共生する地域社会の実現を目指して行われなければならないと定めています。障害の有無、年齢、国籍などにかかわらず、誰もが地域社会の一員として互いを尊重し、支え合って暮らす社会をめざすという考え方で、「地域共生社会」の実現という国の政策の方向とも重なります。同条第2項は、地域住民等は、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるよう、地域福祉の推進に努めなければならないとし、第3項は、地域住民等が地域生活課題を把握し、支援関係機関と連携して解決を図るよう特に留意するものとしています。

他の選択肢が不適切な理由

・A:人格と個性 B:自立:(A)は正しいのですが、(B)は「共生」です。条文は、一人ひとりの自立だけでなく、ともに生きる地域社会の実現を目標に掲げています。
・A:意見と立場 B:共生:(A)が誤りです。条文が尊重し合うものとしているのは「人格と個性」です。
・A:意見と立場 B:自立:(A)(B)ともに誤りです。

【覚え方のポイント】
「人格と個性を尊重し合う」は、障害者基本法や障害者総合支援法、障害者差別解消法の目的・理念にも共通して出てくる表現です。「参加し、共生する」とセットで、福祉の法律に共通する基本の言い回しとして覚えておくと、語句補充の問題に強くなります。
問34-10

社会福祉法に規定する重層的支援体制整備事業に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①地域社会への参加の支援や地域づくりに向けた支援も一体的に行う
  • ②高齢・障害・子ども・生活困窮の各分野の相談支援を一体的に行う
  • ③長期にわたり孤立している人などへの訪問による継続的な支援も含む
  • ④都道府県が実施主体で、市町村はこの事業を実施することができない
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正解 ④都道府県が実施主体で、市町村はこの事業を実施することができない
解説

重層的支援体制整備事業は、社会福祉法第106条の4にもとづき、市町村が、地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するために行うことが「できる」事業です(同条第1項)。都道府県が実施主体となるのではないので、この記述が誤りです。国と都道府県は、市町村でこの事業などが適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言や情報の提供などの援助を行う立場にあります(第6条第3項)。この事業は、高齢者の介護、障害、子育て、生活困窮といった分野ごとに分かれていた支援では対応しにくい、複数の課題が絡み合った世帯(たとえば、介護と子育てを同時に抱える世帯や、ひきこもりの状態にある人がいる世帯)を丸ごと支えるために創設されました。

他の選択肢が適切な理由

・参加の支援や地域づくりに向けた支援:正しい記述です。第106条の4第2項第3号は、地域住民が地域社会に参加する機会を確保するための支援や、地域生活課題の発生の防止・解決に向けた地域づくりの支援を、この事業に含めています。
・分野を超えた相談支援:正しい記述です。介護保険法、障害者総合支援法、子ども・子育て支援法、生活困窮者自立支援法にもとづく相談支援の事業を一体的に行い、属性や世代を問わずに相談を受け止めます(同項第1号)。
・訪問による継続的な支援:正しい記述です。地域社会からの孤立が長期にわたる人などに、訪問によって状況を把握したうえで、継続的に相談に応じる事業(アウトリーチ等を通じた継続的支援)も含まれています(同項第4号)。このほか、多機関協働による支援なども一体的に行います。

【覚え方のポイント】
重層的支援体制整備事業は「実施主体=市町村(任意)」「3つの支援=相談支援・参加支援・地域づくりに向けた支援」を中心に覚えます。「分野ごとの縦割り」を超え、「属性や世代を問わない」支援である点がキーワードです。子育て家庭の複雑な困りごとも、この仕組みで受け止められます。
問44-10

地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律で定義された「地域包括ケアシステム」において、包括的に確保されるものとして挙げられていないものはどれか。

  • ①医療
  • ②住まい
  • ③所得の保障
  • ④介護予防
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正解 ③所得の保障
解説

地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律第2条第1項は、地域包括ケアシステムを、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制と定義しています。「所得の保障」は、この定義に挙げられていません。所得の保障は、主に年金や生活保護などの制度が担う領域です。地域包括ケアシステムは、高齢者が要介護状態になっても、病院や施設ではなく、できる限り住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるよう、必要なサービスを身近な地域で切れ目なく提供する体制をめざすものです。

他の選択肢が不適切な理由

・医療:定義に含まれています。在宅医療や、病院と介護の連携などが重要な要素です。
・住まい:定義に含まれています。高齢者が安心して暮らせる住まいの確保は、地域で暮らし続けるための前提となります。
・介護予防:定義に含まれています。要介護状態になることを予防し、又は要介護状態の軽減・悪化の防止を図ることで、元気なうちから地域での生活を支えます。

【覚え方のポイント】
地域包括ケアシステムの5つの要素は「医療・介護・介護予防・住まい・生活支援」です。「住まい」を土台に、その上に医療・介護・介護予防・生活支援が乗っている、とイメージすると覚えやすくなります。近年は、この考え方を高齢者だけでなく、障害者や子育て家庭を含めた地域共生社会の実現へと広げていく方向が示されています。
問54-10

人々の間の信頼、お互いさまという互酬性の規範、人と人とのネットワークといった、人々の協調的な行動を促し、地域社会の力を高める関係のあり方を指す概念で、パットナムの研究によって広く知られるようになったものはどれか。

  • ①ソーシャル・キャピタル
  • ②ソーシャル・インクルージョン
  • ③ノーマライゼーション
  • ④エンパワメント
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正解 ①ソーシャル・キャピタル
解説

ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)は、人々の間の信頼、互酬性の規範(助けてもらったら助け返す、お互いさまという考え方)、ネットワーク(人と人とのつながり)といった、社会の中の関係のあり方を、お金や建物と同じように社会の「資本(財産)」としてとらえる概念です。アメリカの政治学者パットナムは、イタリアの地方自治やアメリカの地域社会の研究を通して、こうしたつながりが豊かな地域ほど、住民の協力が生まれやすく、行政や地域の活動がうまく機能することを示しました。地域福祉の分野では、近所の見守りや声かけ、子育てサークル、ボランティア活動などの住民どうしのつながりが、孤立の予防や困りごとの早期発見につながる力として重視されています。

他の選択肢が不適切な理由

・ソーシャル・インクルージョン:社会的包摂と訳され、貧困や障害、孤立などによって社会から排除されがちな人々を、社会の一員として包み込み、支え合う考え方です。地域のつながりを資本としてとらえる概念ではありません。
・ノーマライゼーション:障害のある人も、障害のない人と同じように地域で普通の生活を送れるよう、社会の条件を整えていこうとする理念です。デンマークのバンク-ミケルセンが提唱しました。
・エンパワメント:差別や抑圧などによって力を奪われた状態にある人が、本来もっている力を取り戻し、自分の生活や環境に働きかけられるよう支える考え方です。

【覚え方のポイント】
ソーシャル・キャピタルは「信頼・規範・ネットワーク」の3つの要素と、「パットナム」という人名をセットで覚えます。「キャピタル=資本」なので、「人のつながりは地域の財産」と言い換えると意味がつかみやすくなります。保育所が保護者どうしや地域とのつながりをつくる取組も、地域のソーシャル・キャピタルを育てる働きの一つといえます。
問64-10

子育てと親などの介護を同時期に担う状態を指す言葉として、最も適切なものはどれか。

  • ①ヤングケアラー
  • ②ダブルケア
  • ③8050問題
  • ④老老介護
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正解 ②ダブルケア
解説

ダブルケアとは、子育てと、親などの介護を同じ時期に担う状態を指す言葉です。晩婚化・晩産化によって出産の年齢が上がったことで、子育ての時期と親の介護が必要になる時期が重なりやすくなったことが背景にあるとされます。育児と介護の両方の負担が一人に集中しやすく、仕事を続けることが難しくなったり、心身の疲労が重なったりするおそれがあります。また、育児は子ども家庭福祉、介護は高齢者福祉と、相談先や制度が分野ごとに分かれているため、支援が届きにくいという課題もあり、分野を超えた包括的な支援体制(重層的支援体制整備事業など)が求められる代表的な例とされています。保育所に子どもを預ける保護者がダブルケアの状態にあることもあり、保育士が変化に気づいて声をかけることが支援の入口になります。

他の選択肢が不適切な理由

・ヤングケアラー:本来大人が担うと想定される家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもや若者を指します。担い手が子ども・若者である点が特徴です。
・8050問題:80歳代の親が、ひきこもりなどの状態にある50歳代の子どもの生活を支え、親の高齢化とともに家庭が孤立・困窮していく問題を指します。
・老老介護:高齢者が高齢者を介護する状態を指します(例:高齢の夫婦の一方が他方を介護する)。

【覚え方のポイント】
「ダブル(2つ)=子育て+介護」「ヤング=担い手が子ども」「8050=80代の親と50代の子」「老老=高齢者どうし」と、言葉の意味から区別します。いずれも一つの分野の制度だけでは解決しにくい「複合的な課題」の例として、地域共生社会や重層的支援体制整備事業の問題とあわせて出題されます。
問74-10

孤独・孤立対策推進法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①孤独・孤立の状態は、人生のあらゆる段階で誰にでも生じうるものとされる
  • ②当事者等の立場に立ち、状況に応じた支援を継続的に行うことを旨とする
  • ③国は、孤独・孤立対策に関する施策を策定し、実施する責務を有する
  • ④地方公共団体は、孤独・孤立対策地域協議会を置かなければならない
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正解 ④地方公共団体は、孤独・孤立対策地域協議会を置かなければならない
解説

孤独・孤立対策推進法(2024年4月1日施行)第15条第1項は、地方公共団体は、関係機関などにより構成される孤独・孤立対策地域協議会を置くよう努めるものとすると定めています。設置は努力義務であり、置かなければならない(義務)とする記述が誤りです。協議会は、支援に関わる機関や団体が情報を交換し、当事者等への支援の内容を協議する場で、地域の実情に応じて設けることが期待されています。この法律は、孤独や孤立を本人の努力不足ではなく、社会の変化の中で誰にでも起こりうる「社会全体の課題」として位置づけた点に大きな意味があります。

他の選択肢が適切な理由

・誰にでも生じうる:正しい記述です。第2条第1号は、孤独・孤立の状態は人生のあらゆる段階において何人にも生じ得るものであり、孤独・孤立の状態にある者の問題が社会全体の課題であるとの認識の下に対策を進めることを、基本理念の一つとしています。
・当事者等の立場に立った継続的な支援:正しい記述です。第2条第2号は、孤独・孤立の状態となる要因や状態が多様であることから、当事者等の立場に立って、状況に応じた支援が継続的に行われるようにすることを旨とするとしています。
・国の責務:正しい記述です。第3条は、国は基本理念にのっとり、孤独・孤立対策に関する施策を策定し、及び実施する責務を有すると定めています。地方公共団体にも、地域の状況に応じた施策を策定し実施する責務があります(第4条)。

【覚え方のポイント】
孤独・孤立対策推進法は「誰にでも起こりうる」「社会全体の課題」「当事者の立場に立った継続的な支援」「国と地方公共団体の責務」「地域協議会は努力義務」「推進本部は内閣府」がキーワードです。子育て中の保護者の孤立も重要な課題であり、保育所や地域子育て支援拠点が、孤立を防ぐ身近な場としての役割を担っています。
問84-10

制度・分野ごとの縦割りや、「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会として、国が実現をめざしているものはどれか。

  • ①福祉国家
  • ②地域包括ケアシステム
  • ③地域共生社会
  • ④福祉多元主義
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正解 ③地域共生社会
解説

地域共生社会は、厚生労働省が、これからの福祉のあり方としてその実現をめざしている社会像です。人口減少や高齢化、家族のあり方の変化などにより、地域のつながりが弱まり、介護と子育て、障害と生活困窮など、一つの世帯が複数の課題を抱えるケースが増えています。こうした課題には、高齢・障害・子どもといった制度ごとに分かれた「縦割り」の支援では対応しきれません。そこで、支援する側・される側という固定的な関係ではなく、誰もが役割をもち、支え合いながら暮らせる地域をつくることがめざされています。社会福祉法第4条の「共生する地域社会の実現」や、重層的支援体制整備事業の創設は、この考え方を法律に反映したものです。

他の選択肢が不適切な理由

・福祉国家:国が社会保障や社会福祉の制度を整え、国民の生活を保障する責任を担う国家のあり方を指します。第二次世界大戦後のイギリスなどが典型とされます。問題文のような、地域での住民参加を中心とした社会像ではありません。
・地域包括ケアシステム:主に高齢者を対象に、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を地域で包括的に確保する体制のことです。地域共生社会の実現に向けた中核的な基盤とされますが、問題文の社会像そのものではありません。
・福祉多元主義:福祉の担い手を国や地方公共団体だけでなく、民間の事業者、非営利組織、家族、地域など多様な主体に広げていく考え方です。

【覚え方のポイント】
「縦割りを超える」「支え手・受け手を超える」「世代や分野を超えてつながる」とあれば地域共生社会です。地域包括ケアシステム(主に高齢者の支援体制)は、地域共生社会という大きな目標を支える仕組みの一つ、と位置づけて整理しましょう。
問94-10

次のA〜Dのうち、民生委員法に定める民生委員の職務などに関する記述として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくことは、民生委員の職務である。
B 福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力することは、民生委員の職務である。
C 民生委員は、その職務に関して、市町村長の指揮監督を受ける。
D 民生委員は、職務の遂行に当たり、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守らなければならない。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A○ B× C○ D×
  • ③A× B○ C○ D○
  • ④A○ B○ C○ D×
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正解 ①A○ B○ C× D○
解説

A:○。民生委員法第14条第1項第1号は、民生委員の職務として、住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくことを挙げています。地域の身近な相談相手として、見守りを通じて支援が必要な人に早く気づくことが期待されています。
B:○。同項第5号は、福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力することを職務としています。生活保護法でも、民生委員は保護の事務の執行に協力するものとされています。
C:×。民生委員法第17条第1項は、民生委員は、その職務に関して、都道府県知事の指揮監督を受けると定めています。市町村長は、民生委員に対し、援助を必要とする者に関する資料の作成を依頼するなど、職務に関して必要な指導をすることができる立場です(同条第2項)。
D:○。同法第15条は、民生委員は、職務を遂行するに当たっては、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守り、人種、信条、性別、社会的身分又は門地によって差別的又は優先的な取扱いをすることなく、その処理は実情に即して合理的に行わなければならないと定めています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B× C○ D×:Bを×、Cを○、Dを×としている点が誤りです。
・A× B○ C○ D○:Aを×、Cを○としている点が誤りです。
・A○ B○ C○ D×:Cを○、Dを×としている点が誤りです。

【覚え方のポイント】
民生委員の職務は「把握する・相談に応じる・情報を提供する・事業者や活動を支援する・行政に協力する」の5つです。「委嘱は厚生労働大臣」「指揮監督は都道府県知事」「市町村長は指導・資料作成の依頼」と、関わる主体ごとの役割を分けて覚えましょう。
問104-10

同じ病気や障害、依存症、子育ての悩みなど、共通の問題や体験をもつ当事者どうしが自発的に集まり、体験を分かち合い、互いに支え合うことで問題に向き合っていく集団を何というか。

  • ①ピア・スーパービジョン
  • ②ケースカンファレンス
  • ③ソーシャルアクション
  • ④セルフヘルプグループ
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正解 ④セルフヘルプグループ
解説

セルフヘルプグループ(自助グループ)は、共通の問題や体験を抱える当事者が自発的に集まり、専門職に頼りきるのではなく、当事者どうしの対等な関係の中で、体験を語り合い、分かち合い、支え合う集団です。同じ立場の仲間がいることで「自分だけではない」と感じられ、孤立感がやわらぎます。また、他の人の役に立つ経験を通して自分の力を取り戻すこと(ヘルパー・セラピー原則)や、当事者ならではの知恵や情報が共有されることにも意義があります。アルコール依存症の当事者の会、障害のある子どもの親の会、ひとり親家庭の会などがその例です。専門職は、グループの自主性を尊重し、必要に応じて側面から支えることが求められます。

他の選択肢が不適切な理由

・ピア・スーパービジョン:同僚や仲間の援助者どうしが、事例を検討したり助言し合ったりする、援助者の側の学び合いです。当事者の集まりではありません。
・ケースカンファレンス:一人の利用者の支援について、関係する専門職や機関が集まって情報を共有し、支援の方針を検討する会議(事例検討会議)です。
・ソーシャルアクション:地域住民や当事者が組織化し、行政や議会などに働きかけて、制度やサービスの創設・改善を求める社会活動の方法です。セルフヘルプグループがソーシャルアクションに取り組むことはありますが、問題文の集団そのものを指す言葉ではありません。

【覚え方のポイント】
「当事者どうし・自発的・分かち合い」=セルフヘルプグループ、「援助者どうし」=ピア・スーパービジョン、「専門職が集まって支援方針を検討」=ケースカンファレンス、「制度を変えるよう働きかける」=ソーシャルアクション、と「誰が・何のために集まるか」で区別します。保育所で保護者どうしのつながりを支えることも、この考え方に通じます。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 社会福祉の一問一答

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