2026年版・4-7

相談援助(ソーシャルワーク)の理論と原則の一問一答

保育士 筆記試験「社会福祉」から、相談援助(ソーシャルワーク)の理論と原則に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-7

バイステックが示したケースワークの援助関係の7つの原則に含まれないものはどれか。

  • ①個別化
  • ②受容
  • ③秘密保持
  • ④傾聴
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正解 ④傾聴
解説

アメリカのバイステックは、援助者と利用者(クライエント)との間に望ましい援助関係をつくるための原則として、個別化、意図的な感情表出、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、利用者の自己決定、秘密保持の7つを示しました。これらは、利用者が援助の場で抱く基本的な欲求(一人の人間として扱われたい、感情を表したい、共感してほしい、価値ある人として受け止められたい、一方的に裁かれたくない、自分で選びたい、秘密を守ってほしい)に対応して導かれたものです。傾聴は、相手の話に心を傾けて聴く面接の基本的な姿勢・技法として大切ですが、バイステックの7原則の一つとして挙げられたものではありません。

他の選択肢が適切な理由

・個別化:7原則の一つです。利用者を「よくある問題を抱えた人」として類型的に扱うのではなく、固有の事情と個性をもつ一人の人間としてとらえ、その人に合った援助を行うことです。
・受容:7原則の一つです。利用者の長所も短所も、好ましい態度も好ましくない態度も含めて、ありのままの姿を受け止めることです。ただし、反社会的な行動そのものを認めることとは区別されます。
・秘密保持:7原則の一つです。援助の中で知り得た利用者の情報を守ることで、利用者が安心して話せる信頼関係の土台になります。

【覚え方のポイント】
7原則は「個別化・意図的な感情表出・統制された情緒的関与・受容・非審判的態度・自己決定・秘密保持」です。「感情」に関わるものが2つ(表出させる・援助者が統制する)ある点がポイントです。傾聴や共感、ラポールといった面接の基本用語は、7原則そのものではないので区別しましょう。保育所保育指針の子育て支援で求められる「保護者の自己決定の尊重」「秘密保持」も、この原則とつながっています。
問24-7

保護者が保育士に「最近、つい子どもに大きな声で怒鳴ってしまうんです」と打ち明けた。保育士は「それはよくないですね」などと評価を口にせず、まず保護者の話を最後まで聴いた。バイステックの7原則のうち、援助者が自分の価値観で利用者の言動の善し悪しを一方的に判断しないという原則として、最も適切なものはどれか。

  • ①非審判的態度
  • ②統制された情緒的関与
  • ③意図的な感情表出
  • ④個別化
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正解 ①非審判的態度
解説

非審判的態度は、援助者が、利用者の言動や態度、抱えている問題について、自分の価値観や道徳観で一方的に「良い」「悪い」と裁かない(審判しない)という原則です。利用者は、責められたり非難されたりすると感じると、本当の気持ちや困りごとを話せなくなります。子育てに悩む保護者が「つい怒鳴ってしまう」と打ち明けるのは勇気のいることであり、そこで保育士がすぐに評価を下すと、保護者は相談そのものをやめてしまうかもしれません。まず話を受け止めることで信頼関係が生まれ、そのうえで保護者と一緒に、怒鳴ってしまう背景や具体的な対応を考えていくことができます。なお、非審判的態度は「何でも許す」ことではなく、判断や評価を援助の出発点で押しつけない、という意味です。

他の選択肢が不適切な理由

・統制された情緒的関与:援助者が利用者の感情に敏感に気づき、自分自身の感情を自覚してコントロールしながら、適切に応答することです。善し悪しを判断しないことそのものを指す原則ではありません。
・意図的な感情表出:利用者が、否定的な感情も含めて自由に表現できるよう、援助者が意図的に働きかけることです。
・個別化:利用者を一人ひとり異なる存在としてとらえ、その人に合った援助を行うことです。

【覚え方のポイント】
事例問題では、援助者の行動の「核心」を一語で言い換えて原則を選びます。「評価しない・責めない・裁かない」=非審判的態度、「ありのままを受け止める」=受容、「気持ちを出しやすくする」=意図的な感情表出、「援助者が自分の感情を整える」=統制された情緒的関与、と対応させましょう。
問34-7

バイステックの7原則に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①意図的な感情表出とは、利用者が感情を自由に表現できるよう意図的に関わることである
  • ②秘密保持とは、どのような場合でも他の専門職と利用者の情報を共有しないことである
  • ③統制された情緒的関与とは、援助者が自らの感情を自覚し、適切に応答することである
  • ④利用者の自己決定とは、利用者が自ら選択し決定することを尊重することである
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正解 ②秘密保持とは、どのような場合でも他の専門職と利用者の情報を共有しないことである
解説

秘密保持は、援助の中で知り得た利用者の情報を、正当な理由なく他に漏らさないという原則です。しかし、利用者によりよい援助を行うために、本人の同意を得て関係機関と情報を共有することや、子どもの命や安全が危険にさらされているときに関係機関へ通告・連携することは、秘密保持の原則に反しません。たとえば、児童虐待の防止等に関する法律は、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告の義務を課し、守秘義務に関する法律の規定はこの通告を妨げるものと解釈してはならないと定めています。したがって、「どのような場合でも共有しない」とする記述が誤りです。秘密保持は絶対的なものではなく、利用者の利益と安全を守るためのものだと理解することが大切です。

他の選択肢が適切な理由

・意図的な感情表出:正しい記述です。利用者が怒りや悲しみといった否定的な感情も含めて表現できるよう、援助者が意図して働きかけることです。
・統制された情緒的関与:正しい記述です。援助者は利用者の感情に共感しつつも、自分の感情に巻き込まれないよう自覚し、援助の目的に沿って適切に応答します。
・利用者の自己決定:正しい記述です。自分の生活に関わることは利用者自身が選び決めるという権利を尊重し、そのために必要な情報を提供して支えることです。ただし、本人や他者の生命・安全を損なうような場合など、一定の制限があるとされます。

【覚え方のポイント】
「秘密保持」と「自己決定」は、どちらも大切ですが絶対ではない、という点が頻出です。「どのような場合でも」「必ず」「一切」といった強い限定がついた記述は、例外がないかを必ず確かめましょう。保育士の守秘義務(児童福祉法)と、虐待の通告義務の関係は、保育の現場で最も重要な知識の一つです。
問44-7

アメリカの慈善組織協会での友愛訪問の経験をもとに、『社会診断』や『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』を著し、ケースワークを体系化して「ケースワークの母」と呼ばれる人物はだれか。

  • ①パールマン
  • ②ホリス
  • ③リッチモンド
  • ④ハミルトン
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正解 ③リッチモンド
解説

リッチモンドは、アメリカの慈善組織協会(COS)で友愛訪問に携わった経験から、それまで善意や経験に頼っていた個別の援助を、専門的な知識と方法にもとづくものとして体系化しました。1917年の『社会診断』では、利用者の状況を社会的な証拠にもとづいて把握し判断する方法を示し、1922年の『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』では、ケースワークを、一人ひとりの状況に合わせて人と社会環境との関係を意識的に調整し、その人の人格(パーソナリティ)の成長を促していく過程として説明しました。個人と環境の両方に目を向けるこの考え方は、現在のソーシャルワークにも受け継がれています。

他の選択肢が不適切な理由

・パールマン:ケースワークを問題解決の過程としてとらえる問題解決アプローチを提唱し、ケースワークの構成要素を4つのP(人・問題・場所・過程)で示した人物です。
・ホリス:「状況の中の人」という視点から、利用者の心理的な側面と社会的な状況の両方に働きかける心理社会的アプローチを体系化した人物です。
・ハミルトン:フロイトの精神分析の影響を受けた診断主義の立場から、ケースワークの理論をまとめた人物です。

【覚え方のポイント】
ケースワークの人物は「リッチモンド=母・『社会診断』」「パールマン=4つのP・問題解決アプローチ」「ホリス=状況の中の人・心理社会的アプローチ」と、キーワードと1対1で結びつけて覚えます。リッチモンドの出発点が慈善組織協会(COS)であることは、社会福祉の歴史の問題ともつながっています。
問54-7

問題解決アプローチを提唱し、ケースワークの構成要素を、人(Person)、問題(Problem)、場所(Place)、過程(Process)の「4つのP」で示した人物はだれか。

  • ①ホリス
  • ②パールマン
  • ③ジャーメイン
  • ④トール
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正解 ②パールマン
解説

パールマンは、人が生きていくことは問題を解決していく過程の連続であると考え、ケースワークを、利用者が自分の問題に取り組む力を高めていく問題解決の過程としてとらえました。そして、ケースワークを構成する要素として、援助を求める人(Person)、その人が抱える問題(Problem)、援助が行われる機関などの場所(Place)、援助者と利用者がともに進める過程(Process)の4つを示しました。のちに、専門職(Profession)と制度・資源(Provisions)を加えて6つのPとしています。また、利用者が問題に取り組むためには、動機づけ(Motivation)、能力(Capacity)、機会(Opportunity)が必要であるとも考えました。

他の選択肢が不適切な理由

・ホリス:「状況の中の人」という視点に立ち、心理的な側面と社会的な状況の両方に働きかける心理社会的アプローチを体系化した人物です。
・ジャーメイン:ギッターマンとともに、生態学の考え方を取り入れ、人と環境との相互作用に注目する生活モデル(ライフモデル)を提唱した人物です。
・トール:『コモン・ヒューマン・ニーズ』を著し、人間に共通する基本的な欲求を理解することが公的扶助の担当者にとって大切だと説いた人物です。

【覚え方のポイント】
「パールマン=PPPP(4つのP)」と頭文字で覚えるのが確実です。問題解決アプローチは、診断主義と機能主義という2つの立場を折衷・統合しようとした理論とされ、問題解決の主体は利用者自身である、という考え方が特徴です。
問64-7

ソーシャルワークの理論・アプローチとその内容に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①診断主義アプローチは、ロジャーズの来談者中心療法を理論的基盤とした
  • ②機能主義アプローチは、ランクの意志心理学を理論的基盤とした
  • ③ホリスは、「状況の中の人」という視点で心理社会的アプローチを体系化した
  • ④ジャーメインとギッターマンは、生態学的視点に立つ生活モデルを提唱した
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正解 ①診断主義アプローチは、ロジャーズの来談者中心療法を理論的基盤とした
解説

診断主義アプローチは、フロイトの精神分析を理論的基盤とする立場です。利用者の生育歴などを詳しく調べて問題の原因を「診断」し、その人のパーソナリティの働きを強めることを重視しました。ハミルトンらがこの立場の代表的な論者です。したがって、ロジャーズの来談者中心療法を基盤とする記述は誤りです。ロジャーズはカウンセリングの分野で、クライエント自身が成長する力を信頼し、受容・共感・自己一致といった援助者の態度を重視した人物で、診断主義の理論的基盤ではありません。

他の選択肢が適切な理由

・機能主義アプローチ:正しい記述です。ランクの意志心理学を基盤とし、利用者自身の成長しようとする意志を重視しました。援助を行う機関の機能(何ができる機関か)を明確にし、その範囲の中で利用者が主体的に援助を活用することを大切にした点から、この名前がついています。タフトやロビンソンが代表的な論者です。
・ホリス:正しい記述です。心理社会的アプローチは、診断主義の流れをくみつつ、人とその人を取り巻く状況の両方をとらえる視点を明確にしました。
・ジャーメインとギッターマン:正しい記述です。生活モデルは、人と環境の交互作用に注目し、両者の適合(うまく合っている状態)を高めることをめざします。

【覚え方のポイント】
「診断主義=フロイト(原因を診断)」「機能主義=ランク(利用者の意志・機関の機能)」と、対立した2つの立場を基盤の理論とセットで覚えます。この対立を統合しようとしたのがパールマンの問題解決アプローチ、環境との関係に目を向けたのがジャーメインらの生活モデル、という流れで理解すると整理しやすくなります。
問74-7

差別や抑圧などによって自分の力を発揮できない状態に置かれた人々が、本来もっている力を取り戻し、自分の生活や環境をコントロールできるよう支援するアプローチはどれか。

  • ①危機介入アプローチ
  • ②課題中心アプローチ
  • ③行動変容アプローチ
  • ④エンパワメント・アプローチ
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正解 ④エンパワメント・アプローチ
解説

エンパワメント・アプローチは、社会的に不利な立場に置かれ、差別や抑圧によって「自分には何もできない」という無力な状態(パワーレスな状態)に陥っている人々が、本来もっている力を取り戻し、自分の生活や、自分を取り巻く環境・社会に働きかけていけるよう支援する考え方です。アメリカのソロモンが、黒人のコミュニティへの援助をもとに体系化したことで知られます。援助者が一方的に問題を解決するのではなく、利用者と対等なパートナーとして関わり、利用者自身の強みや、同じ立場の人どうしの支え合いを重視する点が特徴です。保育の場面では、子育てに自信をなくした保護者が、自分の力に気づいて子育てに向き合えるよう支えることにもつながります。

他の選択肢が不適切な理由

・危機介入アプローチ:災害や事故、身近な人の死など、急激な出来事によって危機状態に陥った人に、迅速かつ短期的に介入し、危機以前の状態への回復を図るアプローチです。
・課題中心アプローチ:利用者が取り組む具体的な課題を明確にし、あらかじめ期間を限定して、短期間で課題の達成をめざすアプローチです。
・行動変容アプローチ:学習理論にもとづき、望ましい行動を強化し、望ましくない行動を減らすことで、問題となる行動の変化をめざすアプローチです。

【覚え方のポイント】
アプローチ名はキーワードで結びつけます。「力を取り戻す・抑圧」=エンパワメント、「急な出来事・短期集中」=危機介入、「期間限定・具体的な課題」=課題中心、「学習理論・強化」=行動変容。似た問題が出ても、問題文の中のキーワードを拾えば判断できます。
問84-7

保育士は、子育てに悩む保護者との面談で、保護者の「毎朝欠かさず子どもに声をかけて送り出している」「子どもの好きな遊びをよく知っている」といった点に注目し、それを今後の子育ての工夫に生かせるよう話し合った。この保育士の関わりの基盤となっている考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①医学モデル
  • ②診断主義アプローチ
  • ③ストレングス視点
  • ④行動変容アプローチ
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正解 ③ストレングス視点
解説

ストレングス視点は、利用者の問題点や欠点ではなく、その人がもっている強み(能力、意欲、好み、これまでの経験)や、周囲の人や地域といった環境の強みに注目し、それを支援の中心に据える考え方です。事例の保育士は、保護者が「できていないこと」を指摘するのではなく、すでに「できていること」を見つけて言葉にし、それを今後の工夫につなげようとしています。自分の強みに気づくことで、保護者は自信を取り戻し、主体的に子育てに向き合えるようになります。保育所保育指針の子育て支援でも、保護者の気持ちを受け止め、保護者の子育てを自ら実践する力の向上に資するよう支援することが求められており、この考え方と通じています。

他の選択肢が不適切な理由

・医学モデル:病気を診断して治療するように、利用者の問題や欠点を特定し、それを取り除くことに焦点を当てる見方です。ストレングス視点は、この見方への反省から生まれました。
・診断主義アプローチ:精神分析を基盤に、生育歴などから問題の原因を診断することを重視する立場です。事例のように強みに注目する関わりとは異なります。
・行動変容アプローチ:学習理論にもとづいて行動そのものの変化をめざすアプローチで、強みへの注目を中心とする考え方ではありません。

【覚え方のポイント】
事例に「できていること」「好きなこと」「得意なこと」「支えてくれる人」が出てきたらストレングス視点です。ストレングス視点は、エンパワメントやリカバリーといった考え方とも結びついています。「問題・欠点に注目」の医学モデルと対にして覚えましょう。
問94-7

ソーシャルワークのアプローチに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①危機介入アプローチは、危機にある人に迅速かつ短期的に介入し、以前の状態への回復を図る
  • ②課題中心アプローチは、援助期間を定めずに長期的に関わりながら、課題の解決を図るものである
  • ③行動変容アプローチは、精神分析理論を基盤として、無意識の葛藤への洞察を重視する
  • ④ナラティブ・アプローチは、援助者が客観的事実を確定し、利用者の語りを修正していく
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正解 ①危機介入アプローチは、危機にある人に迅速かつ短期的に介入し、以前の状態への回復を図る
解説

危機介入アプローチは、災害、事故、犯罪被害、身近な人の死など、それまでの対処方法では乗り越えられない出来事に直面して危機状態に陥った人に対し、迅速かつ短期的に集中して介入するアプローチです。危機状態は長く続かず、一定期間のうちに何らかの形で収まるとされるため、その間にタイミングよく支援し、少なくとも危機以前の機能の水準まで回復することをめざします。リンデマンやキャプランの研究が理論的な基礎になっています。

他の選択肢が不適切な理由

・課題中心アプローチ:誤りです。リードとエプスタインが体系化したこのアプローチは、利用者が取り組む具体的な課題を明確にし、あらかじめ期間を限定して、短期間で達成をめざすことが特徴です。「期間を定めず長期的に」は逆です。
・行動変容アプローチ:誤りです。精神分析理論ではなく、学習理論(オペラント条件づけなど)を基盤とし、観察できる行動に注目して、望ましい行動を強化することで行動の変化をめざします。
・ナラティブ・アプローチ:誤りです。利用者の語り(物語)を尊重し、利用者を縛っている支配的な物語(ドミナント・ストーリー)を、利用者とともに新しい物語(オルタナティブ・ストーリー)へと書き換えていくアプローチです。援助者が「客観的事実」を確定して語りを修正するものではありません。

【覚え方のポイント】
「危機介入=迅速・短期・危機以前へ回復」「課題中心=期間限定・具体的課題」「行動変容=学習理論」「ナラティブ=語り・物語の書き換え」と、各アプローチの基盤と特徴を一語ずつで押さえます。「長期的」「精神分析」「客観的事実」のように、特徴と正反対の語が入っていないかを確かめると、誤りを見抜けます。
問104-7

次のA〜Dのうち、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に関する記述として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 2014年に、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会で採択された。
B 社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなすとされている。
C ソーシャルワークの知の基盤の一つとして、地域・民族固有の知が挙げられている。
D この定義は、各国や世界の各地域で展開することを認めず、全世界で同一の内容で用いることを求めている。

  • ①A○ B× C○ D×
  • ②A× B○ C○ D○
  • ③A○ B○ C○ D×
  • ④A○ B○ C× D○
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正解 ③A○ B○ C○ D×
解説

A:○。ソーシャルワーク専門職のグローバル定義は、2014年7月にメルボルンで開かれた国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会で採択されました。それ以前の2000年の定義を改めたものです。
B:○。定義は、ソーシャルワークを、社会変革と社会開発、社会的結束、人々のエンパワメントと解放を促進する実践にもとづいた専門職であり学問であるとし、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重の諸原理がその中核をなすとしています。「集団的責任」は、人々が互いに、また環境に対して責任を持ち合うという考え方で、2014年の定義で新たに強調された点です。
C:○。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学とともに、地域・民族固有の知を基盤とすることが明記されています。西洋の理論だけを普遍的なものとせず、各地域の人々の知恵や文化を尊重する姿勢の表れです。
D:×。定義は、各国や世界の各地域で展開してもよいとしています。日本でも、この定義を土台にした日本独自の展開が検討・作成されています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B× C○ D×:Bを×としている点が誤りです。
・A× B○ C○ D○:Aを×、Dを○としている点が誤りです。
・A○ B○ C× D○:Cを×、Dを○としている点が誤りです。

【覚え方のポイント】
グローバル定義は「2014年・IFSWとIASSW」「中核の原理=社会正義・人権・集団的責任・多様性尊重」「地域・民族固有の知」「各地域での展開を認める」の4点で押さえます。「集団的責任」「地域・民族固有の知」は2014年の定義の特徴として出題されやすい語です。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 社会福祉の一問一答

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