2026年版・7-8

事故防止と安全管理の一問一答

保育士 筆記試験「子どもの保健」から、事故防止と安全管理に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-8

「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」に示された、睡眠中の乳児の窒息リスクを除去する方法として、誤っているものはどれか。

  • ①医学的な理由で医師からうつぶせ寝を勧められている場合以外は、顔が見える仰向けに寝かせる
  • ②寝返りをしても安全なように、やわらかい布団やぬいぐるみで子どもの体のまわりを囲んでおく
  • ③よだれかけのヒモやベッドまわりのコードなど、ヒモやヒモ状のものを子どものそばに置かない
  • ④子どもの数や職員の数に合わせて、定期的に子どもの呼吸・体位、睡眠状態を点検するようにする
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正解 ②寝返りをしても安全なように、やわらかい布団やぬいぐるみで子どもの体のまわりを囲んでおく
解説

「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」(2016年3月)は、睡眠中の乳児の窒息リスクの除去の方法として、「やわらかい布団やぬいぐるみ等を使用しない」ことを挙げています。やわらかい布団やぬいぐるみは、乳児の顔が埋まったり口や鼻をふさいだりして、窒息の原因になります。体のまわりを囲んでおくという対応は、安全のつもりでもかえって危険を高めるため誤りです。敷布団は硬めのものを使い、顔のまわりに物を置かないことが基本です。

他の選択肢が適切な理由

・医学的な理由がある場合以外は顔が見える仰向けに寝かせる:正しい記述です。ガイドラインは、何よりも一人にしないこと、寝かせ方に配慮を行うこと、安全な睡眠環境を整えることが事故の未然防止につながるとしています。
・ヒモやヒモ状のものを置かない:正しい記述です。よだれかけのヒモ、ふとんカバーの内側のヒモ、ベッドまわりのコードなどが例示されています。
・定期的に呼吸・体位、睡眠状態を点検する:正しい記述です。呼吸停止などの異常が起きた場合の早期発見のための工夫とされています。このほか、睡眠前に口の中に異物や嘔吐物がないか確認することも示されています。

【覚え方のポイント】
睡眠中の窒息予防は「仰向け」「やわらかい物を置かない」「ヒモを置かない」「口の中を確認」「定期的に点検」の5点です。「一人にしない」という大原則とあわせて覚えておきましょう。
問27-8

保育所でプール活動・水遊びを行う際の安全管理として、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、役割分担を明確にする
  • ②指導を担当する保育士が、子どもに泳ぎを教えながら全体の監視もあわせて行うようにする
  • ③浅いプールでは溺れる心配がないので、監視役を置かずに子どもだけで遊ばせる
  • ④監視の人数が足りない日でも、予定どおりにプール活動を行うことを優先させる
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正解 ①専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、役割分担を明確にする
解説

ガイドラインは、プール活動・水遊びを行う場合は、監視体制の空白が生じないように、専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、その役割分担を明確にすることを求めています。あわせて、注意すべきポイントとして、監視者は監視に専念する、監視エリア全域をくまなく監視する、動かない子どもや不自然な動きをしている子どもを見つける、規則的に目線を動かしながら監視する、十分な監視体制の確保ができない場合については、プール活動の中止も選択肢とする、時間的余裕をもってプール活動を行う、などを示しています。子どもの溺水は、声を上げたり暴れたりせず、静かに短時間で起こることが多いため、監視だけに集中する人が必要なのです。

他の選択肢が不適切な理由

・指導しながら全体の監視もあわせて行う:指導に気を取られると監視に空白が生じます。監視と指導は別の職員が担当します。
・浅いプールでは監視役を置かない:幼児は転倒しやすく、浅い水でも溺れることがあります。水深にかかわらず監視は欠かせません。
・監視の人数が足りない日でも予定どおり行う:ガイドラインは、十分な監視体制の確保ができない場合にはプール活動の中止も選択肢とするとしています。

【覚え方のポイント】
プールの安全は「監視と指導を分ける」「監視者は監視に専念」「体制が組めなければ中止も選択肢」の3点で覚えます。保育所保育指針第3章でも、プール活動・水遊び中は睡眠中・食事中と並んで重大事故が発生しやすい場面とされています。
問37-8

「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」で、過去に誤嚥・窒息などの事故が起きた食材として例示され、誤嚥を引き起こす可能性について保護者に説明し、使用しないことが望ましいとされているものの組み合わせはどれか。

  • ①薄く切ったりんご・細かくほぐした白身魚
  • ②細かく刻んだにんじん・やわらかく煮た大根
  • ③おかゆ・とろみをつけた野菜スープ
  • ④白玉風のだんご・丸のままのミニトマト
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正解 ④白玉風のだんご・丸のままのミニトマト
解説

ガイドラインは、食事中の誤嚥について、「過去に、誤嚥、窒息などの事故が起きた食材(例:白玉風のだんご、丸のままのミニトマト等)は、誤嚥を引き起こす可能性について保護者に説明し、使用しないことが望ましい」としています。弾力があってかみ切りにくいもの、つるっとしていて丸く、のどにぴったりはまってしまう大きさのものは、乳幼児の窒息事故の原因になりやすい食材です。乳幼児は奥歯が生えそろわずすりつぶす力が弱いうえ、食べながら遊んだり泣いたりすることもあるため、食材の選び方と調理の工夫、そして食事中の見守りが欠かせません。

他の選択肢が不適切な理由

・細かく刻んだにんじん・やわらかく煮た大根:大きさや硬さを調整しており、窒息の危険が高い食材の例ではありません。
・おかゆ・とろみをつけた野菜スープ:飲み込みやすいように配慮された形態の食事で、使用を避けるべき食材の例ではありません。
・薄く切ったりんご・細かくほぐした白身魚:大きさや形を調整しています。なお、りんごなども切り方や年齢によっては注意が必要であり、子どもの咀嚼・嚥下の発達に合わせた調理が大切です。

【覚え方のポイント】
窒息しやすい食材は「丸い・つるつる・弾力がある・かみ切りにくい」が共通点で、ガイドラインの例示は「白玉風のだんご」と「丸のままのミニトマト」です。食事中は、子どもの表情が見える位置で見守る、一口の量を多くしない、水分をとりながら食べる、といった食べ方の支援もあわせて押さえておきましょう。
問47-8

玩具や小物の誤嚥による事故の防止について、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」に照らして誤っているものはどれか。

  • ①窒息の可能性がある大きさや形の玩具は、乳児のいる室内に置かないか手に触れない場所に置く
  • ②手先を使う遊びには、部品が外れない工夫をしたものを使い、子どもの行動に合ったものを与える
  • ③髪ゴムの飾りなど子どもが身につけている物は家庭の問題なので、保育所では確認しなくてよい
  • ④窒息の危険があった玩具や、過去の事例と似た形の玩具は、施設内で情報を共有して取り除く
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正解 ③髪ゴムの飾りなど子どもが身につけている物は家庭の問題なので、保育所では確認しなくてよい
解説

ガイドラインは、玩具・小物等の誤嚥について、「子どもが、誤嚥につながる物(例:髪ゴムの飾り、キーホルダー、ビー玉や石など)を身につけている場合もあり、これらの除去については、保護者を含めた協力を求める」としています。子どもが身につけている物や、ポケットに入れて持ってきた物が誤嚥の原因になることもあるため、保育所でも確認し、保護者にも協力を求める必要があります。「家庭の問題なので確認しなくてよい」という記述は誤りです。

他の選択肢が適切な理由

・窒息の可能性がある玩具は乳児のいる室内に置かない、手に触れない場所に置く:正しい記述です。ガイドラインは、口に入れると咽頭部や気管が詰まる等窒息の可能性のある大きさ・形状の玩具や物について、これを徹底するよう求めています。
・部品が外れない工夫をしたものを使い、子どもの行動に合ったものを与える:正しい記述です。
・窒息の危険があった玩具などは情報を共有して取り除く:正しい記述です。ヒヤリとした経験も含めて職員間で共有することで、同じ危険を繰り返さずに済みます。

【覚え方のポイント】
玩具の誤嚥防止は「置かない(乳児の手の届く所に)」「外れない(部品)」「持ち込ませない(身につける物は保護者と協力)」「共有して取り除く(危険な玩具)」の4つで覚えます。乳児は何でも口に入れて確かめる時期であることを前提に、環境を点検することが大切です。
問57-8

次の文は、保育所保育指針第3章「健康及び安全」の一部である。(A)〜(C)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
「事故防止の取組を行う際には、特に、(A)、プール活動・水遊び中、(B)等の場面では重大事故が発生しやすいことを踏まえ、子どもの(C)を大切にしつつ、施設内外の環境の配慮や指導の工夫を行うなど、必要な対策を講じること。」

  • ①A 睡眠中 B 食事中 C 主体的な活動
  • ②A 睡眠中 B 散歩中 C 安全な生活
  • ③A 登降園時 B 食事中 C 主体的な活動
  • ④A 登降園時 B 散歩中 C 安全な生活
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正解 ①A 睡眠中 B 食事中 C 主体的な活動
解説

保育所保育指針第3章3(2)イは、「事故防止の取組を行う際には、特に、睡眠中、プール活動・水遊び中、食事中等の場面では重大事故が発生しやすいことを踏まえ、子どもの主体的な活動を大切にしつつ、施設内外の環境の配慮や指導の工夫を行うなど、必要な対策を講じること」としています。睡眠中(窒息・乳幼児突然死症候群など)、プール活動・水遊び中(溺水)、食事中(誤嚥・窒息、食物アレルギー)は、死亡などの重大事故につながりやすい場面です。一方で、危険を避けるために子どもの活動を過度に制限するのではなく、主体的な活動を大切にしながら、環境や指導を工夫することが求められている点が大切です。

他の選択肢が不適切な理由

・A 睡眠中 B 散歩中 C 安全な生活:散歩など園外活動でも安全への配慮は必要ですが、指針のこの部分で挙げられているのは食事中です。Cも「主体的な活動」が正しい語句です。
・A 登降園時 B 食事中 C 主体的な活動:Aは睡眠中が正しい語句です。
・A 登降園時 B 散歩中 C 安全な生活:3か所とも誤っています。

【覚え方のポイント】
重大事故が起きやすい3場面は「寝る・水・食べる」(睡眠中・プール活動・水遊び中・食事中)と覚えます。「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」も、この3場面に誤嚥(玩具・小物等)と食物アレルギーを加えて注意事項を示しています。
問67-8

教育・保育施設等で発生した事故のうち、国が定める事故報告の対象となる重大事故の範囲として、正しいものはどれか。

  • ①死亡事故のみであり、負傷や疾病を伴う事故はすべて報告の対象としない
  • ②死亡事故と、治療に要する期間が14日以上の負傷や疾病を伴う事故など
  • ③医療機関を受診した事故のすべてと、保護者から苦情のあった事故など
  • ④死亡事故と、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う事故など
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正解 ④死亡事故と、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う事故など
解説

保育所などの教育・保育施設等における事故の報告に関する国の通知は、報告の対象となる重大事故として、死亡事故や、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う事故などを定めています。意識不明となった事故も報告の対象です。報告は、施設から市町村などの自治体を通じて国に集められます。重大事故を国が集約するのは、個々の施設の事故を「その施設だけの問題」で終わらせず、原因を分析して全国の再発防止策に生かすためです。

他の選択肢が不適切な理由

・治療に要する期間が14日以上:報告の対象となる期間は30日以上です。14日という基準はありません。
・医療機関を受診した事故のすべてと、苦情のあった事故:受診したすべての事故が国への報告対象となるわけではありません。ただし、事故が発生した場合には、速やかに市町村や子どもの家族等に連絡を行う必要があります。
・死亡事故のみ:治療に30日以上を要する負傷や疾病を伴う事故なども報告の対象です。

【覚え方のポイント】
重大事故の報告は「死亡」と「治療30日以上(意識不明を含む)」の2つが対象と覚えます。報告の対象にならない軽い事故やヒヤリ・ハットも、施設内で記録・分析して事故予防に活用することが大切です。
問77-8

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準に定める保育所の安全計画に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①設備の安全点検や安全に関する指導、職員の研修・訓練などについて安全計画を策定する
  • ②職員に対して安全計画を周知するとともに、研修及び訓練を定期的に実施する
  • ③安全計画は施設長だけが把握していればよく、保護者に内容を周知する必要はない
  • ④定期的に安全計画の見直しを行い、必要に応じて安全計画の変更を行うものとする
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正解 ③安全計画は施設長だけが把握していればよく、保護者に内容を周知する必要はない
解説

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第6条の3第3項は、「保育所及び児童発達支援センターは、児童の安全の確保に関して保護者との連携が図られるよう、保護者に対し、安全計画に基づく取組の内容等について周知しなければならない」と定めています。「施設長だけが把握していればよく、保護者への周知は不要」という記述は誤りです。子どもの安全は保育所の中だけでは守りきれず、家庭での安全教育や、登降園時の約束ごとなど、保護者と協力して取り組む必要があるためです。安全計画の策定は、2023年4月から全ての保育所に義務付けられています。

他の選択肢が適切な理由

・安全点検・安全に関する指導・研修や訓練について安全計画を策定する:同条第1項のとおりで正しい記述です。施設外での活動や取組も含めて計画することが求められています。
・職員に周知し、研修及び訓練を定期的に実施する:同条第2項のとおりで正しい記述です。
・定期的に見直し、必要に応じて変更する:同条第4項のとおりで正しい記述です。計画をつくって終わりにせず、振り返って改善していくことが求められています。

【覚え方のポイント】
安全計画は「策定する(第1項)」「職員に周知・研修や訓練(第2項)」「保護者に周知(第3項、保育所など)」「見直す(第4項)」の4段階で覚えます。保護者への周知が求められているのは保育所と児童発達支援センターである点も押さえておきましょう。
問87-8

乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が亡くなる、原因の分からない病気である
  • ②睡眠中の窒息事故の一種であり、仰向けに寝かせれば完全に防ぐことができる
  • ③うつぶせに寝かせたときのほうが、仰向けのときより発症率が高くなる
  • ④日本では生後2か月から6か月に多く、まれに1歳以上で発症することもある
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正解 ②睡眠中の窒息事故の一種であり、仰向けに寝かせれば完全に防ぐことができる
解説

保育所保育指針解説は、乳幼児突然死症候群(SIDS)を「何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る、原因の分からない病気で、窒息などの事故とは異なる」と説明しています。また、こども家庭庁も、SIDSの予防方法は確立していないとしたうえで、発症率を低くするためのポイントとして、1歳になるまでは仰向けに寝かせる、できるだけ母乳で育てる、たばこをやめるの3つを示しています。仰向け寝は発症率を下げますが「完全に防げる」わけではなく、「窒息事故の一種」という説明も誤りです。ただし、仰向けに寝かせ、一人にせず、安全な睡眠環境を整えることは、窒息事故の予防にもつながります。

他の選択肢が適切な理由

・何の予兆や既往歴もないまま亡くなる、原因の分からない病気:正しい記述です。
・生後2か月から6か月に多く、まれに1歳以上でも発症する:正しい記述です。指針解説は、日本での発症頻度はおよそ出生6,000〜7,000人に1人と推定されるとしています。
・うつぶせ寝のほうが発症率が高い:正しい記述です。SIDSは仰向けでもうつぶせでも発症しますが、研究によりうつぶせに寝かせたときのほうが発症率が高いことが分かっています。

【覚え方のポイント】
SIDSは「原因不明の病気(窒息とは別)」「生後2〜6か月に多い」「リスクを下げる3つ=仰向け・母乳・禁煙」と覚えます。「予防法が確立していない」「完全には防げない」という点がひっかけになりやすいので注意しましょう。
問97-8

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準に基づき、保育所が園外活動のために子どもを自動車に乗せて移動する場合の対応として、正しいものはどれか。

  • ①子どもの乗車と降車の際に、点呼などの確実な方法で子どもの所在を確認する
  • ②運転する職員が出発前に一度だけ人数を数えておけば、降車時の確認は必要ない
  • ③子どもの所在の確認は、保護者の同意が得られた場合に限って行えばよい
  • ④近い距離の移動であれば、子どもの所在の確認は省略してもかまわない
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正解 ①子どもの乗車と降車の際に、点呼などの確実な方法で子どもの所在を確認する
解説

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第6条の4第1項は、児童福祉施設が、児童の施設外での活動、取組等のための移動その他の児童の移動のために自動車を運行するときは、「児童の乗車及び降車の際に、点呼その他の児童の所在を確実に把握することができる方法により、児童の所在を確認しなければならない」と定めています。送迎バスや園外活動の車内に子どもが取り残され、熱中症で亡くなる痛ましい事故が起きたことを受けて設けられた規定です。乗るときと降りるときの両方で確認することで、「乗ったはずの子どもが降りていない」ことに確実に気付けるようにしています。さらに同条第2項では、保育所等の送迎用の自動車に、見落としを防止する装置を備えることなども定められています。

他の選択肢が不適切な理由

・出発前に一度だけ数えれば降車時の確認は不要:確認は乗車時と降車時の両方で必要です。降車時の確認こそが置き去りを防ぐ要です。
・保護者の同意が得られた場合に限り行う:所在の確認は子どもの安全を守るための施設の義務であり、保護者の同意の有無に左右されるものではありません。
・近い距離の移動なら省略してよい:距離による例外は定められていません。短い移動でも、車内に取り残されれば命に関わります。

【覚え方のポイント】
自動車での移動は「乗るとき・降りるときに点呼で確認」と覚えます。安全計画(第6条の3)と、自動車運行時の所在確認(第6条の4)は、いずれも子どもの安全確保のために近年設けられた規定として、セットで押さえておきましょう。
問107-8

散歩中、歩道を歩いていた2歳児が、急に車道側へ走り出しそうになったが、そばにいた保育士が手をつないで止め、事故には至らなかった。このような事例への保育所の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①事故には至らず誰も負傷していないので、担当した保育士の個人的な反省メモにとどめる
  • ②ヒヤリ・ハット事例として記録し、要因を分析して職員間で共有し、事故防止に生かす
  • ③同じことが起きないよう、2歳児クラスの散歩は当面の間すべて取りやめることにする
  • ④保護者に不安を与えないよう、この件の共有は同じクラスの担任の間だけにとどめる
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正解 ②ヒヤリ・ハット事例として記録し、要因を分析して職員間で共有し、事故防止に生かす
解説

事故には至らなかったものの、あと一歩で事故になるところだった事例をヒヤリ・ハット事例といいます。「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」は、職員が重大事故の発生するリスクがあった場面に関わった場合にはヒヤリハット報告を作成して施設に提出し、施設は集められた報告について要因分析を行って事故防止対策を講じ、その対策を研修などを通じて職員に周知する、という組織的な取組みを示しています。大きな事故の背景には多くの小さなヒヤリ・ハットが隠れているとされ、それを職員全体で共有して対策を立てることが、重大事故を防ぐ確実な方法です。今回の例なら、散歩の経路や歩道の幅、職員の配置、子どもと手をつなぐ位置などを見直すことにつながります。

他の選択肢が不適切な理由

・担当した保育士の個人的な反省メモにとどめる:個人の反省で終わらせると、同じ危険が他の職員の担当のときに繰り返されるおそれがあります。報告として施設に集め、要因を分析して全体で共有することが必要です。
・2歳児クラスの散歩を当面すべて取りやめる:活動そのものをなくすのは、原因を分析して環境や体制を見直すことになりません。保育所保育指針も、子どもの主体的な活動を大切にしつつ、環境の配慮や指導の工夫などの対策を講じることを求めています。
・共有を同じクラスの担任の間だけにとどめる:散歩には他のクラスの職員も関わります。情報を一部にとどめると再発防止を妨げ、隠すような対応は保護者との信頼関係も損ないます。

【覚え方のポイント】
ヒヤリ・ハットは「報告(記録)→要因分析→対策→職員全体への周知→見直し」の流れで覚えます。「事故にならなかったからよかった」「個人の反省で済ませる」「活動をやめてしまう」のいずれでもなく、組織として分析し、活動を続けながら安全を高めるのが保育所の安全管理の基本です。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 子どもの保健の一問一答

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