次のA〜Dの、家族を理解するための考え方や方法に関する記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 家族システム論では、家族の中で起きている問題を、原因から結果へ一方向に進むものとしてではなく、家族成員どうしが互いに影響し合う円環的な関係の中でとらえる。
B ジェノグラムは、家族と、学校・医療機関・近隣などの社会資源との関係を線で結んで表した図である。
C 家族ライフサイクル論では、家族にも結婚、子どもの誕生、子どもの巣立ちなどの段階があり、それぞれの段階に発達課題があると考える。
D 家族システム論では、問題を示している家族成員をIP(患者とみなされた人)と呼び、その人だけを支援の対象とする。
- ①A○ B○ C× D×
- ②A× B× C○ D○
- ③A○ B× C○ D×
- ④A○ B× C○ D○
答えと解説を見る
正解は「A○ B× C○ D×」です。
・A:○。家族システム論は、家族を、成員どうしが影響し合う一つのまとまり(システム)とみなします。例えば「子どもが登園を渋る→母親が不安になる→父親が母親を責める→子どもがさらに不安定になる」のように、原因と結果が輪のようにつながる円環的因果律で問題をとらえます。
・B:×。家族と社会資源との関係を表す図はエコマップ(生態地図)です。ジェノグラムは、三世代以上の家族の構成や関係を、決められた記号で表す家族図です。
・C:○。家族ライフサイクル論は、個人と同じように家族にも発達の段階があり、段階ごとに乗り越える課題があるとする考え方です。第一子の誕生は、夫婦2人の生活から親としての役割を担う段階への移行にあたります。
・D:×。家族システム論では、問題を示している人をIP(Identified Patient:患者とみなされた人)と呼びますが、その人だけに原因があるとは考えません。IPの問題は家族全体の関係のあり方の表れととらえ、家族全体を支援の対象とします。
他の選択肢が不適切な理由
・A○ B○ C× D×:エコマップの説明をジェノグラムとしたBを正しいとし、家族ライフサイクル論Cを誤りとしています。
・A× B× C○ D○:円環的因果律の説明Aを誤りとし、IPだけを支援するというDを正しいとしています。
・A○ B× C○ D○:Dを正しいとした組み合わせです。IPという呼び方自体が「本人だけの問題ではない」という考え方から生まれた言葉です。
【覚え方のポイント】
ジェノグラムは「家族の中(世代のつながり)」、エコマップは「家族の外(社会資源とのつながり)」を描く図です。家族システム論は「犯人探しをしない」考え方、と覚えておくと、直線的因果や「IPだけを治す」というひっかけに気付けます。